シグナルブレイクアウト

トレンド・モメンタム・ブレイク・逆張りを1本に。TradingViewの全部入り売買シグナルを図解で解説。

トレンド・モメンタム・ブレイク・逆張りを1本に。TradingViewの全部入り売買シグナルを図解で解説。
インジケーター 無料 Buy-Sell Signals using Multi-Logic Trading System
このインジケーターの製作者 InvestyourAsset
5段階評価で 3.5 難易度 中級
この評価にした理由 売買判断型のインジケーターで、シグナルと同時にSTOPとTARGETまで描く完結度の高さが最大の強みです。一方で、初期値が日中足向けに作られているため、4時間足以上ではHigher Timeframe・VWAP・レンジ幅を自分で直す必要があり、適応性が最も低い評価になりました。作者の説明画像にある上位足EMAの期間(200)が実際の初期値(50)と異なる点、出来高条件の外し方が説明と一部噛み合わない点を踏まえて、0.1を差し引いています。日中足で設定を詰めて使う人には合いますが、入れるだけで長い時間足のシグナルを得たい人には噛み合いにくい作りです。
この難易度にした理由 4つのロジックがマーカー上で区別されないため、どのロジックで出たシグナルかを読み取るには、ダッシュボードとEMA・RSI・MACDの知識が要ります。さらに、時間足に応じてHigher TimeframeやMaximum Range Width %を自分で直す必要があるので、基本的なインジケーターを一通り使いこなせる方に向いています。

総合評価 3.5/ 5.0

評価基準について

  • 充足性 4.2 作者が掲げた目的を、実際の表示や挙動がどこまで果たしているか。 方向・タイミング・損切り・利確がシグナルと同時にそろい、アラートにも価格が載るため、売買判断に必要な要素はほぼ揃っています。
  • 独自性 3.4 既存のインジケーターにない視点・構造・見せ方を持っているか。 使っている指標は定番ですが、4つのロジックの切り替えと、STOP・TARGETを自動で描く仕組みをまとめた構成には意味があります。
  • 可読性 3.6 チャートに入れたときに、意図した情報を誤解なく読み取れるか。 箱とマーカーは明快です。一方で、金色の線が3種類重なることと、どのロジックでシグナルが出たか分からないことが読み違いを招きます。
  • 適応性 3.0 自分の銘柄・時間足・トレードスタイルに合わせ込めるか。 項目名は明確です。ただ、上位足1時間・レンジ幅5%・VWAPという初期値が日中足向けで、長い時間足では直さないとフィルターが働きません。
  • 信頼性 3.9 表示されたものを、そのまま信じて判断材料にできるか。 シグナルは確定足のみで描き換わりません。上位足の境目で1本ずれる可能性と、勝率の集計方法の癖は把握しておく必要があります。
この記事の要約
どんなインジケーター?
結論

Buy-Sell Signals using Multi-Logic Trading Systemは、4つの売買ロジックとSTOP・TARGETを1画面にまとめたインジケーターです。15分足なら初期値で使えますが、4時間足以上ではHigher Timeframe・VWAP・レンジ幅の3つを直す必要があります。

もっと詳しく
この記事の要点
  • トレンド、モメンタム、レンジブレイク、平均回帰の4ロジックのどれかがそろうとシグナルが出ます
  • シグナルは足の確定後にだけ出て、リアルタイムで描き換わりません
  • STOPは直前10本の安値からATR×0.2外側、TARGETはその距離の1.5倍に置かれます
  • 初期設定では、STOPかTARGETに触れるまで次のシグナルは出ません
  • リボンはEMA20〜EMA200を5等分した線で、EMA50は表示されません
  • Higher Timeframeの初期値は1時間なので、4時間足以上では変更が必要です
  • レンジ判定は固定の5%なので、時間足に合わせて調整すると判定が実態に近づきます
  • ダッシュボードの勝率は、STOPかTARGETに触れたかだけで数えた簡易的な値です

4つの売買ロジックを1本にまとめ、決済の目安まで描くインジケーター

「Buy-Sell Signals using Multi-Logic Trading System」は、トレンド・モメンタム・レンジブレイク・レンジ内の逆張りという4種類の売買ロジックを1本にまとめたTradingViewのインジケーターです。作者はInvestyourAssetで、オープンソースとして公開されています。

BUYかSELLのマーカーが出ると、その瞬間にエントリー価格・損切り(STOP)・利確目標(TARGET)がセットで描かれます。ここが単なる矢印系シグナルと違うところで、「どこで入って、どこで逃げて、どこで利確するか」までが1画面で完結します。右上にはスコアやフィルターの状態をまとめたダッシュボードも出ます。

Buy-Sell Signals using Multi-Logic Trading SystemをTradingViewの4時間足チャートに表示した例
Buy-Sell Signals using Multi-Logic Trading SystemをTradingViewの4時間足チャートに表示した例

私はビットコインの15分足・4時間足・日足にそれぞれ入れて、数日かけて表示を見比べました。使ってみて分かったのは、同じ初期設定でも時間足によって性格がまるで変わることです。この記事では、シグナルの出る仕組みを1つずつほどいたうえで、初期値のままだと困る設定と、その直し方まで書いていきます。

