ヒゲで刺しただけでは箱を描かないスイープ検出
直近の高値や安値をヒゲで一瞬だけ抜いて、すぐに戻ってくる。いわゆる流動性スイープ(ストップ狩り)は、反転の起点として注目されやすい動きです。ただ、チャートを見返すと「ヒゲで抜けた足」はいくらでも見つかりますし、その多くはそのままブレイクに繋がったり、もみ合いに埋もれたりします。
TradingViewのインジケーター「Liquidity Sweep Confirmation Zones」は、この「抜けて戻った足」をいきなりサポートやレジスタンスとして扱いません。まず候補として仮置きし、その後の数本で価格がきちんと離れていったときだけ、ゾーン(箱)として確定させる作りになっています。チャート上での表示名は「Sweep Zones」です。

5分足から週足まで7つの時間足に入れて動きを追ってみたところ、一番印象に残ったのは「確定しなかった候補」まで×印で記録として残る点でした。上手くいった反転だけでなく、空振りした場面も見えるので、検証に使うととても正直なインジケーターだと感じます。
●から◆、そして箱へ。3段階で進む
「Liquidity Sweep Confirmation Zones」の流れは、ざっくり言うと3段階です。図の①のように、直近のスイング安値(レール)をヒゲで割り込み、終値で上に戻した足にオレンジの●が付きます。この時点ではまだ「候補」です。
候補が出ている間は、図の②のようにレールとヒゲ先の間にオレンジの帯が引かれ、背景にも薄い色が付きます。そして価格が上へしっかり離れた足で◆が出て、図の③の通りその足から箱が右へ伸びていきます。
ヒゲで刺して戻し、効率よく離れたら箱になる
安値レールを割ったヒゲは、その時点ではまだ「候補」です。数本以内の値動きで合格した足から箱が始まります。
Vowars DE ver.3.12.33
ここで見てほしいのは、箱の左端が●の足ではなく◆の足から始まっていることです。過去にさかのぼって「ここから支持帯でした」と描き足すことはしないので、チャートを見返したときに箱がある場所は、その時点で本当に確定していた場所だと読めます。
チャートに出る表示を先に整理しておく
最初は、線や帯や記号が一度に出てきて少し難しそうに感じると思います。表示の種類は多いものの、どれも役割がはっきりしているので、最初に一覧で押さえておく必要があります。色は初期設定のものです。
| 表示 | 見た目 | 意味 |
|---|---|---|
| 高値レール/安値レール | 細い赤/緑の階段状の線 | 確定したスイング高値・安値の水準。スイープの判定に使える「待機中」の線 |
| 候補(スイープ) | オレンジの小さな● | ヒゲでレールを抜き、終値で戻した足。まだ未確定 |
| 確認待ちの帯 | オレンジの2本線と薄い塗り | レールとヒゲ先の間。塗りがあるのは確認待ちの間だけ |
| 確認待ちの背景 | 薄い緑(買い側)/薄い赤(売り側) | 候補が生きている間だけ足の背景に付く |
| 確定 | 緑または赤の◆ | 候補のあと、価格が十分に離れた足 |
| ゾーン(箱) | 緑または赤の枠付きの箱 | 確定した支持帯・抵抗帯。リテストのたびに薄くなる |
| 候補の失敗 | 灰色の小さな×(ヒゲ側) | 期限切れ、またはヒゲ先を終値で抜けて取り消された候補 |
| ゾーンの無効化 | 灰色の×(終値の位置) | 終値で箱の外側を抜けた足。箱は灰色になる |
| ダッシュボード | 右上の表 | 状態、レールの値、確認待ちの進み具合、有効な箱の数 |
×が2種類あるのはややこしいところですが、小さい×はヒゲの先、少し大きい×は終値の位置に付くので、位置を見れば区別できます。前者は「候補が◆にならなかった」、後者は「確定していた箱が破られた」という、まったく別の出来事です。
●が付く足と付かない足の違い
レールは「確定したスイング」からしか引かれない
スイープの基準になるレールは、左右の足と比べて飛び出した高値・安値(ピボット)です。初期設定ではPivot left barsとPivot right barsがどちらも3なので、ある足の安値が左右3本ずつより低ければスイング安値になります。
注意したいのは、右側の3本がそろうまでスイングは確定しないことです。そのためレールはスイングの足から3本遅れて、確定した足から描かれ始めます。安値の位置まで線をさかのぼらせることはしません。直近の天井や底がまだレールになっていない場面があるのは、この待ち時間のためです。
ヒゲの深さと戻りの幅はATRで測る
