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種類
インジケーター
ソース
公開

3D Trend Vortex [BOSWaves]

ATRの帯への到達と移動平均の傾きを、立体の帯と色で見せるインジケーター

3.8 / 5.0 総合評価

  • 充足性 4.0
  • 独自性 4.4
  • 可読性 3.8
  • 適応性 4.1
  • 信頼性 3.3

難易度 中級

No.VOW-000064

評価について 相場の行き過ぎとトレンドの向きを読み取る分析・可視化型のインジケーターで、ATRの帯を立体の面で描く見せ方の新しさが最も評価できる点です。遠めに置いた帯は往復する相場で行き過ぎた足を的確に拾い、ローソクの濃さで勢いの衰えも読めます。信頼性は、直近500本だけで計算することと描き始めの不安定さが説明されておらず、開き直すと左端の表示が変わるため低めにしました。また、帯の色がトレンドの状態で切り替わるように読める説明と、常に上が赤・下が緑で描かれる実際の表示が食い違うため、総合点から0.1を差し引いています。
難易度解説 帯とサインの仕組み自体はシンプルですが、▲▼が逆張り寄りの合図でローソクの色によるトレンド判定とは別に動くこと、Signal Cooldownでサインが間引かれること、計算が直近500本だけで描き始めが不安定なこと、色付きローソクを見るにはチャート本体のローソクを隠す必要があることなど、正しく使うために押さえる点がいくつかあります。移動平均とATRの基本を知っている方なら無理なく扱えるため、中級としました。

総合評価 3.8/ 5.0

評価基準について

  • 充足性 4.0 帯への到達、移動平均の向きと勢いという読み取りたい情報が、帯とローソクの色で過不足なく得られます。
  • 独自性 4.4 ATRの帯を多角形の面で立体的に描き、傾きの強さで帯の厚みとローソクの濃さを変える見せ方は、同種のツールに例が少ないものです。
  • 可読性 3.8 上下のゾーンは縮小しても一目で分かりますが、サインの境目である内側の縁は立体の面の輪郭と重なって見分けにくい場面があります。
  • 適応性 4.1 4種類の移動平均と帯の距離・平滑化・間引きの本数を変えられ、変えた結果が帯の位置とサインの数にはっきり表れます。
  • 信頼性 3.3 足ごとの計算は未来の値を使わず安定していますが、直近500本だけで計算する仕様は説明になく、開き直すと左端の帯とサインが変わります。
リペイント
あり
  1. 形成中変わる
  2. 確定後変わる
  3. 過去変わる
チャートを開いたままなら確定した足のサインは変わりませんが、開き直すと計算範囲(直近500本)の左端付近の帯とサインが変わり、それより古いサインは表示から消えます。
向いている時間足
  • 短期15分以下
  • 中期30分〜4時間
  • 長期日足以上
検証 BTCUSDT(15m、30m、1H、5m、4H、1D、1W)
アラート
2種類
売買サイン
あり
向いている相場
レンジ
表示場所
チャート上
描くもの
ラインラベル足の色
ベース指標
ATR移動平均
トレードスタイル
スイングトレードデイトレード

このインジケーターの検証記事

トレンドリバーサル

立体の帯で「行き過ぎ」を知らせる3D Trend Vortexのサインの条件、弱点まで図解で検証

立体の帯で「行き過ぎ」を知らせる3D Trend Vortexのサインの条件、弱点まで図解で検証

図解ギャラリー 9

この記事の要約
どんなインジケーター?
結論

3D Trend Vortexは、移動平均からATRの約3倍離れた帯に終値が入った最初の足に▲▼を付け、ローソクの色で移動平均の傾きを示すインジケーターです。往復する相場の行き過ぎ探しに向き、一方向に走る相場ではサインが早すぎる点に注意が必要です。

もっと詳しく
この記事の要点
  • 移動平均からATRの約3倍離れた位置に、上の赤い帯と下の緑の帯を描くインジケーターです。
  • ▲▼は終値が帯の内側の縁を越えた最初の足に付き、ヒゲだけの接触では出ません。
  • 同じ側のサインは初期値で20本あけるため、近い間隔での再突入はラベルもアラートも省かれます。
  • ローソクの色は移動平均が3本前より上か下かで決まり、傾きが強いほど濃くなります。
  • 色付きローソクはチャート本体のローソクの背面に描かれるため、本体を非表示にして使います。
  • 往復する相場では行き過ぎの目安として機能し、急落や急騰では帯が遅れてサインが早すぎます。
  • 計算は直近500本だけで、描き始めの約50本は帯の間隔が狭く、サインも割り引いて見る必要があります。
  • Band Offsetを下げるとサインは増えますが、Signal Cooldownとのかみ合わせも確かめてください。
  • ADXを下に置くと、▲のあとに下げが続くかどうかを判断しやすくなります。

