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ビットコインの割高・割安を5段で色分けする「BTC Power-Law Ladder」を徹底解説

ビットコインの割高・割安を5段で色分けする「BTC Power-Law Ladder」を徹底解説
インジケーター 無料 BTC Power-Law Ladder (Point-in-Time)
このインジケーターの製作者 RWCS_LTD
5段階評価で 4.1 難易度 中級
この評価にした理由 BTC Power-Law Ladderは、ビットコインの価格が歴史的な床から何倍に離れているかを示す分析・可視化型のインジケーターです。いちばんの評価点は、年ごとに引き直した係数で後知恵を排除した独自の設計で、確定した終値だけで判定する挙動や、弱点まで含めた作者の開示も信頼性を支えています。一方、ドル建てのビットコイン日足という限られた条件で使う前提で、しきい値を動かすと作者の集計が参考にならなくなるため、適応性は控えめな評価です。長期保有のリスク点検を求める人にはよく合いますが、売買のタイミングを期待すると噛み合いません。
この難易度にした理由 画面に出る情報はシンプルですが、正しく読むにはいくつか前提の理解が必要です。対数スケールの意味、パワーロー線が「下限」をなぞる線であること、cutとrestoreが売買の合図ではないこと、アラートが印と一致しないことなどです。加えて、作者の成績表を過信しない読み方も欠かせません。長期の視点で相場の位置を考える習慣がある人ほど、使いこなしやすいインジケーターです。

総合評価 4.1/ 5.0

評価基準について

  • 充足性 4.3 作者が掲げた目的を、実際の表示や挙動がどこまで果たしているか。 床からの距離という1つの問いに対し、倍率・段の色・判定価格・状態が過不足なくそろいます。過去の倍率はデータウィンドウで補えます。
  • 独自性 4.6 既存のインジケーターにない視点・構造・見せ方を持っているか。 年ごとの係数で線を引き直し、1月に21本かけて移す設計は、同種のパワーロー系インジケーターにほとんど前例がありません。
  • 可読性 3.9 チャートに入れたときに、意図した情報を誤解なく読み取れるか。 表と線は読みやすい一方、背景色は非常に淡く、対数スケールに切り替えないと上の段の幅が読み取りにくくなります。
  • 適応性 3.4 自分の銘柄・時間足・トレードスタイルに合わせ込めるか。 項目の役割は明確で、しきい値を動かすと警告も出ます。ただし集計は初期値でしか成り立たず、合わせ込みの余地は小さめです。
  • 信頼性 4.4 表示されたものを、そのまま信じて判断材料にできるか。 判定は確定した終値だけで行われ、後知恵の限界まで作者が開示しています。アラートが状態を見ない点は説明が薄めです。
この記事の要約
どんなインジケーター?
結論

BTC Power-Law Ladderは、ビットコイン日足の終値が「過去の安値の下限をなぞるパワーロー線」の何倍にあるかを5段で示す分析用インジケーターです。後知恵を使わない年版の線で、長期的な割高・割安の位置を確かめるのに向いています。

もっと詳しく
この記事の要点
  • ビットコインのドル建て日足専用で、対数スケールでの表示が前提です
  • トレンドラインの1.0倍・1.6倍・2.5倍・4倍で、価格帯を5つの段に分けます
  • 線は毎年1月にその時点までのデータだけで引き直され、後知恵の係数を使いません
  • 年版の切り替えは1月の21本をかけて移すため、係数の変更だけで段が変わることはありません
  • 終値が2.5倍を超えるとcut、1.6倍を割るとrestoreの印が出て、確定した足では描き換わりません
  • cutのあとも上昇が続き、restoreのあとも下落が続く例が多く、売買のタイミングには使えません
  • アラートは状態を見ずに線の交差だけで届くため、印より多く届くことがあります
  • 200日移動平均線と組み合わせると、restoreのあとの下げを見極めやすくなります

いまのビットコインは「床」からどれだけ浮いているのか

「BTC Power-Law Ladder」は、ビットコインの日足の終値が「過去の安値の下限をなぞった線」の何倍の位置にあるかを測り、その倍率を5つの段に振り分けて見せるインジケーターです。正式名は「BTC Power-Law Ladder (Point-in-Time)」で、チャート上には「PIT Ladder」と表示されます。作者は RWCS_LTD で、オープンソースとして公開されています。

答えてくれる問いは、ひとつだけ。「いまの価格は、歴史的に支えられてきた床からどれくらい上に伸びているか」。売買のタイミングを教えるものではなく、作者自身も「リスクの枠組みを考えるためのツールで、エントリーシグナルでも投資助言でもない」と明記しています。

TradingViewでBTC Power-Law Ladderを表示したビットコイン日足チャート。価格がパワーロー線の何倍にあるかを5段で色分けする。
TradingViewでBTC Power-Law Ladderを表示したビットコイン日足チャート。価格がパワーロー線の何倍にあるかを5段で色分けする。