●が付くには、足が確定した時点で2つの条件を両方満たす必要があります。
- ヒゲがレールをMinimum wick pierce (ATR)(初期値0.05)× ATR以上はみ出している
- 終値がレールの内側へMinimum close reclaim (ATR)(初期値0.03)× ATR以上戻っている
ATR(Average True Range)は、その銘柄がふだん1本の足でどれくらい動くかを表す値です。値幅をATRの何倍かで測っているので、価格が数万ドルのビットコインでも、1ドル台の通貨ペアでも同じ感覚で判定できます。期間はATR length(初期値14)で決まります。
実際にどんな足が弾かれるのかを並べたのが次の図です。図の①はレールにほんの少し触れただけ、図の②はレールを下に抜けたまま終わった足で、どちらにも●は付きません。図の③のように、割り込んだうえで終値がレールの上に戻った足だけが候補になります。
●が付く足、付かない足
同じ安値レールに3回触れても、●が付くのは「割り込んだうえで終値が戻った」足だけです。
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②の足のあと、次の足が安値を割りつつ終値で戻したので、そちらに●が付いています。「一度は下に抜けたのに、次の足で戻ってきた」という形も拾える、ということですね。
1本のレールで使えるのは1回だけ
●が付いた時点で、そのレールは使い切りになり、線が消えます。同じ安値を何度もつついても●が連発しないのはこのためです。レールが再び現れるのは、新しいスイングが確定したときです。

逆に、レールを終値で抜けていっただけの足ではレールは消えません。週足に入れてみると、ダッシュボードの「High rail」が現在値よりかなり下の66956.15を指したまま残っていました。上に抜けたあと、まだ新しいスイング高値が確定していないので、古い高値レールがそのまま待機しているわけです。
もう1つ細かい仕様として、1本の足が高値レールと安値レールを同時にスイープした場合は、方向が決められないとして候補になりません。値幅の大きい足ほど起こりやすい動きで、このときは●が付かないことを知っておくと戸惑わずに済みます。
◆が出るまでの数本で見ていること
「Liquidity Sweep Confirmation Zones」がほかのスイープ系インジケーターと大きく違うのは、ここからです。●のあとの足ごとに、次の3つを毎回チェックしています。
- 離れ幅は、●の足の終値から狙った方向へATRの何倍進んだか(Required response displacement (ATR)、初期値0.75)
- 効率は、進んだ幅が終値どうしの移動の合計に対して何割か(Minimum response path efficiency、初期値0.45)
- 位置は、終値がまだレールの内側(買い側ならレールより上)にあるか
3つが同じ足でそろった瞬間に◆です。測るときのATRや基準の価格は、●が付いた時点の値で固定されます。後からATRが大きくなって基準が甘くなる、といったことは起きません。
効率(Path efficiency)が肝になる理由
離れ幅だけなら、上下にフラフラしながらでも、いずれ基準に届いてしまいます。そこで効率という2つ目の物差しがあります。考え方は単純で、「最終的に進んだ幅 ÷ その間の終値の動きを全部足した距離」です。
同じ「+1.0ATR」でも、通り道で合否が分かれる
Path efficiency は「最終的に進んだ幅 ÷ 終値どうしの移動の合計」です。行ったり来たりするほど値が下がります。
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図の①のように寄り道なく上がれば効率は100%です。一方、図の②のように上げては戻す動きを挟むと、同じ1.0ATRの上昇でも移動の合計が膨らみ、図の③のとおり基準の45%に届きません。スイープ直後の「勢いのある離れ方」だけを残したい、という意図がよく出ている部分だと思います。
◆にならなかった候補は×で残る
候補が取り消されるパターンは2通りあります。1つは時間切れです。Confirmation window (bars)(初期値5)の期限を過ぎても条件がそろわなければ、図の②のように灰色の小さな×が付いて候補は消えます。
もう1つは、●の足のヒゲ先(買い側なら安値)を終値で抜けてしまったケースです。こちらは図の③のように期限前でもその場で×になります。スイープしたはずの安値をさらに割って終わったのだから、反転のシナリオは崩れた、と見なしているわけです。
