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Stochastic Heat Map

28本のストキャスを色で重ね、時間軸ごとの過熱感を一目で見るためのインジケーター。

4.1 / 5.0 総合評価

  • 充足性 4.5
  • 独自性 3.8
  • 可読性 3.6
  • 適応性 4.4
  • 信頼性 4.4

難易度 中級

No.VOW-000050

評価について 「Stochastic Heat Map」は、相場の状態を読み取るための分析・可視化型のインジケーターです。最も評価したのは充足性で、期間の違う28本のストキャスティクスを1つのペインにまとめ、短期だけの過熱なのか長期まで及んでいるのかを色の分布で示してくれます。可読性がやや低めなのは、横線が細く隣接する段階の色が近いためで、細部ではなく暖色と寒色の大きな塊で読む使い方のほうが持ち味を活かせます。
難易度解説 「Stochastic Heat Map」は、赤なら高値圏、青なら安値圏と色で読めるため、入り口は難しくありません。ただ、28本のストキャスティクスが期間ごとに縦に並ぶ仕組みや、下段と上段の色のズレの読み方、IncrementやWavesで期間がどう変わるかを理解するには、ストキャスティクスの基本を知っている必要があります。強いトレンドで赤が張り付く性質を踏まえて使う点も含め、中級としました。

総合評価 4.1/ 5.0

評価基準について

  • 充足性 4.5 28本のストキャスティクスの位置を色の分布と平均線にまとめ、時間軸ごとの高値圏・安値圏を読み取る目的をほぼ完全に果たしています。
  • 独自性 3.8 定番のストキャスティクスを期間違いで積み上げてヒートマップにする見せ方に明確な工夫があり、色の伝わり方という読み方を生んでいます。
  • 可読性 3.6 暖色と寒色の大きな塊は一目で読めますが、横線が細く隣り合う段階の色が近いため、細かな水準を読み取る場面では時間がかかります。
  • 適応性 4.4 Increment、Plot Number、平滑化の期間、Wavesで見る時間の幅を大きく変えられ、変えた結果も色の広がり方からすぐに読み取れます。
  • 信頼性 4.4 確定した足の表示は後から変わらず、計算の流れも単純で再現しやすいです。本数を減らすと最上段の色が固定される点は覚えておくと安心です。
リペイント
なし
  1. 形成中変わる
  2. 確定後固定
  3. 過去固定
向いている時間足
  • 短期15分以下
  • 中期30分〜4時間
  • 長期日足以上
検証 BTCUSDT(5m、1H、1D)
アラート
なし
売買サイン
出さない分析型のため対象外
向いている相場
トレンド、レンジ
表示場所
両方
描くもの
ライン足の色
ベース指標
ストキャスティクス移動平均
トレードスタイル
スイングトレードデイトレード

このインジケーターの検証記事

オシレーターモメンタム

Stochastic Heat Mapを検証、下段から上段へ伝わる色で相場の本気度を見抜く

Stochastic Heat Mapを検証、下段から上段へ伝わる色で相場の本気度を見抜く

図解ギャラリー 8

この記事の要約
どんなインジケーター?
結論

「Stochastic Heat Map」は期間10〜280の28本のストキャスティクスを色で重ね、時間軸ごとの高値圏・安値圏を一度に見せるオシレーターです。色が下段から上段へ広がる順番で動きの強さを読めますが、強いトレンドでは赤が張り付くため、向きはEMAなどで別に判断する使い方が合います。

もっと詳しく
この記事の要点
  • 期間10〜280の28本のストキャスティクスを、横線の色で重ねて表示するオシレーターです。
  • 平均値が90以上で赤、10未満で濃紺と、10段階の色でローソク足も塗り分けます。
  • 下段ほど短期、上段ほど長期なので、色の変化が上へ広がるかで動きの強さを読めます。
  • 白線は28本の平均値、オレンジ線はその移動平均で、交差を勢いの切り替わりの目安にします。
  • 交差は天井や底より数本遅れて出やすく、横ばいの相場ではダマシが増えます。
  • 強いトレンドでは赤や濃紺が長く続くため、極端な色だけで逆張りするのは危険です。
  • Incrementで期間の刻み幅を変えられ、小さくするほど全体が短期寄りの反応になります。
  • 確定した足の表示は後から変わらず、専用のアラート条件は組み込まれていません。
  • EMA50でトレンドの向きを決め、押し目の深さをヒートマップで測る使い方が合います。

