出来高の「誰が・どこで」を、足の色と山の形に置き換えてくれる
出来高プロファイル、ローソク足の色分け、サポート・レジスタンスの帯、状況をまとめたダッシュボード。普通なら4つのインジケーターに分かれている内容が、「CME Institutional Order Flow & AMT Lens」には最初から全部入っています。チャートに入れた直後は情報量の多さに圧倒されました。ただ、表示されているものは大きく4つに分けられます。
- 吸収・推進・閑散を見分けるローソク足の色
- 吸収や推進が起きた価格から右へ伸びる金と紫の棚
- 買いと売りを別々の山で描くセッションプロファイルと、POC・VAH・VALのライン
- 現在の状態を英語で要約する右下のダッシュボード
背景にあるのは、オークション・マーケット・セオリー(AMT)と呼ばれる考え方です。相場を「買い手と売り手が適正価格を探す競り」と捉え、出来高が集まった価格帯をバリュー(合意された価格)として読みます。「CME Institutional Order Flow & AMT Lens」は、その読み方に必要な材料を自動で並べてくれるインジケーターだと考えると分かりやすいです。売買のサインを矢印で出すタイプではありません。

名前にCMEと付いているとおり、NQやESといったCMEの株価指数先物を主な対象として設計されています。とはいえ銘柄名から種類を自動で判定する仕組みがあり、暗号資産・米国株・ゴールド先物にもそのまま使える作りです。この記事ではビットコインのチャートで確認した内容を中心に、表示の読み方、設定、気をつけたい点まで順に解説します。
最初に確認したい、初期設定は「簡易モード」だという点
読み方に入る前に、ひとつ押さえておきたいことがあります。設定画面のいちばん上にある Fast Replay / Lightweight Mode (Universal Free & Premium) は、初期状態でオンになっています。このモードでは、買いと売りの出来高を実際の約定からは数えていません。1本の足の中で終値がどの位置にあるかから、出来高を買いと売りに按分しています。
たとえば終値が高値ぴったりなら出来高の100%が買い、値幅の真ん中なら半々、安値で引ければ100%が売りという扱いです。インジケーター名にある「オーダーフロー」から想像する内容とは少し違うので、ここは理解したうえで使ったほうが安心です。ダッシュボード最上段の右に「Lightweight (Geo)」と出ていれば、この簡易モードで動いています。
チェックを外すと、Order Flow Engine (when Lightweight Disabled) で選んだ方式に切り替わります。初期値の「Native Footprint (Tick Precision)」は、TradingViewのフットプリントデータを使って買いと売りを実際の約定から集計する方式です。フットプリントを読み込む機能はPremiumまたはUltimateプラン向けに提供されているため(2026年10月2日現在)、それ以外のプランでは簡易モードのまま使うことになります。
私が確認したのは簡易モードでの表示です。プロファイルの形、POC、棚の位置はこのモードでも問題なく描かれます。ただし「買い」「売り」は終値の位置から推定した値なので、板の厚い場所で実際に何が起きたかまでは分かりません。足の形と出来高から「吸収らしい動き」を拾っている、と受け取るのが実態に近いです。
ローソク足の色は、通常の2色に5つの色が加わる
チャートに入れると、まず目に入るのがローソク足の色の変化です。初期設定の Candle Display Style は「Native Bar Re-color」で、チャート本来のローソク足をそのまま塗り替えます。通常の陽線は落ち着いた緑、陰線は赤。そこへ金・紫・ネオン緑・ネオン赤・濃いグレーの5色が加わります。
通常の2色に加えて、5つの色が足の性質を知らせる
通常の陽線・陰線に加えて、吸収(金・紫)、推進(ネオン緑・赤)、閑散(濃いグレー)の色が足ごとに付きます。
Vowars DE ver.3.12.26
いちばん注目したいのは金と紫です。金の足は図の①のように、長い下ヒゲを付けながら出来高が膨らみ、終値が値幅の上側まで戻した足に付きます。売りが出たのに下がり切らなかった、つまり買い手が受け止めたと読める足です。紫は図の②のとおり、その逆で上ヒゲ側に付きます。