私は2026年9月25日にBinanceのBTCUSDT日足へ入れてみました。右下の表に出た結果は「cheap」「1.169x」。線の1.17倍、つまり5段のうち下から2番目にいる、という読み取りです。日々の値動きを見ていると「最高値から3割以上も下げた」という印象ばかりが強くなりますが、「BTC Power-Law Ladder」の物差しで見ると、長い目では安い側に寄った位置だとわかります。この「見え方の切り替え」が、使ってみていちばん面白かったところでした。

作者が掲げている目的

「BTC Power-Law Ladder」は、価格の「伸びすぎ具合」を測るための分析用インジケーターです。表示される cut と restore の印も、作者は「根拠が足りない段階のルールを、弱点ごと見えるように公開したもの」と位置づけています。売買の合図として使う前提では作られていないことを、最初に押さえておいてください。

チャートに並ぶ4本の線と、5つの段

灰色の太線は「過去の安値の下限」をなぞるパワーロー線

いちばん下の灰色の太線がトレンドラインです。式は「線の価格 = 10のa乗 × dのb乗」で、dはビットコインのジェネシスブロック(最初のブロック)が作られた2009年1月3日からの経過日数です。価格と日数をどちらも対数にすると、ビットコインの長期推移はおおむね直線に並びます。この性質を使う考え方がパワーロー(べき乗則)モデルで、暗号資産の長期分析ではよく知られています。

このインジケーター「BTC Power-Law Ladder」が一般的なパワーロー線と違うのは、線を引く位置です。多くの図は値動きの「真ん中」を通る線を引きますが、このインジケーターは分位点回帰という手法で、分布の下位1%をなぞる線を求めています。ほぼすべての日の終値がこの線より上にあった、という意味の「床」です。2026年9月25日の日足では、この線は72,070.66ドルでした。

1.6倍・2.5倍・4倍の線で、価格帯を5段に分ける

トレンドラインの上には、1.6倍・2.5倍・4倍の位置に細い線が引かれます。終値を線の価格で割った倍率が、どの線の間にあるかで段が決まり、段ごとに背景の色が変わります。cheap は図の①、mid は図の②、rich は図の③の範囲です。

価格がトレンドラインの何倍にいるかで、背景が段ごとに色分けされる

線は下から1.0倍(トレンドライン)、1.6倍、2.5倍、4倍。終値がどの間にあるかで背景の色が決まります。

価格がトレンドラインの何倍にいるかで、背景が段ごとに色分けされる灰色のトレンドラインと、その1.6倍・2.5倍・4倍の線で価格帯を5段に分け、終値がどの段にあるかで背景の色が変わる様子を示した対数スケールの模式チャートです。cut1.0〜1.6倍は cheap(緑)1.6〜2.5倍は mid(灰)2.5〜4倍は rich(橙)4倍超は very rich(赤)トレンドライン(1.0倍)半減期の足
  • トレンドライン
  • 1.6倍の線
  • 2.5倍の線
  • 4倍の線

Vowars DE ver.3.11.2

対数スケールで表示した状態の再現です。線の間隔が上下でほぼ等しく見えるのは、どの段も「倍率」で区切られているためです。右下の読み取り表は、別の図解で詳しく扱うため省いています。背景の色はTradingViewと同じく非常に淡いので、拡大すると見分けやすくなります。
段(表の表示名)倍率背景の色どんな位置か
below the line1.0倍未満濃い緑床の線そのものを割り込んでいる
cheap1.0〜1.6倍緑床のすぐ上。長い目では安い側
mid1.6〜2.5倍グレー中間。cut も restore も起きない帯
rich2.5〜4.0倍オレンジ床から大きく離れた位置
very rich4.0倍以上赤過熱。作者の集計では翌年の大幅下落が多い

境目の1.0・1.6・2.5・4.0は固定です。設定では動かせません。作者が段ごとの成績を、ちょうどこの4つの値で集計しているためです。境目を動かせるようにすると、集計されていない区切りに同じ名前が付いてしまいます。数字の意味を守るための固定だと理解すると、納得がいきます。

対数スケールにしないと、上の段が読めない

正直に書くと、私は最初、価格スケールを通常のまま表示していました。するとビットコインの価格が小さかった2018〜2020年のあたりでは線がほぼ重なり、最近の年では4倍の線が画面の上へ飛んでいきます。段の幅が年によってまるで違って見えるので、「いまどの段か」が直感でつかめません。

作者も対数スケールでの使用を前提にしています。価格スケールを右クリックして「対数」を選ぶか、Windowsなら Alt+L(Macは Option+L)で切り替えられます。対数にすると、1.0倍・1.6倍・2.5倍・4倍の線がほぼ等間隔の平行線になり、段の読み取りがぐっと楽になります。図解も対数スケールで表示した状態を再現しています。

背景の色、灰色の帯、半減期の縦帯

背景の色はかなり淡い。透明度92%で塗られています。最初は気づかないくらいですが、段が切り替わった日を境に色味が変わるので、長い期間を表示すると「どの段に何か月いたか」が帯として見えてきます。

1.6倍と2.5倍の線の間には、うっすらと灰色の帯が敷かれます。後で説明する cut と restore のどちらも起きない「様子見の帯」です。さらに、2016年・2020年・2024年の半減期の足には灰色の縦帯が入ります。2028年と2032年の半減期も予定日で登録されていますが、ブロックの生成速度から見積もった日付なので、実際とはずれる可能性があります。

