シグナルダイバージェンス

10指標のダイバージェンスを1本のラベルで読む「Divergence for Many Indicators v4」の使い方

10指標のダイバージェンスを1本のラベルで読む「Divergence for Many Indicators v4」の使い方
インジケーター 無料 Divergence for Many Indicators v4
このインジケーターの製作者 LonesomeTheBlue
5段階評価で 3.7 難易度 中級
この評価にした理由 「Divergence for Many Indicators v4」は、売買の判断そのものではなく判断の材料を示す分析・可視化型のインジケーターです。10指標の逆行を一括で調べ、途中で直線を割る組み合わせをはじく構成が独自性を押し上げています。一方で、指標名が重なるとラベルが縦長になり、短期足では密集するため、可読性は抑えめの評価になりました。作者の説明にある表示条件と実際の挙動に食い違いがあるため、総合点から0.2を引いています。ラベルの数を材料の一つとして扱いたい人には噛み合いますが、そのままエントリーの合図として使いたい人には向きません。
この難易度にした理由 ダイバージェンスの正規と隠れの違いを知っていることが前提になります。さらに、ラベルの数字が「反転の確率」ではなく「逆行している件数」だと理解しておく必要があります。ピボットが数本遅れて確定すること、後から前のラベルが消えることを知らずに使うと、判断を誤りやすい点も考慮しました。設定の意味自体は分かりやすいので、上級者向けとまでは言えません。一方で、表示をそのまま売買の合図にできる初級者向けの道具でもないと判断しました。

総合評価 3.7/ 5.0

評価基準について

  • 充足性 4.2 作者が掲げた目的を、実際の表示や挙動がどこまで果たしているか。 10指標の逆行を一度に調べて件数まで示すため、手動で見比べるより速く正確に状況をつかめます。内蔵指標の期間は固定です。
  • 独自性 4.4 既存のインジケーターにない視点・構造・見せ方を持っているか。 10指標の同時判定に加え、2点の間で直線を割る組み合わせをはじく仕組みまで備えた構成は、同種のツールに例が多くありません。
  • 可読性 3.2 チャートに入れたときに、意図した情報を誤解なく読み取れるか。 指標名が増えるとラベルが縦に伸びてローソク足を覆い、短期足では密集します。4色と数字の意味も覚える必要があります。
  • 適応性 4.0 自分の銘柄・時間足・トレードスタイルに合わせ込めるか。 初期値のまま1時間足以上で通用し、Pivot Periodや最小件数の意味も明確なので、時間足やスタイルに合わせ込みやすいです。
  • 信頼性 3.6 表示されたものを、そのまま信じて判断材料にできるか。 挙動は安定していて、ラベルの置き換えも作者が開示しています。ただし表示条件の細部など、開示されていない部分も残ります。
この記事の要約
どんなインジケーター?
結論

「Divergence for Many Indicators v4」は、RSIやMACDなど10指標のダイバージェンスをまとめて検出し、重なった数をラベルで示すTradingViewインジケーターです。反応は早いものの、同じ谷の区間では最後のシグナルだけが残ります。相場の向きを決めてから使うのが有効です。

もっと詳しく
この記事の要点
  • RSI、MACD、ヒストグラム、ストキャスティクス、CCI、モメンタム、OBV、VWMACD、CMF、MFIの10指標を同時に判定します。
  • 過去のピボットと1本前の足を比べるため、安値更新の途中でもシグナルが出ます。
  • 2点の間で指標や終値が直線を割った組み合わせは表示されません。
  • ラベルの数字は逆行している指標の件数で、反転の確率ではありません。
  • 新しいピボットが確定する前に次のシグナルが出ると、前のラベルとラインは消えます。
  • 過去チャートの見た目はリアルタイムと一致しないため、確認にはバーリプレイが役立ちます。
  • 内蔵指標の期間は固定ですが、External Indicatorで外部の指標を1つ追加できます。
  • SMA200で相場の向きを決め、隠れダイバージェンスを押し目の候補にする使い方と相性が良いです。