「3D Trend Vortex」は、価格が帯に”踏み込んだ瞬間”を知らせるインジケーター

チャートに入れた瞬間、まず目を引くのは立体的に盛り上がった赤と緑の帯です。「3D Trend Vortex」は、移動平均線を中心に上下へ赤と緑の帯を描き、価格がその帯に入った最初の足に▲▼のラベルを付けるTradingViewのインジケーターです。あわせて、ローソク足を移動平均の傾きで緑と赤に塗り分け、傾きの強さを色の濃さで表します。

3D Trend Vortexを1時間足のビットコインチャートに表示した画面。上の赤い帯と下の緑の帯、帯に入った足の▲▼、右端の立体表示が確認できる。
3D Trend Vortexを1時間足のビットコインチャートに表示した画面。上の赤い帯と下の緑の帯、帯に入った足の▲▼、右端の立体表示が確認できる。

名前に「Trend」と付いていますが、▲▼のサインは上がりすぎ・下がりすぎのゾーンに価格が届いたことを知らせる、逆張り寄りの合図です。トレンドの向きはローソクの色が受け持ち、サインは別の物差しで動いています。ここを勘違いすると、強い上昇の途中で出る▼に何度も逆らうことになります。BTCUSDTの5分足から週足まで7つの時間足で数日分を眺めて分かった癖も含めて、仕組みから設定の詰め方まで、順番に見ていきましょう。

画面に出てくるものは5つだけ

見た目は派手ですが、表示されている要素は多くありません。初めて使う時は、次の表の内容を頭に入れておくと理解が早いです。

表示何を表しているか色が変わる条件
上の赤い帯売り側のゾーン。下の縁(価格に近い側)を終値が上に越えると▼の対象になる常に「Bearish」の色。トレンドが変わっても赤のまま
下の緑の帯買い側のゾーン。上の縁を終値が下に割り込むと▲の対象になる常に「Bullish」の色。トレンドが変わっても緑のまま
▲/▼ラベル終値が帯の内側の縁を越えた最初の足一度出ると、同じ側は一定本数のあいだ出ない
ローソクの色中心の移動平均の傾き。濃いほど傾きが強い移動平均が3本前より上なら緑、下なら赤
右端の立体帯の縁をずらして重ねた見た目の奥行き最新の足が動くたびに描き直される

帯の色がトレンドで入れ替わらない点は、最初に押さえておきたいところです。上昇中でも上の帯は赤、下落中でも下の帯は緑のままで、色が変わるのはローソクだけです。帯とサインの位置関係は図解にまとめました。

赤い帯と緑の帯、そして▲▼が出る場所

上の赤い帯が売り側、下の緑の帯が買い側のゾーンです。終値がそれぞれの帯の内側の縁を越えた最初の足に、▼と▲が付きます。

赤い帯と緑の帯、そして▲▼が出る場所① 赤い帯の下の縁が売りゾーンの入口 ② 終値が縁を越えた最初の足に▼ ③ 緑の帯に終値が入ると▲▲▼▼▲▼赤い帯の下の縁が売りゾーンの入口終値が縁を越えた最初の足に▼緑の帯に終値が入ると▲

Vowars DE ver.3.12.33

Color Candlesのみオフで描画(初期設定のままでも、チャート本体のローソクが手前に描かれるため見え方はほぼ同じです)。ほかは初期設定(Basis Length 21・Band Offset 3)。

サインの境目は帯の真ん中でも外側でもなく、図の①の内側の縁です。図の②の大陽線は高値で帯を突き抜けていますが、▼が付いた理由は終値が縁を越えたことにあります。図の③の▲も同じで、終値が緑の帯の上の縁を割った足に付いています。

帯の位置はATRの3倍、厚みは傾きで少しだけ変わる

帯の位置を決めているのは、終値の移動平均(初期値はEMA21)とATRです。ATRは1本あたりの値幅の平均で、相場が荒れるほど大きくなります。「3D Trend Vortex」はATR(14)をさらに50本で平均してから使うので、1本だけの急な値動きで帯が跳ねにくい作りです。

