「Adaptive Ehlers Filtered Percentile」は、上昇か下落かの「状態」を色で持ち続けるトレンド判定ツール
「Adaptive Ehlers Filtered Percentile」は、SchizoQuant が TradingView に公開しているトレンド判定用のインジケーターです。チャートの上に中心線と上下2本のバンドを重ね、終値が上のバンドを抜ければ緑、下のバンドを割れば紫に切り替わります。ローソク足まで同じ色に塗られるので、いま買い目線なのか売り目線なのかを、画面を見た瞬間に判断できます。
見た目はケルトナーチャネルやボリンジャーバンドに似ています。ただ、中身はだいぶ違いました。中心線は値動きの荒さに合わせて反応速度を変え、バンドの幅は「過去にどれだけ中心線から離れたか」を小さい順に並べた順位で決まります。一度切り替わった色は、反対側のバンドを割るまで変わりません。この「状態を持ち続ける」性質が、使い勝手の大部分を決めています。

私はビットコインの4時間足・1時間足に入れて様子を見ました。4時間足では大きな流れの切り替わりをかなり気持ちよく拾ってくれた一方、1時間足ではサインが目に見えて増えます。そのあたりの差も含めて、仕組みから順に見ていきます。
画面に出るのは4つだけ。色はすべて同じ判定で動く
チャートに表示される要素は多くありません。整理すると次の表のとおりです。
| 表示 | 見た目 | 読み方 |
|---|---|---|
| 中心線(Adaptive Ehlers Filter) | 太い線。状態に合わせて緑か紫 | トレンドの基準線。価格がこの線からどれだけ離れているかがバンド幅のもとになる |
| 上下のバンド | 上は常に緑、下は常に紫の細い線 | 上を終値が超えたら上昇状態、下を割ったら下落状態に切り替わる境界 |
| 帯の塗り | 2本のバンドの間を薄く塗る。色は現在の状態 | いまの状態をひと目で確認するための背景 |
| LONG/SHORT とローソク足の色 | 足の下に緑の三角「LONG」、上に紫の三角「SHORT」 | 状態が切り替わった足にだけ出る。ローソク足は状態が続く間ずっと同じ色 |
バンドの線の色は固定で、上が緑、下が紫です。状態によって色が変わるのは、中心線・塗り・ローソク足の3つだけ。ここを取り違えると「上のバンドが緑なのに下落中?」と混乱するので、最初に押さえておくと楽です。
中心線・バンド・ローソク足の色がひとつの状態でそろって切り替わる
終値が帯の外へ出た足で色が切り替わり、帯の中にいる間は直前の色が続きます。
Vowars DE ver.3.4.1
LONG/SHORTは「切り替わった1本」にしか出ない
終値が上のバンドの外にある足が何本続いても、LONG が出るのは最初の1本だけです。上昇が続いている間は、ローソク足と中心線が緑のまま残ります。反対に、終値が帯の中へ戻ってきても色は変わりません。紫に切り替わるのは、終値が下のバンドを割った足です。
図の②がちょうどその場面で、上のバンドの内側に戻った足が並んでいても緑が続いています。価格が中心線を少し割り込んでも同じです。「中心線の上か下か」ではなく「最後にどちらのバンドを抜けたか」で色が決まる、と覚えておくと読み違えません。
「Adaptive Ehlers Filtered Percentile」の状態は、チャートの左端では「まだどちらでもない」から始まります。ただし色の割り当ては「上昇状態なら緑、それ以外は紫」なので、最初に上のバンドを抜けるまでは紫で表示されます。読み込み範囲の左端だけ妙に紫が続いていても、下落と判定されたわけではありません。
中心線は、値動きが荒い足ほど速く追いかける
中心線を作る工程は2段階あります。1段目は、値動きの荒さで期間が変わる移動平均。2段目は、その移動平均をさらに「大きく動いた場面を重く見る」形でならす処理です。名前にある Adaptive と Ehlers は、それぞれこの2つを指しています。
期間は3本から30本の間で、足ごとに変わる
1段目では、1本ごとの終値の変化幅を直近9本分集め、そのばらつき(標準偏差)を測ります。そのばらつきを、さらに直近9本の平均と比べるのがポイントです。平均の1.75倍以上に荒れていれば期間は最短の3本、0.25倍以下まで静かなら最長の30本になり、その間は比例で決まります。平均並みの荒さなら、期間は約16.5本です。
期間が決まったら、あとは指数平滑移動平均(EMA)と同じ式で1本ずつ線を更新します。期間が短い足では価格にぐっと寄り、長い足ではほとんど動きません。
値動きの荒さで、中心線のもとになる移動平均の期間が3〜30本の間で変わる
下段の数字が小さいほど、中心線は価格に速く追いつきます。
Vowars DE ver.3.4.1