チャート上の表示名は少し違う

TradingViewの公開ページでは「Buy-Sell Signals using Multi-Logic Trading System」という名前ですが、チャートの左上には「Buy-sell with multi-logic trading system」と表示されます。ダッシュボードの見出しは「IYA · ATS PRO」です。どれも同じインジケーターなので、インジケーター一覧で探すときは「Multi-Logic」で検索すると見つけやすいです。

チャートに出る表示は6種類。まず見方をそろえる

「Buy-Sell Signals using Multi-Logic Trading System」を入れると、情報量の多さに最初はびっくりすると思います。私も最初の数分は、どの線が何なのか分かりませんでした。整理すると、表示は次の6種類に分かれます。

表示何を表しているか初期状態
グラデーションの帯(リボン)EMA20からEMA200までの位置関係と、トレンドの向き表示
金色のグロー線セッションVWAP(その日の出来高加重平均価格)表示
光る丸とBUY・SELLのタグ確定したシグナル表示
金色の水平線(エントリービーム)保有中のエントリー価格表示
緑と赤の箱TARGETまでの利益側と、STOPまでの損失側表示
最新足の上のカード今の相場を4つの状態のどれと判定しているか表示

シグナルが出てから決済されるまでの流れを図にまとめました。図の①のように、BUYは足が確定してから点灯します。その足の終値がそのままエントリー価格になり、図の②の位置に金色の線が引かれます。箱は右へ伸び続け、TARGETかSTOPに触れた足の手前で止まります(図の③)。

BUYの点灯から決済までの流れ

シグナルが出ると、エントリー価格・ストップ・ターゲットが1セットで描かれ、どちらかに触れるまで右へ伸び続けます。

BUYの点灯から決済までの流れBUYのマーカー、終値に引かれる金色のエントリーライン、上の緑の箱と下の赤の箱、ターゲットに触れた足で箱の延長が止まる様子を示す図。TARGET 86775.62STOP 84900.50BUYBULLISH TREND足が確定した時点でBUYが点灯BUY足の終値がエントリー価格ターゲットに触れた足で箱の延長が止まる金色の線はVWAP

Vowars DE ver.3.12.1

15分足を想定した合成チャートで、設定はすべて初期値です。箱は次のシグナルが出るまで残り、次のBUYかSELLが出た時点で消えます。

箱は決済したあとも消えず、次のシグナルが出た時点で初めて消えます。つまり画面に残る箱は、いつも「いちばん新しいトレード」の1組だけです。過去のトレードを箱ごと振り返りたいなら、表示設定のKeep Historical Risk/Reward Boxes On Chartをオンにします。

リボンの6本の線にEMA50は含まれていない

リボンは6本の細い線と、その間の薄い塗りでできています。私は最初、この6本がEMA20・EMA50・EMA200などの複数の移動平均だと思い込んでいました。実際は違います。

価格側の端がEMA20(図の①)、反対側の端がEMA200(図の②)で、間の4本はEMA20とEMA200の距離を5等分した位置に引いた補助線です。トレンド判定に使われているEMA50は、画面のどこにも描かれていません(図の③)。

リボンの線はEMA20とEMA200を5等分したもの

6本の線は、EMA20からEMA200までを均等に区切った位置に引かれています。EMA50そのものは表示されません。

リボンの線はEMA20とEMA200を5等分したものリボンの最も価格に近い線がEMA20、最も遠い線がEMA200で、間の4本は等間隔の補間線であること、EMA50は別の位置を通ることを示す図。価格側の端がEMA20反対側の端がEMA200点線がEMA50(実際の画面には出ない)

Vowars DE ver.3.12.1

シグナル・ボックス・VWAPの表示をオフにした合成チャートです。点線のEMA50は説明のために描き足したもので、実際のチャートには表示されません。

色は足ごとに3通りに切り替わります。終値>EMA20>EMA50>EMA200の並びがそろうと、価格側が金色で外側が緑の強気カラーに変わります。逆向きにそろえば赤から暗い赤の弱気カラーです。どちらでもなければグレーから紺の中立カラーになります。

ここで注意したいのは、終値がEMA20を1本割っただけで中立色に戻ることです。上昇トレンドの押し目で帯がグレーに変わっても、トレンドが終わったとは限りません。EMA50がどこにあるのかを確かめたい方は、TradingView標準の移動平均(EMA)を期間50で別に重ねておくと判断が楽になります。

金色が3つあるので、線の役割を取り違えやすい

「Buy-Sell Signals using Multi-Logic Trading System」で私がいちばん戸惑ったのは色でした。金色が多すぎるんです。VWAP、エントリービーム、そして強気時のリボンの価格側の線が、どれも同じ系統の金色で描かれます。上昇トレンド中にエントリービームとVWAPが近い価格に来ると、どれがどれだか一瞬分からなくなります。

見分け方は形です。VWAPは値動きに沿って曲がり、1日の始まりで急に位置が変わります。エントリービームは完全な水平線で、保有中だけ表示されます。リボンの金色は、ほかのリボンの線と一緒に帯になって動きます。どうしても紛らわしいときは、スタイル設定から「VWAP Core」や「Entry Beam Core」の色だけを変えておくと、かなり見やすくなります。

相場判定カードとダッシュボードは「最新の足」しか映さない

最新足の上に出るカードは、今の相場を次の4つのどれかに分類した結果です。判定の順番に意味があり、上から順に当てはまったものが表示されます。

表示条件カードの色
BULLISH TREND終値>EMA20>EMA50>EMA200緑
BEARISH TREND終値<EMA20<EMA50<EMA200赤
RANGE / SIDEWAYS直前30本の値幅が、安値に対して5%以内金
TRANSITION上のどれにも当てはまらないグレー