●のあとに◆が出ないケース
候補は「時間切れ」と「ヒゲの先を終値で抜ける」の2通りで取り消され、×が残ります。
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Confirmation window (bars)が5のとき、ダッシュボードには「1 / 5」から「5 / 5」まで表示されます。ただ実際の判定では、期限を過ぎた6本目の足でも、その足で条件がそろえば◆になります。そろわなければ、その6本目に×です。「5本以内」というより「●の次の足から6本目まで」と覚えておくと、チャートの見え方と合います。
候補は同時に1つしか持てない、という点も覚えておくと役に立ちます。候補が確認待ちの間に反対側のレールがスイープされても、新しい●は付きません。候補が◆か×で決着した足でも、新しい候補は作られません。動きの速い相場で「今のは●が付きそうだったのに」と感じたら、たいていはこのどちらかです。
箱が生まれてから灰色になるまで
◆と同時にできる箱の上下は、レールの水準と●の足のヒゲ先です。つまり「スイープで刺さった部分」がそのままゾーンになります。買い側なら緑の支持帯、売り側なら赤の抵抗帯で、色以外の扱いは上下が逆になるだけです。
リテストのたびに薄くなっていく
箱の外にいた価格が箱の中に入ってくると、1回のリテストとして数えられます。数えるのは「入り直した回数」で、箱の中に何本とどまったかではありません。売り側の例で流れを追うと、図の①で高値レールがスイープされ、図の②で赤い箱が生まれ、図の③の3回のリテストで枠と塗りが薄くなっています。
戻ってくるたびに薄くなる売り側の箱
高値レールのスイープから生まれた赤い箱は、価格が箱に入り直すたびに「リテスト」として数えられ、色が薄くなっていきます。
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薄くなる度合いはRetests before exhausted styling(初期値4)で決まり、4回目で最も薄い状態になります。この設定が変えるのは見た目だけで、何回リテストしても箱そのものは消えません。「何度も試された水準は、そのうち抜けやすくなる」と考える人にとっては、色の濃さがそのまま目安になります。
終値で外側を抜けると無効、時間でも終わる
箱が役目を終えるのは2通りです。1つ目は無効化で、売り側の箱なら上端(ヒゲの先)、買い側なら下端を終値で抜けた足で起こります。図の①のように終値の位置に灰色の×が付き、図の②の通り箱は灰色になって、その足で延長が止まります。
終値が箱の外側を抜けたら、箱は灰色で止まる
売り側の箱は「上ヒゲの先端」を終値で上抜けた足で無効になり、色が灰色に変わって右への延長も止まります。
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2つ目は寿命です。Maximum active zone age(初期値80)の本数を超えると、×は付かずに灰色になります。灰色の箱はチャートに残りますが、Maximum stored zones(初期値20)の数を超えると古いものから消えます。この20個には灰色の箱も含まれていて、上限を超えると、一番古い箱はまだ有効でも消されてしまいます。長い期間を表示して「前にあった箱がない」と感じたら、この上限を疑ってみてください。
濃い緑や赤の箱は、できてからまだ試されていない帯です。薄くなった箱は何度も触れられた帯、灰色の箱はもう役目を終えた帯です。押し目や戻りの候補として見るなら、まず濃い箱から、という順番で見ていくといいでしょう。
右上のダッシュボードで「いま」を読む
チャートの右上には7行の表が出ます。普段は「WATCHING」と表示され、候補が出ると図の①のように「PENDING BULL」か「PENDING BEAR」に変わります。確認待ちの間は、図の②の経過本数と、図の③の離れ幅・効率を見れば、◆まであとどれくらいかの見当がつけられるはずです。
右上の表で「いまの確認待ち」を読む
候補が出ている間、ダッシュボードには経過本数・離れ幅・効率がリアルタイムで並びます。
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| 行 | 表示される内容 |
|---|---|
| SWEEP ZONES | 状態(WATCHING/PENDING BULL/PENDING BEAR) |
