「3D Trend Vortex」は、価格が帯に”踏み込んだ瞬間”を知らせるインジケーター
チャートに入れた瞬間、まず目を引くのは立体的に盛り上がった赤と緑の帯です。「3D Trend Vortex」は、移動平均線を中心に上下へ赤と緑の帯を描き、価格がその帯に入った最初の足に▲▼のラベルを付けるTradingViewのインジケーターです。あわせて、ローソク足を移動平均の傾きで緑と赤に塗り分け、傾きの強さを色の濃さで表します。

名前に「Trend」と付いていますが、▲▼のサインは上がりすぎ・下がりすぎのゾーンに価格が届いたことを知らせる、逆張り寄りの合図です。トレンドの向きはローソクの色が受け持ち、サインは別の物差しで動いています。ここを勘違いすると、強い上昇の途中で出る▼に何度も逆らうことになります。BTCUSDTの5分足から週足まで7つの時間足で数日分を眺めて分かった癖も含めて、仕組みから設定の詰め方まで、順番に見ていきましょう。
画面に出てくるものは5つだけ
見た目は派手ですが、表示されている要素は多くありません。初めて使う時は、次の表の内容を頭に入れておくと理解が早いです。
| 表示 | 何を表しているか | 色が変わる条件 |
|---|---|---|
| 上の赤い帯 | 売り側のゾーン。下の縁(価格に近い側)を終値が上に越えると▼の対象になる | 常に「Bearish」の色。トレンドが変わっても赤のまま |
| 下の緑の帯 | 買い側のゾーン。上の縁を終値が下に割り込むと▲の対象になる | 常に「Bullish」の色。トレンドが変わっても緑のまま |
| ▲/▼ラベル | 終値が帯の内側の縁を越えた最初の足 | 一度出ると、同じ側は一定本数のあいだ出ない |
| ローソクの色 | 中心の移動平均の傾き。濃いほど傾きが強い | 移動平均が3本前より上なら緑、下なら赤 |
| 右端の立体 | 帯の縁をずらして重ねた見た目の奥行き | 最新の足が動くたびに描き直される |
帯の色がトレンドで入れ替わらない点は、最初に押さえておきたいところです。上昇中でも上の帯は赤、下落中でも下の帯は緑のままで、色が変わるのはローソクだけです。帯とサインの位置関係は図解にまとめました。
赤い帯と緑の帯、そして▲▼が出る場所
上の赤い帯が売り側、下の緑の帯が買い側のゾーンです。終値がそれぞれの帯の内側の縁を越えた最初の足に、▼と▲が付きます。
Vowars DE ver.3.12.33
サインの境目は帯の真ん中でも外側でもなく、図の①の内側の縁です。図の②の大陽線は高値で帯を突き抜けていますが、▼が付いた理由は終値が縁を越えたことにあります。図の③の▲も同じで、終値が緑の帯の上の縁を割った足に付いています。
帯の位置はATRの3倍、厚みは傾きで少しだけ変わる
帯の位置を決めているのは、終値の移動平均(初期値はEMA21)とATRです。ATRは1本あたりの値幅の平均で、相場が荒れるほど大きくなります。「3D Trend Vortex」はATR(14)をさらに50本で平均してから使うので、1本だけの急な値動きで帯が跳ねにくい作りです。
- 移動平均から、平均したATRのBand Offset (ATR×)倍(初期値3)だけ上下に離れた所が、帯の内側の縁になります。
- そこからさらに外へ、ATRのBand Width (ATR×)倍(初期値0.9)の厚みを持たせて帯にします。
- 4本の縁はそれぞれBand Smoothing(初期値65)本のEMAでならされ、なめらかな曲線になります。
- 帯の中は8段に分けて塗られ、内側ほど透けて、外側ほど濃くなります。
内側の縁同士の距離はATRのおよそ6倍です。ボリンジャーバンドの±2σのように価格に寄り添う帯ではなく、普段の値動きでは届かない遠めの位置に置かれています。サインが数十本に1回程度しか出ないのは、このためです。