10種類のオシレーターを一度に見張る「Divergence for Many Indicators v4」

RSIのダイバージェンスを探そうとして、サブウィンドウにRSIを出し、次にMACDを出し、気づけばチャートの下半分がオシレーターで埋まっていた。そんな経験はないでしょうか。「Divergence for Many Indicators v4」は、その作業をまとめて引き受けてくれるインジケーターです。

作者はLonesomeTheBlueで、TradingViewのエディターズピックにも選ばれています。RSIやMACDなど10種類の指標を裏側で計算し、価格との逆行(ダイバージェンス)が見つかった足に、指標名と数をラベルで表示します。オシレーターのウィンドウは一枚も増えません。チャート本体に、ラインとラベルが描かれるだけです。

Divergence for Many Indicators v4をビットコイン1時間足に表示。逆行が見つかった足に指標名と数が並ぶ。
Divergence for Many Indicators v4をビットコイン1時間足に表示。逆行が見つかった足に指標名と数が並ぶ。

私はビットコインの1時間足・4時間足・日足に入れて、しばらく様子を見ました。最初に感じたのは「ラベルの数字がそのまま情報になる」という便利さです。一方で、使い込むほど「過去のチャートでは見えないもの」がある点にも気づきました。この記事では、その両方を図解を交えて整理します。

判定に使われる10個の指標と、その期間

ダイバージェンスを探す対象は、次の10個です。期間はすべて固定で、設定画面では変えられません。CCIとMFIは一般的な典型価格ではなく、終値をもとに計算されている点も覚えておくと、手元のオシレーターと見比べたときに戸惑わずに済みます。

ラベル表記 指標 計算に使う期間など
MACD MACDライン 12・26・9(終値)
Hist MACDヒストグラム 12・26・9(終値)
RSI RSI 14(終値)
Stoch ストキャスティクス 14本の%Kを3本で平滑化
CCI CCI 10(終値)
MOM モメンタム 10(終値)
OBV OBV 期間なし(累積)
VWMACD 出来高加重MACD 出来高加重移動平均の12と26の差
CMF チャイキン・マネーフロー 21
MFI マネーフロー・インデックス 14(終値)
期間を変えたいときの逃げ道

内蔵の10指標の期間は変えられませんが、Check External Indicatorをオンにすると、チャートに追加した別のインジケーターの出力を11個目の判定対象にできます。たとえば期間9のRSIを先にチャートへ追加し、External IndicatorでそのRSIを選ぶ形です。ラベルでは「Extrn」と表示されます。外部指標の枠は1つだけなので、2つ以上使いたい場合は「Divergence for Many Indicators v4」をもう1つ追加して、それぞれに別の指標を割り当てる方法があります。

ラベルが出るのは「過去の谷」と「1本前の足」が食い違ったとき

まずは一番よく目にする、黄色いラベル(強気の正規ダイバージェンス)がどういう流れで出るのかを見てください。下段のRSIは説明のために描いたもので、実際のチャートには表示されません。

黄色いラベルが出るまでの流れ

価格は安値を更新しているのに、RSIとモメンタムは下げ止まっている場面です。

黄色いラベルが出るまでの流れ過去のピボット安値と1本前の足の終値を比べ、価格は安値更新・RSIは切り上げとなったため、次の足に黄色いラベルが表示される様子。RSI(14)(本体には表示されません)RSIMOM2RSIは安値を切り上げ1本遅れて表示3070過去のピボット安値1本前の終値がそれを下回る次の足でラベルが出る

Vowars DE ver.3.5.0

ラインの右端は1本前の足で、ラベルはその次の足に付きます。ラベル内の数字は、ダイバージェンスが見つかった指標の数です。

「Divergence for Many Indicators v4」は、足ごとに、過去に確定したピボット安値(谷)を新しい順に最大10個まで調べます。比べる相手は、その時点の1本前の足です。1本前の終値が過去の谷より安く、しかも指標の値は谷のときより高い。この食い違いが見つかると、谷から1本前の足までラインが引かれ、現在の足の下にラベルが付きます。

ここで面白いのが、新しい側の点はピボットである必要がないことです。多くのダイバージェンス系インジケーターは「谷と谷」を比べるので、新しい谷が確定するまで数本待たされます。「Divergence for Many Indicators v4」は1本前の足をそのまま使うため、安値を更新している最中にシグナルが出ます。反応が早いのは大きな長所ですが、裏を返せば、まだ底が決まっていない段階でラベルが付くということでもあります。