28本のストキャスティクスを1枚の「温度」で見せるインジケーター

「Stochastic Heat Map」は、期間の違うストキャスティクスを28本まとめて計算し、その値を横線の色で塗り分けるオシレーターです。サブチャートに細い横線が何十本も並び、それぞれが赤やオレンジ、青に色づいて、全体がサーモグラフィーのような見た目になります。

TradingViewの日足チャートにStochastic Heat Mapを表示した画面。上昇に合わせてローソク足とヒートマップが青から赤へ変わっていく様子。
TradingViewの日足チャートにStochastic Heat Mapを表示した画面。上昇に合わせてローソク足とヒートマップが青から赤へ変わっていく様子。

パッと見た感じ「どこを見ればいいのか」と悩んでしまう見た目ですよね。線の数が多く、色もカラフルだからです。ただ、数日触っているうちに見るべき場所は3つしかないと分かりました。横線の色の分布、白とオレンジの2本のライン、そして色の付いたローソク足です。

ストキャスティクスは「一定期間の高値と安値の幅のなかで、いまの終値がどの位置にあるか」を0〜100で表す指標です。100に近ければ期間内の高値圏、0に近ければ安値圏にいます。「Stochastic Heat Map」はこれを10本、20本、30本……280本と期間を変えて並べるので、短期では高値圏なのに長期ではまだ安値圏、といった時間軸ごとの温度差が一目で分かります。

28本のストキャスティクスを重ねたヒートマップ

下段ほど短い期間、上段ほど長い期間のストキャスティクスで、線の色がそれぞれの値を表します。

28本のストキャスティクスを重ねたヒートマップ① 最下段は期間10の短期ストキャス ② 最上段は期間280の長期ストキャス ③ 白線は28本の平均値SHM最下段は期間10の短期ストキャス最上段は期間280の長期ストキャス白線は28本の平均値ローソクも平均値の色で塗られる

Vowars DE ver.3.12.30

初期設定(MA=EMA、Theme 3、Increment 10、Plot Number 28)での表示です。ローソク足の色は28本の平均値で塗られます。

チャートの下段で一番下にある線が期間10の短期ストキャスティクスで、図の①のように、上へ行くほど期間が長くなります。図の②が最上段にあたる期間280の線です。一番上にはもう1本、同じ色の線が重なって描かれています。28本の設定なのに横線が29本あるのはこのためです。

白線は28本の平均値です。図の③の位置がそれで、平均値(0〜100)を横線の本数に合わせて0〜28の高さに換算しています。白線が上段にあれば全体として高値圏、下段にあれば安値圏という読み方になります。オレンジ線はこの白線を移動平均でならしたシグナル線です。

色の意味をつかめば、読み方はシンプル

10段階のカラーと平均値の関係

横線とローソク足の色は、どちらも同じ10段階の基準で決まります。横線はその線のストキャスティクスの値、ローソク足は28本の平均値で塗られる、という違いだけです。初期設定のTheme 3では、高い値ほど赤に近い暖色、低い値ほど濃紺に近い寒色になります。

平均値の高さでローソクの色が10段階に変わる

ローソク足と横線は、どちらも同じ10段階の色分けで塗られます。

平均値の高さでローソクの色が10段階に変わる① 平均90以上は赤 ② 50を割ると緑から水色へ ③ 平均10未満は濃紺SHM平均90以上は赤50を割ると緑から水色へ平均10未満は濃紺
  • 90以上
  • 80〜
  • 70〜
  • 60〜
  • 50〜
  • 40〜
  • 30〜
  • 20〜
  • 10〜
  • 10未満