“呼吸する帯”の効き具合は控えめ
帯の厚みは、移動平均の傾きが強いときに細く、横ばいの時に太くなる仕掛けになっています。直近80本で一番急だった傾きと比べて今の傾きを0〜1の点数にし、厚みを最大で3割細くする計算です。勢いを帯の太さで表そうという面白い発想です。
ただ、細くした厚みにもBand Smoothingの65本の平滑化がかかります。図解用に作った複数のチャートで測ると、厚みの縮み方は大きい所でも2割ほどにとどまりました。帯が太く見えたり細く見えたりする変化の多くは、傾きよりもATRそのものの増減から来ています。
太さの変化をはっきり見たいときは、Band Smoothingを30前後まで下げると縮み方が分かりやすくなります。ただ、勢いを読む役目はローソクの色の濃さのほうが速く、正確でした。帯の太さは補助として眺めるくらいがちょうどいいと感じています。
▲▼が出る条件は「終値」「最初の1本」「20本の間隔」
サインの条件は単純です。単純な分、出ない理由も説明しやすいので、3つに分けて整理しておきます。
1 判定に使うのは終値だけ
高値や安値は判定に使いません。長い下ヒゲが緑の帯を突き抜けても、終値が縁の上に戻って確定すれば▲は付きません。図の①の足は、ヒゲが帯の外側まで届いているのにサインがない例です。
▲は「安値」ではなく「終値」で判定される
ヒゲが緑の帯を突き抜けても、終値が帯の上の縁より上で確定すればサインは出ません。
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ヒゲで帯に触れてすぐ戻る動きは、むしろ反発の強さを示していることも多く、ここで▲が出ないのは少しもったいなく感じました。逆に図の②のように、終値で縁を割った足には素直に▲が付きます。ヒゲの反発も拾いたい人は▲を待たずに帯への接触そのものを目で見て判断することになります。
2 帯に”入った”最初の足だけ
サインが付くのは、ひとつ前の足では縁の手前にあり、その足で縁を越えたときだけです。帯の中や外に価格がとどまっている間は、何本続いても新しいサインは出ません。
3 同じ側は20本あける
Signal Cooldown(初期値20)は、同じ側のサインを出さずに待つ本数です。▲が出た足から20本たつまでは、縁を出入りしても次の▲は付きません。▲と▼は別々に数えているので、▲の直後に上で▼が出ることはあります。
Signal Cooldownで再突入のサインが間引かれる
▲が出たあと20本(初期値)の間は、終値がもう一度緑の帯に入っても▲は付きません。▼側も同じ仕組みで、買いと売りは別々に数えます。
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図の②の2本は、どちらも終値が縁を下回っていますが、図の①の期間内なのでラベルが出ていません。期間が明けた図の③で、ようやく次の▲が付いています。縁の近くでもみ合う場面でラベルが乱立しないのは助かりますが、「本当に入ってほしかった2回目」も一緒に消える点は覚えておいてください。
アラートは「Buy Signal」と「Sell Signal」の2つが用意されていて、条件は▲▼とまったく同じです。Signal Cooldownで間引かれた足ではアラートも鳴りません。一方でShow Signalsをオフにしてラベルを消しても、アラートの条件は生きています。チャートをすっきりさせたまま通知だけ受け取る使い方もできます。
判定は終値で行うので、形成中の足では終値が動くたびにラベルが出たり消えたりします。TradingViewのアラート設定で頻度を「足が確定したときに1回」(英語表記ではOnce Per Bar Close)にしておくと、確定した足のサインだけを受け取れます。