| High rail/Low rail | 待機中のレールの価格。使い切ったあとは「unarmed」 |
| Candidate age | ●から何本たったか/Confirmation window (bars)の値 |
| Response ATR | ●の足の終値から何ATR離れたか(逆行中はマイナス) |
| Path efficiency | 効率(%) |
| Active zones | 灰色になっていない箱の数 |
日足で見たときは「PENDING BULL」「2 / 5」「.51」「100.0%」という表示でした。2本で0.51ATR、寄り道なしで上がっているので、あと少し伸びれば◆という段階です。逆に5分足では「-.32」「.0%」と、●のあと逆行している状態が出ていました。数字が並んでいるだけですが、候補の「育ち具合」を一目で確認できるのは便利です。

5分足から週足まで入れて分かった向き不向き
チャートで、5分足・15分足・30分足・1時間足・4時間足・日足・週足に初期設定のまま入れて見比べました。一番扱いやすかったのは1時間足〜4時間足で、表示の読みやすさが他の足とはっきり違いました。
短い足ではオレンジの線が画面を埋める
5分足と15分足では候補が次々に出るため、オレンジの線が階段状にずっとつながって表示されます。実はこの線、確認待ちが終わった後も次の候補が出るまで横に伸び続ける仕様です。図解の下のほうに横長のオレンジ線が残っているのがそれで、塗りがない部分は「過去の候補の名残」にすぎません。

候補が多い短い足ほどこの名残が増え、箱やレールと重なって見分けにくくなります。読むときは塗りと背景色がある区間だけが「いま確認待ち」と割り切るのがコツです。
1時間足〜日足で箱の意味がはっきりする
1時間足になると候補の間隔が空き、箱1つ1つが「あのスイープの結果」と追えるようになります。4時間足では、10月初めの高値スイープから生まれた赤い箱が85,650〜87,220付近に大きく残っていて、その後の戻りがこの帯の中で押し返されている様子がよく見えました。日足では9月中旬の安値スイープからできた緑の箱が、その後の上昇の起点として機能しています。
一方、強い一方向のトレンドでは苦戦します。日足の5〜6月の下げのように、安値を割っては戻らずに進む相場では◆が出にくく、×や灰色の箱が増えます。ヒゲで刺して戻る動きが前提のインジケーターなので、レンジの上下端や、トレンド中の押し目・戻りでスイングを一度刺す場面が出番になります。
銘柄で言えば、ストップが溜まりやすい節目がはっきりしている、ビットコインやゴールド(XAUUSD)、主要な株価指数先物のような流動性の高い銘柄と相性が良いはずです。値幅をATRで測っているので、銘柄ごとに数値を合わせ直す手間が少ないのも助かります。
設定項目と、変えたときの効き方
設定画面はスイングの検出、スイープと確認、箱の寿命、表示の4つに分かれています。判定に効く項目は次のとおりです。推奨値はあくまで出発点で、初期値が全員にとっての正解というわけではありません。
| 設定 | 初期値 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|---|
| Pivot left bars | 3 | 3〜8 | スイングの左側に必要な本数。増やすほど大きな山・谷だけがレールになり、レールの数が減る |
| Pivot right bars | 3 | 左と同じ値 | スイングの右側に必要な本数。増やすほどレールの出現が遅れる。左右をそろえると扱いやすい |
| ATR length | 14 | 14 | ヒゲの深さや離れ幅を測るATRの期間。短くすると直近の値動きに合わせて基準が変わりやすくなる |
| Minimum wick pierce (ATR) | 0.05 | 0.05〜0.15 | レールからヒゲがはみ出す最小幅。上げると浅い刺さりを除外できる |
| Minimum close reclaim (ATR) | 0.03 | 0.03〜0.1 | 終値がレールの内側へ戻る最小幅。上げるとレール際で終わる曖昧な足を除外できる |
| Required response displacement (ATR) | 0.75 | 0.5〜1.0 | ◆に必要な離れ幅。上げるほど力強い反発だけが残り、◆の数は減る |
| Minimum response path efficiency | 0.45 | 0.45〜0.55 | ◆に必要な効率。上げるほど寄り道の少ない反発に限られる |