ネオン緑とネオン赤は推進の足です。図の③のように、出来高が平均を大きく上回り、実体が値幅の大半を占める足だけが鮮やかな色になります。濃いグレーは出来高か値幅が小さい足で、「いまは動いていない」と一目で分かります。レンジの中でグレーが続いているあいだは手を出さない、という使い方がしやすい色でした。
判定の条件を表にまとめます。数値は1時間足で Institutional Effort Sensitivity (1 – 10) が初期値の5のときのものです。
| 色 | 呼び方 | 付く条件(1時間足・感度5・簡易モード) |
|---|---|---|
| 金 | Demand Absorption | 下ヒゲが値幅の約30%以上。終値が値幅の下から約63%より上。出来高が基準の1.5倍以上、または買いと売りの差が直近20本平均の1.25倍以上 |
| 紫 | Supply Absorption | 上ヒゲが値幅の約30%以上。終値が値幅の下から約37%より下。出来高の条件は金と同じ |
| 濃いグレー | Dead Volume / Micro-Chop | 出来高が基準の0.7倍未満、または値幅がATR(14)の0.4倍未満。確定した足にだけ付く |
| ネオン緑 | Initiative Bull Drive | 陽線で実体が値幅の約66%以上、出来高が基準の約1.6倍以上 |
| ネオン赤 | Initiative Bear Drive | 陰線で実体が値幅の約66%以上、出来高が基準の約1.6倍以上 |
複数の条件に当てはまる足は、金、紫、グレー、ネオンの順で優先されます。大出来高の大陽線でも出来高以外の条件でグレーに該当すればグレーになる、という順番です。
「出来高の基準」は時間足で変わります。基本は直近20本の平均ですが、1時間足だけは同じ時刻(ニューヨーク時間)の過去の平均と比べる仕組みになっています。ニューヨーク市場が開く時間帯は出来高が多くて当たり前なので、その分を差し引いた判定です。時間帯による出来高の偏りに色が引きずられにくいのは、1時間足ならではの利点です。
下ヒゲ・上ヒゲに求められる長さは、1分足以下で値幅の約37%、15分足までで約34%、4時間足までで約30%、日足以上で約25%です(感度5の場合)。短い足ほど長いヒゲが必要になっていて、ノイズの多い時間足で金や紫が出すぎないように調整されています。
金と紫の棚は、どこにできて、いつ止まるのか
ローソク足の次に目立つのが、右へ伸びる半透明の帯です。設定画面では Imbalance Shelf と呼ばれていて、この記事では「棚」と書きます。金の棚は下値の支え、紫の棚は上値の抑えの候補として表示されます。
金と紫の棚は、価格に抜かれるまで右へ伸びる
吸収の足や推進の足が確定すると、その足のヒゲ側に3段分の厚みを持つ棚(Imbalance Shelf)が置かれます。
Vowars DE ver.3.12.26
棚ができるきっかけは、ローソク足の色です。簡易モードでは、金の足か、ネオン緑の足が確定すると金の棚が1本置かれます。図の①のように、金の足なら下ヒゲの中ほどの価格から、ネオン緑の足なら安値から、上に3段分の厚みで描かれる仕組みです。紫の棚は上下が逆で、図の②のようにネオン赤の足なら高値が上端になります。
「段」の幅は銘柄と時間足から自動で決まります。暗号資産の場合は価格に対する割合で、1時間足なら1段が価格の0.1%です。確認した1時間足のチャートでは、ダッシュボードに「8406t / 84.1 pt」と表示されていました。1段が約84ドル、棚の厚みは3段で約250ドルという計算になります。
| 時間足(暗号資産) | 1段の幅 | 感度5での棚の厚み(3段) |
|---|---|---|
| 1分足以下 | 価格の0.01% | 0.03% |
| 5分足まで | 0.02% | 0.06% |
| 15分足まで | 0.04% | 0.12% |
| 1時間足まで | 0.10% | 0.30% |
| 4時間足まで | 0.20% | 0.60% |
| それより長い足 | 0.40% | 1.20% |
棚がいつ止まるかも決まっています。金の棚は、終値が棚の下端からATRの半分より下で引けたとき、または安値が下端を1段分下回ったときに終了します。紫の棚はその逆です。図の③のように、抜かれた足で右端が固定され、その後は伸びません。まだ抜かれていない棚だけが最新の足まで伸び続けるので、右端まで届いている棚がいま生きている棚と覚えておけば十分です。