ローソクの色を決めるのは移動平均の傾き
トレンドの判定は、中心の移動平均が3本前より上にあるか下にあるかだけで決まります。上なら緑、下なら赤です。さらに、直近80本で最も急だった傾きと比べた今の傾きの強さで、色の濃さが変わります。陽線か陰線かは関係ありません。
ローソクの色を決めるのは移動平均の傾き
Color Candlesの色は、中心の移動平均(初期値はEMA21)が3本前より上なら緑、下なら赤です。傾きが強いほど濃く、弱まるほど薄くなります。
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図の①では値上がりした足が続いているのに、移動平均がまだ下を向いているため赤く塗られています。図の②のように傾きが強い区間は濃い緑になり、図の③では勢いが落ちて色が薄れたあと、次の足で赤に切り替わりました。色が薄くなってきたら転換が近い、という読み方ができるので、個人的にはこのインジケーターで一番実用的な表示だと思っています。
入れただけでは色付きローソクが見えない
ここで躓きやすいのがColor Candlesです。初期値でオンになっているのに、チャートに追加しただけでは、いつものローソクのままに見えるはずです。このインジケーターの描画はチャート本体のローソクの背面に置かれるため、色付きのローソクが本体のローソクに隠れてしまいます。
- チャートの空いている所を右クリックして「設定」を開きます。
- 「シンボル」タブで、ローソク足の「実体」「枠線」「ヒゲ」のチェックを外します。
- チャート本体のローソクが消え、「3D Trend Vortex」が塗ったローソクだけが残ります。
「3D Trend Vortex」を外すときは、このチェックを入れ直さないとローソクのないチャートが残ります。専用のチャートレイアウトを1枚用意しておくと、切り替えで慌てずに済みます。
右端の膨らみは”未来の予測”ではない
最新の足のあたりで帯がくるりと膨らむ立体表示は、このインジケーターの看板です。ただ、あれは帯の縁を右へ3D Depth (Bars)本、上下へATRの3D Height (ATR×)倍だけずらした面を重ねて、奥行きがあるように見せているものです。
右端の立体は、帯を「ずらして重ねた」もの
最新の足のところで帯が膨らんで見えるのは、帯の縁を右へ8本、上下へATRの0.5倍ずらした面を重ねているためです。先の値動きを描いているわけではありません。
Vowars DE ver.3.12.33
図の①が最新の足に立てた面、図の②がずらした縁です。右に飛び出した図の③の8本分は、帯の今の位置をそのまま右上(緑は右下)へ移しただけで、帯がこの先どこへ向かうかを示してはいません。初めて見たときは「帯の行き先を描いているのか」と期待してしまいましたが、そういう機能ではありません。
立体の面は直近3D Display Length本(初期値400)の帯全体にも重ねて描かれ、帯の中に1本明るい線が通って見えます。この線は帯の外側の縁をなぞる立体の面の輪郭で、サインの境目ではありません。境目はあくまで帯の内側の縁なので、ここは見間違えないようにしたいところです。
得意なのは往復する相場、苦手なのは一方向に走る相場
数日分のチャートを見比べて、サインが機能する場面と空振りする場面はかなりはっきり分かれました。
上下の帯の間を行き来しているとき
移動平均が横ばいで、価格が赤と緑の帯の間を往復している局面では、▼が上値、▲が下値の目安としてよく合いました。1時間足では、9月末の急騰の上ヒゲや、10月5日の高値、6日から7日に変わるころの高値に▼が付き、そこから下げに転じています。ATRの3倍という遠めの位置にあるおかげで、普段の揺れでは反応せず、行き過ぎた足だけを拾えているのが効いています。