後知恵の線を使わない「Point-in-Time」という設計

いちばんの特徴は、名前にある「Point-in-Time(その時点で)」の部分です。ここを理解すると、「BTC Power-Law Ladder」を信用してよい範囲が見えてきます。

ネットでよく見るパワーロー線の多くは、全期間のデータで一度だけ係数を決め、その線を過去にさかのぼって引いています。2017年や2021年の天井を知ったうえで引いた線なので、過去の天井や底にきれいに当たって見えるのは当然です。作者はこれを「どのサイクルがどう終わったかを知っている線」と表現しています。

こちらは、毎年1月にその前年末までのデータだけで線を引き直し、その年はその係数で描きます。2016年の線は2015年12月31日まで、2020年の線は2019年12月31日までのデータしか使っていません。チャートのどの位置の線も、その時点より後の値動きを知らない、ということです。保存されている年版は2014年から2026年までの13本で、そのため初期設定の線は2014年1月1日から始まります。

1月は21本かけて、新しい年版へ線を移す

年が変わるたびに係数を切り替えると、値動きと関係なく線が一晩で動いてしまいます。2016年版は2015年版より43%も低い位置にあり、そのまま切り替えると倍率が一晩で77%跳ね上がる計算です。これだけで cut や restore が出かねません。

そこで「BTC Power-Law Ladder」は、1月の最初の21本をかけて古い線から新しい線へ少しずつ移します(図の①〜図の②)。1月1日の時点で新旧どちらの係数もすでに確定しているので、この移行に未来のデータは使われていません。対数スケールでは、線は旧年版から新年版へまっすぐ歩くように移ります。

年が変わると、線は21本かけて新しい年版へ移る

2022年版から2023年版へ移る年末年始の再現です。4本の線がそろって、なめらかに下へ移っていきます。

年が変わると、線は21本かけて新しい年版へ移る2022年から2023年への切り替わりを例に、トレンドラインと各倍率の線が1月の21本をかけて新しい係数の位置へ下がっていく様子と、1本で切り替えた場合の段差を比べた模式チャートです。1月1日の足から線が動き始める21本かけて新しい年版へ移りきる1本で切り替えると一晩で段差になる線が下がったぶん、段が cheap に上がる

Vowars DE ver.3.11.2

2023年版の線は2022年版より約19%低い位置にあります。「January blend length (bars)」を1にすると、年明け2本目の足で線が一度に下がり(破線)、倍率も一晩で跳ね上がります。初期値の21なら、その変化が3週間に分散されます。

実際の2023年1月がちょうどこの形でした。2023年版の線は2022年版より約19%低く、年末に線の下にいた価格は、1月の上昇と線の低下が重なって cheap に戻っています。図の③の破線は、January blend length (bars)を1にしたときの線です。この場合、年明け最初の足ではまだ旧年版のままで、2本目の足で一気に下がります。

移行の途中は、右下の表の「line vintage」の欄が「2022 to 2023 (5/21)」のように橙色で表示され、いま何本目まで移ったかがわかります。

2027年1月からは「暫定」の線になる

保存されている最新の係数は2026年版です。2027年以降は、2026年9月16日までのデータで引いた暫定の係数が使われ、表の「line vintage」には橙色で「2027 provisional」と出ます。正式な2027年版ができたら差し替える予定だそうです。

私が計算してみたところ、2027年1月1日時点で暫定の線は2026年版の線より約6%低くなります。1月の21本をかけて線が6%ほど下がるので、価格が動かなくても倍率はそのぶん上がります。2027年1月に段が変わったときは、まず線の移行が原因でないかを確かめるとよさそうです(2026年9月25日時点の係数で計算)。

それでも残る「後知恵」

作者は、年ごとの引き直しで消せるのは「係数の後知恵」だけだと認めています。「下位1%の分位点で、対数同士のパワーローを当てはめる」という方法そのものは、ビットコインの歴史を見た人が選んだものです。2014年の時点でこの方法が選ばれていたわけではありません。「BTC Power-Law Ladder」の線は後出しの係数を使っていませんが、過去のチャートで当たって見えることを、そのまま未来の保証と受け取るのは危険です。

cut と restore は、2.5倍で身構えて1.6倍で戻す仕組み

「BTC Power-Law Ladder」には、倍率に応じて「cut(リスクを減らす)」と「restore(元の保有に戻す)」の印を出す機能があります。ルールは単純で、終値が線の2.5倍を上回ったら cut、1.6倍を下回ったら restore です(図の①・図の③)。

要は、上げの判定と下げの判定で基準を分けているところです。cut のあと価格が2.5倍を割り込んでも、1.6倍まで下がらない限り restore は出ません。反対に、2.5倍を行ったり来たりしても2回目の cut は出ません(図の②)。基準を1本にすると、線の近くでもみ合うたびに印が乱発されます。2本の間に灰色の帯を挟むことで、その「行ったり来たり」を無視できるわけです。こうした仕組みはヒステリシスと呼ばれます。

