「LTF Volume Microburst Bubbles」は、ローソク足1本の内側を下位足に分解し、平常時を大きく超える出来高の急増を検出して、その向きと集中度をバブルとスコアで可視化するTradingViewの出来高系インジケーターです。
- ローソク足の内側で発生した出来高の急増を、価格チャート上に泡(バブル)として表示する
- バブルの大きさは急増した出来高の量、色の濃さはスコアの強さを表す
- 下段パネルにはマイクロバーストスコアが表示され、±35を超えると三角マークのシグナルが出る
- 最初のバースト足の高値・安値から水平線が引かれ、終値が抜けると延長が止まる
- 初期設定ではロンドンとニューヨークの時間帯のみ検出対象、24時間動く暗号資産では設定変更が必要
- 形成中のローソク足ではスコアが変動するため、確定足で判断するのが基本
「LTF Volume Microburst Bubbles」はどんなインジケーター?
チャートを見ていて「この1本、やたら出来高が多いな」と思うことはよくあります。でも、その出来高がローソク足のどのタイミングで、どちら向きに入ったのかまでは、通常の出来高バーでは分かりません。上ヒゲを付けながら売られた出来高なのか、下から一気に買い上がった出来高なのか、区別がつかないわけです。

この「LTF Volume Microburst Bubbles」は、そこを分解して見せてくれるインジケーターです。表示中のローソク足1本の内側を、より短い時間軸のローソク足に分解し、その中で平常時を大きく上回る出来高が発生した瞬間だけを抜き出します。そして、その急増(マイクロバースト)が買い方向だったのか売り方向だったのかを判定し、価格チャート上に泡のようなマーカーとして描画してくれます。
ローソク足の内部で起きている「一瞬の本気の売買」を拾い上げる、という発想のインジケーターです。
このインジケーターはサブウィンドウ(下段の別枠)に追加されるタイプですが、バブル・水平線・色付きローソク足は価格チャート側に重ねて描画されます。追加した直後に「下段しか出ていない」と勘違いしやすいので、価格チャートのほうも確認してみてください。
チャート上で何が表示されるのか
実際に入れてみると、表示要素はかなり多めです。ただ、それぞれ役割がはっきり分かれているので、一度整理してしまえば迷いません。
| 表示要素 | 場所 | 意味 |
|---|---|---|
| バブル(丸いマーカー) | 価格チャート | その足の中で出来高の急増が発生した。緑は買い優勢、赤は売り優勢 |
| バブル内の数値 | 価格チャート | 急増と判定された部分の合計出来高(K・M・Bで表記) |
| 水平線 | 価格チャート | バーストが始まった足の安値(買い)または高値(売り)から引かれるライン |
| 色付きローソク足 | 価格チャート | スコアがシグナル基準に達した足を塗りつぶし |
| 柱状のスコア | 下段パネル | マイクロバーストスコア。プラスが買い優勢、マイナスが売り優勢 |
| 三角マーク | 下段パネル | スコアがシグナル基準に到達したことを示すシグナル |
| 黄色のひし形 | 下段パネル | ベースラインの5倍以上という極端な出来高が出た合図 |
| 薄い背景色 | 下段パネル | その足にバーストが含まれている。集中度が高いほど濃くなる |
バブルの「大きさ」と「色の濃さ」は別の意味
ここが個人的にいちばん面白いと感じた部分です。バブルは大きさと色の濃さがそれぞれ違う情報を表しています。
大きさは、急増した出来高の量です。正確には、その足の中の平均的な出来高に対して、急増部分の出来高がどれだけ大きかったかで4段階に変化します。普段の数倍の売買が一気に流れ込むと、目立つ大きな泡になります。

一方、色の濃さは、スコアの強さです。スコアがSignal Thresholdに届いていれば最も鮮やかな色、25%程度なら暗くくすんだ色になります。つまり「大きいけど色が薄い泡」は、出来高は大量に入ったが方向感がバラけていたということ。逆に「小さいけど鮮やかな泡」は、量は控えめでも一方向にきれいに偏っていたことを意味します。
この2軸の読み分けができると、同じバブルでも意味がまったく違って見えてきます。
バブルにカーソルを合わせると内訳が出ます

