「MTF Liquidity Stack」は、まだ取られていない高値と安値を一枚にまとめるインジケーター
「MTF Liquidity Stack」は、チャートの上下に残っている「まだ価格が通過していない高値と安値」を水平線で示すTradingViewのインジケーターです。こうした高値・安値の外側には損切りや新規の逆指値が集まりやすく、トレーダーの間では「流動性(リクイディティ)」と呼ばれています。
このインジケーターの特徴は性質の違う4種類の高値・安値を同じルールで扱うところです。最大5つの上位足のスイング高値・安値、アジア・ロンドン・ニューヨークの各セッションの高値・安値、そして前日高値(PDH)と前日安値(PDL)です。これらが同じ価格に重なると、線は1本にまとまり、右端のタグが「1h+4h+PDH」のように繋がります。

実際にビットコインの5分足から週足まで7つの時間足で表示してみました。最初に感じたのは、線もタグも細く小さく、チャートがほとんど汚れないことです。そのぶん初期設定のタグは本当に小さいので、ノートPCなどの画面では少し大きくしたくなるでしょう。
まずは全体像です。図の①のように、上に抜かれていない高値は赤い線、図の②のように、割られていない安値は緑の線で右へ伸び続けます。価格が線を越えると、図の③のとおり線は灰色に変わり、その足で止まります。
未消化の高値・安値が一枚の地図になる
赤と緑の線は、まだ価格が通過していない高値と安値です。灰色の線は、すでに抜かれたものです。
Vowars DE ver.3.12.33
見るものはこの「残っている線」と「消えた線」の2つだけで、売買のサインは出ません。どこに流動性が残っていて、どこがすでに取られたのか。その地図を、上位足やセッションの情報を重ねた状態で手早く作るためのインジケーターだと考えると、使いどころが見えてきます。
線の色とタグの読み方
最初に、画面に出る要素の意味を整理しておきます。色の意味は単純ですが、セッションのタグが付いた線だけは例外があるので、ここは読み飛ばさないでください。
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| 赤い線(初期値) | 上抜かれていない高値。現在の足まで右へ伸びる |
| 緑の線(初期値) | 割られていない安値。現在の足まで右へ伸びる |
| 灰色の線 | 価格に抜かれた消化済みの線。抜かれた足で止まり、タグは線の中央に残る |
| セッションの色の線 | Asia・London・New Yorkのタグを含む線。高値でも安値でもセッションの色になり、抜かれたあともその色のまま |
| ⊙と、その上(安値なら下)のタグ | 線の起点。高値・安値を付けたチャート上の足を指す |
| 右端のタグ | その価格の根拠。複数あると「+」でつながる |
右端のタグは現在の足の3本先に表示されます。タグの文字は時間足なら「1h」「4h」「1D」、セッションなら設定した名前、前日の高値・安値なら「PDH」「PDL」です。
初期設定では、Asiaの色が安値と同じ緑、Londonの色が高値と同じ赤になっています。セッションの色は高値・安値の色より優先されるので、価格の上にある緑の線がアジア時間の高値だったということが起きます。
私も最初は上にある緑の線を見て「安値が残っている?」と勘違いしました。セッションの色を黄色やオレンジなど、高値・安値と被らない色に変えておくと読み違えがなくなります。なお、複数のセッション名が付いた線は、New York、London、Asiaの順に色が優先されます。
4つの根拠と、重なったときの「スタック」
「MTF Liquidity Stack」が線を引く根拠は4種類です。どれも「高値・安値を水平線にする」という点は同じですが、線が生まれるタイミングと消える条件が少しずつ違います。
上位足のスイング高値・安値
メインとなるのは、最大5つの時間足から拾うスイングです。判定は3本の足で行い、真ん中の足の高値が左右の足より高ければスイング高値、安値が左右より低ければスイング安値です。1時間足なら1時間足を3本、4時間足なら4時間足を3本並べて判定します。
うれしいのは、線の起点が上位足の足ではなく、チャート上でその高値・安値を実際に付けた足に置かれることです。15分足に1時間足の高値を表示すると、1時間足の中の4本の15分足のうち、ヒゲが一番上まで伸びた足から線が始まります。⊙の印もその足に付くので、どのローソク足の高値なのか迷いません。
残す本数はLevelsで決まり、初期値は5本です。数え方は「時間足のタグごと、高値と安値それぞれ」なので、1hと4hと1Dをオンにしていれば、最大で高値15本・安値15本が並ぶことになります。