Vowars DE ver.3.12.30

Theme 3(初期値)の配色です。ローソク足は28本の平均値、各横線はそれぞれのストキャスティクスの値で色が決まります。

平均値が90以上になると、ローソク足は赤になります。図の①の区間がそれで、28本のストキャスティクスのほとんどが期間内の高値付近にある状態です。反対に10未満では図の③のような濃紺になります。50を境に緑から水色へ切り替わる図の②あたりは、ちょうど強弱が入れ替わるところです。

配色はThemeで3種類から選べます。それぞれの色の割り当ては次のとおりです。

平均値(線の値)Theme 1Theme 2Theme 3(初期値)
90以上明るい緑明るい水色赤
80〜90緑水色赤みのオレンジ
70〜80やや暗い緑やや暗い水色オレンジ
60〜70暗い緑暗い水色黄
50〜60さらに暗い緑さらに暗い水色黄緑
40〜50さらに暗い赤さらに暗い紫水色
30〜40暗い赤暗い紫明るい青
20〜30やや暗い赤やや暗い紫青
10〜20赤紫濃い青
10未満明るい赤明るい紫濃紺

Theme 1とTheme 2は、50を境に2色の濃淡で分ける配色です。両端(90以上と10未満)がいちばん明るく、中央に近づくほど暗くなります。Theme 3は「熱い・冷たい」の順に色相が並ぶため、ヒートマップとして直感的に読めるのはTheme 3だと感じました。この記事の図もすべてTheme 3です。

下段と上段のズレが、動きの「本気度」を教えてくれる

「Stochastic Heat Map」を使っていて一番面白いと感じたのは、色が変わる順番です。短い期間のストキャスティクスほど値動きに早く反応するので、反発や反落が始まると、色の変化は必ず下段から上段へ伝わっていきます。

反発は下段から色が変わり、上段へ広がっていく

短い期間のストキャスティクスほど早く反応するため、色の変化は下から上へ伝わります。

反発は下段から色が変わり、上段へ広がっていく① 下段(短期)が先に赤へ ② 上段(長期)は青のまま ③ 上昇が続くと暖色が上へ広がるSHM下段(短期)が先に赤へ上段(長期)は青のまま上昇が続くと暖色が上へ広がる

Vowars DE ver.3.12.30

安値からの反発局面です。下段が暖色でも上段が寒色のうちは、長い目で見るとまだ安値圏にいることを示しています。

安値からの反発局面を見ると、図の①のように、まず下段(短期)が先に赤やオレンジに変わります。このとき上段(長期)は図の②のとおり青いままです。短い目線では買われていても、長い目線ではまだ安値圏から抜けていない、という状態です。

上昇が続くと、図の③のように暖色の範囲が上へ広がっていきます。下段だけが赤い段階で終わるのか、上段まで塗り替わっていくのか。この違いを見るだけで、目の前の反発が一時的な戻りなのか、流れそのものが変わり始めているのかを判断する材料になります。

色の「層」で見るのがコツ

1本1本の線の色を細かく読む必要はありません。見るのは暖色と寒色の境目が、いまペインのどの高さにあるかです。境目が上がっていれば長期まで勢いが波及しており、下段だけで止まっていれば短期の動きにとどまっています。

白線とオレンジ線の交差

ヒートマップの色だけでは「いつ」が分かりにくいので、タイミングの目安には白線とオレンジ線を使います。白線は28本の平均値、オレンジ線はそれをMAの方式(初期値EMA)とSmooth Slowの期間(初期値21)でならした線です。

白線とオレンジ線の交差で勢いの切り替わりを見る

白線(28本の平均)がオレンジ線(白線の移動平均)を抜ける場面は、勢いが入れ替わる目安になります。

白線とオレンジ線の交差で勢いの切り替わりを見る① 白線が上抜け、上昇の勢いが出る ② 下抜けは天井から数本遅れて出る ③ 横ばいでは交差が続きやすいSHM白線が上抜け、上昇の勢いが出る下抜けは天井から数本遅れて出る横ばいでは交差が続きやすい

