価格が次に取りに行きそうな高値・安値を、チャートと表に並べてくれる
チャートを開いて最初にやる作業といえば、直近の高値と安値に線を引くことではないでしょうか。上位足に切り替えて高値を探し、前日の高安を確認し、ロンドン時間の高値もメモして、また元の時間足に戻る。慣れていても数分はかかりますし、引き忘れも起きます。
このインジケーター「Liquidity Draws」は、その作業をまるごと肩代わりしてくれます。スイング高値・安値、セッションの高安、前日高安、上位足のFVGという4種類の「まだ触れられていない価格」を自動で拾い、チャート上に線と○印で示したうえで、現在値から見て上にあるものと下にあるものを2つの表にまとめるのが主な働きです。

さらに特徴的なのが、端の少し外側に描かれる赤い箱です。「この高値が抜かれるなら、どのあたりまで、いつ頃ヒゲが伸びやすいか」という目安を、価格と時間の両方で示します。高値・安値を引くインジケーターは数多くありますが、時間の見当まで箱で描くものは、私はほかに見たことがありません。
公開ページでの名前は「Liquidity Draws」ですが、チャートに追加すると左上には「DSTL SWEEP Z」と表示されます。別のインジケーターを入れてしまったわけではないので、そのまま使って大丈夫です。
売買のサインを出すタイプではありません。エントリーの矢印もなければ、色で方向を教えてくれることもなく、示すのは「目標になりうる価格の一覧」だけです。そのぶん、自分の手法の利確目標や、だましが起きやすい場所を探す材料として、どんなスタイルにも重ねられます。
青い線の正体はBSLとSSL。3つの時間足を同時に見ている
チャートに出る青い水平線には「5m BSL」「1H SSL」のような名前が付いています。BSLはBuy Side Liquidityの略で高値側、SSLはSell Side Liquidityの略で安値側を指します。高値の少し上には売りポジションの損切り(買い注文)が、安値の少し下には買いポジションの損切り(売り注文)がたまりやすい、という考え方から来た呼び名です。
「Liquidity Draws」が線を引くのは、それぞれの時間足で「最後にできた、まだ抜かれていないスイング高値と安値」の1本ずつです。山と谷の判定には、左右の足より高い(低い)足を探す一般的な方法が使われています。
青い線は「まだ抜かれていない直近の高値・安値」
30分足チャートでの表示例です。チャート足(30m)と上位足1(6H)の2段だけを残しています。
Vowars DE ver.3.12.26
図の①は、いま開いているチャートの時間足で見つけた高値です。そして図の②が、このインジケーターの気が利いているところ。上位足の安値から引く線なのに、起点は上位足の始値ではなく、実際にその安値をつけたチャート足になっています。手で線を引くときに自然と選ぶ足と同じ場所から線が始まるので、見た目の違和感がありません。
図の③の小さな○は「まだ触れられていない」ことを示す印です。線が何本も並んだとき、○の有無で生きている端をすぐ見分けられます。
どの時間足が上位足になるかは自動で決まる
上位足は2段あり、設定画面ではHigher timeframe 1 (governing)とHigher timeframe 2 (the tier above it)と呼ばれています。初期設定のPairingが「Auto (per timeframe)」のままなら、チャートの時間足に応じて次の組み合わせになります。
| チャートの時間足 | 上位足1 | 上位足2 |
|---|---|---|
| 1分 | 15分 | 4時間 |
| 3分 | 30分 | 6時間 |
| 5分 | 1時間 | 日足 |
| 15分 | 4時間 | 週足 |
| 30分 | 6時間 | 週足 |
| 1時間〜3時間 | 日足 | 週足 |
| 4時間・日足 | 週足 | 3か月足 |
| 週足 | 3か月足 | なし |
表にない時間足は、近い行にまとめられます。たとえば10分足は15分足と同じ扱いで、上位足1が4時間足です。線の太さは上位足2だけが太く、初期値では2になります。同じ青でも太い線ほど大きな時間足の端だと覚えておくと、読み間違えません。
自分で組み合わせを決めたいときは、Pairingを「Manual」にして– manual HTF 1と– manual HTF 2に時間足を入れます。
ヒゲが抜けた端はグレーになって「ok」が付く
ヒゲで抜かれた端はグレーの「ok」に変わる
終値で抜ける必要はなく、ヒゲが1ティックでも越えれば到達済みの扱いになります。
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図の①のように、足が確定した時点でヒゲが端を1ティックでも越えていれば、その端は到達済みになります。終値で抜ける必要はありません。到達済みの端は図の②のとおり線がグレーになり、名前の末尾に「ok」が付いて、○印も消えます。
最初は「ok」の意味が分からず少し戸惑いました。慣れると、グレーの線は「ここはもう一度取られた場所」という履歴として役に立ちます。抜かれたあとに価格がどう動いたかを、線を残したまま振り返れるからです。画面をすっきりさせたい場合は– keep a taken edge, tickedをオフにすると、到達済みの線は表示されなくなります。
なお、その時間足で新しいスイング高値(安値)が確定すると、古い線は新しい端に置き換わります。「ok」の線もその時点で消えるので、履歴がずっと残り続けるわけではありません。