「確認の1本」は、指標か終値のどちらかが戻った足

初期設定では、ラベルが付く足そのものにも条件があります。その足で指標が前の足より上がっているか、終値が前の足より上がっているか。どちらか一方を満たせば判定に進みます。作者の説明文では「終値と指標の両方が上がったら」と読める書き方になっていますが、実際に使ってみると片方だけの足でもラベルは出ました。弱気側はこの逆で、指標か終値のどちらかが下がった足で判定されます。

判定の対象になるピボットは、Maximum Bars to Check(初期値100本)より古いものは使われません。また、2点の間隔が5本以下の組み合わせも対象外です。

途中で線を割る組み合わせは、はじかれる

もうひとつ、目立たないけれど大事な仕組みがあります。2点を直線で結んだとき、その間の足が線を割り込んでいないかを確かめているのです。調べるのは指標の値と終値の両方で、どちらか一方でも線の下(弱気側なら上)に潜っていれば、その組み合わせは採用されません。

途中で線を割った組み合わせは採用されない

「Divergence for Many Indicators v4」は、2点の間に割り込む安値がないかも確かめています。

途中で線を割った組み合わせは採用されないRSIだけを判定対象にした設定で、安値の切り下げとRSIの切り上げが成立していても、途中の足が2点を結ぶ直線を下回ったため表示されない例と、その後に正しく表示された例。RSI(14)RSI1表示されない線より下に潜った3070安値切り下げ+RSI切り上げの候補間の足が直線を割ったので却下割った安値を起点に改めて検出

Vowars DE ver.3.5.0

判定に使う設定はRSIだけオン、ほかは初期値です。灰色の破線は説明用で、実際のチャートには描かれません。途中の足は、指標と終値の両方で直線を割っていないかを調べられます。

図の例では、候補になった2点の間に急落の1本が挟まっていて、RSIも終値も線を大きく割っています。こういう場合、本当の谷は間にある急落のほうです。「Divergence for Many Indicators v4」はそれを無視せず、後になってその急落を起点にした組み合わせを改めて拾いました。私が「これはよくできている」と感じたのはこの部分で、チャート上で線を引いてみたときに違和感のあるダイバージェンスが、最初から出にくくなっています。

High/Lowを選んでも、途中のチェックは終値

Source for Pivot PointsをHigh/Lowにすると、谷や山の判定とラインの端点は安値・高値になります。ただし、途中の足が線を割っていないかの確認には、引き続き終値が使われます。ヒゲで一瞬だけ割った足は、はじかれる理由になりません。

黄色・紺・緑・赤、4色が表す逆行のパターン

初期設定のDivergence TypeはRegularで、表示されるのは黄色(強気)と紺(弱気)の2色だけです。Regular/Hiddenに切り替えると、隠れダイバージェンスの緑と赤が加わります。

4種類のダイバージェンスと初期の色

「Divergence Type」をRegular/Hiddenにすると、この4種類がすべて表示対象になります。

4種類のダイバージェンスと初期の色正規と隠れ、強気と弱気の4種類について、価格と指標の高値・安値の関係と、ラインの色・線種を並べた概念図。正規・弱気(Negative Regular)価格指標RSI1高値切り上げ指標は切り下げ隠れ・弱気(Negative Hidden)価格指標RSI1高値切り下げ指標は切り上げ正規・強気(Positive Regular)価格指標RSI1安値切り下げ指標は切り上げ隠れ・強気(Positive Hidden)価格指標RSI1安値切り上げ指標は切り下げRegular:反転のサインHidden:トレンド継続のサイン

Vowars DE ver.3.5.0

初期設定では、正規は太い実線、隠れは細い破線で引かれます。弱気(上側)のラベルは白文字、強気(下側)のラベルは黒文字です。点線の指標側ラインは説明用で、実際のチャートには描かれません。