これは知らないと損をする機能です。バブルにマウスを重ねると、そのバーストの内訳が表示されます。内容は、買い優勢か売り優勢か、スコアの値、シグナル基準に対して何%か、急増と判定された下位足の本数、最大何倍の出来高が出たか、バースト出来高の合計、そして集中度です。
「スパイクが1本だけで発生したバースト」なのか「5本に分散して発生したバースト」なのかがここで分かるので、シグナルの質を判断するときにかなり役立ちます。私は気になる場面では必ずここを確認しています。
マイクロバーストが検出される仕組み
なぜこの動きになるのかを理解しておくと、シグナルの信頼度を自分で判断できるようになります。難しい話は抜きにして、流れだけ押さえておきましょう。
1表示中の足を、より短い時間軸に分解する
Auto Lower Timeframeが有効なら、チャートの時間軸に応じて参照する下位足が自動で決まります。実際にどう割り当てられるかは次の通りです。
| チャートの時間軸 | 参照される下位足 |
|---|---|
| 1分足 | 10秒足 |
| 5分足 | 1分足 |
| 15分足 | 3分足 |
| 1時間足 | 15分足 |
| 4時間足 | 1時間足 |
| 日足 | 4時間足 |
| 週足・月足 | 4時間足(セッションを1つ以上有効にしている場合) |
おおむね1本を4〜6分割する設計です。分割数が確保できるので、バーストの有無を判定するには十分な粒度になっています。
1分足を表示すると秒単位のデータを参照しにいく設計になっています。秒足データが利用できない環境では想定通りに動作しない可能性があるため、1分足で使いたい場合はAuto Lower Timeframeをオフにして手動指定するほうが確実です。
2「普段の出来高」と比べる
分解した下位足それぞれについて、平常時の出来高の水準(ベースライン)と比較します。このベースラインはVolume Baselineで指定した期間の平滑平均で作られていて、初期値は50です。絶対的な出来高の大きさではなく、その銘柄・その時間帯にとっての「普段との差」で判定している点がポイントです。出来高の絶対量が違う銘柄でも同じ感覚で使えるのは、この作りのおかげですね。
32つの条件を同時に満たしたものだけ採用
ここが「単なる出来高スパイク検出」との差になる部分です。急増と認定されるには、次の2つを両方満たす必要があります。
- 出来高がベースラインのSpike Threshold倍(初期値2.5倍)以上であること
- その下位足の実体が、高値〜安値の値幅のMin Body Efficiency(初期値0.10)以上を占めていること
2番目の条件が効いています。出来高だけ膨れ上がって長いヒゲを残して戻ってきたような足は、方向性がないものとして除外されるわけです。実際、この条件のおかげで「大量出来高だけど結局どっちつかず」というノイズがかなり減っています。
4向きの偏りと集中度からスコアを出す
採用された急増を買い側と売り側に分けて、その偏りを算出します。ここに集中度という考え方が掛け合わされているのが特徴です。
同じくらいの大きさの急増が何本にも分散しているより、1本か2本に突出して集中しているほうがスコアは伸びやすくなります。ダラダラ買われ続けた状態より、一瞬で叩き込まれた注文のほうを高く評価する設計です。
逆に言うと、買いと売りの急増が同じ足の中で拮抗すると、出来高がいくら大きくてもスコアは0付近に留まります。激しく売買されているのに泡の色が薄い場面は、単純に攻防が激しいだけと読めるわけです。
スコアは-100〜+100の範囲で、プラスなら買い優勢、マイナスなら売り優勢。絶対値が大きいほど「一方向に、強く、集中して」入ったことを意味します。初期設定では±35を超えると三角マークのシグナルが点灯します。
初期設定のままだと反応しない時間帯があります
ここは「LTF Volume Microburst Bubbles」を使ううえで最も重要な注意点なので、独立した項目にしました。
このインジケーターにはセッションフィルターが搭載されていて、初期状態ではLondonとNew Yorkだけが有効になっています。SydneyとTokyoはオフです。
そして、有効なセッションの時間外に発生した出来高は集計対象から完全に外れます。つまり初期設定のままBitcoinチャートに入れると、アジア時間に大きな出来高急増が起きても、バブルは1つも出ません。「なぜか午前中だけ何も表示されない」という現象の正体はこれです。

