チャートの「過去の山と谷」を、今の値段を基準に塗り分ける水平線ツール
サポートやレジスタンスの線を、毎回自分で引き直すのは意外と手間がかかります。時間足を変えるたびに引き直し、古い線を消し忘れ、気づけばチャートが線だらけ。そんな経験がある人は多いはずです。
「Auto Support & Resistance Zones」は、その作業を肩代わりしてくれるTradingViewのインジケーターです。確定したスイング高値とスイング安値を自動で拾い、そこから右へ水平線を伸ばします。線の色は最新の終値より上なら緑、下なら赤。この2色だけで、頭上にある抵抗帯と足元の支持帯が一目で分かります。
5分足から週足まで6つの時間足に入れて試しましたが、線は細く、初期設定で透明度40%がかかっているため、ローソク足の邪魔をしません。表示されるのは1本1本が「確定した山と谷」から引かれた線なので、どこから来た線なのかを左へたどれば必ず起点が見つかります。この追いやすさは、使っていて助かると感じた部分でした。

図の①のように、線の起点はスイングの頂点そのものです。そこから右端まで伸びた線が、現在値より上にあれば図の②のとおり緑、下にあれば図の③のとおり赤で表示されます。
確定したスイングから右へ伸びる水平線
線の起点はスイングの頂点。現在値を境に、上の線は緑、下の線は赤で表示されます。
Vowars DE ver.3.12.33
公開ページのタイトルは「Auto Support & Resistance Zones」ですが、チャートに追加すると左上には「Auto Major Support & Resistance」と表示されます。
また、名前に「Zones」とありますが、現在のバージョンで描かれるのは幅のない1本の水平線だけです。価格帯を塗りつぶす帯や、高値・安値の位置に出る三角マーカーは表示されません。
「Auto Support & Resistance Zones」で分かること、分からないこと
先に全体像を整理しておきます。「Auto Support & Resistance Zones」は「どこに過去の節目があるか」を見せるインジケーターで、売買のタイミングを知らせる矢印やラベルは出しません。アラート条件も用意されていません。
| 表示されるもの | 表示されないもの |
|---|---|
| 確定したスイング高値・安値から右へ伸びる水平線 | 買い・売りのサインやラベル |
| 現在値より上の線は緑、下の線は赤 | 線の価格を示す数値ラベル |
| 確定済みの最高値と最安値の線(本数を絞っても最後の枠に入る) | 価格帯を塗りつぶすゾーン |
| 片側最大20本まで(初期値8本) | アラート条件 |
つまり、エントリーの判断そのものは自分で行う前提です。そのかわり、判断の材料になる節目を毎回同じルールで並べてくれるので、裁量の線引きにありがちな「今日はこの高値を拾ったけど、昨日は拾わなかった」というブレがなくなります。
線はどうやって生まれ、どう色が決まるのか
「Auto Support & Resistance Zones」の線は、4つのルールの組み合わせで決まります。スイングの確定、色分け、近い線のまとめ、本数の絞り込みです。ここを押さえておくと、チャートに出た線を見て「なぜここに線があるのか」「なぜあの高値には線がないのか」が説明できるようになります。
左右12本で確定する山と谷
線の起点になるのは、Major Pivot Lookbackで決めた本数(初期値12本)を左右に見て、その中で一番高い高値、またはいちばん安い安値をつけた足です。いわゆるピボット(フラクタル)と呼ばれる判定方法です。
右側の12本がそろうまで、その山は山として確定しません。図の①の足が高値をつけても、そのあと12本のあいだに上回る高値が出れば、その足は山として扱われません。図の②の12本を待ち、図の③の時点ではじめて、頂点の位置から線が現れます。
右側12本を待ってから、頂点までさかのぼって線が引かれる
線が現れるのは頂点の12本あと。ただし線の起点は、確定した足ではなく頂点そのものです。
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1時間足なら12時間、日足なら12日たってから線が出てくる計算です。直近の天井や底がまだ線になっていないのは不具合ではなく、確定を待っている状態だと理解しておきましょう。