右上のダッシュボードは12行あります。全部を毎回読む必要はなく、私が実際に目を向けているのは図の①のスコア、②のフィルター、③の勝率の3か所です。

ダッシュボードの12行で読むところ

右上の表は最新の足の状態だけを表示します。過去の足の値は残らないので、見るべき行を絞っておくと迷いません。

ダッシュボードの12行で読むところインジケーターが右上に出す2列12行のダッシュボードと、スコア、フィルター状態、勝率の各行が何を示すかを説明した図。IYA · ATS PRORANGE / SIDEWAYSBull Score3 / 6Bear Score0 / 6RSI55.5ATR %0.19%Volume Ratio0.33xBB Width0.55%HTF TrendBEARISHVWAPBELOWTradeLONGSL / TP81634.69 / 88204.07Win Rate46.5% (43)6つの条件のうちそろった数上位足とVWAPのフィルターの向き箱に触れたかだけで数えた勝率(回数)最新足の相場判定

表の数値は例示です。

Vowars DE ver.3.12.1

表の数値は15分足で表示したときの一例です。ダッシュボードはShow Statistics Dashboardで表示を切り替えられます。

Bull Score・Bear Scoreは、後で説明する6つの条件のうち、いくつがそろっているかを示します。HTF TrendとVWAPは、シグナルに掛かっているフィルターの向きです。ここが赤なら、BUY側のトレンド系シグナルは出ません。

過去の足の判定を確認したいとき

カードとダッシュボードは最新の足の値しか表示せず、チャートをスクロールしても過去の足の判定は出てきません。ただしTradingViewのバーリプレイを使えば、再生を止めた時点が「最新の足」として扱われるので、その時点のカードとダッシュボードを確認できます。気になるシグナルの足でリプレイを止めるのが、いちばん手早い検証方法です。遡れる期間は、プランと時間足によって変わります。

BUY・SELLはどう決まる?4つのロジックと6点スコア

「Buy-Sell Signals using Multi-Logic Trading System」のシグナルは、4つのロジックのうちどれか1つでも条件を満たせば点灯します。どのロジックで出たかはマーカーに書かれません。作者も説明文でこの点を認めていて、判断はカードやダッシュボードと値動きから読み取るように案内しています。

4つのロジックを理解する前に、共通の物差しになっている「スコア」から押さえておきます。

Bull Score・Bear Scoreは6つの条件の合計

条件Bull Scoreが加算される状態Bear Scoreが加算される状態
EMAの並び終値>EMA20>EMA50>EMA200終値<EMA20<EMA50<EMA200
RSI(14)45より上、72より下28より上、55より下
MACD(12・26・9)MACD線がシグナル線より上で、ヒストグラムがプラスMACD線がシグナル線より下で、ヒストグラムがマイナス
ボリンジャーバンド(20・2)終値が中心線より上終値が中心線より下
出来高とOBV出来高が20本平均の1.5倍以上で、OBVが14本平均より上出来高が20本平均の1.5倍以上で、OBVが14本平均より下
直近高値・安値の更新陽線で、直前10本の高値を終値で上抜け陰線で、直前10本の安値を終値で下抜け

RSIの範囲が「70以上で買われすぎ」のような一般的な使い方と違い、上限の72を超えるとBull Scoreから外れる点は覚えておくと役に立ちます。勢いが付きすぎた足では、かえって点数が下がる作りです。

スコアの6番目は損切りの設定に連動している

6番目の条件で使う「直前10本」は、リスク管理のStructure Swing Lookbackの値をそのまま使っています。損切りの位置を調整するつもりでこの値を変えると、スコアの計算まで一緒に変わるので注意してください。

トレンドフォロー型は「並び+スコア+2つのフィルター」

Enable Trend-Following Logicで有効になるロジックです。EMAの並びが完全にそろい、スコアがMinimum Trend Confluence(初期値4)以上で、さらに上位足のEMAとVWAPの向きが合っているときにシグナルが出ます。並び自体がスコアの1点に数えられるので、初期値の4は「並び+ほかの5条件のうち3つ」という意味になります。

4つの中ではいちばん慎重です。そのぶん、トレンドが出て少したってからの点灯になりやすく、初動は取りにいきません。

モメンタム型はEMAの並びを待たずに反応する

Enable Momentum Logicのロジックは、終値がEMA20より上、RSIが52超え、MACDヒストグラムがプラスで前の足より大きい、OBVが平均より上、という勢いの条件で判定します。売り側はRSIが48未満で、ほかは逆です。ここにも上位足とVWAPのフィルターが掛かります。

EMA50とEMA200の並びを待たないので、トレンドフォロー型より早く出ます。私が見た限りでも、レンジを抜けた直後のシグナルはこのロジックによるものが多い印象でした。最初の図解のBUYも、計算上はモメンタム型の条件で点灯しています。

見落としやすいのは出来高です。Use Volume Filter When Availableがオンで出来高のデータがある銘柄では、出来高が20本平均の1.5倍以上ある足でしかモメンタム型のシグナルは出ません。