2.5倍で cut、1.6倍で restore。その間では印が出ない

赤い線(2.5倍)を終値で超えると cut、緑の線(1.6倍)を終値で割ると restore。判定は確定した終値だけで行われます。

2.5倍で cut、1.6倍で restore。その間では印が出ない終値がトレンドラインの2.5倍を超えた足に cut、1.6倍を割った足に restore が出て、その間の往復では新しい印が出ないことを示す模式チャートです。cutrestore終値が2.5倍を超えた足で cut2.5倍を再び超えても2回目の cut は出ない終値が1.6倍を割った足で restore帯の中では状態が変わらない

Vowars DE ver.3.11.2

2本の線に挟まれた灰色の帯の中では、状態は前の判定のまま保たれます。2.5倍を割り込んで再び超えても2回目の cut は出ず、次に出る印は1.6倍割れの restore だけです。

印は確定した終値でしか出ない

判定に使われるのは確定した足の終値だけです。日足が形成されている途中で2.5倍を一瞬超えても、その日の終値が2.5倍を下回っていれば cut は出ません。印は日足が確定した時点で付き、あとから消えたり動いたりもしません。cut と restore の印はリペイントしないと考えてよいでしょう。

一方、背景の色と右下の表は、形成中の足の現在値で計算されます。日中に価格が大きく動くと、その日の背景色や表の「price / line」は終値が確定するまで変わり続けます。これはTradingViewのインジケーター全般に共通する動きで、確定した足の色が後から塗り替わることはありません。

最初の状態は、チャートの始まりで決まる

初期の状態は、表示できる最初の足の倍率で決まります。最初から2.5倍を超えていれば、cutの印を出さずに「cut 済み」の状態から始めます。BTCUSDTは2017年8月17日から始まり、その日の倍率はおよそ4.0倍でした。そのため私のチャートでは、最初の印が2018年11月のrestoreになっています。

データの始まりが違う銘柄では、序盤の印が変わる可能性があります。作者の公開画像はINDEXのビットコイン指数を使っていて、2014年から判定が始まっています。とはいえ一度restoreを通過すれば、以降の状態はどの銘柄でも同じ倍率の判定で決まるので、差は序盤に限られます。

私のチャートで数えた、9回の印とその後

BTCUSDT日足で、2017年8月から2026年9月25日までに出た印をすべて書き出しました。「その後1年」は、印が出た日から365日の終値の最高値と最安値です。2025年11月のrestoreだけは、2026年9月25日までの約10か月で計算しています。

日付印終値(ドル)倍率その後1年の最高値その後1年の最安値
2018/11/24restore3,9321.59倍+233%−18.3%
2019/5/26cut8,6142.56倍+52.0%−44.3%
2019/11/24restore6,9031.54倍+170.9%−30.5%
2020/12/16cut21,3362.64倍+216.5%0.0%
2022/6/12restore26,5751.58倍+14.6%−40.6%
2024/3/11cut72,0782.58倍+47.3%−25.1%
2024/9/6restore53,9631.60倍+128.5%0.0%
2024/11/15cut91,0322.50倍+36.9%−16.2%
2025/11/21restore85,1291.60倍+13.9%−31.1%

並べてみて、考え込んでしまいました。cutのあとも価格はたいてい上がり続け、2020年12月のcutのあとには3倍以上になっています。restoreのあとも、2022年と2025年には3〜4割の下げが待っていました。印を「天井」「底」と読むと、ほとんど外れに見えます。

BTC Power-Law Ladderのcutとrestore。2.5倍を超えた後の往復では新しい印が出ない。
BTC Power-Law Ladderのcutとrestore。2.5倍を超えた後の往復では新しい印が出ない。

ただ、これは「BTC Power-Law Ladder」の設計どおりの結果です。cutは「床から伸びすぎたので、大きな下落に巻き込まれたときの傷を浅くしておく」ための印で、天井を当てる印ではありません。作者の検証でも、cutのあとは保有を0.35倍(35%)に減らすだけで、ゼロにはしていません。「伸びすぎの区間では身軽にしておく」くらいの距離感で見るのが、この印とのちょうどいい付き合い方だと感じました。

作者が公開している段ごとの成績を、どう読むか

公開ページには、2014年1月1日から2026年9月16日までの4,642本の日足を使った集計があります。各段にいた日のその後を追ったもので、数字はすべて中央値です。

段日数2年後の価格(中央値)2年後にプラスだった割合翌1年の最大下落(中央値)翌1年に50%超下落した割合
1.0倍未満445日9.77倍100%−30%0%
1.0〜1.6倍1,544日4.31倍100%−30%14%
1.6〜2.5倍1,162日2.05倍89%−49%46%
2.5〜4.0倍764日1.60倍76%−62%90%
4.0倍以上727日0.74倍28%−72%97%

段が上がるほど2年後の成績は悪く、翌年に半値以下まで下げる割合が跳ね上がります。4倍以上の段にいた日は、2年後にプラスだった割合が28%しかありません。倍率という1つの数字で、ここまできれいに差が出るのは印象的です。

cutとrestoreのルールについても、コストを含め、判定の翌日から保有を切り替える条件で検証結果が示されています。

シャープレシオ最大ドローダウン最終的な倍率
買って持ち続けた場合0.88−83.6%101倍
cut と restore に従った場合1.16−55.9%260倍