線が現れるのは頂点から12本あとですが、線の左端は頂点の足に置かれます。過去チャートを眺めると「天井をつけた瞬間から線があった」ように見えますが、リアルタイムでその線が見えていたのは12本後からです。過去の値動きと線の位置関係だけで反発の精度を判断すると、実際よりよく見えてしまうので注意してください。
色を決めるのは最新の終値だけ
線の色は、その線が高値から来たか安値から来たかとは関係ありません。最新の足の終値と比べて、線の価格以上なら緑、未満なら赤という単純なルールです。
図の①の足は高値で線を抜けましたが、終値は線の下で引けています。この足が最新だった時点では、線は緑のままでした。図の②で終値が線の上に乗ると、図の③のように同じ線が赤に変わります。いわゆる「レジスタンスがサポートに転換した」状態を、色の変化で教えてくれるわけです。
終値が上抜けると、同じ線が赤に変わる
色を決めるのは最新の終値だけ。高値から引かれた線でも、終値がその上にあれば赤で表示されます。
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判定に使うのは終値だけなので、ヒゲで一瞬抜けただけでは色は変わりません。反対に、終値が線のわずか上で引けただけでも赤になります。線とローソク足が重なっている場面では、色を見るだけでなく、終値がどれだけ離れているかも確認しておくと安心です。
形成中の足では終値が刻々と動くため、線の色も足の確定までは入れ替わることがあります。足が確定したあとの色は、次の足で終値が線をまたがない限り変わりません。
近すぎる高値は1本にまとめる
似た価格の高値が何度も出ると、そのたびに線が増えて画面が埋まってしまいます。「Auto Support & Resistance Zones」はこれを防ぐために、Min Level Separation (%)(初期値2.5%)の範囲に入った新しい高値を、既存の線にまとめます。
図の①の高値に線が引かれたあと、図の②の高値は図の③の範囲に入っているため、新しい線を作りません。まとめられた高値は、既存の線のタッチ回数に1回分加算されます。線の価格は先にできた高値のまま動かないので、「いちばん新しい高値の位置に線を合わせたい」という使い方には向いていません。
近すぎる高値は1本の線にまとめられる
Min Level Separation(初期値2.5%)の幅に入った高値は、既存の線と同じ水準として数えられます。
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このまとめ処理は、高値同士、安値同士の中だけで行われます。過去の高値と過去の安値がたまたま近い価格にあれば、両方の線が並んで表示されます。
最後の1枠は最高値と最安値の指定席
片側に表示する線の数はMax Lines Each Side(初期値8本)で決まります。線は現在値に近い順に選ばれますが、最後の1枠だけは、確定済みのスイングの中で最も高い高値(下側なら最も安い安値)に使われるのが特徴です。
図の①は現在値に一番近い線で、もとは過去のスイング安値でした。現在値より上にあるので緑になっています。そして図の③の最高値は、上限を2本に絞っても消えません。押し出されるのは、図の②のような中間の高値の方です。
本数を絞っても、最高値の線は最後の枠に残る
Max Lines Each Side を 2 にした例。近い順に並べたうえで、最後の1枠は必ず最高値の線に使われます。
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最高値と最安値の線は、Min Touches (1 = Major Swings Draw Instantly)の条件も無視して表示されます。どれだけ設定を絞っても「チャートで最も大きな天井と底」は画面に残るので、大局の位置を見失いません。
この指定席の処理には、知っておきたい副作用もあります。最高値は、近い線にまとめられたあとでも専用の線として追加で描かれるからです。その結果、図の①の線と図の②の最高値の線のように、図の③で2本がほぼ重なることがあります。
最高値の線は、まとめられても別に描かれる
②の高値は①の2.5%以内なので①にまとめられますが、確定済みのスイング高値の中で最も高いため、専用の線が追加で引かれます。