レンジブレイク型は「直前30本の外で、はっきり引けたか」を見る

Enable Range Breakout Logicのロジックは、直前の30本が値幅5%以内に収まっていたことを前提に、そこを終値で抜けた足を拾います。判定する足そのものを範囲に含めないのがポイントで、図の①の範囲には今の足が入っていません。

レンジブレイクでBUYが出る条件

直前30本でできた値幅を、今の足の終値がATRの0.15倍以上はっきり上抜けたときにブレイクと判定します。

レンジブレイクでBUYが出る条件直前30本の高値と安値の範囲、その高値にATR×0.15を足した判定ライン、終値でそれを上抜けたブレイク足とBUYの位置関係を示す図。TARGET 83867.52STOP 83000.59BUYRANGE / SIDEWAYS直前30本の高値・安値(判定する足は含めない)終値がこのラインを超えた(高値+ATR×0.15)その足が確定した時点でBUY

Vowars DE ver.3.12.1

15分足を想定した合成チャートです。直前30本の範囲には、判定する足そのものは含まれません。Maximum Range Width %(初期値5%)以内の値幅なら「レンジ」として扱われます。

上抜けの基準は「直前30本の高値+ATR×0.15」です(図の②)。高値をわずかに超えただけの足を除くための上乗せで、Breakout Confirmation Buffer (x ATR)で変えられます。さらに、終値がその足の値幅の上側60%以上で引けていること、RSIが50超え、MACD線がシグナル線より上、VWAPより上であることもそろって、初めて図の③のBUYになります。

ここで1つ注意があります。このロジックには上位足のフィルターが掛かりません。上位足が下落トレンドのままでも、レンジを上に抜ければBUYが出ます。作者もこの点を明記していて、上位足の構造は自分で確認するよう書いています。

出来高の条件は2か所でオンになっている

ブレイク時の出来高を問わないつもりでRequire High Volume For Breakoutをオフにしても、Use Volume Filter When Availableがオンのままなら、1.5倍以上の出来高は引き続き必要です。出来高の条件を外したいなら、両方をオフにする必要があります。

平均回帰型は初期状態でオフ。使うなら出来高の条件に注意

Enable Sideways Mean-Reversion Logicは、レンジの下側20%まで下げて戻した足を買い、上側20%まで上げて戻した足を売るロジックです。下ヒゲが足の値幅の35%以上ある陽線、RSIが38未満から上向きに変わること、レンジ幅がATRの1倍以上あること、などが条件になります。上位足とVWAPのフィルターは掛かりません。

ひとつ引っかかったのは、ここにも出来高の条件が入っていることです。出来高フィルターがオンだと、平均の1.5倍以上の出来高を伴った反発足でしかシグナルが出ません。作者は「出来高が増えながらレンジの端を攻めているときは使わない」と書いているので、出来高の急増を条件にしている点とはやや噛み合っていないように感じました。平均回帰型を試すなら、出来高フィルターの扱いを自分で決めてから使うのがよいと思います。

STOPとTARGETは「直前の安値」と「1.5倍」で決まる

初期設定のStop-Loss Methodは「Structure + ATR」です。BUYの場合、直前10本の最安値を探し(図の①)、そこからATRの0.2倍下にSTOPを置きます(図の②)。TARGETはエントリーからSTOPまでの距離の1.5倍上です(図の③)。

STOPとTARGETの高さはこう決まる

初期設定のStructure + ATRでは、直前の安値の少し下にSTOPを置き、そこまでの距離の1.5倍先にTARGETを置きます。

STOPとTARGETの高さはこう決まるBUYの直前10本の最安値、そこからATRの0.2倍下に置かれたSTOP、エントリーからSTOPまでの距離の1.5倍上に置かれたTARGETの関係を示す図。TARGET 86775.62STOP 84900.50BUYBULLISH TREND1R1.5RBUY直前の10本で最安値を探す最安値からATR×0.2下にSTOPSTOPまでの距離の1.5倍上にTARGET

Vowars DE ver.3.12.1

図1と同じ場面です。直前10本の範囲にBUY足そのものは含まれません。Stop-Loss MethodをATRにすると、STOPはエントリーからATR×1.5下の固定距離になります。

損切りの位置が直前の安値の少し下なので、値動きの節目に沿った置き方になります。そのかわり、直前の10本が大きく動いていると損切りまでの距離が広がり、TARGETも比例して遠くなります。日足で見ると、この「遠さ」がかなり効いてきます(後で触れます)。

Stop-Loss MethodSTOPの位置向いている場面
Structure + ATR(初期値)直前10本の最安値(最高値)からATR×0.2外側節目を意識した裁量トレード
ATRエントリーからATR×1.5値動きの荒い銘柄、損切り幅をそろえたいとき
Fixed %エントリーから2.5%ボラティリティの変化を気にしない単純な運用

Target Methodの初期値は「Risk:Reward」で、Risk:Reward Ratioの1.5倍が掛かります。TARGETの到達とSTOPの到達を1勝・1敗として数えると、勝率40%が損益トントンの境目です(1.5×0.4=1×0.6)。後で紹介するダッシュボードの勝率は、この40%を基準に見ると意味が分かりやすくなります。

保有中はシグナルが止まる。これを知らないと「壊れた?」と思う

「Buy-Sell Signals using Multi-Logic Trading System」の初期設定では、Wait For SL/Target Before Next Signalがオンになっています。STOPかTARGETに触れるまで、次のシグナルを一切受け付けない設定です。逆方向のシグナルも止まります。