同じ長さの「市場から離れる期間」をランダムな日付に置いた5,000通りと比べた検定も載っていて、p値はシャープレシオで0.0022、ドローダウンで0.0006、最終倍率で0.0142です。

この数字を読むときの注意

作者自身が、この結果を「証拠不十分、追跡中(却下はしていない)」と評価しています。理由は次のとおりです。

  • 完了した往復は6回だけで、作者が基準にしている30回に遠く届かない
  • 2017年の1回だけで、ルール全体の利益の57.9%を占めている。この回は2,258ドルで cut し、3,783ドルで restore しており、その間の67.6%の上昇を取り逃している
  • 段ごとの日数は重なりの大きい観測で、倍率の前日との相関は0.997。同じ段に続けていた日は、ほぼ同じ観測を数え直しているのと同じ
  • 集計の対象はビットコイン1銘柄、約12年、4サイクル分だけ

表の数字は過去に起きたことの記録で、今後も同じになる保証はありません。作者も「パワーローの床は、破られるまでは守られる。守られる仕組みがあるわけではない」と書いています。

弱点をここまで自分で並べているインジケーターは珍しいと思います。都合のいい数字を並べたうえで、「この結果を信じすぎるな」と自分で書き添えている。私はむしろ、そこに信頼を感じました。

右下の表で「次にどこで何が起きるか」を読む

「BTC Power-Law Ladder」の右下には読み取り表が出ます。英語表記ですが、見るべき場所は3つだけ。今の段と倍率(図の①)、次に印が出る価格(図の②)、現在の状態(図の③)です。

右下の読み取り表で、現在地と次の判定価格がわかる

2026年9月25日(BTCUSDT日足)に表示された表をそのまま写しています。

右下の読み取り表で、現在地と次の判定価格がわかるBTC Power-Law Ladder がチャート右下に表示する読み取り表を、2026年9月25日の日足で表示された値のまま再現した図です。BTC Valuation Laddercheapprice / line1.169xtrend line72070.66line vintage2026de-risk at180176.66restore at115313.06statefull exposuredays to halving548 (est.)1-yr low todaynoいまの段と、線の何倍か次に cut/restore が出る価格現在の状態(cut 後は DE-RISKED)1月の切り替え中は橙色で表示(est.) は予測日までの日数

Vowars DE ver.3.11.2

表は最新の足の値だけを表示します。de-risk at と restore at は「今日の線で計算した判定価格」で、線が毎日わずかに上がるため翌日には少し変わります。最下段の行は、しきい値を2.5/1.6から動かしたときだけ橙色で注意が出ます。
表の行表示の意味
BTC Valuation Ladderいまの段の名前。段の色で表示
price / line終値がトレンドラインの何倍か
trend line今日のトレンドラインの価格
line vintage何年版の線か。1月の移行中と2027年以降の暫定の線は橙色
de-risk atこの価格を終値で超えると cut の判定(線 × 2.5)
restore atこの価格を終値で割ると restore の判定(線 × 1.6)
statefull exposure(通常)か DE-RISKED(cut 後)か
days to halving次の半減期までの日数。(est.) は予定日から数えた推定
1-yr low today今日の終値が1年安値圏なら yes

私がいちばん使うのは「de-risk at」と「restore at」の2行です。2026年9月25日の時点では、cutの判定価格が180,176.66ドル、restoreの判定価格が115,313.06ドルでした。状態はfull exposureなので、次に意味を持つのは上の180,176.66ドルだけです。線は毎日わずかに上がるため、この2つの価格も少しずつ切り上がっていきます。

表は最新の足の値しか出しませんが、過去の倍率も確認できます。「BTC Power-Law Ladder」は「price / line」をデータウィンドウにだけ出力しているので、右側のパネルでデータウィンドウを開き、チャート上でカーソルを合わせれば、その日の倍率が読めます。「2021年の天井では何倍だったか」を確かめたいときに便利でした。私のBTCUSDTでは、2021年の最大は3月13日の6.78倍でした。

青い点は「1年でいちばん安い終値」の合図

ローソク足の下に付く青い点は、終値が直近365本の終値の最安値(0.1%以内)にある日を示します。下落が続く局面では、図の①のように点が連なります。ビットコインは土日も取引されるので365本はちょうど1年です。

1年安値の青い点と、トレンドライン割れは別々に出る

青い点は「過去365本で最も安い終値(0.1%以内)」の足。トレンドラインを割るかどうかとは別に判定されます。

1年安値の青い点と、トレンドライン割れは別々に出る下落の途中で終値が過去365本の最安値圏に入った足に青い点が付き、トレンドラインを割った区間で背景が最下段の色になる様子を示した模式チャートです。終値が1年安値圏に入った足に青い点線を割ると最下段 below the line2回目の線割れは1年安値ではないので点なしトレンドライン