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実際のビットコインの4時間足でも、7万8,000ドル付近の赤い線が1本だけ濃く見えていました。チャートを縮小した状態で線が太く見えたら、近い価格に2本が重なっていると考えてください。最高値や最安値の線が、まとめ処理とは別に同じ価格へもう一度描かれた場合も、同じように濃く見えます。
ここでいう最高値は、左右12本がそろって確定したスイング高値の中での最高値です。直近12本の中で更新した新高値は、まだ確定していないので候補に入りません。チャートの右端に見えている一番高い足に線がないのは、この確定待ちが理由です。
時間足を変えて見えてきた、線の性格
ビットコインの5分足、15分足、1時間足、4時間足、日足、週足に、すべて初期設定のまま「Auto Support & Resistance Zones」を表示して比べました。ルールは同じでも、時間足によって線の意味合いがかなり変わります。
| 時間足 | 表示の印象 | 向いている読み方 |
|---|---|---|
| 5分足・15分足 | 数日分の高値・安値に線が出る。現在値の近くに3〜4本ずつ並ぶ | 当日の利確・損切りの目安 |
| 1時間足 | 1か月半ほどの節目が上下に6〜7本ずつ並ぶ | デイトレードの主要な節目の確認 |
| 4時間足 | 半年ほどの節目。近い価格に2本並んで濃く見える線がある | スイングトレードの目標と押し目候補 |
| 日足 | 2年半ほどの主要な天井と底。上側は12万6,000ドル付近の最高値まで並ぶ | 中長期の抵抗帯・支持帯の把握 |
| 週足 | 数千ドル台の安値まで、全期間の節目が残る | 大局の位置確認 |
印象に残ったのは日足と週足です。日足では、2025年10月につけた12万6,000ドル付近の天井から緑の線が伸び、その下に10万ドル前後、9万ドル前後の節目が段々に並んでいました。現在値の真上にある緑の線と、真下にある赤い線が、次に意識されそうな価格帯の候補になります。

週足では、最安値の枠に数千ドル台の安値が入り、チャートの一番下に赤い線が1本だけ離れて引かれていました。これが先ほどの「最安値は必ず残る」ルールの実例です。また、2026年5月の高値から引かれた線は、現在値がその上にあるため赤で表示されていました。高値から引かれた線が支持帯として扱われている、まさに役割の転換の状態です。

5分足では、線が少なく感じました。ビットコインの5分足は数時間で1〜2%動くことが多く、2.5%以内の高値はまとめられてしまうためです。短い時間足で使うときは、後で紹介する設定の調整がほぼ必須になります。
最高値と最安値は「チャートに読み込まれている範囲の中」で決まります。日中足でTradingViewが読み込む本数はプランによって異なり、基本は5,000本、Essential・Plusは10,000本、Premiumは20,000本、Expertは25,000本、Ultimateは40,000本です(2026/10/16 現在)。同じ5分足でも、プランが違えば最安値の線の位置が変わることがあるので、他の人のチャートと見比べるときは頭に入れておいてください。
9つの設定と、銘柄・時間足に合わせた調整
設定項目は、線の選び方を決める5つと、見た目を決める4つに分かれます。比率で指定する項目が多いので、価格の桁が違う銘柄でも同じ感覚で使えるのが「Auto Support & Resistance Zones」の扱いやすいところです。
| 設定 | 初期値 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|---|
| Major Pivot Lookback | 12 | 短期足 5〜8/日足以上 12〜20 | スイングを判定する左右の本数。大きくすると大きな山と谷だけが残り、線が出るまでの待ち時間も長くなる |
| Min Touches (1 = Major Swings Draw Instantly) | 1 | 1(線を絞るなら2〜3) | 線として表示するのに必要なタッチ回数。2以上にすると、価格が戻ってこなかった水準の線が消える |
| Retest Zone Tolerance (%) | 1.5 | BTC日足 1.5/BTC短期足 0.5〜0.8/FX 0.2〜0.3 | タッチとして数える上下の幅。Min Touches (1 = Major Swings Draw Instantly)が1のままなら表示に影響しない |