保有中は次のシグナルが出ない

初期設定では、STOPかTARGETに触れるまで次のシグナルを受け付けません。その間に条件がそろっても、マーカーは出ません。

保有中は次のシグナルが出ない最初のシグナルから決済までの保有期間中に、BUYやSELLの条件が何度かそろったものの表示されず、ターゲットに触れた足で次のシグナルが出た様子を示す図。TARGET 87230.88STOP 85990.79BUYBUYBULLISH TRENDここでトレード開始条件がそろっても点灯しない決済した足で次のシグナル

Vowars DE ver.3.12.1

点線の丸は、条件はそろったものの保有中のため表示されなかった位置を説明のために描き足したものです。実際の画面には出ません。保有中の箱は次のシグナルで消えるため、最初のトレードは金色のエントリーラインだけが残ります。

図の①でBUYが出たあと、図の②の区間ではBUYとSELLの条件が何度もそろっています。それでもマーカーは出ません。TARGETに触れた足で、ようやく次のシグナルが点灯します(図の③)。

1回ごとに決着を付ける運用なので、検証はしやすくなります。問題は時間足が長いときです。

日足では1つのSELLが8か月近く決着しなかった

ビットコインの日足に入れたとき、2026年2月初めに出たSELLが、9月末になってもまだ保有中の扱いでした。STOPは91,296.91、TARGETは52,480.16と、どちらも現在値からかなり離れています。その間の約8か月、新しいシグナルは1つも出ていません。正直、最初は表示が止まったのかと思いました。

しかも同じ画面のカードは「BULLISH TREND」で、ダッシュボードのTradeは「SHORT」のままです。相場判定とトレード状態が逆を向いているので、初めて見ると混乱すると思います。4時間足でも、6月初めのSELLが8月下旬まで持ち越されていました。

日足ではSTOPとTARGETが遠く、1回のトレードが数か月続くことがある(BTCUSDT、2026/9/26時点)
日足ではSTOPとTARGETが遠く、1回のトレードが数か月続くことがある(BTCUSDT、2026/9/26時点)

対処は2つあります。1つはWait For SL/Target Before Next Signalをオフにして、新しいシグナルが前のトレードを上書きできるようにする方法です。もう1つはStop-Loss Methodを「ATR」にして、STOPとTARGETの距離をATR基準に縮める方法です。前者はシグナルが増えるかわりに、上書きされたトレードが勝率の集計から外れます。後者のほうが、集計の意味を保ったまま回転を上げられます。

ほかにも3つの「出さない仕組み」がある

  • Signal Only When Setup Becomes Fresh(初期値オン)は、条件が「そろっていない」から「そろった」に切り替わった足でだけシグナルを出します。条件が続いている間、毎本出ることはありません
  • Minimum Bars Between Signals(初期値5)は、前のシグナルから5本が過ぎるまで次を出しません。6本目から解禁です
  • 同じ足でBUYとSELLの両方がそろった場合は、スコアの高いほうだけが出ます。同点ならどちらも出ません

Freshの設定は地味です。でも効きます。トレンドの途中でTARGETに触れても、条件がそろい続けている限り次のBUYは出ません。一度条件が崩れて、もう一度そろうのを待つことになります。

ビットコインの4つの時間足で表示を比べてみた

初期設定のまま、ビットコイン(BTCUSDT)の15分足・1時間足・4時間足・日足に入れて、2026年9月26日時点のダッシュボードを並べました。

時間足相場判定カードTradeWin Rate(決着した回数)
15分足RANGE / SIDEWAYSLONG46.5%(43回)
1時間足RANGE / SIDEWAYSLONG44%(84回)
4時間足TRANSITIONFLAT45.7%(94回)
日足BULLISH TRENDSHORT47.5%(40回)

勝率はどれも44〜48%で、1.5倍のTARGET設定での境目の40%は上回っています。ただし、ここには手数料もスプレッドも入っていません。回数も40〜90回程度なので、「勝てる」と言える材料にはならないと私は考えています。

15分足ではRANGE / SIDEWAYSの判定が続きやすい(Buy-Sell Signals using Multi-Logic Trading System、2026/9/26時点)
15分足ではRANGE / SIDEWAYSの判定が続きやすい(Buy-Sell Signals using Multi-Logic Trading System、2026/9/26時点)

面白かったのはカードの判定です。15分足では、価格が5日ほどで1万ドル以上動いた週でも「RANGE / SIDEWAYS」でした。レンジの判定は「直前30本の値幅が5%以内」という固定の割合なので、1本あたりの値幅が小さい短い時間足ほどレンジと判定されやすくなります。逆に日足では、30本で5%以内に収まることはめったにありません。

4時間足ではTRANSITIONの判定が多く、シグナルの間隔も長い
4時間足ではTRANSITIONの判定が多く、シグナルの間隔も長い

初期値のままだと困る3つの設定

「Buy-Sell Signals using Multi-Logic Trading System」の初期値は、作者の説明にあるプリセットの「5分足・15分足のデイトレード」に近い組み合わせです。4時間足や日足で使うなら、少なくとも次の3つは見直したほうがよいと感じました。