生きている棚の上限は Max Active Shelves で決まり、初期値は20本です。21本目ができると、いちばん古い棚がチャートから消えます。また、日足以上のチャートでは棚そのものが表示されません。Auto-Suppress Intraday Overlays on Macro/HTF が初期状態でオンになっているためで、オフにすれば日足でも棚を出せます。
簡易モードの棚は、価格帯ごとの約定を数えた結果ではありません。金・紫・ネオンの足が出た場所に、決まった厚みの帯を置いているという仕組みです。フットプリントを使うモードでは、買いと売りの偏りが連続した価格帯そのものが棚になるため、同じチャートでも棚の位置と本数は変わります。
セッションプロファイルは、買いと売りを別々の山で見せる
私がこのインジケーターでいちばん見ている時間が長いのは、プロファイルです。一般的な出来高プロファイルは横棒のヒストグラムですが、「CME Institutional Order Flow & AMT Lens」は金(買い)と紫(売り)の2本の輪郭線で描きます。輪郭線だけの山なので、ローソク足に重なっても邪魔になりにくいのが気に入っています。
買いと売りを別々の山で描くセッションプロファイル
完了したセッションは開始足の位置に、進行中のセッションは右の余白に、金(買い)と紫(売り)の2本の輪郭で描かれます。
Vowars DE ver.3.12.26
見方は図の①のとおりで、右へ張り出している価格ほど出来高が多い、という読み方です。金と紫の山がほぼ重なっていれば買いと売りが同じ価格帯で交錯した状態、上下にずれていれば片方が主導した状態です。白い線はPOCで、買いと売りの合計がいちばん多い価格を示します。水色の2本はVAHとVALで、そのあいだに出来高のおよそ70%が収まります。
完了したセッションのプロファイルが置かれるのは、そのセッションが始まった足の位置です。進行中のセッションだけは最新の足の右側、余白の部分に描かれ、価格が動くたびに形が変わります。過去分の表示数は初期設定で15セッション。Completed Sessions to Display で1〜35の範囲に変更できます。
多くのプロファイルはPOCから上下に広げて70%に達する範囲をバリューエリアとします。「CME Institutional Order Flow & AMT Lens」は、出来高を下から積み上げて15%の価格をVAL、85%の価格をVAHにする方式です。そのため、出来高が下に偏ったセッションではPOCとVALがほぼ同じ価格に並ぶことがあります。ラベルが重なって見えたら、この方式の影響だと考えてください。
時間足を変えると、セッションの区切りも変わる
最初に戸惑ったのが、時間足を切り替えるとプロファイルの区切りが変わることでした。Profile Scope Horizon が初期値の「Auto-Adaptive」だと、時間足に応じて集計の単位が自動で選ばれます。ビットコインなどの暗号資産では次のようになります。
| チャートの時間足 | セッションの単位 | ラベルの頭文字 |
|---|---|---|
| 1時間未満(15分足・30分足など) | Day(NY時間 9:30〜16:00)と Night(それ以外) | D- / N- |
| 1時間足〜日足未満 | 1日 | D- |
| 日足 | 1週間 | W- |
| 週足・月足 | 1か月 | M- |

暗号資産は24時間動いているので、CME先物の「日中(Cash)」と「夜間(Overnight)」にあたる区切りがありません。そこで週末も含めて毎日、ニューヨーク時間の9:30〜16:00をDay、残りをNightとする区切りが用意されました。Dayは金の点線、Nightは紫の点線がセッションの高値と安値の目印です。株価指数先物やゴールド先物では、この部分が「Cash」と「ON」という表記になります。

[D] [P] [b] [B] のバッジは、山の形と位置で決まる
各プロファイルの上には「D-[B] · OVL 0.72 BUY」のようなバッジが付きます。角かっこの中の1文字が、マーケットプロファイルでよく使われる4つの形状です。判定の基準は次のとおりで、[B] かどうかを先に調べ、当てはまらなければPOCの位置で残りの3つに分かれます。
| バッジ | 呼び方 | 判定の基準 | 一般的な読み方 |
|---|---|---|---|
| [B] | ダブルディストリビューション | 出来高の山が値幅の20%以上離れて2つあり、あいだの谷が低い山の72%以下(1時間足の場合) | 2つの価格帯で合意ができた。谷は通過が速くなりやすい |