図の③は、使っていて最初に「おや?」と思った部分です。荒い値動きが何本も続くと、比べる相手の平均まで大きくなるので、期間は再び長いほうへ戻っていきます。「荒れ始めた直後」には敏感で、「荒れた状態が続く」ことには鈍いという性格です。急落が続く場面で中心線の追従が少しもたつくのは、このためです。
エーラースフィルターで「大きく動いた場面」を重く見る
2段目のエーラースフィルターは、ジョン・エーラース(John Ehlers)の非線形フィルターの考え方を使った平滑化です。直近9本分の移動平均の値に対して、それぞれ15本前の値との差を測り、その差が大きい足ほど重みを大きくして平均します。
効果としては、横ばいの場面では線がほとんど揺れず、はっきり動いた場面の値が線に強く残ります。私が試した範囲でも、レンジ中の中心線はかなり静かでした。
重みは「15本前との差」で決まるため、急騰の頂上付近の値ほど重みが大きくなります。そのあと価格が反落しても、しばらくは頂上付近の値に引っ張られて、中心線が横ばいのまま残ることがあります。1段目の期間が伸びる性質も重なるので、急騰からの急反落では、中心線を押し目の目安にするのは避けたほうが無難です。
バンドの幅は、標準偏差ではなく「順位」で決まる
ボリンジャーバンドは、価格のばらつき(標準偏差)に倍率を掛けて幅を決めます。「Adaptive Ehlers Filtered Percentile」は違う方法を取っています。
まず、足ごとに「終値と中心線の距離」を測ります。直近50本分のその距離を小さい順に並べ、75%の位置にある値を取り出します。並べたときに何%の位置にあるかで値を選ぶこの方法を、パーセンタイルと呼びます。取り出した値に0.7を掛けたものが、中心線から上下のバンドまでの距離です。
分布の形を前提にしないので、極端な値が1本混じっても幅が跳ね上がりにくい、という利点があります。その一方で、ちょっと独特なクセも生まれます。
帯の幅は「過去50本で中心線からどれだけ離れたか」の順位で決まる
下段の線が、上下のバンドを中心線から離す距離のもとになる値です。
Vowars DE ver.3.4.1
50本のうち75%の位置は、小さいほうから数えて38番目です。言い換えると、大きいほうから13番目の距離が幅のもとになります。大きく離れた足が13本以上集計に残っている間、幅はほとんど細くなりません。それらが50本の範囲から外れた瞬間に、急に細くなります。
このクセは、ビットコインの4時間足でもはっきり出ていました。8月21日の急騰で帯が大きく広がり、その後は値動きが落ち着いても幅がほとんど変わらず、8月29日から30日にかけて急にすぼまっています。4時間足の50本は約8日分なので、ちょうど急騰の足が集計から抜けたタイミングです。

帯が急に細くなった直後は、少しの値動きで反対側のバンドに届きやすくなります。幅が急変したタイミングのサインは、一段慎重に見るようにしています。
ビットコインの3つの時間足で使ってみた印象
日足は、大きな流れの切り替わりをきれいに拾う
いちばん相性がいいと感じたのは日足です。2026年のビットコイン日足では、3月上旬に LONG、3月末に SHORT、4月上旬に再び LONG が出たあと、5月下旬の SHORT で紫に切り替わりました。その後は6月の急落から7月の6万ドル割れまで、紫の状態がずっと続いています。8月中旬の急騰では LONG が出て、9月に入ってから SHORT に戻りました(2026/9/16 現在)。
5月下旬から8月中旬までの約3か月、ローソク足が紫のまま一度も緑にならなかったのは、見ていて気持ちよかったです。途中の戻りは何度もありましたが、どれも上のバンドまでは届いていません。3月後半のように数週間で SHORT と LONG が入れ替わった場面もありましたが、1月から9月までの日足全体で見ても、サインは7回ほどでした。
1時間足では、サインの数が一気に増える
1時間足に切り替えると印象はかなり変わります。8月上旬から中旬の約2週間で、LONG と SHORT がそれぞれ8回前後出ていました。値幅が小さいもみ合いでは、LONG の数本後に SHORT、その数時間後にまた LONG、という往復が目立ちます。

もっとも、11日に向けた下落のように、方向がはっきりした動きでは紫が長く続き、途中のサインもほとんど出ていません。1時間足では「サインを1回ごとに追う」より、「今どちらの色が長く続いているか」を見るほうが扱いやすいと感じました。
もみ合いでのダマシは、帯の外に1本出るだけで起きる
状態の切り替えに必要なのは「終値が帯の外にある足が1本」だけです。連続で外に出る必要はなく、中心線の傾きなどの追加条件もありません。そのため、方向感のない場面では次の図のような往復が起きます。
もみ合いでは帯の上下を行き来して、LONGとSHORTが短い間隔で入れ替わる
帯の外へ出た足が1本あれば状態は切り替わるため、方向感のない値動きではサインが増えます。