  1. 移動平均から、平均したATRのBand Offset (ATR×)倍(初期値3)だけ上下に離れた所が、帯の内側の縁になります。
  2. そこからさらに外へ、ATRのBand Width (ATR×)倍(初期値0.9)の厚みを持たせて帯にします。
  3. 4本の縁はそれぞれBand Smoothing(初期値65)本のEMAでならされ、なめらかな曲線になります。
  4. 帯の中は8段に分けて塗られ、内側ほど透けて、外側ほど濃くなります。

内側の縁同士の距離はATRのおよそ6倍です。ボリンジャーバンドの±2σのように価格に寄り添う帯ではなく、普段の値動きでは届かない遠めの位置に置かれています。サインが数十本に1回程度しか出ないのは、このためです。

“呼吸する帯”の効き具合は控えめ

帯の厚みは、移動平均の傾きが強いときに細く、横ばいの時に太くなる仕掛けになっています。直近80本で一番急だった傾きと比べて今の傾きを0〜1の点数にし、厚みを最大で3割細くする計算です。勢いを帯の太さで表そうという面白い発想です。

ただ、細くした厚みにもBand Smoothingの65本の平滑化がかかります。図解用に作った複数のチャートで測ると、厚みの縮み方は大きい所でも2割ほどにとどまりました。帯が太く見えたり細く見えたりする変化の多くは、傾きよりもATRそのものの増減から来ています。

帯の太さで勢いを測るなら

太さの変化をはっきり見たいときは、Band Smoothingを30前後まで下げると縮み方が分かりやすくなります。ただ、勢いを読む役目はローソクの色の濃さのほうが速く、正確でした。帯の太さは補助として眺めるくらいがちょうどいいと感じています。

▲▼が出る条件は「終値」「最初の1本」「20本の間隔」

サインの条件は単純です。単純な分、出ない理由も説明しやすいので、3つに分けて整理しておきます。

1 判定に使うのは終値だけ

高値や安値は判定に使いません。長い下ヒゲが緑の帯を突き抜けても、終値が縁の上に戻って確定すれば▲は付きません。図の①の足は、ヒゲが帯の外側まで届いているのにサインがない例です。

▲は「安値」ではなく「終値」で判定される

ヒゲが緑の帯を突き抜けても、終値が帯の上の縁より上で確定すればサインは出ません。

▲は「安値」ではなく「終値」で判定される① ヒゲは帯の外まで届いたが終値は縁の上 → サインなし ② 終値が縁を下回った足で▲▲▼▼▲▼▲▲ヒゲは帯の外まで届いたが終値は縁の上 → サインなし終値が縁を下回った足で▲

Vowars DE ver.3.12.33

Color Candles以外は初期設定。▲は、終値が緑の帯の内側(上側)の縁を下回り、ひとつ前の足ではまだ縁より上だった足に付きます。

ヒゲで帯に触れてすぐ戻る動きは、むしろ反発の強さを示していることも多く、ここで▲が出ないのは少しもったいなく感じました。逆に図の②のように、終値で縁を割った足には素直に▲が付きます。ヒゲの反発も拾いたい人は▲を待たずに帯への接触そのものを目で見て判断することになります。

2 帯に”入った”最初の足だけ

サインが付くのは、ひとつ前の足では縁の手前にあり、その足で縁を越えたときだけです。帯の中や外に価格がとどまっている間は、何本続いても新しいサインは出ません。

3 同じ側は20本あける

Signal Cooldown(初期値20)は、同じ側のサインを出さずに待つ本数です。▲が出た足から20本たつまでは、縁を出入りしても次の▲は付きません。▲と▼は別々に数えているので、▲の直後に上で▼が出ることはあります。

Signal Cooldownで再突入のサインが間引かれる

▲が出たあと20本(初期値)の間は、終値がもう一度緑の帯に入っても▲は付きません。▼側も同じ仕組みで、買いと売りは別々に数えます。

Signal Cooldownで再突入のサインが間引かれる① ▲から20本は次の▲を出さない ② 終値が縁を下回ってもサインなし ② 終値が縁を下回ってもサインなし ③ 20本を過ぎた突入で▲▲▲▼▲▲▲▲から20本は次の▲を出さない終値が縁を下回ってもサインなし終値が縁を下回ってもサインなし20本を過ぎた突入で▲