正規ダイバージェンスは「価格は伸びたのに勢いがついてこない」状態なので、トレンドの息切れや反転を疑う材料になります。隠れダイバージェンスはその逆で、「価格の押しは浅いのに指標は深く下げた」状態です。上昇トレンドの押し目で出る緑のラベルは、トレンドがまだ続く可能性を示すサインとして使われます。

種類 価格 指標 初期の色と線
正規・強気(Positive Regular) 安値を切り下げ 安値を切り上げ 黄色・実線(太さ2)、ラベル文字は黒
正規・弱気(Negative Regular) 高値を切り上げ 高値を切り下げ 紺・実線(太さ2)、ラベル文字は白
隠れ・強気(Positive Hidden) 安値を切り上げ 安値を切り下げ 緑・破線(太さ1)、ラベル文字は黒
隠れ・弱気(Negative Hidden) 高値を切り下げ 高値を切り上げ 赤・破線(太さ1)、ラベル文字は白

紺のラベルは、暗い背景のチャートだと正直かなり沈みます。私はダークテーマで使っているので、Negative Regular Divergenceの色を明るめの紫に変えました。色と線の太さはすべて設定画面から変えられるので、見づらいと感じたら遠慮なく調整してかまいません。

チャートに残るのは、谷ごとに「最後の1つ」だけ

しばらく使っていて一番「おや?」と思ったのが、この挙動です。リアルタイムで見ていたラベルが、数本後に消えていました。バグではなく、作者が意図して入れた仕組みです。

新しいシグナルが出ると、前のラベルは消える

同じピボット安値の区間では、最後に見つかったダイバージェンスだけがチャートに残ります。

新しいシグナルが出ると、前のラベルは消える初期設定で、ピボット安値が新しく確定する前に次の強気ダイバージェンスが見つかり、直前のラベルとラインが削除されて新しいものに置き換わる様子。薄く描いたラベルは削除されたもの。HistCCI2Stoch1Hist1削除置き換え新しい安値確定の前別の区間なので残るまずHistとCCIの2つで点灯安値を更新して再検出残るのはHistの1つだけ

Vowars DE ver.3.5.0

薄い点線と半透明のラベルは、リアルタイムでは一度表示され、その後に消えたものです。過去チャートを見返したときには残っていません。

強気のダイバージェンスが見つかったあと、新しいピボット安値が確定する前に次の強気ダイバージェンスが見つかると、前回のラベルとラインが削除されて新しいものに置き換わります。弱気側も同じで、こちらは新しいピボット高値の確定が区切りです。作者はリリースノートで「不要なラインやラベルを減らすため」と説明しています。

チャートがすっきりするのは確かです。ただ、図の例のように、最初に出た「HistとCCIの2つ」のラベルが消え、あとに「Histの1つ」だけが残ることもあります。過去のチャートを見返すと、実際にはもっと早い足で、もっと多くの指標がシグナルを出していた事実が見えなくなるわけです。

過去チャートの見た目で成績を判断しない

「Divergence for Many Indicators v4」は、後から出たシグナルで前のラベルを消します。さらに、形成中の足でも判定が走るため、足が確定するまでにラベルが点いたり消えたりします。過去チャートに並んだラベルは、リアルタイムで見えていたものとは一致しません。どのタイミングで何が出ていたかを確かめたいときは、バーリプレイで1本ずつ進めて、ラベルが出てから消えるまでの流れを追うのが確実です。

なお、この置き換えはShow Only Last Divergenceとは別物です。こちらをオンにすると、区切りに関係なく、強気と弱気それぞれ最新の1組以外がすべて消えます。「今どうなっているか」だけ知りたい人向けの表示で、過去の流れは一切追えなくなります。

もう一点、ラベルとラインは最大400個ずつまでしか描かれません。上限を超えると古いものから消えるので、1分足のように本数の多い時間足で長期間をスクロールすると、左のほうにはラベルが残っていないことがあります。

ビットコインで使ってみて分かった、数字の読み方

ここからは、実際のビットコインのチャートを見ながら感じたことを書きます。表示はすべて初期設定です。

1時間足では「7」が出ても、下げ止まらなかった

2026年9月上旬の1時間足では、下落の途中に「7」や「6」といった大きな数字の黄色いラベルが続けて出ました。RSI、ストキャスティクス、CCI、OBV、VWMACD、CMF、MFIと、7つの指標が同時に逆行していた足です。これだけ重なると「さすがに底だろう」と思いたくなります。ところが価格はその後も下げ、数日後にさらに安い水準をつけました。