24時間動く暗号資産で使う場合は、4つのセッションをすべてオフにするのがおすすめです。すべてオフにすると時間帯の区別なく1本の共通ベースラインで24時間検出されるようになり、アジア時間の急騰・急落も拾えるようになります。逆に、時間帯を絞って分析したい場合は必要なセッションだけを有効にしてください。
なお、セッションを有効にしたときはセッションごとに別々のベースラインが作られます。これは地味に賢い作りで、もともと閑散としがちなアジア時間の出来高を、活発なニューヨーク時間の基準で判定してしまう不公平が起きません。「その時間帯としては異常」という判定になります。
ロンドンとニューヨークが重なる時間帯は、両方の基準で比較して、より高い倍率のほうが採用されます。結果として重複時間帯はスパイク判定がやや出やすくなる傾向があります。オーバーラップ時間のシグナルは、少し割り引いて見ておくくらいがちょうどいいかもしれません。
水平線(バーストレベル)の使い方
バブルと並んで実用的なのが、自動で引かれる水平線です。
買い方向のバーストが新しく始まった足の安値から緑のライン、売り方向なら高値から赤のラインが引かれます。連続してバーストが続いている間は追加されず、あくまで「起点となった1本目」から引かれる仕組みです。
ラインは、終値がそのラインを割り込む(買いラインの場合)まで右へ伸び続けます。抜かれると延長が止まって、そこで役目終了です。チャート上に残ってはいますが、伸びが止まっているラインは「すでに突破された価格帯」だと判断できます。

この使い方はシンプルで、伸び続けている緑ラインの上に価格がいる間は、そこが下値の支えとして意識されていると考えられます。押し目からの反発でここが効くかどうかは、実際に見ていて機能する場面もあれば、あっさり抜ける場面もあるという印象です。過信せず、他の水平線と重なっている場所を優先的に見るのが現実的だと思います。
実戦での使いどころ
トレンド継続を確認する

いちばん素直な使い方です。上昇トレンド中の押し目が終わって再び上がり始めるタイミングで、大きく色の濃い買いバブルが出れば、その動きに実際の資金が伴っていると判断できます。押し目からの反発が「戻り売りに押し返される弱い反発」なのか「新規の買いが入った反発」なのかを切り分ける材料になります。
レンジ上限のブレイクアウトでも同じです。上抜けた瞬間に買いバブルが出ずスコアも伸びていない場合、その突破は薄商いの中で起きた突破である可能性が高くなります。私はこのパターンでダマシを何度か回避できているので、ブレイク狙いのフィルターとしてはかなり優秀だと感じています。
行き過ぎた動きの反転を疑う
長く伸びた上昇の最終盤で、突然強烈な売りバブルが出る。あるいは急落の底で強烈な買いバブルが出る。こうした場面は、それまでと逆方向の資金が入り始めた合図になることがあります。

ただしバブル単体では継続なのか反転なのか区別できません。これは製作者も明言している点で、私も同意見です。直近の高値・安値やサポレジといった位置の文脈とセットで見て初めて、反転シグナルとして意味を持ちます。何もない中途半端な価格帯で出た大きなバブルは、単に約定が集中しただけということも多いです。
黄色のひし形は別枠で見る
下段パネルに出る黄色のひし形は、下位足の出来高がベースラインの5倍以上に達したときに点灯します。この5倍という基準は固定で、設定から変更できません。
ここはスコアやシグナル基準とは無関係に判定されるので、スコアが低くてもひし形だけ点灯することがあります。それは「両方向の異常な出来高が同時にぶつかった」状態で、しばしば急変動の直前や直後に現れます。ボラティリティが跳ねる兆候として、私は独立したサインとして扱っています。
向いているトレードスタイル
| スタイル | 相性 | コメント |
|---|---|---|
| スキャルピング | ◎ | 5分足〜15分足で、瞬間的な資金流入を捉える用途に最適 |
| デイトレード | ◎ | 15分足〜1時間足。セッション別の分析とも噛み合う |
| スイングトレード | ○ | 4時間足〜日足でも機能するが、シグナル数は少なめ |
| ポジショントレード | △ | 週足以上では下位足の粒度が粗くなり、優位性が薄い |