Vowars DE ver.3.12.30

オレンジ線はMAで選んだ方式(初期値EMA)、Smooth Slowの期間(初期値21)で白線をならした線です。交差を示す矢印やアラートは表示されません。

白線がオレンジ線を下から上抜ける図の①は、平均値の勢いが上向きに変わった合図として読めます。この図ではここから上昇が始まり、ローソク足の色も青から水色、緑へと変わっていきました。

ただし下抜けのほうは、図の②のように天井から数本遅れて出ます。オレンジ線が21本の移動平均なので、どうしても遅れが出ます。利確の判断に使うなら、白線がピークから下を向いた時点で一度身構えておき、交差は確認として使うほうが実用的です。

もうひとつ注意したいのが、図の③のような横ばいの区間です。白線とオレンジ線が絡み合い、上下の交差が数本おきに続きます。「Stochastic Heat Map」自体には交差を知らせる矢印もアラートもないので、交差だけで売買するのはおすすめしません。

時間足を変えて試して分かった、反応の違い

表示は5分足、1時間足、日足の3つで見比べました。初期値の場合、最も長い線は280本分の期間を見るので、時間足によってカバーする期間がかなり変わります。

時間足最上段(期間280)がカバーする長さの目安使ってみた印象
5分足約23時間(暗号資産の場合)1日の流れの中での過熱がよく分かるが、色の切り替わりが速い
1時間足約12日下段と上段のズレが最も読みやすく、デイトレードに合う
日足約9か月(暗号資産の場合)色が落ち着き、スイングトレードの押し目判断に使いやすい

株価指数のように取引時間が限られる銘柄では、同じ280本でもカバーする暦の期間がさらに長くなります。ゴールドやFXの主要通貨ペアも平日中心の値動きなので、表の数字は暗号資産を基準にした目安として見てください。

1時間足のStochastic Heat Map。下落とともに短期側の線から青く変わり、反発で再び暖色が戻っていく様子。
1時間足のStochastic Heat Map。下落とともに短期側の線から青く変わり、反発で再び暖色が戻っていく様子。

1時間足では、下落で白線が一気に下段へ落ち、そこから反発して上段へ戻るまでの流れがきれいに追えました。ヒートマップの下のほうが先に暖色に戻り、白線がオレンジ線を上抜けてから上昇が続く、という順番がそのまま出ています。

5分足のStochastic Heat Map。上昇が続く間、ローソク足が赤とオレンジで塗られ続ける様子。
5分足のStochastic Heat Map。上昇が続く間、ローソク足が赤とオレンジで塗られ続ける様子。

5分足では、ほんの数時間の上昇でもヒートマップの下半分がほぼ赤で埋まります。短期売買で使えなくはないものの、色の変化が速く、慣れないうちは振り回されやすい印象でした。スキャルピングで使うなら、後述するSmooth Fastを少し上げて、色のちらつきを抑えたほうが落ち着いて見られます。

赤いローソク足を見て売りたくなったら、一度手を止める

ヒートマップが真っ赤になると、つい「買われすぎだから下がるはず」と考えたくなります。実際に試してみて、ここが一番の落とし穴だと感じました。

強い上昇では赤が張り付き、天井の合図にならない

平均90以上の赤は「買われすぎ」ではなく「上昇の勢いが極端に強い状態」として読むほうが実態に合います。

強い上昇では赤が張り付き、天井の合図にならない① 最初の赤は上昇の始まりだった ② 赤が22本続く間も高値を更新 ③ 赤が途切れてから崩れ始めるSHM最初の赤は上昇の始まりだった赤が22本続く間も高値を更新赤が途切れてから崩れ始める

Vowars DE ver.3.12.30

強いトレンドではストキャスティクスが高値圏に張り付くため、赤が出た時点での逆張りは損失につながりやすくなります。

強い上昇局面では、図の①の最初の赤いローソク足が、天井ではなく上昇の始まりでした。そこから図の②のとおり、赤が22本続く間も価格は高値を更新しています。ストキャスティクスは期間内の高値付近に終値があれば100に近づくので、トレンドが強いほど高値圏に張り付きます。28本すべてが張り付けば、ヒートマップは赤一色のままです。