| [P] | P字型 | POCが値幅の下から65%より上 | 上のほうに出来高が集まった。買い戻しや買いの主導 |
| [b] | b字型 | POCが値幅の下から35%より下 | 下のほうに出来高が集まった。投げ売りや売りの主導 |
| [D] | D字型 | 上のどれにも当てはまらない | 中央に出来高が集まった釣鐘型。バランスが取れた状態 |
山が2つに割れたら [B]、谷底に LVN の点線
出来高の山が上下2か所にでき、あいだの谷が十分に薄いセッションは [B](ダブルディストリビューション)と判定されます。
Vowars DE ver.3.12.26
[B] と判定されたセッションには、図の②のように谷のいちばん薄い価格へマゼンタの点線が引かれます。これがLVN(Low Volume Node)です。図の①を見ると、山が上下に分かれている様子がはっきり分かります。LVNは出来高が少ない、つまり市場がその価格をあまり受け入れなかった場所なので、価格が再び近づいたときに素通りするか跳ね返されるかを観察するポイントになります。
画面を眺めていて気になったのは、[B] の出る頻度の高さです。確認した1時間足のチャートでは、表示されていた6セッションのうち3つが [B] でした。谷の基準が「低い山の72%以下」とゆるめなので、少し凹んだだけでも [B] になります。[B] が出たから特別な日だ、とは考えないほうがよさそうです。谷の深さは輪郭線で直接見えるので、バッジは目安にとどめ、形そのものを確かめるようにしています。
バッジの後半にある「OVL 0.72 BUY」は、買いの山と売りの山がどれだけ重なっているかを表す数値と、その偏りです。OVLは0〜1の値で、1に近いほど2つの山が同じ形をしています。
- BAL … OVLが0.75以上。買いと売りが同じ価格帯で釣り合っている
- BUY … OVLが0.75未満で、買いの出来高が全体で5%以上多い
- SELL … OVLが0.75未満で、売りの出来高が全体で5%以上多い
- IMB … OVLが0.75未満だが、買いと売りの差は5%未満
この数値は Show Ata Sabanci Overlap Metrics (OVL & Tilt %) をオフにすると消え、形状だけの表示になります。なお簡易モードでは買いと売りの按分が終値の位置で決まるため、OVLとBUY・SELLの判定も足の形から導かれた値です。
右余白に並ぶ短い破線の正体
1時間足以下のチャートでは、進行中のプロファイルに重なるように短い破線が何本か並びます。Show Smart Key Level Dashes (Right Margin) による表示で、直前のセッションの節目を右端だけに出してくれます。過去のローソク足を横切る長い水平線を引かない設計なので、チャートが線だらけになりません。
右余白の破線は、直前の Night と Day の節目
15分足や30分足では1日が Day(NY時間 9:30〜16:00)と Night に分かれ、直前のセッションの高値・安値・半値が右余白に短い破線で並びます。
Vowars DE ver.3.12.26
| ラベル | 色 | 示している価格 |
|---|---|---|
| PD-HIGH / PD-LOW | 金 | 直前のDay(先物では日中セッション)の高値と安値 |
| ON-HIGH / ON-LOW | 紫 | 直前のNight(先物では夜間セッション)の高値と安値 |
| ON-HB | オレンジ | ON-HIGHとON-LOWのちょうど中間 |
| ON-POC | 白 | 直前のNightの出来高の中心。現在のPOCと近いときは「CONFLUENT POC」と表示され、淡い紫になる |
図の①のPD-HIGHとPD-LOWは、前のDayの値幅です。図の②のON-HIGH・ON-LOW・ON-HBは、その前のNightの値幅と半値を表します。先物の世界では、夜間セッションの半値(ハーフバック)を日中の取引が始まるときの基準として見る習慣があり、それを暗号資産にも当てはめた形です。それぞれの破線は Show Overnight Extremes (ON-HIGH / ON-LOW)、Show Overnight Half-Back (50% Midpoint)、Show Prior Day Extremes (PD-HIGH / PD-LOW) で個別に消せます。