Vowars DE ver.3.12.33

Color Candles以外は初期設定(Signal Cooldown 20)。帯に入ったかどうかの判定は毎回行われていて、ラベルとアラートだけが止まります。

図の②の2本は、どちらも終値が縁を下回っていますが、図の①の期間内なのでラベルが出ていません。期間が明けた図の③で、ようやく次の▲が付いています。縁の近くでもみ合う場面でラベルが乱立しないのは助かりますが、「本当に入ってほしかった2回目」も一緒に消える点は覚えておいてください。

アラートもラベルと同じタイミング

アラートは「Buy Signal」と「Sell Signal」の2つが用意されていて、条件は▲▼とまったく同じです。Signal Cooldownで間引かれた足ではアラートも鳴りません。一方でShow Signalsをオフにしてラベルを消しても、アラートの条件は生きています。チャートをすっきりさせたまま通知だけ受け取る使い方もできます。

判定は終値で行うので、形成中の足では終値が動くたびにラベルが出たり消えたりします。TradingViewのアラート設定で頻度を「足が確定したときに1回」(英語表記ではOnce Per Bar Close)にしておくと、確定した足のサインだけを受け取れます。

ローソクの色を決めるのは移動平均の傾き

トレンドの判定は、中心の移動平均が3本前より上にあるか下にあるかだけで決まります。上なら緑、下なら赤です。さらに、直近80本で最も急だった傾きと比べた今の傾きの強さで、色の濃さが変わります。陽線か陰線かは関係ありません。

ローソクの色を決めるのは移動平均の傾き

Color Candlesの色は、中心の移動平均(初期値はEMA21)が3本前より上なら緑、下なら赤です。傾きが強いほど濃く、弱まるほど薄くなります。

ローソクの色を決めるのは移動平均の傾き① 陽線が続いても移動平均が下向きなら赤 ② 傾きが強い区間は濃い緑 ③ 勢いが落ちると薄くなり次の足で赤に変わる▲▼▼▲▼陽線が続いても移動平均が下向きなら赤傾きが強い区間は濃い緑勢いが落ちると薄くなり次の足で赤に変わる

Vowars DE ver.3.12.33

チャート本体のローソクを非表示にした状態で描画(このインジケーターの色付きローソクはチャート本体のローソクの背面に描かれるため)。そのほかは初期設定です。

図の①では値上がりした足が続いているのに、移動平均がまだ下を向いているため赤く塗られています。図の②のように傾きが強い区間は濃い緑になり、図の③では勢いが落ちて色が薄れたあと、次の足で赤に切り替わりました。色が薄くなってきたら転換が近い、という読み方ができるので、個人的にはこのインジケーターで一番実用的な表示だと思っています。

入れただけでは色付きローソクが見えない

ここで躓きやすいのがColor Candlesです。初期値でオンになっているのに、チャートに追加しただけでは、いつものローソクのままに見えるはずです。このインジケーターの描画はチャート本体のローソクの背面に置かれるため、色付きのローソクが本体のローソクに隠れてしまいます。

  1. チャートの空いている所を右クリックして「設定」を開きます。
  2. 「シンボル」タブで、ローソク足の「実体」「枠線」「ヒゲ」のチェックを外します。
  3. チャート本体のローソクが消え、「3D Trend Vortex」が塗ったローソクだけが残ります。

「3D Trend Vortex」を外すときは、このチェックを入れ直さないとローソクのないチャートが残ります。専用のチャートレイアウトを1枚用意しておくと、切り替えで慌てずに済みます。

右端の膨らみは”未来の予測”ではない

最新の足のあたりで帯がくるりと膨らむ立体表示は、このインジケーターの看板です。ただ、あれは帯の縁を右へ3D Depth (Bars)本、上下へATRの3D Height (ATR×)倍だけずらした面を重ねて、奥行きがあるように見せているものです。

右端の立体は、帯を「ずらして重ねた」もの

最新の足のところで帯が膨らんで見えるのは、帯の縁を右へ8本、上下へATRの0.5倍ずらした面を重ねているためです。先の値動きを描いているわけではありません。

右端の立体は、帯を「ずらして重ねた」もの① 最新の足の位置に立てた面 ② 8本右・ATR×0.5だけ上へずらした縁 ③ この8本分は見た目の奥行き価格の予測ではない▲▼▼▲▼最新の足の位置に立てた面8本右・ATR×0.5だけ上へずらした縁この8本分は見た目の奥行き価格の予測ではない