1Higher Timeframeは必ずチャートより長くする

Higher Timeframeの初期値は「60」(1時間)です。これを4時間足や日足にそのまま入れると、上位足のつもりがチャートより短い時間足のEMAを参照することになります。TradingViewの公式ドキュメントでも、チャートより短い時間足をこの方法で取得すると、最後の1本分の値しか返らず、リアルタイムで再現できない描き換えにつながると説明されています。

チャートの時間足Higher Timeframeの目安
5分足30分または60分
15分足60分(初期値)または4時間
1時間足4時間または日足
4時間足日足または週足
日足週足

この組み合わせは作者の説明文にある目安をもとに、日足の行だけ私が足したものです。上位足を遠くするほどシグナルは減り、近づけるほど増えます。

2日足以上ではVWAPフィルターを外す

VWAPはセッション(ビットコインなら1日)ごとにリセットされる計算なので、日足では1本の足がそのまま1日分になります。するとVWAPはその足の(高値+安値+終値)÷3と同じ値になり、「終値が足の中央より上か下か」を見ているだけのフィルターに変わります。作者も長い時間足ではUse Session VWAP Filterをオフにする選択肢を挙げています。

3Maximum Range Width %は時間足に合わせる

Maximum Range Width %の初期値5%は、ビットコインの15分足にはゆるすぎ、日足には厳しすぎます。30本の値幅はATRの数倍になるのが普通なので、私は「ダッシュボードのATR %の5倍前後」を出発点にしています。2026年9月26日時点のATR %で計算すると、次のようになります。

時間足ATR %(2026/9/26時点)Maximum Range Width %の目安
15分足0.19%1%前後
1時間足0.52%2.5%前後
4時間足1.16%6%前後
日足2.94%15%前後

ATR %は相場の荒さで変わるので、この表の数字は固定値として使わず、ときどきダッシュボードで確かめて見直してください。

パラメーターの全体像と、変えると何が起きるか

設定項目は9つのグループに分かれていて、数は40を超えます。すべてを触る必要はありません。ここでは判定に関わる項目を中心に、初期値と私の推奨値、変えたときの効き方をまとめます。推奨値の欄が「初期値のまま」のものは、変える理由が見当たらなかった項目です。

相場判定・上位足・VWAP

設定初期値推奨値効果
Fast EMA20初期値のままリボンの価格側の端。小さくすると並びが早くそろい、シグナルも早くなる
Medium EMA50初期値のまま並びの判定だけに使う。画面には表示されない
Slow EMA200初期値のままリボンの外側の端。長期の向きを決める
Range Lookback30初期値のままレンジとみなす範囲の本数。長くするとレンジ判定が減る
Maximum Range Width %5ATR %の5倍前後小さくするとレンジ判定とブレイク型のシグナルが減る
Use Higher-Timeframe Trend Filterオンオンオフにするとトレンド型・モメンタム型で、上位足と逆向きのシグナルも出るようになる
Higher Timeframe60チャートより長い時間足上位足EMAの時間足。遠いほどシグナルが減る
HTF EMA Length50初期値のまま上位足のEMAの期間。作者の説明画像では200だが、初期値は50
Use Session VWAP Filterオン日中足はオン、日足以上はオフオフにするとVWAPと逆向きのシグナルも出る

エントリーロジック

設定初期値推奨値効果
Minimum Trend Confluence44〜5トレンド型に必要なスコア。5にすると点灯が減り、確度重視になる
Enable Trend-Following Logicオンオントレンド型のオン・オフ
Enable Momentum Logicオンオンモメンタム型のオン・オフ。早いシグナルの多くはここから出る
Enable Range Breakout Logicオンオンレンジブレイク型のオン・オフ
Breakout Confirmation Buffer (x ATR)0.150.15〜0.3ブレイクに必要な上乗せ幅。大きくすると浅い抜けを拾わない
Breakout Min Close Position In Candle0.60.6〜0.7ブレイク足の引け位置。大きいほどヒゲの長い足を除外する
Require High Volume For Breakoutオンオンブレイク足に1.5倍以上の出来高を求める
Enable Sideways Mean-Reversion Logicオフオフ平均回帰型のオン・オフ。トレンド相場では逆張りになるので注意
Mean-Reversion Min Range Width (x ATR)1.01.0〜1.5平均回帰型が使うレンジの最小幅
Mean-Reversion Min Rejection Wick Ratio0.350.35〜0.5反発足に求めるヒゲの長さ
Mean-Reversion Require RSI TurningオンオンRSIの向きが変わったことを条件にする

RSI・MACD・ボリンジャーバンドの期間(RSI Lengthの14、MACDの12・26・9、Bollinger Band Lengthの20と偏差2)も変えられますが、スコアの閾値はRSIの45や72のように固定です。期間を変えるとRSIの分布が変わり、閾値との関係が崩れるので、私は初期値のまま使っています。