Divergence for Many Indicators v4で7指標のダイバージェンスが出てもビットコインは下落を継続。数字の大きさは反転の確率ではない。
Divergence for Many Indicators v4で7指標のダイバージェンスが出てもビットコインは下落を継続。数字の大きさは反転の確率ではない。

理由は先ほどの仕組みを思い出すと分かります。新しい側の点は1本前の足なので、下落が続く限り、条件を満たす足が次々に出てきます。ラベルの数字は「今この瞬間、何個の指標が逆行しているか」であって、反転の確率ではありません。この点を勘違いすると、落ちるナイフを何度も掴むことになります。

4時間足・日足では、ラベルの間隔がぐっと広がる

ビットコイン4時間足のDivergence for Many Indicators v4。安値圏で7指標の強気ダイバージェンスが重なった場面。
ビットコイン4時間足のDivergence for Many Indicators v4。安値圏で7指標の強気ダイバージェンスが重なった場面。

4時間足に切り替えると、ラベルの数はかなり落ち着きます。9月中旬の安値では「MACD、Hist、RSI、CCI、MOM、CMF、MFI」の7つがそろった黄色いラベルが出ていて、1時間足で見たときより、どこが目立つ安値だったのかが一目で分かりました。

日足ではさらに間引かれます。2026年6月末の安値付近に出た「Hist、RSI、Stoch、MOM」の4つのラベルは、その後の上昇の起点になっていました。2月の急落局面ではVWMACDだけの「1」が先に出て、その後に5指標の黄色いラベルが続いています。上位足ほどシグナルの重みが増すのは、ダイバージェンス全般に言えることですが、「Divergence for Many Indicators v4」では数字の推移でそれが見えるのが分かりやすいところです。

ビットコイン日足でのDivergence for Many Indicators v4。上位足ではラベルの数が減り、主要な安値・高値に絞られる。
ビットコイン日足でのDivergence for Many Indicators v4。上位足ではラベルの数が減り、主要な安値・高値に絞られる。
数字が指標名の数と合わないとき

ラベルの数字は、厳密には「見つかったダイバージェンスの件数」です。Regularだけの設定なら指標1つにつき1件なので、名前の数と一致します。Regular/Hiddenにすると、同じ指標が正規と隠れの両方で見つかることがあり、名前は1回しか書かれないのに数字は2つ分増えます。また、ラベルの色は最後に見つかった種類の色になります。

Pivot Periodで「何と比べるか」、確認の有無で「いつ出すか」が変わる

設定項目は多めですが、見た目と性格に大きく効くのは一部です。まずは比べる相手になる山と谷を決めるPivot Periodから見ていきます。

ピボットは、右側の足がそろってから決まる

「Show Pivot Points」でH・Lを出すと、比べる相手になる山と谷が見えるようになります。

ピボットは、右側の足がそろってから決まるShow Pivot Pointsをオンにした表示。H・Lの文字は山と谷の足に付くが、確定するのはPivot Period分の足が右側にそろった時点であることと、Pivot Period 15にしたときに残る山谷を示す。HHHLL右に5本そろって確定この次の足から比較に使える◯ はPivot Period 15でも残る山谷Lの文字は谷の足に付く実際に決まるのは5本後

Vowars DE ver.3.5.0

赤いH、緑のLはPivot Period 5(初期値)での表示です。文字は山谷の足に後から付くため、リアルタイムでは5本遅れて現れます。白い丸は、同じチャートでPivot Periodを15にしたときにも残る山谷です。

Pivot Periodが5なら、左右それぞれ5本より高い(安い)終値が山(谷)になります。注意したいのは、谷が右側に5本そろった時点で初めて確定することです。Show Pivot PointsをオンにするとH・Lの文字が出ますが、この文字は確定したあとで谷の足にさかのぼって付くので、リアルタイムでは5本遅れて現れます。