パラメーター設定を詳しく見る
検出に関わる設定
| パラメーター | 初期値 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|---|
| Auto Lower Timeframe | オン | オン | チャート足に応じて参照する下位足を自動選択。1分足で使う場合のみオフを検討 |
| Manual Lower Timeframe | 1(1分) | チャート足の1/4〜1/6 | 自動選択をオフにしたときの参照足。細かくするほど検出は増えるが動作は重くなる |
| Volume Baseline | 50 | 30〜50 | 平常時の出来高を測る期間。大きいほど基準が安定し、小さいほど直近の活況に追随する |
| Spike Threshold | 2.5 | 2.0〜3.5 | 何倍の出来高を急増とみなすか。上げるほど検出は減り、本当に異常な場面だけが残る |
| Min Body Efficiency | 0.10 | 0.15〜0.25 | 実体の割合の下限。上げるほどヒゲ主体の足を除外し、方向性の明確な急増だけを拾う |
| Signal Threshold | 35 | 30〜45 | 三角マークとローソク足の色付けが発動するスコア。下げると頻度増、上げると厳選される |
| Session Time Zone | Market Local | Market Local | 各市場の現地時間で解釈。夏時間にも自動追随するため通常はこのままでよい |
| Sydney | オフ / 0800-1700 | 暗号資産ではオフ | シドニー時間の検出を有効化。専用のベースラインが作られる |
| Tokyo | オフ / 0900-1800 | 日本株・円絡みではオン | 東京時間の検出を有効化。アジア時間を分析対象にしたい場合に使う |
| London | オン / 0800-1700 | 用途次第 | ロンドン時間の検出を有効化。欧州系銘柄やFXでは有用 |
| New York | オン / 0930-1600 | 米国株ではオン | ニューヨーク時間の検出を有効化。米国株の立会時間に合わせた初期値 |
Spike Thresholdは最初に触るべき設定です。初期値2.5は平常時の2.5倍という比較的緩めの基準で、荒れた相場では泡だらけになります。Bitcoinの変動が大きい局面では3.0前後まで上げると、本当に目立つ急増だけが残って見やすくなります。逆に閑散相場でバブルがまったく出ないなら2.0程度まで下げてみてください。
Min Body Efficiencyの初期値0.10はかなり緩い設定です。実体が値幅の1割あれば通過してしまうので、ヒゲだらけの荒い場面ではノイズが混じります。方向性のはっきりした急増だけを見たいなら、0.20あたりまで引き上げると精度が体感で変わります。ただし上げすぎると急変動時の乱高下した足がすべて除外され、肝心な場面を取りこぼすので0.3以上は非推奨です。
Volume Baselineを短くすると、直近の活況をすぐ「普通」とみなすようになります。結果として連続した出来高増加の後半でスパイク判定が出にくくなるため、継続的な資金流入を追いたい場合は初期値の50前後を維持するのが無難です。
表示に関わる設定
| パラメーター | 初期値 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|---|
| Show Bubbles | オン | オン | 価格チャート上のバブル表示。オフにしても検出とスコアの計算は継続する |
| Show Volume Text | オン | 混雑時はオフ | バブル内に出来高の数値を表示。オフでもバブルの大きさや検出には影響しない |
| Bubble Size | Normal | 低時間足ではSmall | バブル全体の大きさを一律調整。相対的な大小関係はそのまま維持される |
| Bubble Transparency | 4 | 4〜10 | バブルの透明度。上げるとローソク足が透けて見えやすくなる |
| Show Levels | オン | オン | バーストの起点から引かれる水平線の表示切り替え |