セッションの高安と前日高安には、色つきの○と点線が付く
スイングとは別に、時間帯で区切った高値・安値も拾います。対象は4つのセッションと前日の高安です。
セッション高安と前日高安は色つきの○と点線
スイングの段をすべてオフにして、セッションと前日の高安だけを表示した例です。
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図の①が、終了したセッションの安値です。セッションが終わった時点で高値と安値が確定し、その値をつけた足に○と名前が、右に向かって点線が引かれます。進行中のセッションは対象になりません。図の②は前日の高値で、PDH(Previous Day High)、安値はPDLと表示されます。
セッションの時間帯はニューヨーク時間で決められています。日本時間に直したのが次の表です。
| 名前 | 色 | ニューヨーク時間 | 日本時間(夏時間中) | 日本時間(冬時間中) |
|---|---|---|---|---|
| Asia | 黄 | 18:00〜0:00 | 7:00〜13:00 | 8:00〜14:00 |
| London | 青 | 2:00〜5:00 | 15:00〜18:00 | 16:00〜19:00 |
| NY AM | 緑 | 9:30〜12:00 | 22:30〜翌1:00 | 23:30〜翌2:00 |
| NY PM | 紫 | 13:00〜16:00 | 翌2:00〜5:00 | 翌3:00〜6:00 |
ロンドンが3時間、ニューヨークが午前と午後に分かれているあたり、取引が活発な時間だけを切り出す考え方になっています。時間帯は設定画面でそれぞれ書き換えられるので、東京時間の9時〜15時を「Asia」として使う、といった変更も可能です。
スイングの端との違いが1つあります。セッションと前日の高安は、価格が「触れた」時点で消えます。スイングの端は「越えたら」ですが、セッション高安と前日高安は同値にタッチしただけで点線ごと消える仕様です。消えた線はグレーで残らないため、気づくと本数が減っていた、ということがよくあります。
図の③のように、Asiaの安値と前日安値が同じ足になると、2つの名前が同じ場所に描かれて重なります。重なりを自動でずらす仕組みはないので、気になるときはSession / PD names at extremesをオフにして○と点線だけにし、名前は表のほうで確認するのがおすすめです。
セッションの高安が表示されるのは1時間足までです。4時間足や日足に切り替えると、セッションの線は出ません。前日高安は日足まで表示されます。
上位足1のFVGは、触れられるまでグレーの箱として残る
FVG(Fair Value Gap)は、3本のローソク足のあいだで、1本目と3本目のヒゲが重ならずに残った価格の隙間です。値動きが急だった場所にでき、あとから価格が戻ってきやすい帯として見られています。
上位足1のFVGは、触れるまでグレーの箱で残る
30分足チャートに、6時間足のFVG(3本の足のあいだに残った隙間)だけを表示した例です。
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上昇でできた隙間なら、図の①と図の②のあいだが箱になります。箱は右端まで伸び、ラベルが付くのは図の③のとおり「次に価格が触れるほうの端」です。
チャートに箱として描かれるのは上位足1のFVGだけです。5分足チャートなら1時間足のFVG、15分足なら4時間足のFVGが対象になります。チャート足そのもののFVGも内部では数えていて、表には載りますが、初期設定では箱を描きません。短い時間足のFVGは数が多く、全部描くと画面が箱だらけになるからでしょう。直近のものだけ見たいときはShow recent chart gaps on chartをオンにすると、新しい順にRecent chart gaps to drawの本数(初期値3)だけ描かれます。
箱が消える条件はRemove gap afterで選べます。初期値の「First touch」は箱の手前の端に触れた時点、「Full fill」は反対側の端まで埋めた時点です。浅い押し目で反発する場面を狙うなら前者、隙間を完全に埋めてからの動きを待つなら後者が合います。
赤い箱が示すのは、スイープの「深さ」と「時期」の目安
ここが「Liquidity Draws」のいちばん独特な部分です。未到達の端の外側に、薄い赤の箱が描かれます。設定画面での呼び名は「Likely sweep zone」。端が抜かれるとき、ヒゲがどこまで伸びやすいかを示したものです。
赤い箱は「どこまで・いつ頃」抜かれやすいかの目安
上位足1(6H)の端だけを残した例です。箱はローソク足のない未来側に置かれます。
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縦の幅はATRで決まる
図の①のとおり、箱の上下は端からATR(14)の0.10倍〜0.41倍だけ外側です。ATRは直近14本の平均的な値幅なので、値動きが大きい相場では箱も遠く・厚くなり、静かな相場では端のすぐそばに薄く描かれます。箱の中を横に走る点線が中央値で、ATRの0.23倍の位置にあります。
0.10、0.23、0.41という数字は、設定画面の説明によると、過去の値動きから「端を抜いたあと終値では戻ってきたケース」のヒゲの長さを集計した四分位だそうです。こちらで同じ集計を再現できたわけではないので、根拠のある目安のひとつ、くらいの距離感で受け取っています。