Vowars DE ver.3.4.1
図の②のように、本当に大きな上昇が始まる場面はきちんと捉えます。問題はその前後です。①では小さな上抜けで LONG が出て、8本後には SHORT に変わっています。③は天井圏のもみ合いで、SHORT の直後に LONG が出て、わずか2本で SHORT に戻りました。
「Adaptive Ehlers Filtered Percentile」には、サインの連発を抑える仕組みは入っていません。短い間隔で LONG と SHORT が入れ替わり始めたら、方向感がなくなっている合図として扱い、サインどおりに入るのは控えたほうが損失を抑えやすいです。
私が落ち着いた使い方は「色で方向、距離で入り方」
いろいろ試した結果、サインをそのまま売買の合図にするより、次の順番で見るのがしっくりきました。
1上位足の色で、取引する方向を決める
1時間足で取引するなら4時間足、4時間足なら日足の色を先に確認します。上位足が緑なら買いだけ、紫なら売りだけを考えます。方向を一本化するだけで、図4のような往復に振り回される回数はかなり減りました。
2サインが出た足と、中心線までの距離を見る
LONG が出た足は、定義上すでに上のバンドの外にあります。中心線から大きく離れた位置で飛び乗ると、損切りの目安にしやすい下のバンドまでがかなり遠くなります。私は、サイン後に価格が中心線方向へ戻ってくる場面を待つことが多いです。帯の中に戻っても状態は変わらないので、落ち着いて待てます。
3反対側のバンドを、撤退ラインの候補にする
買いで入っているなら、紫に切り替わる条件は「終値が下のバンドを割ること」です。つまり下のバンドは、このインジケーターの判断が変わる境界そのものです。ただし足が確定するまで判定は決まらないので、実際の損切り注文は、そのバンドより少し外側に置くほうが現実的です。
帯が極端に細いときは、少しの値動きで反対側に届きます。逆に急騰・急落の直後で帯が広いときは、切り替わりが遅れます。同じ LONG でも、帯の幅によって信頼度が変わると考えておくと判断がぶれにくいです。
判定を左右するのは10項目。動かすとこう変わる
設定画面は「Adaptive MA Settings」「Ehlers Filter」「Percentile Bands」「Visualization」「Color Settings」の5つに分かれています。初期値と、私が試したうえでの目安は次のとおりです。
| パラメーター | 初期値 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|---|
| Source | close | close | 計算に使う価格。中心線・バンド・状態の判定すべてがこの値を基準にする |
| Minimum MA Period | 3 | 3〜5 | 荒れた足での最短期間。小さいほど急変に素早く反応する |
| Maximum MA Period | 30 | 30(短期足は40前後も可) | 静かな足での最長期間。大きいほどレンジ中の中心線が動かなくなる |
| Volatility Period | 9 | 9 | 荒さを測る期間。長くすると期間の切り替わりがゆっくりになる |
| Filter Length | 9 | 9 | エーラースフィルターで平均する本数。長くすると中心線がなめらかになり、遅れも増える |
| Momentum Length | 15 | 15 | 重みを測るときに比べる相手の距離。長くすると、より大きな流れの動きを重く見る |
| Percentile Length | 50 | 50 | 幅を決めるために集計する本数。長くすると幅が安定し、急変後に広がった状態も長く残る |
| Percentile Level | 75 | 75(短期足は85〜90) | 集計した距離のどの順位を幅に使うか。上げるほど帯が広がり、サインが減る |
| Upper Band Multiplier | 0.7 | 0.7 | 上のバンドまでの倍率。上げるほど LONG が出にくくなる |
| Lower Band Multiplier | 0.7 | 0.7 | 下のバンドまでの倍率。上げるほど SHORT が出にくくなる |
| Show Adaptive Filter/Show Percentile Bands/Show Band Fill/Show Signals/Color Bars | すべてオン | 好みで | 中心線・バンド・塗り・LONG/SHORT・ローソク足の色をそれぞれ表示するかどうか。オフにしても判定は変わらない |
| Bullish Color/Bearish Color | 明るい緑/紫 | 初期値 | 上昇状態と下落状態の色。上のバンドは Bullish Color、下のバンドは Bearish Color で固定 |