| New Level Cooldown | 15 | 15〜30 | 同方向の次のラインが引かれるまでの最低本数。上げるとラインが厳選される |
| Max Level Age | 2000 | 300〜800 | ラインが消えるまでの本数。短くするとチャートが整理される |
| Line Width | 1 | 1〜2 | 水平線の太さ。見た目のみで判定には影響しない |
| Line Style | Solid | Dashed | 線の種類。手動で引いたラインと区別したい場合は破線が便利 |
| Bull Bubble / Bear Bubble | 緑 / 赤 | 初期値 | バブルの基本色。スコアが弱いほど暗い階調で描画される |
| Bull Text / Bear Text | 白 / 白 | 初期値 | バブル内の数値の文字色 |
| Bull Level / Bear Level | 緑 / 赤 | 初期値 | バーストレベルの線の色 |
| Color Signal Candles | オン | 用途次第 | シグナル発生足のローソクを塗りつぶす。他の色分け系と併用するならオフ推奨 |
| Burst Background | オン | オン | 下段パネルの背景を薄く着色。集中度が高いほど濃くなる |
Max Level Ageの初期値2000本は、日足ならともかく5分足や15分足ではかなり長いです。古いラインが延々と残るのが気になるなら、300〜800本程度まで下げるとチャートがすっきりします。
用途別のおすすめ設定
| 目的 | 設定の方向性 |
|---|---|
| スキャルピングで反応を早く | Spike Threshold 2.0、Signal Threshold 30、Volume Baseline 30 |
| ノイズを減らして厳選 | Spike Threshold 3.0〜3.5、Min Body Efficiency 0.20、Signal Threshold 45 |
| 暗号資産を24時間分析 | 4セッションすべてオフ(全部オンでは24時間カバーになりません)、他は初期値ベースで調整 |
| 米国株の立会時間だけ見る | New Yorkのみオン、Session Time ZoneはMarket Local |
| スイングで大きな流入だけ拾う | 4時間足以上、Spike Threshold 3.0、Max Level Age は長めのまま |
メリットとデメリット
強み
- ローソク足1本の内側を分解し、出来高の「向き」まで判定できる
- 絶対量ではなく平常時との比較で判定するため、銘柄を問わず使える
- 大きさ=出来高、色=スコアの2軸表示で情報量が多い
- ヒゲ主体の足を除外するフィルターが最初から組み込まれている
- 時間帯ごとに別々の基準を持てるセッション設計
- バブルにカーソルを合わせるだけで内訳を確認できる
- アラートが4種類用意されている
弱み
- 初期設定ではアジア時間が検出対象外になっている
- 継続か反転かはこれ単体では判断できない
- 形成中の足ではスコアやシグナルが変動する
- 下位足のデータを読み込むため動作が重くなりやすい
- 表示要素が多く、初見だと情報過多に感じる
- 過去に遡るほどバブルが表示されない領域が出ることがある
使う前に知っておきたい注意点
形成中の足では数値が動きます
これは仕組み上避けられない性質です。現在進行中のローソク足では、時間の経過とともに下位足のデータが積み上がっていくため、スコアが刻々と変化します。足の途中でシグナル基準を超えたのに、終わってみたら基準に届かずシグナルが消えていた、ということが起こり得ます。
アラート作成時は、通知条件を「足が閉じた時点」に設定することを強くおすすめします。デフォルトのままだと形成中の足で発火し、その後シグナルが消滅するケースが出てきます。用意されているアラートは、買いシグナル、売りシグナル、極端な出来高スパイク、そのすべてをまとめたものの4種類です。
一方で、確定した過去の足について、後から判定が書き換わることはありません。表示位置がずれたり、過去のバブルが消えたり出現したりといった動きは起きない設計です。ただし、下位足データの取得可能な範囲には限りがあるため、チャートを大きく過去へスクロールすると表示が途切れることがあります。
バブルは「結果」であって「予測」ではない