Vowars DE ver.3.11.2

1回目の線割れでは下落が1年安値の更新と重なり、青い点が並びます。2回目に線を割ったときは、すでに前の安値より上にいるため点は付きません。点が出ていなくても、段は below the line になります。

この点とトレンドライン割れは、別々に判定されます。図の②のように1年安値の更新と線割れが重なることもあれば、図の③のように、すでに底を打った後に線を割り、点が出ないこともあります。私の BTCUSDT では、2022年6月から11月、2026年2月と6月に点がまとまって出ていました。線を割ったのは2020年3月、2022年11月から2023年1月、2026年6月から8月でした。けっこう割るんです。

2026年6月、ビットコインがBTC Power-Law Ladderのトレンドラインを割り込んだ場面
2026年6月、ビットコインがBTC Power-Law Ladderのトレンドラインを割り込んだ場面

青い点も、形成中の足の終値で判定されます。日中に安値を更新すると点が現れ、その後に戻せば終値の確定とともに消えることがあります。確定した足で判断するようにしてください。

アラートは5種類。印の数とは合わないことがある

「BTC Power-Law Ladder」には5つのアラート条件が用意されています。アラート作成画面の「条件」で「BTC Power-Law Ladder」を選ぶと、次の名前で表示されます。

  • Crossed above the de-risk level 倍率がDe-risk aboveの値を上抜けた
  • Crossed below the restore level 倍率がRestore belowの値を下抜けた
  • Fell below the trend line 終値がトレンドラインを割った
  • Reclaimed the trend line 終値がトレンドラインを回復した
  • New trailing 1-year low 1年安値圏に入った(連続した日の初日だけ)

ここで注意したいのが、アラートは cut と restore の「状態」を見ていないことです。倍率が線を越えたかどうかだけで判定するため、2.5倍の前後でもみ合うと、上抜けのアラートが何度も届きます。cut の印は1回なのに、上抜けのアラートは3回届いています(図の①)。1.6倍付近でも同じで、restore の印が出た直後にもう一度アラートが届くことがあります(図の②)。

アラートは線を越えるたびに届き、cut と restore の印とは数が合わない

白い菱形は「バーの終値ごとに1回」でアラートを設定したときに届く足です(チャートには表示されません)。

アラートは線を越えるたびに届き、cut と restore の印とは数が合わないcut と restore の図解と同じ値動きに、2.5倍の上抜けアラートと1.6倍の下抜けアラートが届く足を菱形で重ねた模式チャートです。印は1回ずつなのに、アラートは複数回届きます。cutrestore2.5倍の上抜けアラートは3回届くcut の印は最初の1回だけ1.6倍の下抜けアラートも2回

Vowars DE ver.3.11.2

アラート条件は倍率が線を越えたかどうかだけを見ていて、cut と restore の状態は見ていません。そのため、帯の中で2.5倍を行き来すると上抜けアラートが重ねて届き、1.6倍付近でもみ合うと下抜けアラートが続けて届きます。

アラートの頻度は「バーの終値ごとに1回」を選んでください。「バーごとに1回」にすると、日足の途中で一瞬越えただけでも届き、印の判定とずれます。もうひとつ、TradingViewのアラートは作成したときの設定のまま動きます。あとでDe-risk aboveなどを変えたら、アラートも作り直しが必要です。

設定項目と、動かすときの考え方

設定は「Trend line」「Rungs」「Markers」の3つのグループに分かれています。基本は初期値のままで使い、表示を整えたいときだけ触る、という付き合い方で困りませんでした。

設定初期値推奨値効果
LineReal-time (refit each January)Real-time (refit each January)線の作り方。年版の線、全期間で決めた定数、自分で入れた係数から選ぶ
January blend length (bars)21211月に新しい年版へ移るまでの本数(1〜90)。1なら年明け2本目で即時に切り替え
Custom a (log10 intercept)-17.516変更不要Custom 選択時の係数a(切片)
Custom b (exponent)5.880変更不要Custom 選択時の係数b(指数)
Show rung boundariesオンオン1.6倍・2.5倍・4倍の境目の線を表示
Tint background by rungオンオン段ごとに背景を色分け
De-risk above2.52.5cut を判定する倍率(下限1.1)
Restore below1.61.6restore を判定する倍率(下限0.5)
Mark trailing 1-year lowsオンオン1年安値の青い点を表示
Mark de-risk / restore transitionsオンオンcut と restore の三角を表示
Mark halvingsオン好みで半減期の足に灰色の縦帯を表示
Show readout tableオンオン右下の読み取り表を表示
Table PositionBottom Right好みで表の位置を四隅から選ぶ
Table SizeNormal好みで表の文字の大きさ(Tiny/Small/Normal/Large)

Line は3つのモードを見比べると理解が深まる

モード線の作り方線が始まる日1月の移行2026/9/25の線
Real-time (refit each January)その年の1月までのデータで引いた年版2014/1/1あり72,070.66ドル
Published constants広く引用されている全期間の定数(a=−17.516、b=5.880)2010/7/17なし約78,288ドル(筆者計算)
CustomCustom a と Custom b に入れた係数2010/7/17なし入力した係数しだい