15分足でNightの最中にチャートを開いたとき、右余白のON-POCが、左に描かれた直前のNightのN-POCと違う価格を指していました。確認した画面ではN-POCが83,017.80、ON-POCが83,372.75です。この場面のON-POCは、Nightの各足の終値を出来高で重み付けした平均になっています。プロファイルの最大出来高価格とは別の値なので、厳密にPOCを見たいときは左のプロファイルのラベルを優先してください。
完了したNightのプロファイルには、オレンジの破線でON-HBも描かれます。こちらはNightの高値と安値の中間で、右余白のON-HBと同じ考え方です。また、近いセッション同士でPOCがほぼ同じ価格に並ぶと、白いPOCの線が淡い紫に変わり、ラベルが「IRON-POC」になります。比べる範囲は前後4セッション、暗号資産では価格の0.15%以内が「同じ」とみなされます。複数のセッションで合意された価格なので、ほかのPOCより一段重く見てよい水準です。
右下のダッシュボードで、いまの状態を文章で確認する
チャートの右下には、7行3列のダッシュボードが出ます。英語の文章がぎっしり並ぶので最初は読む気が起きませんでしたが、行ごとの役割が分かってからは、チャートを見る前にここを一読するようになりました。
ダッシュボードは7行×3列、まず最上段を確かめる
左の列が項目名、中央が現在の状態、右がその補足です。最上段には銘柄の判定・棚1段の幅・稼働中のエンジンが出ます。
Vowars DE ver.3.12.26
最上段では、図の①で銘柄がどう判定されたかと棚1段の幅、図の②で動いているエンジンと出来高の水準を確認できます。RVOLは出来高が基準の何倍かを示し、1.2倍以上で「Active」、2倍以上で「High Vol」と表示されます。2行目以降の内容は次のとおりです。
| 行 | 中央の列 | 右の列 |
|---|---|---|
| 1. Dalton & OVL | 進行中セッションの形状とOVL | 偏り(Tilt)と形状の説明。[B] のときはLVNの価格と現在値からの距離 |
| 2. Auction State | 終値がバリューエリアの上・中・下のどこにあるか | 直前セッションと比べたバリューの移動、POC・VAH・VALまでの距離 |
| 3. Overnight 50% | ON-HBの価格と現在値からの距離 | 補足の文。日足以上では「N/A」になる |
| 4. Tape & Delta | セッションと現在の足の出来高、買いと売りの差 | 直近の足の判定(吸収・推進・デルタの逆行など) |
| 5. Confluence Alert | 生きている棚がVAH・VAL・POC・ON-HBの近くにあるか | 補足の文 |
| AMT Framework | 形状ごとの読み方メモ | (固定の文) |
2行目の中央には「Above Value」「Inside Value Area」「Below Value」のいずれかが出ます。終値がVAHより上なら緑、VALより下なら赤、あいだなら黄色です。右の列の「Overlapping Higher」「Lower Value」といった表示は、進行中のバリューエリアが直前のセッションより上にあるか下にあるかを示しています。バリューが切り上がっているのか、重なったままなのかを一言で把握できるので、私はここを最初に見ます。

表が大きすぎると感じたら、HUD Display Mode を「Compact Status Pill」にすると2行だけの表示になります。「Disabled」で非表示、Dashboard Position で四隅のどこに置くかも選べます。
設定は「感度」ひとつを軸に考える
設定画面は9つのグループに分かれていて項目も多いのですが、表示の中身を左右するものは限られています。まず触ることになる項目を表にまとめました。
| 設定 | 初期値 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|---|
| Fast Replay / Lightweight Mode (Universal Free & Premium) | オン | Premium・Ultimateならオフも試す | オンでは終値の位置から買いと売りを推定する。オフにするとフットプリントなどの実データで集計する |
| Candle Display Style | Native Bar Re-color | そのまま | チャート本来の足を塗り替える。Ghost Glow・Full Solid HD・Hollow は独自のローソク足を重ねて描く。Disabled で色分けをやめる |