急落・急騰では帯が置いていかれる
苦手なのは、勢いのある一方向の動きです。帯は65本で平滑化されているので、急な値動きには数十本単位で遅れて付いてきます。価格が帯を突き抜けたまま走ると、▲は帯に入った最初の1本で出たきりになります。
強い下げでは、価格が緑の帯の下に居座る
▲は帯に「入った瞬間」の合図で、底を知らせるものではありません。勢いのある下落では、価格が帯を突き抜けたまま進み、帯のほうが遅れて付いてきます。
Vowars DE ver.3.12.33
図の①で▲が出た後、価格は図の②のとおり帯の外で下げ続けます。帯は図の③のように後から下を向きますが、そのころには底が近づいています。実際の1時間足でも、10月7日の急落の途中で▲が出たあと、価格は丸1日以上、緑の帯の下にとどまりました。

上昇でも同じことが起きます。15分足では、11日から12日にかけてじりじり上がる間、価格が赤い帯に沿って進み、▼が半日ほどの間隔で4回出ました。最後の▼は高値近くで下げに転じたものの、途中の▼で売っていれば、しばらく含み損を抱える形になります。

サインの条件に、ローソクの色(トレンドの向き)は入っていません。緑のローソクが濃く続く上昇の途中でも、上の帯に届けば▼は出ます。トレンドと逆向きのサインは、反転の合図ではなく「行き過ぎの目安」と受け取り、反転を確かめてから動くほうが安全です。
計算するのは直近500本だけ
「3D Trend Vortex」は、チャートの直近500本だけで計算するように作られています。それより古い区間には帯もサインもローソクの色も出ません。更に、計算を始めてからおよそ85本は、移動平均とATRの平均がそろうまで帯そのものが描かれません。結果として、帯が出るのは直近の約415本です。
| 時間足 | 帯が出る範囲の目安(約415本) |
|---|---|
| 15分足 | 約4.3日 |
| 30分足 | 約8.5日 |
| 1時間足 | 約17日 |
| 4時間足 | 約69日 |
| 日足 | 約1年2か月(24時間取引の銘柄の場合) |
見落としやすいのは帯の描き始めの部分です。計算を始めた直後は帯が価格のすぐ近くから広がっていくため、本来なら届かないはずの縁に価格がかかり、サインが出やすくなります。
帯の描き始めは間隔が狭く、サインも出やすい
「3D Trend Vortex」は直近500本だけで計算します。計算を始めた直後は帯が価格の近くから広がっていくため、チャート左端の帯とサインは割り引いて見る必要があります。
Vowars DE ver.3.12.33
図の①のように描き始めは上下の帯が近く、図の②の▲はそのせいで出たものです。図の③の50本ほどで間隔が落ち着くまでは、帯もサインも割り引いて見てください。30分足のチャートでも、画面の途中から帯が始まり、その直後に▲が出ていました。

リペイントの有無と、確定足の扱い
帯とサインは、その足までの値だけで計算されます。未来の足の値は使っていないので、チャートを開いたまま新しい足が増えていく間は、確定した足のサインが後から消えることはありません。形成中の足でラベルが出たり消えたりするのは、終値が決まっていないためで、足が確定すれば落ち着きます。
気をつけたいのは、チャートを開き直したときです。計算の起点が「その時点から500本前」にずれるので、表示範囲の左端あたりの帯とサインは、前に見たときと変わることがあります。500本より古くなったサインは表示から消えます。直近の数百本は影響を受けませんが、過去のサインを数えて勝率を確かめるような使い方では、左端の区間を外して数えるのが無難です。なお、計算範囲を変える項目はインジケーターの設定画面にはありません。
設定の詰め方。どこを触ると何が変わる?