アジア・ロンドン・ニューヨークのセッション
セッションの線は、その時間帯が終わった足で追加されます。時間帯の中では何も描かれず、図の①のように、アジア時間が終わった足でその時間帯の高値と安値が記録されます。図の②のロンドンの安値が赤なのは、前の章で触れたセッション色の優先によるものです。図の③のNY時間の高値はまだ抜かれていないので青のまま伸びています。
3つのセッションが終わるたびに高値・安値が残る
セッション中は何も描かれず、終わった足でその時間帯の高値と安値が線になります。
Vowars DE ver.3.12.33
時間帯はUTCで決められていて、初期値のMode(Full)では次のとおりです。日本時間での目安も並べておきます。
| セッション | Full(UTC) | Full(日本時間) | AM(UTC) | AM(日本時間) |
|---|---|---|---|---|
| Asia | 22:00〜7:00 | 7:00〜16:00 | 0:00〜4:00 | 9:00〜13:00 |
| London | 7:00〜15:30 | 16:00〜翌0:30 | 6:00〜9:00 | 15:00〜18:00 |
| New York | 13:30〜20:00 | 22:30〜翌5:00 | 13:30〜15:00 | 22:30〜翌0:00 |
ModeをAMにすると、3つのセッションがまとめて午前の短い時間帯に切り替わります。各セッションの前半の数時間に付いた高値・安値だけを見たいときに使います。
前日高値(PDH)と前日安値(PDL)
PDHとPDLは、日付が変わった足で追加されます。図の①の破線が日付の切り替わりで、ここで前日の高値と安値が線になります。図の②のように線は前日の高値を付けた足から引かれ、図の③では前日安値が当日の下落で割られて灰色になりました。
日付が変わった瞬間に、前日の高値・安値が引かれる
PDHとPDLは日付が変わった足で追加され、起点は前日の高値・安値を付けた足になります。
Vowars DE ver.3.12.33
日付の区切りは後述するUTCの設定に従います。初期値のUTC+0なら、日本時間の朝9時に前日が締まる計算です。
同じ価格に重なると1本にまとまる
ここがインジケーター名の「Stack」の部分です。新しい高値・安値がすでにある線と同じ側(高値なら高値)で、同じ価格だった場合、線は増えずにタグだけが足されます。
1本の高値の履歴を追うと分かりやすいです。図の①でロンドン時間が終わり「London」の線として登場し、図の②で1時間足と4時間足のスイングが合流して「London+1h+4h」になりました。そのあとNYのタグも加わりましたが、図の③の日付の切り替わりでセッション名が外れ、代わりにPDHが付いています。
1本の高値に根拠が積み重なり、日付で入れ替わる
同じ価格の線は1本のまま、タグだけが「+」で増えていきます。
Vowars DE ver.3.12.33
4時間足の高値は必ずどれかの1時間足の高値でもあります。そのため4時間足のスイングはたいてい1時間足のスイングと同じ価格になり、「1h+4h」のタグはごく自然に生まれます。
タグの数が多いほど強い価格帯、と単純に数えるより、「どの時間足まで含むか」と「セッションやPDH/PDLのように別の基準が重なっているか」を見るほうが、実際の重みに近いと感じました。1h+4h+1Dのように日足まで並ぶ線や、上位足とPDHが重なる線は、私は特に注意して見ています。
もう一つ覚えておきたいのは、重なりの判定が価格の完全一致だという点です。1ティックでもずれていれば別の線になるので、ほぼ同じ高さに線が2本並ぶこともあります。数ティックの差は同じ価格帯として読むのが現実的です。

抜かれたら「消化済み」、判定はヒゲで行う
線が灰色になる条件は、高値の線なら足の高値が線を上回った時、安値の線なら足の安値が線を下回ったときです。終値は見ていません。図の①の足は下ヒゲで2本の安値をまとめて割り、終値は大きく戻しましたが、それでも両方の線が消化済みになっています。
ヒゲで1ティックでも抜けたら「消化済み」
判定に使うのは終値ではなく高値・安値です。ヒゲが届いた時点で線は止まります。
Vowars DE ver.3.12.33
図の②のように、抜かれた線はその足で止まり、タグは線の中央へ移ります。図の③では、スイープした足の安値そのものが、今度は新しい安値の線として引かれました。こうして「取られた流動性」と「新しくできた流動性」が入れ替わっていく様子を、そのまま目で追えます。
細かい点ですが、判定は「上回る」「下回る」なので、線とまったく同じ価格でぴたりと止まった足では消化になりません。また、線が追加されたその足ではまだ判定せず、次の足から判定が始まります。