| Institutional Effort Sensitivity (1 – 10) | 5 | 5〜6(短期足で反応を増やすなら3前後) | 大きくするほど金・紫・ネオンの条件が厳しくなり、棚の段数も2→3→4と増える |
| Profile Scope Horizon | Auto-Adaptive | そのまま | プロファイルの集計単位。時間足に合わせて自動で選ぶ。固定したいときは個別に指定できる |
| Completed Sessions to Display | 15 | 5〜10 | 表示する過去のセッション数。減らすとチャートが軽く、見やすくなる |
| Imbalance Shelf Box Transp (%) | 88 | 88〜92 | 棚の塗りの透明度。棚が重なって見づらいときは上げる。100で塗りが消える |
| Max Active Shelves | 20 | 10〜20 | 同時に残す未到達の棚の上限。超えた分は古い順に消える |
| HUD Display Mode | Full Educational Dashboard | 慣れたら Compact Status Pill | ダッシュボードの大きさ。Disabled で非表示 |
中心になるのは Institutional Effort Sensitivity (1 – 10) です。この数値ひとつで、吸収に必要な出来高、ヒゲの長さ、推進に必要な実体の割合、棚の段数がまとめて動く仕組みです。
| 感度 | 吸収に必要な出来高 | 推進に必要な実体 | 棚の段数 |
|---|---|---|---|
| 1 | 基準の1.1倍以上 | 値幅の55%以上 | 2段 |
| 5(初期値) | 1.5倍以上 | 約66%以上 | 3段 |
| 10 | 2.0倍以上 | 80%以上 | 4段 |
5分足以下で値動きの速い場面を追うなら、感度を3前後に下げると金や紫の足が増え、棚も2段の薄いものになります。逆に4時間足のような長めの足で大きな転換点だけを拾いたいなら、7〜8に上げると色の付く足がぐっと減ります。15分足以下はヒゲの基準が1時間足より厳しいので、色付きの足が少ないと感じたら1〜2だけ下げてみてください。棚は金・紫・ネオンの足からしか生まれないため、色付きの足が減ると棚の本数も一緒に減ります。
Completed Sessions to Display は初期値の15だと、15分足で1週間分ほどのDayとNightが並びます。画面が混み合うので、普段は5〜10に絞ったほうが目的のセッションを探しやすいです。プロファイルの色を変えたいときは Profile Shading Style で単色に切り替えられ、Profile Fill Transp (%) を100にすると輪郭線だけになります。
Extend Virgin POC to Live Bar は、説明文では「直前セッションのPOCを最新の足まで点線で延長する」とされています。しかし2026年9月29日時点の公開版では、オンでもオフでも延長線は描かれません。内部で別の固定値が優先されているためです。Show LVN Vacuum Corridor (B-Shape) のLVNも、完了したセッションではセッションの右端までで止まり、先へは伸びません。延長線が出なくても設定の誤りではありません。現行版の動作です。
チャートを開いてから判断するまでの流れ
表示の意味が分かったところで、私が実際にどの順番で見ているかを紹介します。1時間足で全体をつかみ、15分足で場所を絞るという使い方です。
1 1時間足で、価格がバリューのどこにいるかを確かめる
まずダッシュボードの2行目で、終値がバリューエリアの上・中・下のどこにあるかを見ます。あいだにあるなら、VAHとVALの往復になりやすい状態です。外に出ているなら、VAHやVALまで戻ってくるのか、そのまま離れていくのかが焦点になります。直前のセッションのバッジが [D] でBALなら往復、[P] や [b] でBUY・SELLなら片側に傾いた流れ、と前提を置きます。
2 15分足で、節目と棚が重なる場所を探す
次に15分足へ落とし、右余白の破線とPOC、生きている棚の位置関係を確かめましょう。VALやON-HBのすぐそばに金の棚が右端まで伸びている、といった重なりがあれば、そこを観察する場所に決めます。ダッシュボードの5行目に「Bull Shelf at VAL」などと出ていれば、インジケーター側も同じ重なりを検出済みです。