実際にチャートで見比べてみると、ヒゲだけで戻った場面は箱の中か手前で止まっていることが多く、箱を大きく突き抜けた場面はそのまま終値でも抜けていく、という傾向は感じました。箱を越えていくかどうかが、だましか本物のブレイクかを見分ける手がかりになります。
横の幅は「端ができてから何本たったか」で決まる
この箱はローソク足のない未来側に描かれます。図の②が時間の中央値で、箱の左端と右端は「早ければこのあたり、遅くてもこのあたり」という範囲です。
横幅の決め方には、古い端ほど、抜かれるまでにさらに時間がかかるという考え方が組み込まれています。直感とは逆ですよね。長く残っている高値ほど「そろそろ抜かれそう」と感じるものですが、このインジケーターは反対の見方をとっています。
| 端ができてからの本数 | 箱の左端 | 縦の点線(中央値) | 箱の右端 |
|---|---|---|---|
| 0本 | 2本先 | 7本先 | 29本先 |
| 10本 | 7本先 | 25本先 | 80本先 |
| 34本 | 21本先 | 68本先 | 202本先 |
端が古くなるほど箱は右へ遠ざかり、横に長くなります。5分足で34本たった端なら、右端は202本先、つまり17時間近く先です。チャートを右にかなりスクロールしないと箱が見えないこともあります。「箱が見当たらない」と思ったら、右側の余白を広げてみてください。
上位足の端の場合、この「本数」は上位足の本数ではなく、チャートの時間足で数えます。そして、チャート上で端が40回抜かれたあとは、あらかじめ決められた式ではなく、そのチャートで実際にかかった本数をもとに箱の位置を決めるようになります。切り替わる回数を決めているのが– learn from this chart after (raids)です。
箱は「抜かれるとしたら、このあたり」という条件つきの目安です。その端が抜かれること自体を予告しているわけではありません。箱があるから逆張りする、という使い方は想定されていません。
初期設定で箱が描かれるのは、上位足1と上位足2の端だけです。チャート足の端にも出したい場合は– on the chart rangeをオンにします。図解の例では上の図の③と下の端の両方に箱が出ていますが、どちらかが抜かれると、抜かれた側の箱はその足で消えます。
2つの表は、目標までの距離をひと目で確認する場所
チャートの右上に「Draw above」、右下に「Draw below」という表が出ます。現在値より上にある未到達の目標と、下にある目標の一覧です。列は名前、価格(Price)、現在値からの距離(Away)の3つで、ここまで説明してきた4種類すべてが1つの表にまとまります。
2つの表は並び順が違う。上は遠い順、下は近い順
初期設定のまま表示した例です(スイープゾーンの箱だけオフ)。現在値は83,829.61です。
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私がいちばん使っているのは下の表の1行目と、上の表の最終行です。どちらも現在値にもっとも近い目標で、「次にどこへ届きそうか」をチャートを見回さずに確認できます。文字の色は種類ごとに分かれていて、上位足の端が青、セッションはセッションの色、FVGはグレーです。
上の表は遠い順に並ぶので、行数に気をつける
使っていて一度つまずいたのが、表の並び順でした。下の表は近い順、上の表は遠い順。価格の高いものを上に置く、というルールで統一されているためです。
問題は行数の上限です。初期値は6行で、目標が7つ以上あると7つ目以降は切り捨てられます。図の①のとおり、上の表は遠いものから6行を埋めるので、切り捨てられるのは現在値に近い側です。図の②の30m BSLは、現在値のすぐ上にあるにもかかわらず表に載っていません。
チャート足のFVGが表に入る初期設定では、上の表がFVGだけで埋まってしまう場面も珍しくありません。対処は2つあります。
- Maximum rows per tableを10〜16に増やす(上限は16)
- Include chart gaps in tablesをオフにして、チャート足のFVGを表から外す
私は行数を12にして、チャート足のFVGは外しています。表が縦に長くなる点は、Text sizeを「Tiny」のままにしておけば邪魔になりません。
距離の単位はDistance unitで「Points」「Ticks」「Percent」から選べます。Bitcoinやゴールドのように価格の桁が大きい銘柄は、Percentにしたほうが銘柄をまたいで比べやすくなります。
時間足を変えると、表示はここまで変わる
「Liquidity Draws」は時間足によって拾うものが変わります。同じ日のチャートを1時間足と日足で見比べると、違いがよく分かります。

1時間足では、上位足が日足と週足になります。セッションの高安はここまでが表示の上限なので、ロンドン高値やアジア安値がまだ見えています。デイトレードで「今日の目標」を決めるなら、この時間足が一番情報のバランスがいいと感じました。

日足にすると、セッションの線は消えて、週足のFVGと日足・週足・3か月足の端だけになります。画面はかなり静かです。スイングトレードで週単位の目標を探す用途ならこちらですが、「Liquidity Draws」の情報量を使い切るなら、やはり1時間足以下が向いています。