線が灰色になったのは、その価格の流動性が取られたという記録です。そこから反転するのか、抜けた方向へ走るのかは、スイープ後の足の動きを見て決めることになります。下ヒゲで割ってすぐ戻すのか、実体で割って戻らないのか。この違いを見るための材料として使うのが基本です。
消化済みの線はHistoryをオフにすると最新の1本だけを残して消えます。過去のスイープの位置も見たいならオンのまま、現在の未消化ラインだけに集中したいならオフ、という使い分けができます。
線が出るタイミングと、リアルタイムで起きること
上位足のスイングは、3本目の足が確定するまで判定できません。そのため線は高値・安値を付けた上位足の、次の上位足が確定した時点で初めて表示されます。
図の①の15分足が1時間足の高値を付け、図の②の次の1時間足がその高値を超えずに終わりました。線が現れるのは図の③の足ですが、引かれる位置は⊙の足までさかのぼります。
線は確定を待ってから、高値の足までさかのぼって引かれる
左右の足より高い1時間足が確定するまで、線は出ません。出たときには⊙の足から始まっています。
Vowars DE ver.3.12.33
1時間足なら最短でも1時間強、4時間足なら4時間強、日足なら丸1日以上、高値を付けてから線が出るまでに時間がかかります。過去チャートを眺めると、線がきれいに高値の足から始まっているので見落としがちですが、その線が実際に画面に現れたのは、ずっと後です。過去の反応を検証するときは、この遅れを差し引いて考える必要があります。
上位足のスイングは形成中の上位足の値も使って判定されています。リアルタイムでは、次の上位足が始まった直後に、その足の高値がまだ前の足に届いていない段階でスイングと判定され、確定を待たずに線が出ることがあります。
その上位足がのちに前の足の高値を超えると、線はすぐに抜かれて灰色になります。こうした線はチャートを読み込み直すと過去の確定した値で計算し直されるため、消えてしまいます。リアルタイムで見ていた灰色の線が、読み込み直したあとには無い。そんな違いが出るのはこのためです。
セッションの線とPDH/PDLはチャートの足だけで計算しているので、この影響は受けません。
つまり、過去チャートに残っている線は確定した上位足だけで引かれたもので、リアルタイムの画面にはそれより早く出た線と、その中で抜かれた灰色の線が混ざります。上位足の線が出た直後は、その上位足が確定するまで「仮の線」として扱うのが安全です。
Autoが選ぶ上位足は、チャートの時間足で変わる
Autoがオンのとき、チャートの時間足と同じか短い時間足は、自動で一つ上の時間足に繰り上げられます。同じ時間足が重なった場合は、もともと上位足として指定していたほうが優先され、繰り上げた側は使われません。初期設定(TF 1〜3がオン)で、チャートの時間足ごとにどのタグが出るかをまとめました。
| チャートの時間足 | 表示される上位足のタグ | 補足 |
|---|---|---|
| 1分足〜30分足 | 1h、4h、1D | 初期設定のまま3つとも使われる |
| 1時間足 | 4h、1D | 1hが4hに繰り上がり、4hと重なるので外れる |
| 2時間足 | 4h、8h、1D | 1hが8hに繰り上がり、別の時間足として加わる |
| 4時間足 | 1D | 1hと4hがどちらも日足に繰り上がり、日足と重なる |
| 日足 | 1W | 3つとも週足に繰り上がる |
| 週足 | 1M | 3つとも月足に繰り上がる |
4時間足以上では、初期設定だと上位足が1種類しか残りません。4時間足で使うならTF 4(W)を、日足で使うならTF 5(M)をオンにすると、比べる上位足が2つになって重なりが読めるようになります。

日足や週足では、PDH/PDLとセッションの線の意味も変わる点に注意が必要です。日足では1本ごとに日付が変わるので、PDH/PDLは「1本前の足の高値・安値」になります。週足ではさらに、「PDH+London+New York」のように前日高値とセッションのタグが同じ線にまとめて付き、本来の意味では読めない表示になりました。

日足以上で使うときは、PDH / PDLとセッションの表示をオフにして、上位足のスイングだけを見る方が見やすいです。
セッションの線は、日付が変わると消える
使っていて一番引っかかったのがここです。セッションの線は抜かれるまで残るわけではありません。日付が変わった足で、セッション名のタグがすべて外れます。タグがセッション名だけの線はその場で消え、1hやPDHなど別の根拠が重なっていた線は、残りのタグで生き残ります。PDH/PDLも同じタイミングで新しい前日の値に入れ替わるので、前日の線が翌日に持ち越されることはありません。