3 到達したときの足の色を見る
価格がその場所に届いたら、足の色を待ちます。金の棚に下ヒゲで触れて金の足が確定すれば、買い手が受け止めたサインと読めるでしょう。逆にネオン赤の足で棚を突き抜け、棚の右端が固定されたなら、その水準は破られたという判断です。色が付くのは足が確定してからと決めておくと、途中で色が変わって振り回されることがありません。
この流れが機能しやすいのは、値動きが一定の範囲に収まっているときです。[D] のセッションが続き、バリューエリアが重なり合っている局面では、VAH・VAL・POCが目安として分かりやすく働きます。反対に、ニュースで一方向に走っているときは棚が次々に抜かれ、プロファイルも縦に伸びて形が定まりません。そういう日は濃いグレーとネオンの足だけを見て、勢いが続いているかどうかの確認に使うくらいがちょうどいいと感じています。
トレードスタイルで言えば、15分足から1時間足を使うデイトレードがいちばん合う印象です。日足に上げれば週単位のプロファイルでスイングの水準探しにも使えますが、棚と右余白の破線は表示されなくなります。1分足や5分足のスキャルピングでも動きますが、簡易モードでは足の形だけが判断材料になるため、フットプリントを使える環境のほうが向いています。
VWAPを重ねて、平均と最多のズレを見る
組み合わせるインジケーターをひとつ選ぶなら、TradingView標準のVWAPを挙げます。POCは「いちばん多く取引された価格」、VWAPは「出来高で重み付けした平均価格」です。似ているようで意味が違い、2本を並べるとセッションの中身が立体的に見えてきます。
VWAPを重ねて、POCとの位置関係を見る
TradingView標準のVWAP(青)を同じチャートに重ねた例です。POCは出来高が最も多い価格、VWAPは出来高で重み付けした平均価格を示します。
Vowars DE ver.3.12.26
図の①がVWAP、図の②がPOCです。図の③のように2本がほぼ同じ価格にあるときは、取引の平均と最多が一致しています。出来高がひとつの価格帯にまとまっている状態です。2本が離れているときは、出来高の山とは別の価格帯にも相当な取引があったことを意味します。[B] のセッションは山が2つあるので、平均であるVWAPは2つの山のあいだに入りやすくなります。
1時間足のビットコインでは、VWAPの起点(Session)とプロファイルの区切りがどちらも日付の変わり目にそろうので、同じ1日を2つの物差しで見比べられるのが利点です。15分足ではプロファイルがDayとNightに分かれる一方、VWAPは1日単位のままです。区切りが違うことを頭に入れておいてください。
使ってみて分かった、頼れるところと気をつけるところ
頼れるところ
- 色・棚・プロファイル・ダッシュボードがひとつにまとまり、AMTの読み方を一式そろえられる
- 買いと売りを別の山で描くので、片方が主導したセッションを形で見分けられる
- 時間足と銘柄に合わせて、セッションの単位や棚の幅が自動で切り替わる
- 感度ひとつで色と棚の出方をまとめて調整できる
- 過去の足を横切る長い水平線がなく、節目は右余白に集約される
気をつけるところ
- 初期設定は簡易モードで、買いと売りは終値の位置からの推定になる
- 表示要素が多く、ラベル同士やローソク足との重なりが頻繁に起きる
- [B] の判定基準がゆるく、[B] のバッジが付くセッションが多い
- アラートの条件が用意されていない
- 公開ページの説明と、現行版の設定項目や初期値が一致しない部分がある
導入前に知っておきたい注意点
足が確定するまで、色は変わる
確定した足の色と棚は、あとから変わりません。チャートを読み込み直しても同じ結果になります。一方で、いま動いている足の色は確定まで変わり続けます。形成中の足では、出来高を「この時点でこのペースなら最終的に何倍になるか」に換算して判定しているためです。足が始まった直後は少ない出来高でも倍率が高く出やすく、金やネオンが付いては消えることがあります。濃いグレーだけは確定した足にしか付きません。
棚も足が確定した時点で作られるので、形成中の足から棚が伸びることはありません。進行中のプロファイルは価格が動くたびに描き直され、POC・VAH・VAL・形状バッジもセッションが終わるまで動きます。「確定した足」と「完了したセッション」だけが固定された情報だと整理しておくと混乱しません。上位足や未来の足の情報を先取りする処理は入っていませんでした。
アラートは自分で用意する
