評価基準

このページは、Vowarsのレビュー記事に表示される星評価と5項目の採点について、その基準と算出方法をすべて公開するものです。記事ごとの点数がどのように決まっているのかを、ここで確認できます。

星評価が示していること

星評価は、制作者の力量を採点するものではありません。読者の方が「自分のチャートに導入すべきか」を判断するための情報として出しています。

採点は常に、次の2つの問いに答える形で行います。

評価が答える2つの問い
  • このインジケーターは、作者が作ろうとしたものになっているか
  • それは、読者が期待する使い方と噛み合うか

したがって、作者が目指していないことができない、という理由で点数を下げることはありません。評価者が個人的に好む設計思想を基準にすることもありません。

また、Vowarsでは記事にするインジケーターに独自の選定基準を設けています。掲載されているという事実そのものが、そのインジケーターを取り上げるに足ると判断した結果です。星の数が控えめでも、質が低いという意味ではありません。

採点の流れ

採点は次の4段階で行います。順序は固定で、記事ごとに変えることはありません。

  1. 作者の意図(類型)を判定する
  2. 5つの項目を、それぞれ1.0〜5.0で採点する
  3. 該当する場合のみ、調整(減点)を行う
  4. 総合点を算出する

1. 作者の意図を判定します

採点に入る前に、そのインジケーターが何のために作られたものかを判定します。ここを飛ばした評価は成立しないため、必ず最初に行います。

判定には次の材料を使います。

  • TradingView上の作者による説明文
  • インジケーター名、プロット名、パラメーター名
  • 売買シグナル(マーカー、ラベル、アラート条件)の有無
  • 表示されるものが「判断そのもの」か「判断の材料」か
  • 他の指標との併用が前提にされているかどうか

判定の結果、次の3つの類型のいずれかに分類します。

類型目的主な特徴
A 売買判断型エントリー・エグジットの判断を出すことシグナル、アラート、売買方向の明示がある
B 分析・可視化型相場の状態を読み取るための材料を提示すること方向やタイミングの判断は利用者に委ねられている
C 補助・ユーティリティ型他の分析の下地作り、作図の効率化、情報の集約ダッシュボード、ライン自動描画、セッション表示など

複数の性格を併せ持つ場合は、重心がどこにあるかで主類型を決めます。副次的な機能は、主類型の達成度より軽く扱います。たとえば可視化が主で、シグナルが付属しているものは類型Bと判定し、そのシグナルの弱さを理由に大きく減点することはありません。

判定した類型は、記事の星評価の説明文に反映しています。何のためのインジケーターかを示さずに点数だけを出すことはありません。

2. 5つの項目を採点します

充足性・独自性・可読性・適応性・信頼性の5項目を、それぞれ1.0〜5.0、0.1刻みで採点します。他のインジケーターとの比較による相対評価ではなく、各項目の水準に照らした絶対評価です。

採点にあたっては、次の原則を守っています。

  • 各項目は、その項目だけを見て判断し、他項目の点数に引きずられないようにする
  • 判断がつかないという理由で中間の点数に逃げない。その項目で読者が困る場面を具体的に想定し、困るなら下、困らないなら上に寄せる
  • 5項目は対等に扱い、項目間の重み付けは行わない

充足性

作者が掲げた目的を、実際の表示や挙動がどこまで果たしているかを見ます。類型によって、問う内容が変わります。

類型問う内容
A 売買判断型シグナルが判断に足るか。方向・タイミング・根拠が揃っているか。単体で完結するか、併用前提ならその設計が明確か
B 分析・可視化型読み取りたい情報が過不足なく得られるか。同じ情報を他の一般的な手段で得るより速いか、正確か
C 補助・ユーティリティ型手作業を実際に減らせているか。作業の精度が上がるか
点数水準
4.5〜5.0掲げた目的をほぼ完全に果たし、これ一つで用が足りる
3.8〜4.4目的は果たしている。足りない部分があっても補い方が明確
3.0〜3.7主目的は果たすが、掲げた範囲の一部に届いていない
2.0〜2.9主目的は成立するが、看板に対して機能が明確に不足している
1.0〜1.9掲げた目的に対して機能していない

次の点は、充足性を下げる理由にしません。類型Bに売買シグナルがないこと、類型Cに相場観の提示がないこと、そして他の指標との併用が前提であること自体です。

独自性

既存のインジケーターにない視点・構造・見せ方を持っているかを見ます。

点数水準
4.5〜5.0同種のツールに前例がない発想。これでしか得られない視点がある
3.8〜4.4着眼点か見せ方に明確な工夫がある
3.0〜3.7既存の手法の組み合わせだが、まとめ方に意味がある
2.0〜2.9既存指標の表示変更にとどまり、得られる情報が増えていない
1.0〜1.9広く出回っているものと実質的に同じ

枯れた手法を使っていること自体は、減点の理由にしません。定番の計算式を使っていても、まとめ方や見せ方が新しければ評価します。

可読性

チャートに表示したときに、意図した情報を誤解なく読み取れるかを見ます。

点数水準
4.5〜5.0一目で読める。常時表示していて邪魔にならない
3.8〜4.4慣れれば迷わない。情報量と画面のバランスが取れている
3.0〜3.7読めるが、意味を覚える必要がある箇所がある
2.0〜2.9要素が重なる、色の意味が直感と逆など、読み違えが起きやすい
1.0〜1.9表示が潰れる、情報が多すぎて追えない