Vowars DE ver.3.12.33

Color Candles以外は初期設定(3D Depth 8・3D Height 0.5)。立体の面は、最新の足が動くたびに描き直されます。

図の①が最新の足に立てた面、図の②がずらした縁です。右に飛び出した図の③の8本分は、帯の今の位置をそのまま右上(緑は右下)へ移しただけで、帯がこの先どこへ向かうかを示してはいません。初めて見たときは「帯の行き先を描いているのか」と期待してしまいましたが、そういう機能ではありません。

立体の面は直近3D Display Length本(初期値400)の帯全体にも重ねて描かれ、帯の中に1本明るい線が通って見えます。この線は帯の外側の縁をなぞる立体の面の輪郭で、サインの境目ではありません。境目はあくまで帯の内側の縁なので、ここは見間違えないようにしたいところです。

得意なのは往復する相場、苦手なのは一方向に走る相場

数日分のチャートを見比べて、サインが機能する場面と空振りする場面はかなりはっきり分かれました。

上下の帯の間を行き来しているとき

移動平均が横ばいで、価格が赤と緑の帯の間を往復している局面では、▼が上値、▲が下値の目安としてよく合いました。1時間足では、9月末の急騰の上ヒゲや、10月5日の高値、6日から7日に変わるころの高値に▼が付き、そこから下げに転じています。ATRの3倍という遠めの位置にあるおかげで、普段の揺れでは反応せず、行き過ぎた足だけを拾えているのが効いています。

急落・急騰では帯が置いていかれる

苦手なのは、勢いのある一方向の動きです。帯は65本で平滑化されているので、急な値動きには数十本単位で遅れて付いてきます。価格が帯を突き抜けたまま走ると、▲は帯に入った最初の1本で出たきりになります。

強い下げでは、価格が緑の帯の下に居座る

▲は帯に「入った瞬間」の合図で、底を知らせるものではありません。勢いのある下落では、価格が帯を突き抜けたまま進み、帯のほうが遅れて付いてきます。

強い下げでは、価格が緑の帯の下に居座る① 帯に入った足で▲ ② 30本以上、帯の外側で推移(新しい▲は出ない) ③ 帯は遅れて下を向く▼▲▲▲▼▲帯に入った足で▲30本以上、帯の外側で推移(新しい▲は出ない)帯は遅れて下を向く

Vowars DE ver.3.12.33

Color Candles以外は初期設定。帯はBand Smoothing 65本で平滑化されているため、急な値動きには数十本単位で遅れて付いてきます。

図の①で▲が出た後、価格は図の②のとおり帯の外で下げ続けます。帯は図の③のように後から下を向きますが、そのころには底が近づいています。実際の1時間足でも、10月7日の急落の途中で▲が出たあと、価格は丸1日以上、緑の帯の下にとどまりました。

急落の途中で▲が出たあとも、価格が緑の帯の下にとどまった1時間足の例。3D Trend Vortexの帯は急な値動きに遅れて付いてくる。
急落の途中で▲が出たあとも、価格が緑の帯の下にとどまった1時間足の例。3D Trend Vortexの帯は急な値動きに遅れて付いてくる。

上昇でも同じことが起きます。15分足では、11日から12日にかけてじりじり上がる間、価格が赤い帯に沿って進み、▼が半日ほどの間隔で4回出ました。最後の▼は高値近くで下げに転じたものの、途中の▼で売っていれば、しばらく含み損を抱える形になります。

上昇の途中で▼が続けて出た15分足の例。3D Trend Vortexの▼は帯への到達を示すもので、天井を保証するものではない。
上昇の途中で▼が続けて出た15分足の例。3D Trend Vortexの▼は帯への到達を示すもので、天井を保証するものではない。
▲▼は「ここまで来た」の印

サインの条件に、ローソクの色(トレンドの向き)は入っていません。緑のローソクが濃く続く上昇の途中でも、上の帯に届けば▼は出ます。トレンドと逆向きのサインは、反転の合図ではなく「行き過ぎの目安」と受け取り、反転を確かめてから動くほうが安全です。