| Min Level Separation (%) | 2.5 | BTC日足 2.5/BTC短期足 1.0/ゴールド 1.0/FX 0.5 | この幅に入った高値(安値)を既存の線にまとめる。小さくすると線が増える |
| Max Lines Each Side | 8 | 4〜8 | 上下それぞれの最大本数(2〜20)。最後の1本は最高値・最安値に使われる |
| Line Transparency (0-100) | 40 | 30〜60 | 線の透明度。設定できる上限は90 |
| Line Style | Solid | Solid または Dotted | 線の種類(Solid/Dashed/Dotted) |
| Resistance Base Color (Above Price) | #00f59b | 好みで | 現在値より上の線の色 |
| Support Base Color (Below Price) | #ff0d42 | 好みで | 現在値より下の線の色 |
Major Pivot Lookbackは「線の数」と「出る速さ」を同時に動かす
Major Pivot Lookbackを小さくすると、小さな山と谷まで拾うので線が増え、確定までの待ち時間も短くなります。図の①のように初期値の12ではまだ線にならない直近の安値も、5にすると図の②のとおりすでに線が引かれています。そのかわり、図の③のように細かな戻り高値まで線になり、画面がにぎやかになるのが難点です。
Major Pivot Lookbackで変わる、線の数と現れる速さ
同じローソク足で上段が初期値の12、下段が5。数字を小さくすると線が増え、直近のスイングにも早く線が引かれます。
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私のおすすめは、5分足や15分足では5〜8、1時間足から日足では初期値の12、週足で大きな節目だけを見たいなら20前後です。短期足で12のままだと、線が現れるまでに1時間〜3時間かかり、当日の値動きに追いつかない場面がありました。逆に長い足で小さくすると、どの線が重要なのか分かりにくくなります。
タッチ回数の条件と、タッチを数える幅はセットで使う
初期値のMin Touches (1 = Major Swings Draw Instantly)は1なので、確定したスイングはすべて線になります。ここを2や3に上げると、Retest Zone Tolerance (%)の幅に価格が戻ってきた回数で線がふるいにかけられます。
図の①の線は、上下1.5%の範囲に何度も高値が戻ってきたので残りました。一方、図の②の安値はその後一度も試されていないので、線が消えています。図の③の最高値は、回数に関係なく残ります。
Min Touchesを3にすると、試されていない線が消える
Min Touches を 3 にした例。Retest Zone Tolerance(初期値1.5%)の幅に足が入るたびに、回数が1つ増えます。
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数え始めるのは、スイングが確定した足からです。高値の線なら高値が、安値の線なら安値が幅の中に入った足を、1本ごとに1回として数えます。幅の中で横ばいが5本続けば、それだけで5回分です。「3回試された水準」というより「幅の中に3本以上の足が触れた水準」と読むのが実態に近いので、回数の多さを強さの証拠として受け取りすぎないようにしましょう。
線を減らしたいときは、Max Lines Each Sideで本数を絞るより、Min Touches (1 = Major Swings Draw Instantly)を2にするほうが私は好みでした。本数の上限で削ると現在値から遠い線が機械的に消えますが、タッチ回数で絞ると「価格が実際に反応した水準」が残りやすいからです。
銘柄の値動きの大きさに合わせて%を下げる
Min Level Separation (%)とRetest Zone Tolerance (%)の初期値は、1日に数%動くことが珍しくないビットコインの1時間足〜日足には合っていました。一方、値動きの小さい銘柄では幅が広すぎて、別々の節目が1本にまとめられてしまいます。
| 使う場面 | Major Pivot Lookback | Min Level Separation (%) | Retest Zone Tolerance (%) | 考え方 |
|---|---|---|---|---|