崩れ始めたのは、図の③で赤が途切れてからでした。赤そのものは「過熱」ではなく「勢いが極端に強い状態」として読み、売りを考えるなら赤が途切れた後、さらに白線がオレンジ線を割るのを待つほうが安全です。

逆張りの根拠にしない

平均値が90以上の赤や10未満の濃紺は、反転の予告ではありません。強いトレンドの中では極端な色が何十本も続くことがあります。逆張りで使う場合は、価格がレンジ内にあることを先に確認してください。

反対に、レンジ相場ではこの極端な色が効きやすくなります。上下の幅が決まっている相場では、上段まで赤く染まった後や、全体が濃紺になった後に反転しやすいからです。トレンドかレンジかの判断を別に持っておくと、「Stochastic Heat Map」の色の意味がぶれません。

設定項目と、試して落ち着いた値

「Stochastic Heat Map」の設定項目は8つです。初期値のままでも十分使えますが、時間足や売買スタイルに合わせて調整する余地はかなりあります。

パラメーター設定
設定初期値推奨値効果
MAEMAEMA各ストキャスティクスの平滑化と、オレンジ線の計算方式。SMA・EMA・WMAから選ぶ
ThemeTheme 3Theme 3配色。Theme 3は暖色から寒色の10段階、Theme 1は緑と赤、Theme 2は水色と紫
Increment1010(短期寄りなら5〜7)ストキャスティクスの期間の刻み幅。10なら10〜280、5なら5〜140
Smooth Fast22(5分足なら3〜4)28本それぞれのストキャスティクスをならす期間。大きいほど色の変化が穏やかになる
Smooth Slow2121(早めに見たいなら14)オレンジ線の期間。小さいほど交差が早く、回数も増える
Plot Number2828計算と表示に使う本数(1〜28)。減らすと長期側の線から外れる
Paint Barsオン好みで選択ローソク足を平均値の色で塗るかどうか
Wavesオフオフ期間の刻みを不均等にし、長期側を大きく伸ばす

Increment は「どこまで長い目線を入れるか」を決める

Incrementは、最も効く設定です。28本のストキャスティクスの期間は「何本目か × Increment」で決まるので、この値を変えると全体が短期寄りにも長期寄りにもなります。

Incrementを変えると反応の速さが変わる

Incrementは各ストキャスティクスの期間の刻み幅です。10なら10〜280、5なら5〜140の28本になります。

Incrementを変えると反応の速さが変わる① 期間280の上段はまだ青 ② 期間140までなので上段も赤橙にSHM Increment 10(初期値)SHM Increment 5期間280の上段はまだ青期間140までなので上段も赤橙に

Vowars DE ver.3.12.30

同じ値動きに、初期値(Increment 10)と Increment 5 を並べたものです。Increment 5では白線の振れ幅も大きくなります。下の段は比較のためローソク足の色付けを切っています。

同じ値動きで比べると、初期値の10では図の①のとおり上段がまだ青いのに対し、5にすると図の②のように上段まで赤やオレンジに変わっています。最上段の期間が280から140に縮み、長期側も短い期間で反応するようになるためです。

私は基本的に10のまま使っています。下段と上段の温度差を見るのが「Stochastic Heat Map」の持ち味なので、長期側をしっかり残しておきたいからです。日足で数か月単位の流れを入れたくないときや、1時間足で数日分だけに絞りたいときに5〜7へ下げると、色の反応がちょうどよくなりました。反対に12〜15へ上げると長期側がさらに重くなり、色の変化はゆっくりになります。

Smooth Fast と Smooth Slow

Smooth Fastは、名前から白線をならす設定に見えますが、実際には28本それぞれのストキャスティクスにMAの方式でかける平滑化の期間です。白線は平滑化した28本の平均なので、結果として白線もなめらかになります。初期値の2は反応がかなり速めです。5分足で色がちらつくときに3〜4へ上げると、ヒートマップのまだら模様が減りました。

Smooth Slowはオレンジ線の期間です。21から14に縮めると、白線との交差が早く出るようになります。そのぶん横ばいの区間で交差する回数も増えるので、交差をタイミングに使う人ほど慎重に選んでください。