Published constantsに切り替えると、線はなめらかな1本の曲線になり、2026年9月25日の時点ではReal-time (refit each January)より9%ほど高い位置に来ます。そのぶん倍率は低く出て、段の判定も変わります。私は普段は初期値のまま使い、「後知恵の線だとどう見えるか」を確かめたいときだけ切り替えています。Customは、別のパワーローの係数を自分で試したい人向けです。

De-risk above と Restore below は、動かすと「検証外」になる

De-risk aboveとRestore belowを動かすと、cut と restore の判定位置が変わり、チャート上の赤と緑の線も一緒に動きます。ただし段の境目(1.6倍・2.5倍・4倍の細い線)は動きません。初期値から外すと、表の最下行に橙色で「⚠ thresholds off tested 2.5 / 1.6」と出ます。作者が検証した組み合わせから外れている、という注意書きです。

Restore belowをDe-risk aboveと同じか、それより大きくすると、インジケーターはエラーを出して止まります。2つの間に帯がないと、毎日 cut と restore を繰り返してしまうためです。値を変えるときは、必ずRestore belowのほうを小さくしてください。

私の考えとしては、この2つは初期値のままをおすすめします。作者の集計はすべて2.5と1.6で計算されていて、値を変えた瞬間に、上で見た成績表は参考になりません。「自分のリスク許容度に合わせたい」なら、判定の線は動かさず、cut が出たときに減らす量を自分で決めるほうが筋がいいと思います。

January blend length は21のままでいい

January blend length (bars)は1〜90の範囲で変えられます。1にすると線が年明けに段差を作り、倍率が一晩で跳ねます(図の③)。大きくするほど移行はなだらかになりますが、そのぶん旧年版の線が長く残ります。1月の3週間で移り終える21は、段差をなくしつつ新しい年版を早く反映する、ほどよい値でした。

表示をすっきりさせたいとき

画面が込み合うと感じたら、Mark halvingsとTint background by rungをオフにするのが効果的でした。境目の線と右下の表さえ残っていれば、段は読み取れます。表が他のインジケーターと重なるときは、Table Positionを「Top Left」などへ移し、Table Sizeを「Small」にすると邪魔になりません。cut と restore の印と、de-risk at と restore at の2行だけは残しておくのがおすすめです。

導入から最初の読み取りまで

1ビットコインのドル建て日足を開く

BTCUSD や BTCUSDT のような、ドル(またはドル連動のステーブルコイン)建てのチャートを開き、時間足を日足にします。線はドル建ての価格で当てはめられているので、円建ての BTCJPY では倍率が正しく出ません。

2インジケーターを追加して、対数スケールに切り替える

インジケーターの検索で「BTC Power-Law Ladder」と入力して追加し、Alt+L(Macは Option+L)で対数スケールに切り替えます。

3表の3か所を見る

右下の表で、段の名前と倍率、de-risk at と restore at、state の3か所を確認します。これで「いまどこにいて、次に何が起きるとしたらどの価格か」がわかります。

4過去の印を確かめる

チャートを縮小して、過去の cut と restore の位置と、その後の値動きを眺めます。日足のバーリプレイは無料プランでも使えるので、過去の日付から1本ずつ進めると、当時この線がどう見えていたかも追体験できます。Point-in-Time の線なので、リプレイ中に見える線も当時と同じです。

使ってみて頼れたところ、気をつけたいところ

頼れたところ

  • 「いまは長い目で見て安いのか高いのか」を、倍率という1つの数字で即答してくれる
  • 年ごとの係数で線を引くので、後知恵の線にありがちな「過去に当たりすぎる」見え方を避けられる
  • 1月の移行処理のおかげで、係数の切り替えだけで段が変わることがない
  • cut と restore は確定した終値だけで判定され、印が描き換わらない
  • 次の判定価格が表に出るので、事前にアラートや計画を用意しやすい
  • 作者が成績の数字と弱点の両方を開示しており、信じてよい範囲が読み取れる

気をつけたいところ

  • ビットコインのドル建て日足でしか意味を持たない。円建てや他の銘柄では倍率がずれる
  • 対数スケールにしないと、上の段が読みにくい
  • cut のあとも上昇が続き、restore のあとも下落が続くことが多く、売買のタイミングには使えない
  • 背景の色が淡く、段の切り替わりを色だけで追うのは難しい
  • アラートは状態を見ないため、印より多く届くことがある
  • 2027年以降は暫定の係数になり、作者の更新しだいで線の位置が変わる

200日移動平均線と重ねて、restore の「その後」を補う

「BTC Power-Law Ladder」と組み合わせるなら、私は200日単純移動平均線をいちばんに推します。「BTC Power-Law Ladder」が教えてくれるのは「床からどれだけ離れているか」という位置だけで、価格がいま上向きか下向きかは教えてくれません。その欠けている「向き」を、長期トレンドの定番である200日線で補う組み合わせです。