日付の区切りはUTCの設定で決まります。初期値のUTC+0ではUTCの0時(日本時間9時)なので、NY時間の線は20時(UTC)に追加されてから、最長でも4時間で消えます。
セッションの線が残る時間はUTC設定で変わる
横軸はUTCの時刻です。帯は、抜かれなかった場合にセッションの線が画面に残る時間を表します。
Vowars DE ver.3.12.33
図の①と図の②を比べると、UTCをUTC+9にしたときは区切りが日本時間の0時(UTC 15時)に移り、ロンドンとNYの線が翌日まで残るようになります。セッションの時間帯そのものはUTCで固定されていて、UTCを変えても動きません。
NY時間の高値・安値を、翌日の東京時間やロンドン時間の判断に使いたいなら、UTCをUTC+9にするのが便利です。日付の区切りが日本時間の0時になり、PDH/PDLも日本時間の1日で計算されます。
その代わり、アジア時間の線は日本時間の0時で消えるので、アジア時間の高値・安値を翌日まで持ち越したい人には向きません。どちらの線を長く残したいかで決めてください。
もう一つ、セッションの時間帯はUTCの固定時刻なので、夏時間には合わせて動きません。初期値のNY時間(13:30〜20:00 UTC)は、米国の夏時間中は現地の9:30〜16:00にあたりますが、冬時間に入ると現地の8:30〜15:00にずれます(2026年は11月1日に米国が冬時間へ移行)。NY株式市場の取引時間に合わせたい場合は、冬の間だけNYのFullを1430-2100に変えておくと、現地の9:30〜16:00に戻ります。ロンドンも同じで、英国の冬時間(2026年は10月25日から)では、UTCの7時がそのまま現地の7時になります。
ついでに、Daily Resetにも触れておきます。オンにすると、日付が変わった時点で上位足の線も消化済みの線もすべて消え、新しい日に付けた高値・安値だけが残るようになります。毎日まっさらな状態から始めたいデイトレード向けのスイッチです。
設定項目と、時間足ごとの合わせ方
設定画面は「1. Timeframes」「2. Sessions」「3. Daily Levels」「4. Style」「5. Alerts」の5つに分かれています。セッションの行は、オンオフのチェック、名前、Fullの時間帯、AMの時間帯、色が1行に並んだ形です。
| 設定 | 初期値 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|---|
| Auto | オン | オン | チャート以下の時間足を一つ上の時間足に繰り上げる。重なった時間足は自動で外れる |
| Levels | 5 | 3〜5 | 時間足のタグごと、高値・安値それぞれに残す未消化ラインの本数(1〜20)。古い起点のものから消える |
| TF 1 | オン・60(1h) | オン | 1つ目の上位足。スイング高値・安値を拾う |
| TF 2 | オン・240(4h) | オン | 2つ目の上位足 |
| TF 3 | オン・D(1D) | オン | 3つ目の上位足 |
| TF 4 | オフ・W(1W) | 4時間足以上でオン | 4つ目の上位足。初期値はオフ |
| TF 5 | オフ・M(1M) | 日足以上でオン | 5つ目の上位足。初期値はオフ |
| Mode | Full | Full | 3つのセッションの時間帯を、FullとAMでまとめて切り替える |
| UTC | UTC+0 | UTC+0かUTC+9 | 日付の区切り(PDH/PDL、Daily Reset、セッションの線の消去)の基準。セッションの時間帯は動かない |
| Asia | オン・2200-0700・0000-0400・緑 | 色は黄色系に変更 | アジア時間の線。名前、Full、AMの時間帯(UTC)、色を設定 |
| London | オン・0700-1530・0600-0900・赤 | 色は高値と別の色に変更 | ロンドン時間の線 |
| New York | オン・1330-2000・1330-1500・青 | 米国冬時間は1430-2100も検討 | NY時間の線 |
| Daily Reset | オフ | オフ | オンで、日付が変わるとすべての線を消す |
| PDH / PDL | オン | 日中足はオン、日足以上はオフ | 前日の高値・安値の線 |
| Labels | Tiny | Tiny | ⊙の横のタグと、消化済みの線の中央のタグの大きさ |
| Live Tags | Tiny | Small | 右端のタグの大きさ |