Plot Number を減らすときの注意

Plot Numberを減らしたときの表示

Plot Numberは表示・計算に使うストキャスティクスの本数です。14にすると期間10〜140の14本だけで平均を取ります。

Plot Numberを減らしたときの表示① 一番上の線は濃紺のまま動かない ② 長期の線を外すと赤に届きやすいSHM Plot Number 14一番上の線は濃紺のまま動かない長期の線を外すと赤に届きやすい

Vowars DE ver.3.12.30

全体像の図と同じ値動きに Plot Number 14 を当てたものです。白線は0〜14の範囲で動きます。一番上の線は28本目の計算を使う仕様のため、本数を減らすと色が変わらなくなります。

Plot Numberは、計算と表示に使うストキャスティクスの本数です。14にすると期間10〜140の14本だけで平均を取り、白線の高さも0〜14の範囲になります。長期の線を外したぶん、図の②のように同じ上昇でもローソク足が赤に届きやすくなりました。

気をつけたいのは、図の①の一番上の線です。この線は28本目の計算結果で色が決まる仕組みになっているため、本数を28未満にすると色が濃紺のまま固定されます。バグではないので、本数を減らしたときは一番上の1本を読み飛ばしてください。

MA・Waves・Paint Bars

MAはEMAが初期値で、SMAに変えると色の変化がやや遅く、なめらかになります。WMAはその中間くらいの反応です。この設定は各ストキャスティクスの平滑化とオレンジ線の両方にかかります。

Wavesをオンにすると期間の刻みが不均等になり、下から10本目までは10〜100の10刻みのままですが、そこから150、200……600、700……1200、1400、1600と長期側が一気に伸びます。平滑化の期間も、上の線ほど長く取る設定です。ヒートマップの上半分がかなり長い目線になるので、日足以上で大きな流れの中の位置を見たいときに向いた設定です。

Waves をオンにするときの履歴

Wavesをオンにすると、最上段はIncrementが10のとき期間1600になります。白線とローソク足の色は28本すべての値がそろってから表示されるので、チャートに1600本以上の履歴が読み込まれていないと、白線と色付けが出ません。時間足が短いと、読み込める本数の範囲に収まらないこともあります。

Paint Barsはローソク足の色付けです。初期値はオンで、チャート本体のローソク足が10段階の色で塗られます。暗い背景のチャートでは濃紺のローソク足が見えにくくなるので、価格の陽線・陰線をはっきり見たいときはオフにするのも手です。オフにしてもサブチャートのヒートマップと2本のラインはそのまま残ります。

目的別の設定例

目的主な変更理由
1時間足のデイトレード初期値のまま期間280で約12日分をカバーでき、下段と上段のズレが読みやすい
5分足で色のちらつきを抑えたいSmooth Fast 3〜4各ストキャスティクスの細かい上下が減り、色の塊が見やすくなる
交差を早めに拾いたいSmooth Slow 14オレンジ線の遅れが減る。横ばいでの交差は増える
短期寄りに反応させたいIncrement 5〜7最上段の期間が短くなり、長期側も早く色が変わる
日足以上で大きな流れを見たいWaves オン上段が最長1600本の期間になり、長期の位置づけが分かる

EMA50と組み合わせると、押し目の深さが測れる

「Stochastic Heat Map」は相場の「温度」は教えてくれますが、トレンドの向きは教えてくれません。そこで、価格チャートに移動平均線を1本足して、向きの判断を任せる使い方が一番しっくりきました。試した中で相性が良かったのは、TradingView標準のEMA(期間50)です。

EMA50で流れを決め、ヒートマップで押し目の深さを測る

価格がEMA50の上にある上昇局面では、下段だけが冷えて上段が熱いままの押し目が狙い目になります。

EMA50で流れを決め、ヒートマップで押し目の深さを測る① EMA50付近まで押した場面 ② 最下段付近(短期)は青まで冷える ③ 上段(長期)は赤橙のままSHMEMA50付近まで押した場面最下段付近(短期)は青まで冷える上段(長期)は赤橙のまま
  • EMA50