表の推奨値は、私がビットコインで画面を見比べた範囲での目安です。勝率を検証して決めた数値ではないので、最初は初期値から始めて、サインの頻度を見ながら1項目ずつ動かすことをおすすめします。
期間の上限と下限は、逆転させないように
Minimum MA Period と Maximum MA Period は、設定画面で同じ行に並んでいます。入力欄には下限の制限しかなく、大小が逆でもそのまま計算されます。Minimum MA Period のほうを大きくすると、荒れた足ほど線が遅くなるという、本来とは反対の動きになるので注意してください。
短期足でレンジ中の中心線のふらつきが気になったときは、Maximum MA Period を40前後まで伸ばすと落ち着きます。急変への反応は Minimum MA Period 側で決まるので、上限を伸ばしても初動の速さはほとんど変わりません。
Filter Length と Momentum Length は、基本的に触らなくていい
Filter Length を長くすると線は滑らかになりますが、そのぶん遅れます。Momentum Length は、重みを決めるときに何本前と比べるかです。長くするほど大きな流れの変化を重視し、急騰直後に中心線が高い位置に残る傾向も強くなります。私が試した範囲では、どちらも初期値から大きく動かすメリットは感じませんでした。
サインを減らしたいなら、まず Percentile Level
サインの多さに困ったとき、いちばん効くのが Percentile Level です。75から95に上げると、幅のもとになる距離が「50本中の上位13本目」から「上位3本目」に変わるので、帯がひと回り広がります。
Percentile Level を上げると帯が広がり、LONG/SHORTの回数が減る
上段と下段は同じ値動きで、違うのは帯の幅を決める順位だけです。
Vowars DE ver.3.4.1
1時間足のようにもみ合いが多い時間足では、85〜90あたりから試すのが手頃でした。ただし帯が広がるぶん、切り替わりに必要な値幅も大きくなります。上げすぎると、トレンドの初動に乗り遅れやすくなります。
Percentile Length は集計する本数です。長くすると幅は安定しますが、急変で広がった帯が元に戻るまでの時間も長くなります。先ほどの4時間足のように「約8日後に急に細くなる」現象が、長くするほど後ろへずれていきます。
上下の倍率を変えると、片側だけ厳しくできる
Upper Band Multiplier と Lower Band Multiplier は別々に設定できます。作者も、強気側と弱気側の条件を個別に調整できる点を特徴に挙げています。たとえば上位足が明らかな上昇トレンドなら、上を近く、下を遠くすることで、押し目で紫に変わりにくい「買い寄り」の設定にできます。
Upper Band MultiplierとLower Band Multiplierを別々に変えると、売買の片側だけ厳しくできる
上段と下段は同じ値動きです。違うのは上下のバンドまでの距離だけです。
Vowars DE ver.3.4.1
図の③のとおり、この設定には反落への反応が遅くなるという代償があります。上位足の方向がはっきりしているときに限って使い、方向が怪しくなったら0.7ずつに戻す、という運用が現実的だと思います。
表示の切り替えと Source の選び方
「Visualization」グループの5項目は、どれもオフにしても判定には影響しません。ほかのインジケーターと重ねて画面が混み合うときは、Show Band Fill をオフにするだけでもかなり見やすくなります。4時間足のスクリーンショットは Color Bars をオフにした状態で、ローソク足は通常の色のまま、中心線とバンドだけが表示されています。
Source は初期値の close のままで問題ありません。hl2 などに変えると、中心線の計算だけでなく「バンドを抜けたかどうか」の判定にもその値が使われるので、サインの出方も変わります。
用途別に試すなら、この組み合わせから
| 用途 | 変える項目 | ねらい |
|---|---|---|
| 日足・4時間足のスイング | 変更なし(初期値) | 日足では初期値のままでサインの数が多すぎなかった |
| 1時間足前後のデイトレード | Percentile Level を85〜90 | もみ合いでの往復を減らす |
| 上位足が強い上昇トレンドのとき | Upper Band Multiplier 0.5、Lower Band Multiplier 1.0前後 | 押し目で売り状態に変わりにくくする |
| レンジ中の中心線を落ち着かせたいとき | Maximum MA Period を40前後 | 静かな場面での線の揺れを減らす |