値を大きくすると、小さな山谷が無視され、目立つ高値・安値だけが比較の相手になります。ラベルの数は減りますが、新しい側の点は1本前の足のままなので、シグナルそのものが大きく遅れるわけではありません。遅れるのは「比べる相手の谷が確定するまで」の部分です。

パラメーター初期値推奨値効果
Pivot Period5(1〜50)5〜10山谷を判定する左右の本数。大きいほど目立つ山谷だけが比較相手になり、ラベルが減る
Source for Pivot PointsCloseClose山谷とラインの端点を終値で取るか、高値・安値で取るか
Divergence TypeRegular反転狙いはRegular、押し目狙いはRegular/Hidden表示するダイバージェンスの種類。Regular、Hidden、Regular/Hiddenから選ぶ
Show Indicator NamesFullFullラベル内の指標名の書き方。Full、First Letter、Don’t Show
Minimum Number of Divergence1(1〜11)短期足は2〜3この件数に届かない足ではラベルもラインも出さない。件数は強気と弱気を合算して数える
Maximum Pivot Points to Check10(1〜20)10さかのぼって調べる山谷の数
Maximum Bars to Check100(30〜200)100この本数より古い山谷は比較に使わない
Show Divergence Numberオンオンラベルの最後に件数を表示する
Show Only Last Divergenceオフオフ強気・弱気それぞれ最新の1組だけを残す
Don’t Wait for Confirmationオフオフ確認の1本を待たず、形成中の足をそのまま比較に使う
Show Divergence Linesオンオンダイバージェンスのラインを表示する
Show Pivot Pointsオフ慣れるまではオン山谷にH・Lの文字を表示する
MACD/MACD Histogram/RSI/Stochastic/CCI/Momentum/OBV/VWmacd/Chaikin Money Flow/Money Flow Indexすべてオン出来高のない銘柄では出来高系4つをオフそれぞれの指標を判定に使うかどうか
Check External Indicatorオフ必要なときだけオンExternal Indicatorで選んだ外部指標を判定に加える
Show MAs 50 & 200オフ(緑・赤)オン終値の50本と200本の単純移動平均線を表示する

このほか、4種類のダイバージェンスの色(Positive Regular Divergenceなど)、ラベルの文字色、正規と隠れそれぞれのラインの線種と太さが変えられます。隠れ側の線種の項目は、設定画面では「Hdden Divergence Line Style」とつづりが1文字抜けた状態で表示されるので、探すときは注意してください。

First Letterは、慣れていても読み間違える

Show Indicator NamesをFirst Letterにするとラベルが細くなりますが、MACD・モメンタム・MFIはどれも「M」、CCIとCMFはどちらも「C」です。RSIだけは「E」で表示されます。これでは何の指標か判別できないので、私はFullのまま使っています。ラベルを小さくしたいなら、Don’t Showで数字だけにするほうが割り切れて見やすいと感じました。

時間足ごとの設定の目安

使い方 時間足 設定の目安 理由
スキャルピング 1分〜5分足 Minimum Number of Divergenceを3、Maximum Bars to Checkを150〜200 ラベルが非常に多く出るため件数で絞る。100本では数時間分しかさかのぼれない
デイトレード 15分〜1時間足 Pivot Period 5、Minimum Number of Divergenceを2 初期値の感度を残しつつ、1指標だけの弱いシグナルを外す
スイングトレード 4時間足〜日足 Pivot Periodを8〜10、そのほかは初期値 小さな山谷を無視して、主要な高値・安値との比較に絞る

この目安は、ビットコインで表示を見比べたうえでの私の使い方です。銘柄によって値動きの細かさが違うので、最初は初期値で表示し、ラベルが多すぎると感じたらMinimum Number of Divergenceから上げるのが手堅い順番です。

Don’t Wait for Confirmationは、最後の手段くらいに考える

Don’t Wait for Confirmationをオンにすると、確認の1本を待たず、形成中の足そのものを新しい側の点として比べます。ラベルは1本早く出ますが、足が確定するまで値は動き続けるので、点いたり消えたりする回数は明らかに増えます。作者も「こちらを好む人もいる」という書き方にとどめています。私はオフのまま使うことをおすすめします。