出来高・リスク管理・シグナル管理

設定初期値推奨値効果
Use Volume Filter When Availableオンオン出来高データがある銘柄で、モメンタム型などに高出来高を求める
Volume MA Length20初期値のまま出来高の平均を取る本数
High-Volume Multiplier1.51.5〜2.0高出来高とみなす倍率。上げるほどシグナルが減る
OBV MA Length14初期値のままOBVと比べる平均の本数
ATR Length14初期値のままSTOPやブレイク判定に使うATRの期間
Stop-Loss MethodStructure + ATR日中足はそのまま、日足はATRSTOPの置き方。ATRにすると距離が一定になる
Target MethodRisk:RewardRisk:RewardTARGETの置き方
Structure Swing Lookback1010〜20STOPの基準にする直近安値の範囲。スコアの6番目にも効く
Structure ATR Buffer0.20.2〜0.3直近安値からSTOPまでの余白
Stop ATR Multiplier1.51.5ATR方式のSTOP距離
Risk:Reward Ratio1.51.5〜2.0TARGETの距離。2.0にすると損益トントンの勝率が約33%に下がる
Clear Levels After SL/Target Hitオンオンオフにすると決着後も水準が残り、勝率が集計されなくなる
Minimum Bars Between Signals53〜5シグナルの最低間隔
Signal Only When Setup Becomes Freshオンオン条件がそろい直した足でだけ出す
Wait For SL/Target Before Next Signalオン日中足はオン、日足はオフも検討決着まで次のシグナルを止める
Allow Opposite Signal Before Exit (if wait is OFF)オンオン待たない設定のとき、逆方向のシグナルで入れ替えるかどうか

Allow Opposite Signal Before Exit (if wait is OFF)は名前のとおり、Wait For SL/Target Before Next Signalをオフにしたときだけ意味を持ちます。待たない設定では、同じ方向の新しいシグナルは常に前のトレードと入れ替わります。このスイッチで決まるのは、逆方向のシグナルでも入れ替えるかどうかです。

表示まわりの設定は、マーカー・エントリービーム・箱・リボン・VWAP・カード・ダッシュボードをそれぞれ個別に消せます。初期状態でオフのGradient Candle Coloring By Trend Strengthをオンにすると、Bull ScoreとBear Scoreの差でローソク足が緑から赤に塗り分けられます。スコアの推移を過去にさかのぼって眺めたいときに便利です。

用途別の組み合わせ

用途変える設定ねらい
15分足のデイトレード(初期値ベース)Maximum Range Width %を1%前後にレンジ判定を実態に近づけ、ブレイク型の乱発を抑える
1時間足〜4時間足のスイングHigher Timeframeを4時間または日足、Minimum Trend Confluenceを5上位足を正しく参照し、確度の高いシグナルに絞る
日足で大きな流れを追うUse Session VWAP Filterをオフ、Stop-Loss MethodをATR意味の薄いVWAP判定を外し、トレードの回転を上げる
ノイズを減らしたいHigh-Volume Multiplierを1.7〜2.0、Minimum Bars Between Signalsを8前後出来高の伴わない動きと連続シグナルを減らす

リペイントとアラートの扱い

「Buy-Sell Signals using Multi-Logic Trading System」のシグナルは、足が確定したときにだけ判定されます。リアルタイムの足の途中でマーカーが出たり消えたりすることはありません。上位足のEMAも、リアルタイムでは確定済みの1本前の値を使う作りです。

ただし細かい点が1つあります。過去チャートでは、上位足が切り替わる直前の最後の1本で、確定したばかりの上位足の値が使われます。リアルタイムではその1本はまだ前の値のままなので、上位足の境目の1本に限って、過去チャートとリアルタイムで判定がずれる可能性があります。影響はごく一部の足ですが、過去チャートのシグナルをそのまま成績とみなさない理由の1つにはなります。

アラートは4種類の条件が用意されています。

アラート条件内容タイミング
ATS Pro BUY確定したBUYシグナル足の確定時
ATS Pro SELL確定したSELLシグナル足の確定時
ATS Pro Stop Hit保有中のSTOPに触れた足の途中でも触れた時点で条件成立
ATS Pro Target Hit保有中のTARGETに触れた足の途中でも触れた時点で条件成立

このほか、Enable Dynamic alert() Messagesがオンなら、銘柄名・エントリー価格・STOP・TARGETを含んだメッセージも送れます。TradingViewでアラートを作るとき、条件にこのインジケーターを選び、選択肢からalert()関数の呼び出しを指定すると受け取れます。BUYやSELLのたびに損切りと利確の価格が一緒に届くので、スマホで通知を受ける運用とは相性がよいと感じました。

ダッシュボードの勝率はTARGETとSTOPに触れたかどうかだけ

Win Rateは、TARGETに触れたら1勝、STOPに触れたら1敗として数えた値です。手数料やスリッページは入らず、同じ足でTARGETとSTOPの両方に触れた場合は1勝と1敗が両方加算されます。

Wait For SL/Target Before Next Signalをオフにして途中で入れ替わったトレードや、Clear Levels After SL/Target Hitをオフにした場合は集計されません。作者も説明文で、この勝率は内部の簡易統計なので別途検証するよう書いています。

マーカーの数にも上限があります。マーカー1つにつき4つのラベルを使い、ラベルの上限が500なので、古いものから消えて最新の120個ほどが残る計算です。意外と少ないです。

もっと前のシグナルを見たいときは、バーリプレイでその時期まで戻せば、そこまでの計算で描かれたマーカーを確認できます。

相性がいいのはPivot Points Standard。TARGETまでの障害を先に見る

「Buy-Sell Signals using Multi-Logic Trading System」は、シグナルの根拠を幅広く集めている一方で、TARGETまでの間にある水平の節目は見ていません。作者も「次の大きな節目までに十分な値幅があるか」は自分で確かめるよう書いています。そこで組み合わせるなら、TradingView標準のPivot Points Standardがいちばん手軽だと考えています。前日の高値・安値・終値から、その日の節目(P、R1、S1など)を自動で引いてくれるインジケーターです。