確定した足のサインは後から動かない。ただし形成中の足は別
今回試した「Adaptive Ehlers Filtered Percentile」は、上位足のデータを呼び出す処理も、未来の値を先読みする処理も使っていません。作者の説明でもその点が明記されています。計算に使うのは、その足までの価格だけです。そのため、足が確定したあとに LONG/SHORT が消えたり、別の位置に描き直されたりすることはありません。
注意が必要なのは、いま形成中の最新の足です。中心線もバンドも現在の価格で計算し直されるので、足が確定する前は、LONG が一瞬表示されて消える、ということが起こりえます。
「Adaptive Ehlers Filtered Percentile」には「Long Signal」「Short Signal」の2種類のアラート条件が用意されています。アラート作成画面でこれを選ぶとき、トリガーの頻度を足が確定したときだけ判定する「Once Per Bar Close」にしておけば、確定した足のサインだけが通知されます。足ごとに最初の成立で知らせる「Once Per Bar」を選ぶと、形成中の足で一瞬成立しただけでも通知が届きます。
過去のサインを検証するなら、バーリプレイを使う
「Adaptive Ehlers Filtered Percentile」は、売買を模擬して成績を出す「ストラテジー」の形では公開されていません。そのため、チャートに入れてもストラテジーテスターに成績は表示されません。過去の動きを確かめたいときは、TradingView のバーリプレイで1本ずつ進めながら、サインが出た足とその後の値動きを見ていくのが確実です。
バーリプレイで遡れる期間は、プランと時間足によって変わります。日足以上はチャートにある全期間を使えますが、分足・時間足で遡れる範囲は加入プランごとに異なります(2026/9/16 現在)。1時間足で長い期間を確かめたいときは、この点を先に確認しておくと無駄がありません。
上位足の状態は、別のチャートで並べて見る
設定画面には、計算に使う時間足を切り替える項目がありません。上位足の色を確認したいときは、TradingView の複数チャートレイアウトで4時間足と1時間足を並べ、それぞれに「Adaptive Ehlers Filtered Percentile」を表示するのが手軽です。私は画面を左右に分けて、左に上位足、右に取引する足を置いています。
得意なこと、苦手なこと
頼りになる場面
- 日足・4時間足で、数週間から数か月続くトレンドの向きを追う
- ローソク足ごと色が変わるので、ほかの指標と重ねても状態を見失わない
- 帯の中へ戻っても状態が変わらず、押し目や戻りで慌てずに済む
- 確定した足のサインが後から変わらない
- 上下の倍率を別々に設定でき、買い寄り・売り寄りの調整ができる
気をつけたい場面
- もみ合いでは、帯の外に1本出るだけで LONG/SHORT が入れ替わる
- 急騰直後の反落では、中心線とバンドの追従が遅れやすい
- 急変のあと約50本は帯が広いまま残り、その後に急に細くなる
- サインの時点で価格が中心線から離れていて、損切り幅が大きくなりやすい
- サインの連発を抑える仕組みはなく、判断は使う側に任される
組み合わせるなら、「今トレンドがあるか」を測る道具
このインジケーター「Adaptive Ehlers Filtered Percentile」の弱点は、方向感のない場面でのサインの往復です。そこを補うなら、トレンドの強さを測る指標と並べるのが相性がいいと考えています。
たとえば ADX(トレンドの強さを0〜100で示す指標)が低い位置で横ばいのときは、LONG/SHORT を見送る。出来高が伴わないバンド抜けは疑ってかかる。こうした「サインを出すかどうか」の判断を別の道具に任せると、状態の切り替わりを追う役割に専念させられます。ビットコインのほか、ゴールドや株価指数のようにトレンドが長く続きやすい銘柄でも、同じ考え方で使えます。
色が変わるまで待てる人に向いた、状態管理型のトレンドフィルター
画像「Adaptive Ehlers Filtered Percentile」は、細かい売買タイミングを教えてくれる道具というより、「今は買い目線か、売り目線か」を持ち続けてくれる道具です。中心線は急変に素早く反応し、バンドは過去の乖離の順位で幅が決まり、状態は反対側のバンドを割るまで変わりません。この3つがかみ合っているので、日足や4時間足ではトレンドの向きを落ち着いて追えました。
一方で、1時間足以下のもみ合いではサインが増え、急変のあとは帯の幅が約50本ぶん広いまま残ります。サインを1回ずつ追いかけると振り回されますが、上位足の色で方向を決めてから使うなら、画面に置いておく価値は十分にあると感じています。