アラートは「バーの終値ごとに1回」で受け取る

「Divergence for Many Indicators v4」には6種類のアラート条件が用意されています。チャートに張り付けない人ほど、ラベルを目で探すよりアラートで待つほうが楽です。

アラート名 通知される場面
Positive Regular Divergence Detected 黄色(強気・正規)が出た
Negative Regular Divergence Detected 紺(弱気・正規)が出た
Positive Hidden Divergence Detected 緑(強気・隠れ)が出た
Negative Hidden Divergence Detected 赤(弱気・隠れ)が出た
Positive Divergence Detected 強気なら正規・隠れを問わず
Negative Divergence Detected 弱気なら正規・隠れを問わず

1表示したい設定を先に決めておく

アラートは作成した時点の設定で動きます。Divergence TypeやMinimum Number of Divergenceを変えたい場合は、先に変更してからアラートを作ってください。Regularのままだと、隠れダイバージェンスのアラートは鳴りません。

2条件でインジケーターと通知内容を選ぶ

アラートの作成画面で、条件に「Divergence for Many Indicators v4」を選び、その下で上の表から通知したい内容を選びます。強気だけ受け取りたいなら「Positive Divergence Detected」が1つで済みます。

3トリガーを「バーの終値ごとに1回」にする

「バーごとに1回」にすると、形成中の足で一瞬だけ条件を満たした段階でも通知が来ます。スマホで通知を見てチャートを開いたら、ラベルがどこにもない。そういう事態を避けるには、確定した足で判定される「バーの終値ごとに1回」が向いています。

消えたラベルでも通知は届く

確定した足で通知されたシグナルでも、その後に次のシグナルが出れば、チャート上のラベルは置き換わります。通知が来たのにラベルが見当たらないときは、もっと新しい足にラベルが移っていないかを確認してください。

相性がいいのは、SMA200で相場の向きを決めてから拾う使い方

「Divergence for Many Indicators v4」単体だと、上昇トレンドの途中でも紺のラベルは出ますし、下落の途中でも黄色いラベルは出ます。どれを拾ってどれを見送るか、その基準を外から与えるのが一番効きました。私が落ち着いたのは、200本の単純移動平均線(SMA200)で相場の向きを決める方法です。

SMA200の上では、隠れ強気を押し目の候補にする

長期の移動平均線で相場の向きを決めておくと、ラベルの取捨選択がぐっと楽になります。

SMA200の上では、隠れ強気を押し目の候補にするShow MAs 50 & 200をオンにし、Divergence TypeをRegular/Hiddenにした上昇相場。SMA200の上で出た緑の隠れ強気ダイバージェンスと、逆行する弱気ラベルの扱いを示す。CCI1Hist1VWMACD1CCI1HistCCI2トレンド方向のシグナル価格はSMA200の上=上昇環境隠れ強気は押し目買いの候補弱気ラベルは利確の目安に

Vowars DE ver.3.5.0

緑の線がSMA50、赤の線がSMA200です(どちらも本体の「Show MAs 50 & 200」で表示できます)。上昇環境では、紺や赤の弱気ラベルは逆張りの根拠にせず、利益確定を考える目安にとどめています。

SMA200はわざわざ別に追加しなくても、Show MAs 50 & 200をオンにすれば表示されます。ルールは単純で、価格がSMA200より上にあるときは、強気の隠れダイバージェンス(緑)と正規ダイバージェンス(黄色)を押し目買いの候補にします。紺や赤の弱気ラベルは、逆張りの売りには使わず、保有中のポジションの利益確定を考える目安にとどめます。下にあるときはこの逆です。

この使い方にするなら、Divergence TypeはRegular/Hiddenにしておく必要があります。初期値のRegularのままだと、トレンド方向のサインである緑のラベルが出ないからです。図のように、緑のラベルは押しが深くならないうちに出ることが多く、SMA50の近くまで下げてきた場面と重なると、エントリーの根拠として使いやすくなりました。

押し目買いで見る順番

SMA200より上か、緑か黄色のラベルが出たか、ラベルの次の足以降で直近の高値を超えたか。この3つがそろってから入ると、下げの途中で拾ってしまう失敗が減ります。損切りはラインの起点になった谷の少し下に置くと、根拠が崩れたところで撤退できます。