大きなバブルが出た=そちらに動く、ではありません。あくまですでに入った売買を可視化しているだけです。急落の途中で出る大きな売りバブルは、投げ売りが出ている証拠であると同時に、売りが枯れる直前かもしれません。
私自身、これ単体でエントリー判断することはしていません。トレンド方向の確認や、水平線・移動平均線といった既存の根拠に「資金が伴っているか」を上乗せする役割として使うのが、いちばん納得感のある使い方だと感じています。
出来高データの質に依存します
出来高を扱うインジケーター全般に言えることですが、参照している取引所や銘柄の出来高データがそのまま結果に反映されます。暗号資産なら取引所ごとに出来高が違いますし、FXのように出来高が取引量ではなくティック数で提供される銘柄もあります。同じBitcoinでも、参照する取引所を変えるとバブルの出方が変わる点は頭に入れておいてください。
他のインジケーターとの組み合わせ
| 組み合わせ | 狙い |
|---|---|
| 移動平均線(EMA200など) | トレンド方向を確定させ、順張り方向のバブルだけを採用する |
| 水平線・ピボット | 重要価格帯で出たバブルに絞ることで、反転シグナルの精度を上げる |
| RSIなどのオシレーター | 買われすぎ・売られすぎの水準で出た逆方向バブルを反転の兆候として見る |
| ATR | ボラティリティが拡大している局面かどうかを確認し、バブルの重みを判断する |
| 通常の出来高インジケーター | 足全体の出来高と、内訳としてのバースト出来高を見比べる |
特に相性がいいと感じたのは移動平均線との組み合わせです。トレンド方向が決まっていれば、逆方向のバブルは「一時的な反発」として無視でき、順方向のバブルだけを継続の根拠として使えます。判断がかなりシンプルになります。
導入の手順
1インジケーターを追加する
TradingViewのチャート上部にある「インジケーター」から「LTF Volume Microburst Bubbles」を検索して追加します。下段にスコアパネルが、価格チャート側にバブルと水平線が表示されれば正常です。
2セッション設定を自分の銘柄に合わせる
最初に必ずここを確認してください。暗号資産なら4つすべてオフ、米国株ならNew Yorkのみオン、といった具合に取引対象に合わせます。
3バブルの量を調整する
泡が多すぎるならSpike Thresholdを上げ、少なすぎるなら下げます。自分がふだん見ている時間軸で、1日あたり数個〜十数個くらいに収まると使いやすいと思います。
4過去チャートで出方を確認する
実際に使う前に、過去の急騰・急落局面でどのようにバブルが出ていたかを一通り眺めてみてください。自分の銘柄でどのくらいのバブルが「異常」なのかという感覚をつかんでおくと、リアルタイムでの判断が一気にラクになります。
総合レビュー
「LTF Volume Microburst Bubbles」は、出来高を「量」ではなく「どこで、どちら向きに、どれだけ集中して入ったか」という視点で見せてくれるインジケーターです。通常の出来高バーでは絶対に分からない情報が可視化されるので、出来高分析をもう一歩踏み込みたい人にはかなり刺さると思います。
特に評価したいのは、バブルの大きさと色の濃さで別々の情報を伝えている点と、カーソルを合わせるだけで内訳が確認できる点です。「大きいけど色が薄い=激しい攻防」といった読み分けができるようになると、チャートの見え方が変わります。
一方で、初期設定のままだと時間帯によってはまったく反応しないという落とし穴があり、そこに気づかないまま「使えない」と判断してしまう人がいそうなのは惜しいところです。導入したらまずセッション設定を確認する。これだけは忘れないでください。
単体で完結する売買システムではありませんが、既存の分析に「本当に資金が動いているか」という裏付けを足す道具としては非常に優秀です。ブレイクアウトのダマシを避けたい人、押し目の反発が本物かどうか判断したい人には、試す価値が十分にあるインジケーターだと思います。
出来高を使った分析をすでに取り入れていて、もう一段深く見たい中級者。ブレイクアウトのダマシに悩んでいる人。短期売買で「今この瞬間、どちらに資金が入ったか」を知りたい人。逆に、シンプルな売買サインだけが欲しい初心者には情報量が多すぎるかもしれません。