| History | オン | オン | オフにすると、消化済みの線は最新の1本だけを残す |
| High | #ff4040(赤) | そのまま | 未消化の高値の線の色 |
| Low | #55ff96(緑) | そのまま | 未消化の安値の線の色 |
| Sweep | #6d6d6d・1・Solid | そのまま | 消化済みの線の色、線の太さ(1〜4)、線の種類。線の太さと種類はすべての線に共通 |
| New | オフ | 必要に応じて | 新しい線が追加されたときのアラート |
| Mitigated | オン | オン | 線が抜かれたときのアラート |
| High(Alerts) | オン | オン | 高値側の線をアラートの対象にする |
| Low(Alerts) | オン | オン | 安値側の線をアラートの対象にする |
Sweepの行にある線の太さと種類は、消化済みの線だけでなく、未消化の線にも同じものが使われます。未消化の線を太く、消化済みを細く、という分け方はできない点を覚えておきましょう。
Levelsで本数を減らすと、古いものから消える
Levelsを減らすと、図の①のように起点が新しい線から順に残ります。図の②の点線は初期値の5なら残っていた線です。
Levelsは「時間足ごと・上下それぞれ」の本数
Levelsを2にすると、まだ抜かれていない高値と安値がそれぞれ新しい2本だけ残ります。
Vowars DE ver.3.12.33
本数を超えて外れた線は消化済みの灰色にはならず、そのまま画面から消えてしまいます。「抜かれたのか、本数で外れたのか」は見た目では区別できないので、Levelsを小さくしすぎると、まだ生きている古い高値・安値を見落とすことになります。5分足や15分足でも、私は3より下げないようにしています。
時間足ごとのおすすめ
- 1分足〜5分足(スキャルピング)。初期設定の1h・4h・1Dで十分です。線が多いと感じたらLevelsを3に。ロンドンとNYの時間帯の線が主役になります。
- 15分足〜1時間足(デイトレード)。初期設定のまま使い、日本時間でNYの線を翌日まで見たいならUTCをUTC+9に。1時間足では上位足が4hと1Dの2つになります。
- 4時間足(スイング寄り)。TF 4をオンにして1Dと1Wを比べる形に。セッションの線は短命なので、オフにしても困りません。
- 日足以上。PDH / PDLとセッションをオフにし、TF 5をオンにして1Wと1Mのスイングを見ます。
アラートは5種類から選べる
「MTF Liquidity Stack」には、2つの方式のアラートが入っています。アラート作成画面の条件でこのインジケーターを選ぶと、まとめて通知する「Any alert() function call」と、個別の4つの条件が並びます。
| 条件 | 通知のタイミング |
|---|---|
| Any alert() function call | その足で起きた新規・消化をまとめて1通で通知。足の確定時に1回 |
| New High Liquidity | 新しい高値の線が追加されたとき |
| New Low Liquidity | 新しい安値の線が追加されたとき |
| High Liquidity Mitigated | 高値の線が抜かれたとき |
| Low Liquidity Mitigated | 安値の線が抜かれたとき |
どちらの方式も設定のNew・Mitigated・High・Lowのスイッチに従います。初期値ではNewがオフなので、新しい線のアラートはNewをオンにしない限り鳴りません。同じ価格にタグが追加されただけのときも、新規のアラートにはなりません。
「Any alert() function call」の通知は1件につき1行で、種類(NEW/MITIGATED)、銘柄、高値か安値か、タグ、価格、チャートの時間足が「|」で区切って並びます。同じ足で複数の線が動けば、行が増えて1通にまとまります。どの根拠の線が抜かれたのかまでスマホで確認できるため、私はこちらを選びました。
チャートでの使い方を4つの手順で
1 上下に残っている線を確認する
まず、現在値の上と下で一番近い未消化の線を見ます。上の赤い線、下の緑の線が、価格が次に取りにいきやすい流動性の候補です。セッション色の線はセッションの高値・安値なので、色だけで上下を判断しないようにします。
2 タグの中身で優先順位を付ける
近い線が複数あるときは、タグを読みます。1Dや1Wなど長い時間足を含む線、PDH/PDLやセッションが上位足と重なった線を優先し、1hだけの線は軽く見ます。前に書いたとおり、1h+4hは自然にできやすい組み合わせなので、それだけで特別扱いはしません。