| Confirmation window (bars) | 5 | 3〜5(短い足)/5〜8(長い足) | ◆を待つ本数。長くするとスイープと反発の結びつきが弱くなる |
| Maximum active zone age | 80 | 80〜150 | 箱が有効なままでいられる本数。超えると灰色になる |
| Maximum stored zones | 20 | 20 | チャートに残す箱の上限(灰色の箱を含む)。超えると古い順に消える |
| Retests before exhausted styling | 4 | 3〜5 | 何回のリテストで最も薄い色になるか。見た目だけが変わる |
ピボットの本数を増やすとレールが減る
一番表示が変わるのはPivot left barsとPivot right barsです。同じ相場に3本と8本のレールを重ねると、図の①の3本設定は戻り高値ができる度に切り替わるのに対し、図の②の8本設定では大きな天井の1本しか残りません。
Pivot left / right bars を3から8に変えるとレールはこう減る
同じ相場にレールだけを2組重ねました。数字を大きくすると、細かな山と谷はレールにならず、目立つ高値・安値だけが残ります。
- レール(Pivot 3)
- レール(Pivot 3)
- レール(Pivot 8)
- レール(Pivot 8)
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本数を増やすと「多くのトレーダーが意識していそうな節目」に絞れる反面、図の③のように候補が出る場面が減り、レールが現れるのも右側の本数分遅くなります。私は1時間足なら5前後、スイング目的で4時間足を見るなら5〜8あたりが、レールの数と出現の速さのバランスがよいと感じました。
目的別の組み合わせ方
1 短い足でノイズを減らしたい
5分足や15分足では、Minimum wick pierce (ATR)を0.1〜0.15に上げて浅い刺さりを除き、Minimum response path efficiencyを0.55前後にすると候補と◆がかなり減ります。表示が込み合う場合はShow pending candidate bridgeをオフにして、●と背景色だけで確認待ちを追う手もあります。
2 スイングで大きな節目だけ見たい
4時間足や日足では、ピボットを5〜8に増やし、Required response displacement (ATR)を1.0前後にすると「はっきり跳ね返された節目」だけが箱になります。箱を長く参照したいならMaximum active zone ageを120〜150に延ばしてもよいでしょう。
3 反応の速さを優先したい
◆を早めに出したいなら、Required response displacement (ATR)を0.5前後まで下げます。ただし基準を下げるほどダマシの箱も増えるので、Minimum response path efficiencyは初期値のまま残しておくのがおすすめです。逆にConfirmation window (bars)を長くすると、スイープと反発の結びつきが弱くなる点にも注意してください。
表示の項目(Show armed liquidity rails、Show pending candidate bridge、Show event markers、Show pending state wash、Show state dashboard)は、どれも独立してオン・オフできます。色もBullish confirmed zone、Bearish confirmed zone、Pending candidate、Neutral / expiredの4つを変えられ、レールの色は箱の色に連動します。
リペイントとアラートの扱い
「Liquidity Sweep Confirmation Zones」の判定は、すべて足が確定したタイミングでしか動きません。形成中の足では、●も◆も×も、ダッシュボードの数字も変わらず、足が閉じた瞬間にまとめて更新されます。確定した足の●や◆が後から消えたり動いたりすることはなく、レールも箱も、確定した足から右に描かれるだけです。リペイントはないと判断しています。
その代わり、反応はどうしても遅れます。レールはスイングから右側の本数ぶん遅れて現れ、◆は●から最短でも1本後です。「スイープの足で入る」ための合図ではなく、反発が本物だったかを確かめてから箱を使うためのものだと考えると、遅さにも納得がいきます。