Vowars DE ver.3.12.30

青い線はTradingView標準の移動平均線(EMA、期間50)です。押し目のあと下段が暖色に戻ったところ(右側)で上昇が再開しています。

1 EMA50で上昇トレンドかを確認する

価格がEMA50より上にあり、EMA50自体が右肩上がりなら上昇トレンドと判断します。この条件を満たさないときは、押し目買いの候補から外します。

2 押した場面で下段と上段の色を見る

図の①のように価格がEMA50付近まで下がってきたら、ヒートマップを確認します。図の②で最下段付近の短期の線が青まで冷えている一方、図の③の上段は赤やオレンジのままです。短期の売りは出尽くしつつあり、長期の勢いはまだ残っている、という押し目の形です。

3 下段が暖色に戻るのを待って入る

入るのは、冷えていた下段が再び暖色に戻り、白線が下げ止まってからです。図でも、下段の色が戻ったところから上昇が再開しています。損切りはEMA50を明確に割り込んだところに置くと、判断の根拠がぶれません。

ほかにも、トレンドの強さを測るADX(DMI)と組み合わせ、ADXが低いレンジ相場のときだけ極端な色で逆張りする使い方も合っていると思います。ボリンジャーバンドを価格に重ね、バンドの外に出た足でヒートマップが上段まで赤いかを確かめる使い方もできます。いずれも「Stochastic Heat Map」だけでは分からない「向き」や「相場の状態」を別のインジケーターに任せる、という考え方は共通です。

リペイントとアラートについて確認したこと

「Stochastic Heat Map」は、各足の高値・安値・終値からストキャスティクスを計算し、その平均と移動平均を描いているだけです。上位足のデータや未来の足を参照する処理はなく、確定した足の色や線の位置が後から変わることはありません。

一方で、まだ確定していない最新の足では、価格が動くたびに計算し直されます。足が確定するまでの間は、ローソク足の色も横線の色も変わり得るということです。確定足だけで判断するか、確定前の色を見るかは、あらかじめ決めておくと迷いません。過去の足での見え方を確かめたいときは、TradingViewのバーリプレイで1本ずつ進めると、確定時点の色をそのまま追えます。

アラートについては、「Stochastic Heat Map」に専用のアラート条件は組み込まれていません。交差や色の変化を自動で知らせる機能はないので、チャートを見て判断する前提のインジケーターです。TradingViewのアラート作成画面では、チャートに表示しているインジケーターの値を条件に選び、指定した水準に達したときに通知する設定ができます(2026/10/12 現在)。白線が一定の高さを超えたら知らせる、といった使い方なら、この標準機能で補えます。

使い込んで見えた長所と短所

頼れるところ

  • 28本の時間軸の高値圏・安値圏を、ペイン1つで同時に見られる
  • 色が下段から上段へ伝わる順番で、動きが一時的か本格的かを見分けやすい
  • 確定した足の表示が後から変わらない
  • Increment や Plot Number で、見たい時間の幅を細かく変えられる
  • ローソク足の色付けだけで、チャート本体から勢いの強さが分かる

気をつけるところ

  • 強いトレンドでは赤や濃紺が長く続き、逆張りのサインにならない
  • オレンジ線との交差は天井・底より数本遅れて出る
  • 横線が細いため、隣り合う色の段階を正確に見分けるのは難しい
  • Plot Number を減らすと一番上の線が濃紺に固定される
  • トレンドの向きは、移動平均線など別のインジケーターで判断する必要がある

長所と短所を並べてみると、「Stochastic Heat Map」の役割は、いまの相場がどの時間軸でどれだけ熱いかを読むことにあると分かります。この性格を押さえておけば、短所の多くは使い方で避けられます。

時間軸ごとの温度差を読むなら、手元に置いておきたい一本

「Stochastic Heat Map」は、期間の違う28本のストキャスティクスを1枚のヒートマップにまとめたオシレーターです。ストキャスティクスを1本だけ見ていると「高値圏かどうか」しか分かりませんが、28本を重ねると、その高値圏が短期だけのものか、長期まで及んでいるのかまで見えてきます。