計算するのは直近500本だけ

「3D Trend Vortex」は、チャートの直近500本だけで計算するように作られています。それより古い区間には帯もサインもローソクの色も出ません。更に、計算を始めてからおよそ85本は、移動平均とATRの平均がそろうまで帯そのものが描かれません。結果として、帯が出るのは直近の約415本です。

時間足帯が出る範囲の目安(約415本)
15分足約4.3日
30分足約8.5日
1時間足約17日
4時間足約69日
日足約1年2か月(24時間取引の銘柄の場合)

見落としやすいのは帯の描き始めの部分です。計算を始めた直後は帯が価格のすぐ近くから広がっていくため、本来なら届かないはずの縁に価格がかかり、サインが出やすくなります。

帯の描き始めは間隔が狭く、サインも出やすい

「3D Trend Vortex」は直近500本だけで計算します。計算を始めた直後は帯が価格の近くから広がっていくため、チャート左端の帯とサインは割り引いて見る必要があります。

帯の描き始めは間隔が狭く、サインも出やすい① 描き始めは上下の帯が近い ② 描き始め直後の▲は計算が落ち着く前のもの ③ 間隔が安定するまで約50本▲▼描き始めは上下の帯が近い描き始め直後の▲は計算が落ち着く前のもの間隔が安定するまで約50本

Vowars DE ver.3.12.33

Color Candles以外は初期設定。帯の上下の間隔(内側の縁どうし)は、描き始めの約3.3から50本ほどかけて約9まで広がり、そこで落ち着きます。

図の①のように描き始めは上下の帯が近く、図の②の▲はそのせいで出たものです。図の③の50本ほどで間隔が落ち着くまでは、帯もサインも割り引いて見てください。30分足のチャートでも、画面の途中から帯が始まり、その直後に▲が出ていました。

30分足で3D Trend Vortexの帯が途中から始まる様子。計算範囲が直近500本に限られ、描き始め直後は帯の間隔が狭い。
30分足で3D Trend Vortexの帯が途中から始まる様子。計算範囲が直近500本に限られ、描き始め直後は帯の間隔が狭い。

リペイントの有無と、確定足の扱い

帯とサインは、その足までの値だけで計算されます。未来の足の値は使っていないので、チャートを開いたまま新しい足が増えていく間は、確定した足のサインが後から消えることはありません。形成中の足でラベルが出たり消えたりするのは、終値が決まっていないためで、足が確定すれば落ち着きます。

気をつけたいのは、チャートを開き直したときです。計算の起点が「その時点から500本前」にずれるので、表示範囲の左端あたりの帯とサインは、前に見たときと変わることがあります。500本より古くなったサインは表示から消えます。直近の数百本は影響を受けませんが、過去のサインを数えて勝率を確かめるような使い方では、左端の区間を外して数えるのが無難です。なお、計算範囲を変える項目はインジケーターの設定画面にはありません。

設定の詰め方。どこを触ると何が変わる?

設定画面の項目は4つのグループに分かれています。名前は画面の表記のまま載せます。推奨値は15分足〜4時間足のビットコインで試したうえでの目安です。

パラメーター設定
設定初期値推奨値効果
Basis Length2121(短期で色を早めたいなら14前後)中心の移動平均の期間。短くするとローソクの色の切り替えと帯の動きが速くなる
Basis TypeEMAEMA(色を早く切り替えたいならHMA)中心線の種類。EMA・SMA・WMA・HMAから選び、HMAが最も速く、SMAが最もなめらか
Band Offset (ATR×)33(サインを増やすなら2〜2.5)中心線から帯の内側の縁までの距離。下げるとサインが増え、上げると減る(0.3〜5)
Band Width (ATR×)0.90.9帯の厚み。外側の縁だけが動き、サインの出方は変わらない(0.2〜3)
Band Smoothing6565(デイトレードなら30〜40)帯の縁をならす本数。下げると急な値動きに追いつきやすくなるが、縁が波打つ(5〜100)
3D Display Length400400(軽くしたいなら100前後)立体の面を重ねる本数。帯が描かれている範囲より左には重ならない
3D Depth (Bars)83〜8立体の面を右へずらす本数(1〜8)
3D Height (ATR×)0.50.2〜0.5立体の面を上下へずらす幅。大きいほど帯が分厚く見える
Show Signalsオンオン▲▼ラベルの表示。オフにしてもアラートの条件は残る
Signal Cooldown2020(Band Offsetを下げたら10前後)同じ側のサインを出さずに待つ本数(5〜100)
Color Candlesオンオン(チャート本体のローソクを非表示にして使う)移動平均の傾きでローソクを塗る
Band Transparency50508段の塗りの透明度。立体の面には効かない(10〜90)
Bullish#00ff00好みで下の帯、▲、上向きのときのローソクの色
Bearish#ff0000好みで上の帯、▼、下向きのときのローソクの色