| BTCの5分足〜15分足 | 5〜8 | 1.0 | 0.5〜0.8 | 数時間で1〜2%動くので、2.5%ではまとめすぎる |
| BTCの1時間足〜日足 | 12 | 2.5 | 1.5 | 初期値のままで節目の数がちょうどよかった |
| ゴールドの1時間足〜日足 | 12 | 1.0 | 0.5 | 1日の値幅がBTCより小さく、2.5%では節目がまとまりやすい |
| ドル円・ユーロドルなど主要通貨ペア | 12 | 0.5 | 0.2〜0.3 | 1日の値幅が1%前後に収まることが多いため、設定できる下限近くまで下げる |
| 週足で大局を見る | 20 | 2.5〜5.0 | 1.5 | 細かい節目を消して、大きな天井と底だけを残す |
Min Level Separation (%)の下限は0.5、Retest Zone Tolerance (%)の下限は0.2です。FXの短い時間足では下限まで下げてもまだ幅が広く感じることがあるので、「Auto Support & Resistance Zones」は1時間足以上で使うほうが扱いやすいと感じました。
実際のトレードでの読み方
「Auto Support & Resistance Zones」の線は、エントリーの合図ではなく「どこで値動きが止まりやすいか」の地図として使うのが基本です。私は次の順番で見ています。
1 上位足で大きな節目を確認する
まず日足や4時間足に表示して、現在値の真上にある緑の線と、真下にある赤い線を確認します。この2本が、当面の上値の目安と下値の目安です。上位足の線は、下位足に切り替えても意識されやすい価格帯として残しておく価値があります。
2 取引する時間足で、近い線との距離を測る
次に、実際に取引する時間足に切り替えます。現在値から次の緑の線までの距離が、買いで狙える値幅の目安になります。反対側の赤い線までの距離は、損切りを置く位置の候補です。両者の比率を見れば、そのトレードが割に合うかどうかを入る前に判断できます。
3 終値で線を越えたら、色の変化を待つ
価格が緑の線に近づいたら、注目するのは終値で上抜けるかどうかです。終値が上に乗れば線は赤に変わり、それまでの抵抗帯が支持帯の候補に変わったことが色で分かります。ブレイク直後に飛び乗るより、赤に変わった線まで押してきたところで反発を確認してから入るほうが、損切りの位置もはっきりします。
4 反発の根拠を、別のインジケーターで補う
「Auto Support & Resistance Zones」が示すのは「節目の位置」だけです。抜けた勢いが本物か、反発に買いが伴っているかは別の材料で確かめます。
組み合わせ例 Chaikin Money Flowで抜け方を確かめる
相性がよかったのは、TradingView標準のChaikin Money Flow(CMF)です。CMFは、足の中で終値が高値寄り・安値寄りのどちらで引けたかを出来高で重みづけし、一定期間で平均した指標です。0より上なら買いの資金が優勢と読めます。
図の①で終値が線を上抜けた足では、図の②の通りCMFもプラス圏にありました。直前の図の③では、高値から押し戻される場面でCMFがマイナス圏まで下がっています。価格が線を抜けたかどうかだけでなく、抜けた足に資金の流入が伴っていたかを見ることで、ダマシの上抜けを避ける材料が増えます。
上抜けの質をCMFで確かめる
線を抜けたかどうかは価格で、抜け方に買いの資金が伴っているかはCMFで見ます。
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他にも、次のようなインジケーターと組み合わせやすいと感じました。
- 出来高プロファイル(期間指定) 水平線と出来高の多い価格帯が重なれば、その節目はより意識されやすいと判断できます
- ATR 赤い線のすぐ下に損切りを置くとき、ATRの0.5〜1倍ほど離しておくと、線を少し割り込むヒゲで刈られにくくなります
- アンカーVWAP 最高値や最安値の足を起点に引くと、「Auto Support & Resistance Zones」の最高値・最安値の線と組み合わせて、大きな転換点からの平均コストを確認できます
「Auto Support & Resistance Zones」自体にはアラート条件がありません。気になる線に価格が届いたら知りたい時は、TradingViewの描画ツールで同じ価格に水平線を引き、その水平線にアラートを設定します。水平線のアラートは、描画ツールのツールバーにある時計のアイコンか、線を右クリックしたメニューから作れます。線の価格は確定後に変わらないので、代用としてはこれで十分でした。