3 スイープ後の足で反転か継続かを見る
線が灰色になったら、その後の数本を観察します。ヒゲで抜いて実体が線の内側に戻るなら、流動性を取って反転する形の候補です。実体で抜けて戻らないなら、抜けた方向への継続を疑います。インジケーターはここで何も教えてくれないので、ローソク足の形や出来高を合わせて判断します。
4 反対側の流動性を利確の目安にする
エントリーしたら、反対側に残っている未消化の線が利確の目安になります。上昇で入ったなら上の赤い線、とくにタグが重なった線は、価格がいったん止まりやすい場所の候補として意識しておくと、利確の位置を決めやすくなりました。
組み合わせるならMFIで「スイープの勢い」を見る
「MTF Liquidity Stack」はどこが取られたかは教えてくれますが、取られたときに売り買いの勢いがどれだけ残っていたかは分かりません。そこで試したのが、出来高も加味するオシレーターのMFI(マネーフローインデックス)を下段に置く組み合わせです。
図の①の安値を付けたとき、MFIは10前後まで沈んでいました。図の②で価格がヒゲでその安値をスイープしたとき、MFIは56台と前回を大きく上回っていて、価格はいったん戻しています。一方図の③の割り込みではMFIも下向きで、下落がそのまま続きました。
スイープの瞬間、MFIが付いてきているか
価格が安値を掃いたとき、MFIが前の安値時より高い位置にあるかどうかで、売りの勢いの残り方を見ます。
Vowars DE ver.3.12.33
価格が安値を更新したのにMFIが前回より高い、というずれは、売りの勢いが前回ほどではないことを示す材料になります。スイープの直後にこのずれがあるかを確認すると、反転狙いの候補を絞り込みやすくなりました。これも1つの場面での結果で、毎回同じになるとは限りません。
ほかに相性がよさそうなのは、TradingView標準の出来高プロファイル(Visible Range)です。線の価格が出来高の薄い価格帯にあるなら、抜けたあと値が飛びやすい、という見方ができます。損切り幅を決めるならATR、日中の平均的な取引価格との位置関係を見るならセッションVWAPも、線の読み方を補ってくれます。
このインジケーターに任せられること、自分で補うこと
任せられること
- 上位足・セッション・前日の高値安値を、1つのインジケーターで同じルールのまま表示できる
- 同じ価格に重なった根拠が「+」でつながり、どの線が何の高値なのかひと目で分かる
- 線の起点がチャート上の実際の足に置かれ、⊙で高値・安値の足を確認できる
- 抜かれた線が灰色で残るので、どこの流動性が取られたかを後から追える
- Autoで時間足を切り替えても、意味のある上位足が自動で選ばれる
- 線が細く、チャートの見た目をほとんど邪魔しない
自分で補うこと
- スイープ後に反転するか継続するかは示さないので、足の形や他の指標で判断する
- リアルタイムでは上位足の確定前に線が出て、読み込み直すと消えることがある
- セッションの線は日付が変わると消え、残る時間はUTCの設定で変わる
- セッションの時間帯はUTC固定で、夏時間・冬時間の切り替えには自分で合わせる
- 初期の色では、アジアの高値が緑、ロンドンの安値が赤で描かれる
- 4時間足以上では初期設定の上位足が1種類になるので、TF 4・TF 5を足す必要がある
過去チャートの線は確定した上位足で引かれたものです。リアルタイムでは線が出る時刻が違い、灰色の線の数も変わります。「この線で反転していた」という過去の見え方は、線が実際に画面に出た時刻を踏まえて確かめてください。インジケーター単体で売買を決めるのではなく、スイープ後の値動きを見てから判断する使い方をおすすめします。
重なった流動性を、チャートを汚さずに拾いたい人へ
画像「MTF Liquidity Stack」は、「上位足のスイング」「セッション」「前日の高値安値」という、普段は別々のインジケーターで見ている情報を、1本ずつの水平線とタグにまとめてくれるインジケーターです。同じ価格に根拠が重なればタグが伸び、抜かれれば灰色になる。この2つだけを追えばいいので、使い方を覚えるのに時間はかかりません。
一方で、セッションの線が日付で消えること、上位足の線がリアルタイムでは早めに出て消えることがあるなど、仕組みを知らないと見え方に戸惑う部分もあります。この記事で触れたUTCの設定、セッションの色、4時間足以上でのTF 4・TF 5の追加を済ませておけば、5分足から日足まで同じ感覚で使えるはずです。
スキャルピングやデイトレードで、ロンドン・NYの高値安値と上位足の高値安値が重なる場所を素早く知りたい人には、特に相性のいいインジケーターだと感じました。