Pivot Points Standardを重ねてTARGETまでの道のりを確かめる

「Buy-Sell Signals using Multi-Logic Trading System」は、TARGETの手前にある節目を考慮しません。Pivot Points StandardのR1を重ねると、届くまでの障害が一目で分かります。

Pivot Points Standardを重ねてTARGETまでの道のりを確かめるBUYのTARGETとエントリーの間にピボットのR1があり、価格がR1の手前で押し戻されてSTOPに向かった様子を示す図。TARGET 88503.58STOP 86211.92BUYBEARISH TRENDPR1S1TARGETの手前にR1があるR1付近で上昇が止まる実際に狙えるのはR1までの値幅

Vowars DE ver.3.12.1

15分足を想定した合成チャートに、前日の高値・安値・終値から計算したピボット(Traditional)を重ねています。ピボットの線の色は図解用です。

図解の場面では、BUYのTARGETよりも手前にR1があります(図の①)。価格はR1の少し手前で上昇が止まり(図の②)、そのままSTOPまで下げました。エントリーの時点でR1が見えていれば、図の③の値幅、つまりR1までの距離を「実際に狙える値幅」として考え、損切りまでの距離と比べて見送る判断ができます。

私が使うときの手順は単純です。

  1. エントリーからTARGETまでの間に、R1やS1などの線が挟まっていないかを見る
  2. 挟まっているなら、その線までの距離がSTOPまでの距離より十分に大きいかを確かめる
  3. 小さいなら見送るか、その線の手前で一部利確する前提で入る

ピボットの計算期間は、Pivot Points Standardの設定で日足・週足などに切り替えられます。1時間足以上で使うなら、週足のピボットに変えたほうが節目として機能しやすい印象でした。

強みと気をつけるところ

頼れるところ

  • シグナルと同時にSTOPとTARGETが描かれ、損益の見通しを1画面で持てる
  • 4つのロジックとフィルターの状態がダッシュボードに集約され、判断の材料を探しに行かなくて済む
  • シグナルは足の確定後にだけ出て、途中で出たり消えたりしない
  • 表示やロジックをほぼすべて個別にオン・オフでき、使い方に合わせて削れる
  • アラートにエントリー・STOP・TARGETの価格まで載せられる

気をつけるところ

  • どのロジックでシグナルが出たかがマーカーから分からない
  • Higher Timeframeの初期値が1時間なので、4時間足以上では設定を変えないと上位足として働かない
  • レンジ判定が固定の5%なので、時間足や銘柄によって判定が偏る
  • 決着まで次のシグナルを止めるため、長い時間足では数か月シグナルが出ないことがある
  • VWAP・エントリービーム・リボンの金色が重なり、線を取り違えやすい

向いているのは、出来高データがしっかりある銘柄の日中足です。ビットコインのほか、株価指数の先物や流動性の高い個別株が当てはまります。出来高が取れない銘柄では出来高の条件が自動的に外れるため、シグナルは出ますが、スコアの5番目は常に0点になります。FXのようにデータ提供元によって出来高の意味合いが変わる銘柄では、出来高の条件がどう効いているかをダッシュボードのVolume Ratioで確かめながら使うのがよいと思います。

ロジックを選び分けてこそ生きる、多機能型のシグナル

Buy-Sell Signals using Multi-Logic Trading System

「Buy-Sell Signals using Multi-Logic Trading System」を数日使って、印象がはっきり変わりました。入れておけば勝手に売買を教えてくれるタイプではありません。相場の状態に合わせてロジックとフィルターを選び分けるための枠組みです。作者が説明文の最後で「すべての相場に同じ戦略を当てはめるのではなく、今の相場に合わせて取引する」と書いているのも、この設計を指しています。

初期値のまま15分足で使うと、シグナルの出方もSTOPとTARGETの距離も自然で、まとまりのよい表示になります。一方で4時間足や日足では、上位足・VWAP・レンジ幅の3つを直さないと、フィルターが意図どおりに働きません。設定を触る手間を惜しまない人にとっては、判断材料をまとめて手元に置ける便利なインジケーターです。

シグナルは売買の候補を示すもので、利益を保証するものではありません。ダッシュボードの勝率も簡易的な集計です。実際に使う前に、自分が取引する銘柄と時間足で、バーリプレイを使って1つずつシグナルの前後を確かめることをおすすめします。

参照元・データ出典:この記事は、チャートプラットフォーム「TradingView」にて、クリエイター「InvestyourAsset」が制作したインジケーターを実際に使用し、徹底分析を行った上で公開しています。

免責事項:本記事は情報提供を目的としたもので、投資助言や特定の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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執筆者YUZURUトレーダー / インジケーター開発者 / Webクリエイター
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Web制作会社でオウンドメディアの編集者として働きながら、2018年に暗号資産(仮想通貨)トレードを開始。現物から先物まで実践するうちにチャート分析にのめり込み、現在はTradingViewのオリジナルインジケーターも自作しています。 当サイトでは、TradingViewのインジケーターを自分のチャートで1本ずつ検証し、計算の中身・使い方・弱点までを図解つきでレビューしています。作り手の視点でロジックまで踏み込み、実際に使って確かめた情報だけを掲載。特定銘柄への投資勧誘は行っていません。

このインジケーターの製作者