設定画面の項目は4つのグループに分かれています。名前は画面の表記のまま載せます。推奨値は15分足〜4時間足のビットコインで試したうえでの目安です。
| 設定 | 初期値 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|---|
| Basis Length | 21 | 21(短期で色を早めたいなら14前後) | 中心の移動平均の期間。短くするとローソクの色の切り替えと帯の動きが速くなる |
| Basis Type | EMA | EMA(色を早く切り替えたいならHMA) | 中心線の種類。EMA・SMA・WMA・HMAから選び、HMAが最も速く、SMAが最もなめらか |
| Band Offset (ATR×) | 3 | 3(サインを増やすなら2〜2.5) | 中心線から帯の内側の縁までの距離。下げるとサインが増え、上げると減る(0.3〜5) |
| Band Width (ATR×) | 0.9 | 0.9 | 帯の厚み。外側の縁だけが動き、サインの出方は変わらない(0.2〜3) |
| Band Smoothing | 65 | 65(デイトレードなら30〜40) | 帯の縁をならす本数。下げると急な値動きに追いつきやすくなるが、縁が波打つ(5〜100) |
| 3D Display Length | 400 | 400(軽くしたいなら100前後) | 立体の面を重ねる本数。帯が描かれている範囲より左には重ならない |
| 3D Depth (Bars) | 8 | 3〜8 | 立体の面を右へずらす本数(1〜8) |
| 3D Height (ATR×) | 0.5 | 0.2〜0.5 | 立体の面を上下へずらす幅。大きいほど帯が分厚く見える |
| Show Signals | オン | オン | ▲▼ラベルの表示。オフにしてもアラートの条件は残る |
| Signal Cooldown | 20 | 20(Band Offsetを下げたら10前後) | 同じ側のサインを出さずに待つ本数(5〜100) |
| Color Candles | オン | オン(チャート本体のローソクを非表示にして使う) | 移動平均の傾きでローソクを塗る |
| Band Transparency | 50 | 50 | 8段の塗りの透明度。立体の面には効かない(10〜90) |
| Bullish | #00ff00 | 好みで | 下の帯、▲、上向きのときのローソクの色 |
| Bearish | #ff0000 | 好みで | 上の帯、▼、下向きのときのローソクの色 |
意外と見落とされそうなのがBand Width (ATR×)です。この値は帯の外側の縁だけを動かし、サインの境目である内側の縁には影響しません。サインの出方を変えたいときに触るのはBand Offset (ATR×)とSignal Cooldownの2つです。
サインを増やしたいとき。Band Offsetを下げる
Band Offset (ATR×)を下げると帯が価格に近づき、サインは増えます。同じチャートで3と1.5を比べると、全体のサインは5回から10回に増えました。ただし、図の②のように思わぬ所でサインが消えることもあります。
Band Offsetを半分にすると、何が変わる?
上は初期値の3、下は1.5に下げた同じチャートです。帯が価格に近づいてサインは増えますが、Signal Cooldownとの兼ね合いで、目立つ足にかえって▼が付かない場面も出てきます。
Vowars DE ver.3.12.33
1.5では、大陽線の2本前の足ですでに終値が縁を越えていました。そのときはまだ直前の▼から20本たっておらず、ラベルが出ないまま「帯の中にいる」状態になったので、図の①で3なら付いていた大陽線の▼が消えています。図の③の▲も3のときより10本早く出たものの、そのあと下げが続きました。帯を近づける時は、Signal Cooldownも10前後まで縮めて、間引きとのかみ合わせを確かめるのがおすすめです。極端に下げるより、2〜2.5あたりで止めておく方が、遠めの帯という良さを残せます。
急な値動きに帯を追いつかせたいとき
急落・急騰で帯が置いていかれるのが気になるなら、Band Smoothingを30〜40に下げます。帯の追従が速くなる代わりに、縁が細かく波打ち、サインもやや増えます。65は「滅多に動かない帯」を作るための値なので、スイング寄りなら初期値のまま、デイトレードで値動きの速い銘柄なら下げる、という分け方が合っていました。