出来高のある銘柄と、上位足で本領を発揮する

10指標のうち、OBV・VWMACD・CMF・MFIの4つは出来高をもとに計算されます。ビットコインのように取引所の出来高が取れる銘柄や、ゴールド先物、SPYのような出来高の多いETFなら、10指標すべてがきちんと働きます。

FXの場合は、使っているデータ提供元によって出来高の中身が違います。出来高が表示されない銘柄では、この4つは意味のある判定ができません。導入前にTradingView標準の出来高インジケーターで値が出ているかを確認し、出ていなければ4つをオフにしておくと、ラベルの数字を誤って大きく受け取らずに済みます。

頼りになる場面

  • 1時間足以上で、主要な安値・高値の手前の勢いの変化を確かめたいとき
  • 上昇(下落)トレンドの押し目・戻りで、隠れダイバージェンスを探したいとき
  • 複数のオシレーターを並べずに、逆行の有無だけを一覧したいとき
  • 出来高データのある暗号資産、先物、主要ETF
  • アラートで待ち、通知が来たら上位足と合わせて判断する使い方

惑わされやすい場面

  • 一方向に強く走るトレンドの途中(逆行ラベルが続けて出る)
  • 1分足や5分足でのスキャルピング(件数で絞らないとラベルが多すぎる)
  • 出来高データのない、または特殊な銘柄
  • 過去チャートのラベルだけを見て、手法の成績を判断したいとき
  • 急落・急騰の1本が挟まり、山谷の位置が大きく変わる相場

トレードスタイルでいえば、デイトレードとスイングトレードで一番使いやすいと感じました。ダイバージェンスは本来、上位足で意味が強くなるものです。1時間足で見つけたシグナルを4時間足で確かめる、という組み合わせ方がしっくりきました。

ラベル単体でエントリーしない

ダイバージェンスは「勢いが落ちている」ことを示すだけで、反転の時期までは教えてくれません。強いトレンドでは、逆行したまま価格が伸び続けることも珍しくありません。移動平均線やサポート・レジスタンス、ローソク足の形など、別の根拠と組み合わせて使ってください。

オシレーター10枚分を1本のラベルに畳んでくれる、頼れる見張り役

Pivot Periodを10に設定したビットコイン週足でのDivergence for Many Indicators v4。
Pivot Periodを10に設定したビットコイン週足でのDivergence for Many Indicators v4。

「Divergence for Many Indicators v4」の魅力は、10種類の指標の逆行をまとめて調べ、その重なりを数字で見せてくれるところにあります。途中で線を割る組み合わせをはじく仕組みもあり、表示されるラインの形に無理がありません。1本前の足を比較に使うので、シグナルが早いのも実用的です。

その一方で、同じ谷の区間では最後のシグナルだけが残るため、過去チャートの見た目はリアルタイムと一致しません。数字の大きさも「今何個が逆行しているか」を示すだけです。この2点さえ頭に入れておけば、SMA200などで相場の向きを決めたうえで、押し目や戻りの候補を知らせる見張り役として、長く付き合えるインジケーターだと思います。オシレーターを何枚も並べていた方には、まず初期設定のまま1時間足と4時間足に入れて、ラベルの出方を比べてみてほしいです。

参照元・データ出典:この記事は、チャートプラットフォーム「TradingView」にて、クリエイター「LonesomeTheBlue」が制作したインジケーターを実際に使用し、徹底分析を行った上で公開しています。

免責事項:本記事は情報提供を目的としたもので、投資助言や特定の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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YUZURU
執筆者YUZURUトレーダー / インジケーター開発者 / Webクリエイター
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Web制作会社でオウンドメディアの編集者として働きながら、2018年に暗号資産(仮想通貨)トレードを開始。現物から先物まで実践するうちにチャート分析にのめり込み、現在はTradingViewのオリジナルインジケーターも自作しています。 当サイトでは、TradingViewのインジケーターを自分のチャートで1本ずつ検証し、計算の中身・使い方・弱点までを図解つきでレビューしています。作り手の視点でロジックまで踏み込み、実際に使って確かめた情報だけを掲載。特定銘柄への投資勧誘は行っていません。

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