アラートは3種類用意されています。「Closed-bar liquidity sweep candidate」(●)、「Displacement-confirmed liquidity sweep zone」(◆)、「Confirmed liquidity sweep zone invalidated」(箱の無効化)です。候補の失敗(小さい×)にはアラートがありません。どれも確定足でしか成立しないので、アラートを作るときはトリガーの頻度を足の確定時に1回だけ動く設定(Once Per Bar Close)にしておくと、表示と通知のタイミングが揃います。
過去の動きを1本ずつ確かめたいときは、TradingViewのバーリプレイが使えます。足を1本ずつ進めていけば、●が付いてから◆か×になるまでの流れを、リアルタイムと同じ順番で追えます。日足以上は全データ、日中足はプランと時間足に応じた期間までさかのぼれます。
CMFを添えて、◆の裏付けを取る
「Liquidity Sweep Confirmation Zones」は価格の形だけで判定しているので、出来高の情報は入っていません。そこで相性が良いと感じたのが、TradingView標準のチャイキン・マネーフロー(CMF)です。CMFは、終値が足の値幅のどこで引けたかを出来高で重み付けして積み上げる指標で、ゼロより上なら買い寄り、下なら売り寄りの資金の流れを示します。
CMFで◆の「中身」を確かめる
◆は値動きの形だけで出るサインです。チャイキン・マネーフロー(CMF)を下に置くと、その反発に出来高の裏付けがあるかを同時に見られます。
Vowars DE ver.3.12.33
見方はシンプルで、図の①の●のあと、図の②でCMFがゼロを上抜け、図の③の◆の時点でもプラスを保っていれば、形と出来高の両方がそろった反発と読めます。◆が出てもCMFがマイナスのままなら、箱は引いておきつつポジションは小さめにする、といった使い分けもありでしょう。
他には、上位足の高値・安値を表示するインジケーターと並べて「上位足の節目と重なったスイープだけを狙う」使い方や、出来高プロファイルで出来高の薄い価格帯を確認する組み合わせも考えられます。箱は「その時間足で確定した帯」なので、上位足の情報を足すと優先順位を付けやすくなります。
使ってみて感じた長所と注意点
頼りになるところ
- ヒゲで抜けた足をすぐ箱にせず、離れ幅と効率で選別してくれる
- ●・◆・×の記録が残り、成功も失敗も後から検証できる
- 確定足だけで判定し、過去にさかのぼって描き足さない
- ATR基準なので銘柄や時間足を変えても設定を流用しやすい
- リテストの回数が箱の濃さで分かる
気をつけたいところ
- 短い時間足ではオレンジの線の名残が重なり、画面が込み合う
- レールも◆も確定待ちの分だけ遅れて出る
- 候補は同時に1つだけで、急な相場ではスイープを取りこぼす
- 強い一方向のトレンドでは×が続きやすい
- 出来高や板の情報は使っておらず、本当にストップが狩られたかは分からない
「Liquidity Sweep Confirmation Zones」が見ているのはローソク足の高値・安値・終値だけです。実際にストップ注文が執行されたかどうかや、足の中でどちらが先に動いたかは分かりません。◆は「反発が基準を満たした」という記録で、そこから先も続く保証はありません。損切りの位置や建てる量は、インジケーターとは別に自分で決めておくことが前提です。また、設定を変えたり読み込む期間が変わったりすると、過去の●や箱もその条件で計算し直されます。過去チャートできれいに見える箱だけで判断せず、バーリプレイなどで確定の順番を追ってから使うのが安全です。
「刺して戻った」を記録として残したい人に
画像「Liquidity Sweep Confirmation Zones」は、スイープを見つけるインジケーターというより、スイープのその後を採点して記録するインジケーターです。●で候補を出し、離れ幅と効率という2つの物差しを通ったものだけを◆と箱に昇格させ、通らなかったものも×で残します。
エントリーの場所を教えてくれるわけではありませんが、「この反発は信用していいのか」を判断する材料としてはとても使いやすいです。1時間足〜4時間足で、レンジの端や押し目・戻りの判断に、CMFのような出来高系の指標と一緒に使うのが、私の中では一番しっくりくる組み合わせでした。ストップ狩りの後の値動きを決まった基準で見たい人には、一度チャートに入れて過去のスイープを眺めてみてほしいインジケーターです。