意外と見落とされそうなのがBand Width (ATR×)です。この値は帯の外側の縁だけを動かし、サインの境目である内側の縁には影響しません。サインの出方を変えたいときに触るのはBand Offset (ATR×)とSignal Cooldownの2つです。

サインを増やしたいとき。Band Offsetを下げる

Band Offset (ATR×)を下げると帯が価格に近づき、サインは増えます。同じチャートで3と1.5を比べると、全体のサインは5回から10回に増えました。ただし、図の②のように思わぬ所でサインが消えることもあります。

Band Offsetを半分にすると、何が変わる?

上は初期値の3、下は1.5に下げた同じチャートです。帯が価格に近づいてサインは増えますが、Signal Cooldownとの兼ね合いで、目立つ足にかえって▼が付かない場面も出てきます。

Band Offsetを半分にすると、何が変わる?① 3では大陽線に▼ ② 1.5では2本前に縁を越えていて▼なし(そのときはクールダウン中) ③ ▲は早く出るがその後も下げが続くBand Offset 3(初期値)Band Offset 1.5▲▼▼▲▼▼▲▲▲▲▼▼▲▲▼3では大陽線に▼1.5では2本前に縁を越えていて▼なし(そのときはクールダウン中)▲は早く出るがその後も下げが続く

Vowars DE ver.3.12.33

Band OffsetとColor Candles以外は初期設定。このチャート全体(310本)で出たサインは、3で5回、1.5で10回でした。

1.5では、大陽線の2本前の足ですでに終値が縁を越えていました。そのときはまだ直前の▼から20本たっておらず、ラベルが出ないまま「帯の中にいる」状態になったので、図の①で3なら付いていた大陽線の▼が消えています。図の③の▲も3のときより10本早く出たものの、そのあと下げが続きました。帯を近づける時は、Signal Cooldownも10前後まで縮めて、間引きとのかみ合わせを確かめるのがおすすめです。極端に下げるより、2〜2.5あたりで止めておく方が、遠めの帯という良さを残せます。

急な値動きに帯を追いつかせたいとき

急落・急騰で帯が置いていかれるのが気になるなら、Band Smoothingを30〜40に下げます。帯の追従が速くなる代わりに、縁が細かく波打ち、サインもやや増えます。65は「滅多に動かない帯」を作るための値なので、スイング寄りなら初期値のまま、デイトレードで値動きの速い銘柄なら下げる、という分け方が合っていました。

ローソクの色をもっと早く切り替えたいとき

Basis TypeをHMAにすると、移動平均の向きが早く変わり、ローソクの色の切り替えも早くなります。そのぶん、もみ合いでは緑と赤が細かく入れ替わります。Basis Lengthを14前後に縮めても、似た効果が得られました。帯の位置もこの移動平均を中心に決まるので、色だけでなく帯も一緒に動く点には注意してください。

立体表示を控えめにしたいとき

立体の面はBand Transparencyの対象外で、透明度を上げても帯の濃さはあまり変わりません。Band Transparencyが効くのは8段の塗りだけだからです。帯を薄くしたいときは、3D Height (ATR×)を0.2〜0.3に下げ、3D Depth (Bars)を3〜4に縮めると、奥行きの面が小さくなってローソクが見やすくなります。3D Display Lengthを100前後にすれば、立体の面は直近の100本ほどにだけ重なり、それより左は8段の塗りだけの平らな帯になります。

ADXを添えると、▲の”その先”が読める

苦手な場面が「一方向に走る相場」とはっきりしているので、組み合わせる相手もそこを補えるものが向いています。試した中でいちばん噛み合ったのが、トレンドの強さを測るADXでした。ADXは方向に関係なく、動きの勢いが強いほど値が上がる指標です。