ローソクの色をもっと早く切り替えたいとき
Basis TypeをHMAにすると、移動平均の向きが早く変わり、ローソクの色の切り替えも早くなります。そのぶん、もみ合いでは緑と赤が細かく入れ替わります。Basis Lengthを14前後に縮めても、似た効果が得られました。帯の位置もこの移動平均を中心に決まるので、色だけでなく帯も一緒に動く点には注意してください。
立体表示を控えめにしたいとき
立体の面はBand Transparencyの対象外で、透明度を上げても帯の濃さはあまり変わりません。Band Transparencyが効くのは8段の塗りだけだからです。帯を薄くしたいときは、3D Height (ATR×)を0.2〜0.3に下げ、3D Depth (Bars)を3〜4に縮めると、奥行きの面が小さくなってローソクが見やすくなります。3D Display Lengthを100前後にすれば、立体の面は直近の100本ほどにだけ重なり、それより左は8段の塗りだけの平らな帯になります。
ADXを添えると、▲の”その先”が読める
苦手な場面が「一方向に走る相場」とはっきりしているので、組み合わせる相手もそこを補えるものが向いています。試した中でいちばん噛み合ったのが、トレンドの強さを測るADXでした。ADXは方向に関係なく、動きの勢いが強いほど値が上がる指標です。
ADXを下に置くと、▲の「続き」が読める
▲が出たあとにADXが25を超えて上がっていくなら、下げの勢いが強まっているサインです。逆張りの買いは見送り、帯が追いつくのを待つ判断に切り替えられます。
Vowars DE ver.3.12.33
図の①の▲の時点でADXは20を下回っていましたが、その後図の②で25を超えて上を向き、図の③のとおり価格は帯の外で下げ続けました。▲が出たあとにADXが上がり始めたら、逆張りの買いは一旦見送る。ADXが20前後で横ばいの間に出た▲▼は、往復の折り返しとして扱う。この2つを使い分けるだけでも、空振りを減らす助けになります。
ほかに相性がよさそうなものも挙げておきます。
- 出来高プロファイル(固定期間)。帯の内側の縁と、出来高が厚い価格帯が重なる所で出た▲▼は、跳ね返りの根拠が二重になります。
- 上位足の同じインジケーター。複数チャートのレイアウトで4時間足の「3D Trend Vortex」を並べ、上位足のローソクが緑の間は15分足の▲だけを拾う、という向きの揃え方が素直に使えます。
- RSIのダイバージェンス。帯の外で価格が安値を更新しているのにRSIが切り上げていれば、帯に置いていかれた下げの終わりを探す手がかりになります。
使ってみて感じた手応えと割り切りどころ
手応えを感じたところ
- 帯がATRの3倍と遠く、往復する相場で行き過ぎた足だけを拾える
- ローソクの色の濃さで、移動平均の勢いの衰えが一目で分かる
- サインの条件が「終値・最初の1本・間隔」と単純で、出た理由と出ない理由を説明しやすい
- 立体の帯は、縮小表示でも上下のゾーンの位置がすぐ掴める
- 買いと売りのアラートが別々に用意されている
割り切りが必要なところ
- 一方向に走る相場では帯が遅れ、▲▼が早すぎる合図になりやすい
- 計算は直近500本だけで、描き始めの約50本は帯とサインが不安定
- 色付きローソクを見るには、チャート本体のローソクを非表示にする手間がある
- 帯の中の明るい線はサインの境目と別物で、境目になる内側の縁は立体の面に紛れやすい
- 帯の太さの変化(傾きによる絞り込み)は、見た目ほど大きくない
「3D Trend Vortex」と付き合うコツ
画像「3D Trend Vortex」は、遠めに置いたATRの帯で価格の行き過ぎを知らせ、ローソクの色でトレンドの向きと勢いを見せるインジケーターです。立体の帯は目を引きますが、判断に使う情報は「内側の縁」「▲▼」「ローソクの濃さ」の3つに集約されています。
使い方の軸は往復する相場で▲▼を折り返しの目安にし、一方向に走る相場ではローソクの色に従うことです。▲▼が出ても、ローソクが逆向きに濃く塗られているなら様子を見る。この切り替えさえ身についていれば、30分足〜4時間足のデイトレードやスイングで、相場の温度を測るツールとして長く使えると感じました。チャートを開き直したときの左端の帯と、急な値動きでの帯の遅れだけは、頭の片隅に置いておいてください。