設定に Detect Imbalances at Key Levels という項目があり、公開ページでは音と表示で知らせる機能として紹介されています。現行版でこの項目が切り替えるのは、ダッシュボード5行目の表示だけです。「金の足が出た」「棚に触れた」といった「CME Institutional Order Flow & AMT Lens」固有の条件は、アラートの作成画面で選べません。インジケーター側にアラート用の条件が登録されていないためです。
通知がほしいときは、TradingViewの機能で補えます。POCやVALの価格に水平線を引いてその線にアラートを設定するか、価格アラートで同じ水準を指定する方法です。プロファイルの線はセッションごとに変わるので、毎日引き直す手間はかかります。金の足が出た瞬間を通知することは、この方法ではできません。
公開ページの説明は、現行版と食い違う部分がある
公開ページには設定項目の一覧が載っていますが、これは初期の版にもとづく内容のようです。たとえば「Ratio Multiplier」「Stack Depth」「Ticks Per Row」といった項目は、現行版の設定画面にはありません。いずれも感度の数値から自動で決まる内部の値に変わっています。ローソク足の表示も、説明では「Ghost Glow」が初期値とされていますが、現行版の初期値は「Native Bar Re-color」です。
ヒゲの先端に点線を引く「Unfinished Auction Magnets」や、夜間の値幅を塗る「Overnight Shaded Box」も、説明にはあるものの現行版には見当たりませんでした。更新が速いインジケーターなので、公開ページの説明よりも、設定画面の各項目に付いている説明文(iマーク)を頼りにしたほうが確実です。
動作の重さとデータの範囲
線・ラベル・多角形を大量に描くため、チャートの動作は軽くありません。右余白のプロファイルの幅は、画面に表示している足の本数に合わせて変わります。拡大や縮小のたびに再計算が走るのはこのためです。重いと感じたら、Completed Sessions to Display を減らすのがいちばん手軽な対策でした。Developing Profile Width を「Fixed Compact (18 Bars)」などの固定幅にすると、拡大縮小で幅が変わらなくなります。
ひとつのセッションで集計できるのは直近4,500本までです。1分足で月単位のプロファイルを指定するといった極端な組み合わせでは、セッションの始めのほうが集計から外れます。また、出来高のデータがない銘柄ではプロファイルも色分けも成り立ちません。FXのように取引所の出来高がない市場では、表示されるのはティック数にもとづく値だという点も頭に置いてください。
金の足や棚は、あくまで「ここで受け止めた可能性がある」という観察結果です。過去のチャートで反発して見える場所だけが目に入りやすいので、抜かれて右端が止まった棚の数も数えてみてください。相場の方向は上位足のトレンドや経済指標の予定とあわせて判断し、損切りの位置は必ず別に決めておきましょう。
出来高を一枚にまとめたいトレーダーへ
画像「CME Institutional Order Flow & AMT Lens」は、出来高がどの価格に集まり、どこで受け止められたかを一枚のチャートに重ねて見せるインジケーターです。売買のタイミングを教えてくれるわけではありません。そのぶん、VAH・VAL・POC・棚という「見るべき場所」を毎日自動で用意してくれます。プロファイルを手で引いていた人にとっては、準備の時間が丸ごと浮くはずです。
初期設定の簡易モードでは、買いと売りの内訳が推定である点だけは忘れないでください。足の色と棚は「足の形と出来高による分類」、プロファイルは「出来高の分布」と割り切って読むと、表示と実際の値動きのあいだにズレを感じにくくなります。PremiumやUltimateのプランを使っているなら、簡易モードを外したときに棚の位置がどう変わるかを見比べてみるのも面白いと思います。
まずは1時間足に入れて、Completed Sessions to Display を5に減らすところから始めてみてください。画面がすっきりして、プロファイルの形とバッジの関係がつかみやすくなります。そこから15分足に落として棚と節目の重なりを探す、という順番で慣れていくのがおすすめです。





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