ADXを下に置くと、▲の「続き」が読める

▲が出たあとにADXが25を超えて上がっていくなら、下げの勢いが強まっているサインです。逆張りの買いは見送り、帯が追いつくのを待つ判断に切り替えられます。

ADXを下に置くと、▲の「続き」が読める① ▲が出た時点のADXは20未満 ② 25を超えて上向き=下げの勢いが強まる ③ ADXが高い間は帯の外で下げが続くADX(14)▼▲▲▲▼▲25▲が出た時点のADXは20未満25を超えて上向き=下げの勢いが強まるADXが高い間は帯の外で下げが続く

Vowars DE ver.3.12.33

上段は「3D Trend Vortex」(Color Candles以外は初期設定)、下段はTradingView標準のADX(ADX Smoothing 14・DI Length 14)。25の目盛りは説明のために添えたものです。

図の①の▲の時点でADXは20を下回っていましたが、その後図の②で25を超えて上を向き、図の③のとおり価格は帯の外で下げ続けました。▲が出たあとにADXが上がり始めたら、逆張りの買いは一旦見送る。ADXが20前後で横ばいの間に出た▲▼は、往復の折り返しとして扱う。この2つを使い分けるだけでも、空振りを減らす助けになります。

ほかに相性がよさそうなものも挙げておきます。

  • 出来高プロファイル(固定期間)。帯の内側の縁と、出来高が厚い価格帯が重なる所で出た▲▼は、跳ね返りの根拠が二重になります。
  • 上位足の同じインジケーター。複数チャートのレイアウトで4時間足の「3D Trend Vortex」を並べ、上位足のローソクが緑の間は15分足の▲だけを拾う、という向きの揃え方が素直に使えます。
  • RSIのダイバージェンス。帯の外で価格が安値を更新しているのにRSIが切り上げていれば、帯に置いていかれた下げの終わりを探す手がかりになります。

使ってみて感じた手応えと割り切りどころ

手応えを感じたところ

  • 帯がATRの3倍と遠く、往復する相場で行き過ぎた足だけを拾える
  • ローソクの色の濃さで、移動平均の勢いの衰えが一目で分かる
  • サインの条件が「終値・最初の1本・間隔」と単純で、出た理由と出ない理由を説明しやすい
  • 立体の帯は、縮小表示でも上下のゾーンの位置がすぐ掴める
  • 買いと売りのアラートが別々に用意されている

割り切りが必要なところ

  • 一方向に走る相場では帯が遅れ、▲▼が早すぎる合図になりやすい
  • 計算は直近500本だけで、描き始めの約50本は帯とサインが不安定
  • 色付きローソクを見るには、チャート本体のローソクを非表示にする手間がある
  • 帯の中の明るい線はサインの境目と別物で、境目になる内側の縁は立体の面に紛れやすい
  • 帯の太さの変化(傾きによる絞り込み)は、見た目ほど大きくない

「3D Trend Vortex」と付き合うコツ

3D Trend Vortex [BOSWaves]

「3D Trend Vortex」は、遠めに置いたATRの帯で価格の行き過ぎを知らせ、ローソクの色でトレンドの向きと勢いを見せるインジケーターです。立体の帯は目を引きますが、判断に使う情報は「内側の縁」「▲▼」「ローソクの濃さ」の3つに集約されています。

使い方の軸は往復する相場で▲▼を折り返しの目安にし、一方向に走る相場ではローソクの色に従うことです。▲▼が出ても、ローソクが逆向きに濃く塗られているなら様子を見る。この切り替えさえ身についていれば、30分足〜4時間足のデイトレードやスイングで、相場の温度を測るツールとして長く使えると感じました。チャートを開き直したときの左端の帯と、急な値動きでの帯の遅れだけは、頭の片隅に置いておいてください。

参照元・データ出典:この記事は、チャートプラットフォーム「TradingView」にて、クリエイター「BOSWaves」が制作したインジケーターを実際に使用し、徹底分析を行った上で公開しています。

免責事項:本記事は情報提供を目的としたもので、投資助言や特定の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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執筆者YUZURUVowars運営・検証担当
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Web制作会社でオウンドメディアの編集者として働きながら、2018年に暗号資産(仮想通貨)トレードを開始。現物から先物まで実践するうちにチャート分析にのめり込み、現在はTradingViewのオリジナルインジケーターも自作しています。 当サイトでは、TradingViewのインジケーターを自分のチャートで1本ずつ検証し、計算の中身・使い方・弱点までを図解つきでレビューしています。作り手の視点でロジックまで踏み込み、実際に使って確かめた情報だけを掲載。特定銘柄への投資勧誘は行っていません。

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