使う前に知っておきたいクセ
頼れるところ
- 確定したスイングだけから線を引くため、一度引かれた線の価格はあとから動かない
- 現在値を基準にした2色の塗り分けで、抵抗帯と支持帯が一目で分かる
- 本数を絞っても最高値・最安値の線は最後の枠に残り、大局の位置を見失わない
- 幅を%で指定するので、価格の桁が違う銘柄でも同じ感覚で設定できる
- 細い線と透明度で、常に表示していてもローソク足の邪魔にならない
気をつけたいところ
- 線が現れるのはスイングから設定本数のあと。直近の天井・底はしばらく線にならない
- 近い価格に線が2本重なり、1本の濃い線に見えることがある
- タッチ回数は足の本数で数えるため、横ばいが続くと回数が多めに出る
- 過去の各時点でどの線が出ていたかは、通常のスクロールでは確認できない
- 値動きの小さい銘柄では、初期値の%だと節目がまとめられすぎる
線は最新の足で、毎回まとめて引き直される
「Auto Support & Resistance Zones」は、チャートの最新の足で、すべての線をいったん消してから引き直す作りです。そのため、チャートを左へスクロールしても、表示されているのはあくまで「今の終値」を基準にした線です。3か月前の時点でどの線が緑で、どの線が赤だったかは、この画面からは分かりません。
過去の時点の見え方を確かめたいなら、バーリプレイが便利です。リプレイ中はインジケーターも再生した足までのデータで計算されるので、その時点で表示されていた線の配置を追えます。ただし、さかのぼれる期間は銘柄、時間足、プランによって変わります。
リペイントについて
「Auto Support & Resistance Zones」の線は、確定したスイングからしか引かれません。いったん確定したスイングの価格は、あとから変わることも消えることもありません。ただし、線は確定した時点で、設定した本数だけ前の頂点の位置までさかのぼって描かれるため、過去チャートで見る線の起点と、実際にその線が見え始めたタイミングにはずれがあります。
色についても同じ考え方です。色は最新の終値で決まるので、過去の足に対して「この時点で赤だった」という記録は残りません。バックテストのように過去チャートを見て反発のよさを判断するときは、この2点を差し引いて考えてください。
線の価格はスイングの高値・安値そのもの、つまりヒゲの先端です。実体ではなくヒゲで決まるので、長いヒゲをつけた足があると、実体の集まりから少し離れた位置に線が引かれることがあります。線ちょうどで指値を置くより、線の手前に少し余裕を持たせたほうが約定しやすい場面もあります。
公開ページの説明と、現在の表示との違い
公開ページの最初の説明には、帯の厚みを決める「Zone Thickness」や、左右で別々に指定する「Pivot Lookback (Left / Right)」といった設定が書かれています。しかし現在のバージョンの設定画面にはこれらの項目がなく、帯も描かれません。更新履歴にある三角マーカーの表示切り替えも、現在の設定には見当たりませんでした。この記事の内容は、現在のバージョンで実際に表示される線と設定項目にもとづいています。
線を引く時間を、読む時間に回すためのインジケーター
画像「Auto Support & Resistance Zones」は、過去の山と谷から水平線を引き、今の値段を基準に緑と赤で塗り分けるという、やることがはっきりしたインジケーターです。サインもアラートもありませんが、そのぶん画面は静かで、表示されている線がどのスイングから来たのかを必ずたどれます。
とくに便利だったのは、色の変化でレジスタンスとサポートの入れ替わりが分かる点と、本数を絞っても最高値・最安値の線が残る点です。自分で線を引いていたころは、ブレイクのたびに線の意味を頭の中で切り替えていましたが、その作業がまるごと不要になりました。
一方で、確定待ちのタイムラグや、近い価格に線が重なるクセは理解して使う必要があります。銘柄に合わせてMin Level Separation (%)を調整し、Min Touches (1 = Major Swings Draw Instantly)で線を絞り、CMFのような勢いを測る指標と組み合わせる。そうすれば、毎日の線引きを任せられる頼もしい相棒になってくれるはずです。