チャート下部のペインを占有すること自体は、減点の理由にしません。オシレーター系では当然の仕様だからです。

適応性

自分の銘柄・時間足・トレードスタイルに合わせ込めるかを見ます。

点数水準
4.5〜5.0初期値のまま広く通用し、調整すれば細かく合わせ込める
3.8〜4.4項目の意味が明確で、調整の勘所がつかめる
3.0〜3.7初期値では成立するが、合わせ込むには試行錯誤が要る
2.0〜2.9項目名から役割が読めない、値を変えても変化が読み取れない
1.0〜1.9特定の銘柄・時間足でしか成立しない、初期値が実用に耐えない

設定項目が多いことも、少ないことも、それ自体では加点も減点もしません。多ければ自由度、少なければ手軽さであり、どちらも設計上の選択として扱います。

信頼性

表示されたものを、そのまま信じて判断材料にできるかを見ます。

点数水準
4.5〜5.0挙動が完全に再現でき、説明と表示が一致している
3.8〜4.4挙動は安定。特殊な動きがある場合も作者が開示している
3.0〜3.7安定しているが、開示されていない挙動が一部ある
2.0〜2.9説明と実際の挙動に食い違いがある、条件によって結果が変わる
1.0〜1.9同じ条件でも結果が変わる、表示を信じて判断できない
リペイント(描き換え)の扱い

描き換えが起きること自体を、一律に減点の理由にはしません。過去の確定足を後から塗り直す設計にも、目的上の必然がある場合があるためです。減点するのは次の3つの場合に限ります。描き換えが起きるのに作者がそれを説明していない場合、「リペイントしない」と明言しているのに実際は描き換わる場合、挙動が不安定で同じ条件でも結果が変わる場合です。

仕様として開示されたうえでの描き換えや後出しは、減点の理由にしません。確定足では動かないものの、リアルタイム足で値が変動することも同様です。これはPineスクリプトの標準的な挙動であり、記事本文で説明しています。

3. 調整(減点)を行います

次のいずれかに当てはまる場合のみ、合計点から差し引きます。複数に該当する場合は合算します。加点は行いません。

対象減点幅
作者の説明と実際の挙動が食い違う(判断材料に直結する食い違いほど重く見ます)−0.1〜−0.5
描き換えがあるのに「リペイントしない」と明言している−0.3〜−0.5
設定次第で表示が壊れる、エラーが出るなど実用上の不具合がある−0.2〜−0.5
必勝・高勝率・絶対など、根拠のない断定を作者が掲げている−0.2〜−0.5

減点した場合は、その根拠を必ず記事本文に書いています。本文に書いていないことを理由に減点することはありません。また、調整が効くのは総合点だけで、レーダーチャートに表示される各項目の数値は動きません。

4. 総合点を算出します

総合点は、5項目の平均に調整を加えて求めます。

総合点 =(充足性 + 独自性 + 可読性 + 適応性 + 信頼性)÷ 5 + 調整

5項目を対等に扱う代わりに、充足性が低い場合は総合点に上限をかけます。掲げた目的を果たせていないものが、他の項目の高さで総合点を稼ぐことを防ぐためです。

充足性総合点の上限
2.5未満3.0
2.5〜2.93.4
3.0以上上限なし

算出した値は小数第2位を四捨五入し、0.1刻みで表記します。上限は5.0、下限は1.0です。上限にかかった場合は、その理由を星評価の説明文に必ず書いています。

計算例

充足性3.8、独自性2.5、可読性4.2、適応性2.2、信頼性4.6のインジケーターに、説明と挙動の食い違いで−0.2の調整があった場合。合計17.3を5で割って3.46、調整を加えて3.26、充足性が3.0以上のため上限はかからず、四捨五入して総合点は3.3になります。

レーダーチャートと項目別グラフの見方

記事には、5項目の点数をレーダーチャートと横棒グラフで掲載しています。読み取るときは次の点にご注意ください。

  • 軸の順序は充足性・独自性・可読性・適応性・信頼性の時計回りで固定しています。記事ごとに入れ替えることはありません
  • 軸の範囲は0〜5で固定しています。記事ごとに目盛りを変えることはありません
  • 各項目の数値は0.1刻みのまま表示しています
  • 総合点はレーダーチャートの外に別途表記しています。調整を含む値のため、図の重心と一致しない場合があります

形の違いは、そのインジケーターの性格を表しています。尖った形は特定の用途に強いことを、平らな形は全体に破綻がないことを示します。どちらが優れているというものではありません。

評価に含めないこと

次の項目は、いずれも減点の理由にしていません。読者の方が点数を読み解く際の前提としてご確認ください。

  • 作者が目指していない機能が備わっていないこと
  • 他の指標との併用が前提になっていること(作者がそう設計している場合)
  • 設定項目が多いこと、または少ないこと
  • 広く使われている計算手法を用いていること
  • チャート下部のペインを占有すること
  • 仕様として開示されている描き換え、およびリアルタイム足での値の変動
  • 制作者の経歴、知名度、公開しているスクリプトの数
  • 有償か無償か、TradingView上での人気や使用者数

評価の限界について

ここまでの手順を踏んでも、評価は読者の使い方によって変わります。用途が限定されるインジケーターは点数が伸びにくくなりますが、それは弱点ではなく特性です。狙った場面では、汎用的なものより頼りになります。

また、記事の評価はVowarsが検証した範囲での判断です。銘柄や時間足、相場の局面が変われば、同じインジケーターでも印象は変わります。

星の数だけで判断しないでください

評価には必ず理由を添えています。星4.0と星3.0の差より、その理由が自分の使い方に当てはまるかどうかのほうがずっと重要です。誰かにとっての星3.0が、あなたにとっての星5.0になることは当たり前のようにあります。実際の挙動は、必ずご自身のチャートで確認してください。