Stochastic Heat Map

使い方の軸は、色の境目がペインのどの高さにあるかを見ることです。下段だけが暖色なら短期の戻り、上段まで塗り替わったら流れの変化と読みます。タイミングは白線とオレンジ線の交差で取りますが、交差には遅れがあり、横ばいではダマシも増えます。向きはEMA50などのトレンド系インジケーターに任せ、「Stochastic Heat Map」には押し目や戻りの深さを測らせる、という役割分担が一番うまく機能しました。

赤いローソク足を見ても、すぐ売りに飛びつかないこと。この点さえ押さえておけば、見た目の派手さ以上に情報量の多いインジケーターです。まずは1時間足に初期設定のまま入れて、色が下から上へ伝わっていく様子を何度か眺めてみてください。

参照元・データ出典:この記事は、チャートプラットフォーム「TradingView」にて、クリエイター「Violent」が制作したインジケーターを実際に使用し、徹底分析を行った上で公開しています。

免責事項:本記事は情報提供を目的としたもので、投資助言や特定の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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執筆者YUZURUVowars運営・検証担当
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Web制作会社でオウンドメディアの編集者として働きながら、2018年に暗号資産(仮想通貨)トレードを開始。現物から先物まで実践するうちにチャート分析にのめり込み、現在はTradingViewのオリジナルインジケーターも自作しています。 当サイトでは、TradingViewのインジケーターを自分のチャートで1本ずつ検証し、計算の中身・使い方・弱点までを図解つきでレビューしています。作り手の視点でロジックまで踏み込み、実際に使って確かめた情報だけを掲載。特定銘柄への投資勧誘は行っていません。

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CME Institutional Order Flow & AMT Lens

オークション市場理論を一枚のチャートに。出来高の「吸収」を色で知らせるインジケーター

「CME Institutional Order Flow & AMT Lens」は、出来高プロファイル・足の色分け・棚・ダッシュボードを一体化したTradingViewインジケーターです。売買サインは出さず、POCやバリューエリアなど見るべき価格を自動で示します。

難易度上級

Fibonacci Trend Continuation Signals [AlgoAlpha]

トレンド内の押し目を数値化するフィボナッチ系インジケーター「Fibonacci Trend Continuation Signals」をレビュー!

「Fibonacci Trend Continuation Signals」は、トレンド方向に合わせてフィボナッチ帯を自動で描画し、押し目や戻りから価格が戻り始めた瞬間に継続シグナルを出すTradingViewの無料インジケーターです。押し目の深さを客観的に測れます。

難易度中級

Smart Trader, Episode 06, Isotropic Trend Lines

「Isotropic Trend Lines」レビュー | σで測るトレンド角度と6つの時間軸の多数決を実チャートで検証

Isotropic Trend Linesは、価格を対数にしてボラティリティσで割ることで、表示の縮尺に左右されないトレンド角度を出すチャネル系インジケーターです。向き・強さ・チャネル内の位置を1画面で把握できます。ただし、角度を見るにはShow Angle Labelをオンにする必要があります。

難易度中級

Strong Burst Fader

バンドに触れただけでは足りない。インジケーター「Strong Burst Fader」で行き過ぎの深さを測る。

「Strong Burst Fader」は、移動平均±ATRの帯からヒゲがどれだけ飛び出したかを測り、その深さをダイヤの段数と色で表示する逆張り向けインジケーターです。段数が多く赤いほど行き過ぎを示し、線を増やさずに読み取れます。

難易度中級

Divergence for Many Indicators v4

10指標のダイバージェンスを1本のラベルで読む「Divergence for Many Indicators v4」の使い方

「Divergence for Many Indicators v4」は、RSIやMACDなど10指標のダイバージェンスをまとめて検出し、重なった数をラベルで示すTradingViewインジケーターです。反応は早いものの、同じ谷の区間では最後のシグナルだけが残ります。相場の向きを決めてから使うのが有効です。

難易度中級

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