特に効くのが restore の場面です。上の表のとおり、restore はたいてい下落の途中で出ます。restore が出た時点で価格が200日線の下にあるなら(図の①)、まだ下げの流れの中です。そこから図の②のようにもう一段下げることも珍しくありません。私は、restore が出ても200日線の下なら買い戻しを急がず、図の③のように終値で200日線を回復するまで待つ、という使い方をしています。

restore の位置を、200日移動平均線で確かめる

青い線が200日単純移動平均線(TradingView標準の「移動平均線」、期間200)です。

restore の位置を、200日移動平均線で確かめるBTC Power-Law Ladder に200日単純移動平均線を重ね、restore が出た時点ではまだ価格が200日線の下にあり、その後さらに下げてから200日線を回復する流れを示した模式チャートです。restorerestore は200日線の下、下落の途中で出たその後もう一段安い200日線を終値で回復200日移動平均線

Vowars DE ver.3.11.2

restore は倍率が1.6倍を割ったことを示すだけで、下げ止まりを示すものではありません。200日線の下で出た restore は、下落の途中であることが多くなります。200日線の回復を待てば下げの途中を避けやすい反面、買い戻す価格は高くなります。どちらを選ぶかは、下げに耐えられる資金量で決めてください。

200日線は、TradingView標準の「移動平均線」を追加し、期間を200にすれば表示できます。ただし、これは私の使い方で、作者が検証したルールではありません。200日線の回復を待つと下げの途中は避けやすくなりますが、買い戻す価格は高くなります。2024年9月の restore のように、その日がほぼ最安値だったケースでは、待ったぶんだけ高く買うことになりました。どちらを選ぶかは、下落にどこまで耐えられるかで決めてください。

導入前に確かめておきたいこと

日足以外では、線を描かずに理由を表示する

BTC Power-Law Ladderは日足以外の時間足では線を描かず、日足専用であることを表示する
BTC Power-Law Ladderは日足以外の時間足では線を描かず、日足専用であることを表示する

「BTC Power-Law Ladder」は日足専用です。4時間足や週足に切り替えると、線や印は描かれず、チャート中央に赤い文字で「日足専用で、他の時間足では意味を持たない」という英文が表示されます。何も表示されずに「壊れた?」と戸惑うことがないので、親切な作りです。

銘柄は確認されない

時間足とは違い、銘柄のチェックはありません。イーサリアムやゴールドの日足に入れても、警告は出ずにビットコイン用の線と段がそのまま計算されます。当然、その倍率には何の意味もありません。同じ理由で、円建ての BTCJPY に入れると、線がドル建てのままなので倍率が100倍をはるかに超え、ずっと very rich と表示されます。必ずドル建てのビットコインで使うことを覚えておいてください。

単体で売買を決めないでください

「BTC Power-Law Ladder」は、ビットコイン1銘柄の約12年分の値動きから作られた物差しです。過去に段ごとの成績がきれいに分かれていたのは事実ですが、市場の性質は何度も変わってきました。パワーローの床も、いつまでも守られる保証はありません。

cut や restore を見て、全額を一度に売り買いするような使い方は避けてください。暗号資産の取引には大きな損失のリスクがあります。最終的な判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家に相談してください。

どんなトレードに向くか

判定は日足。cut から restore までは数か月から1年以上かかります。数か月から数年の単位でビットコインを保有するポジショントレードや、長めのスイングトレードの「環境認識」に向いています。デイトレードやスキャルピングのエントリー判断には使えません。長期で積み立てている人が、「いまは買い増しに向く位置か」「保有を少し軽くしておく位置か」を月に一度点検する、といった使い方がいちばん合うと感じました。

ビットコインを長く持つ人のための「距離計」として

BTC Power-Law Ladder (Point-in-Time)

「BTC Power-Law Ladder」は、ビットコインの価格が歴史的な床からどれだけ離れているかを、後知恵を使わない線で測ってくれるインジケーターです。できることは多くありませんが、そのぶん何を測っているのかがはっきりしていて、数字の出どころも弱点も公開されています。

使ってみて何より助かったのは、ニュースやSNSの空気に流されそうなときに、「いまは線の1.17倍、cheap の段」という冷静な数字に戻ってこられることでした。cut や restore の印に売買を任せるのではなく、自分の保有量を見直すきっかけとして置いておく。そんな距離感で使うと、長期保有の心強い物差しになってくれます。

参照元・データ出典:この記事は、チャートプラットフォーム「TradingView」にて、クリエイター「RWCS_LTD」が制作したインジケーターを実際に使用し、徹底分析を行った上で公開しています。

免責事項:本記事は情報提供を目的としたもので、投資助言や特定の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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執筆者YUZURUトレーダー / インジケーター開発者 / Webクリエイター
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Web制作会社でオウンドメディアの編集者として働きながら、2018年に暗号資産(仮想通貨)トレードを開始。現物から先物まで実践するうちにチャート分析にのめり込み、現在はTradingViewのオリジナルインジケーターも自作しています。 当サイトでは、TradingViewのインジケーターを自分のチャートで1本ずつ検証し、計算の中身・使い方・弱点までを図解つきでレビューしています。作り手の視点でロジックまで踏み込み、実際に使って確かめた情報だけを掲載。特定銘柄への投資勧誘は行っていません。

このインジケーターの製作者