設定項目と、触っておきたいところ
設定は5つのグループに分かれていて、項目数は多めです。色や線の太さなど見た目の項目を除き、表示の中身に関わるものを抜き出しました。
| 設定 | 初期値 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|---|
| Higher timeframe 2 (the tier above it) | オン | オン | 上位足2の端を表示します。線が多いと感じたらオフにして2段に絞れます。 |
| Pairing | Auto (per timeframe) | Auto (per timeframe) | 上位足の決め方です。Manualにすると上位足を自分で指定できます。 |
| Chart pivot strength (0 = auto) | 0 | 0 | チャート足のスイング判定に使う左右の本数です。0は自動で、1分足が6本、5分足が5本、15分足が4本、1時間足までが3本、それより上が2本です。 |
| Higher-timeframe pivot strength | 2 | 2〜3 | 上位足のスイング判定に使う左右の本数です。大きくすると目立つ山と谷だけが残り、確定は遅くなります。 |
| – keep a taken edge, ticked | オン | オン | 到達済みの端をグレーの線で残します。 |
| Project the likely sweep zone | オン | オン | 赤い箱(スイープゾーン)を描きます。 |
| – price band | Reverting raids (0.10 / 0.23 / 0.41) | 用途で選ぶ | 箱の縦幅です。All raidsは0.16〜0.73で広め、Measured on this chartはチャート上の実績から決まります。 |
| Give the zone a TIME axis (the estimated area) | オン | オン | 箱を未来側の時間範囲に描きます。オフにすると端の起点から現在までの帯になります。 |
| – learn from this chart after (raids) | 40 | 40 | この回数だけ端が抜かれたあと、時間の幅をチャート上の実績から決めます。 |
| Show completed session H/L (up to 1H) | オン | オン | 終了したセッションの高値・安値を表示します。1時間足まで有効です。 |
| Session timezone | America/New_York | America/New_York | セッション時間の基準になるタイムゾーンです。 |
| Include chart gaps in tables | オン | オフ | チャート足のFVGを表に含めます。オフにすると表が上位足中心になります。 |
| Remove gap after | First touch | First touch | FVGを消す条件です。Full fillは反対側の端まで埋めたときに消します。 |
| Maximum rows per table | 6 | 10〜16 | 表の最大行数です。少ないと上の表で近い目標が切り捨てられます。 |
| Distance unit | Points | Percent | 距離の単位です。Ticks、Percentも選べます。 |
推奨値のうち、初期値から変えているのは3つだけです。Maximum rows per tableとInclude chart gaps in tablesは、前の章で触れた「近い目標が表から落ちる」のを防ぐため。Distance unitをPercentにしているのは、銘柄を切り替えても距離の感覚が変わらないからです。
箱の縦幅は、何を知りたいかで選ぶ
– price bandは4つから選べます。
- Reverting raids (0.10 / 0.23 / 0.41) 抜いたあと戻ったケースだけの集計。箱は端に近く、薄い。逆張りの目安向き
- All raids (0.16 / 0.36 / 0.73) 抜けたケースすべての集計。箱は遠く、厚い。損切りをどこまで離すかの目安向き
- Measured on this chart そのチャートで実際に抜かれたときの深さから計算
- Custom – custom: from (x ATR beyond)と– custom: to (x ATR beyond)に自分で倍率を入れる
損切りを端のすぐ外に置いて、ヒゲで刈られた経験がある人は多いと思います。私もそうでした。そういうときに「All raids」に切り替えると、箱の外側が0.73ATRまで広がるので、損切りの置き場所を決める材料になります。
このモードは、チャート上で端が抜かれた回数が足りないうちは別の値で代用されます。設定画面の説明には「All raids」で代用すると書かれていますが、実際に表示される箱はReverting raidsと同じ0.10〜0.41の幅でした。読み込み直後や、端があまり抜かれていない時間足では、表示上はReverting raidsと同じ箱になる点を覚えておいてください。
スタイル別に設定を寄せるなら
| 使い方 | 時間足 | 変えるところ |
|---|---|---|
| スキャルピング | 1分〜5分 | – on the chart rangeをオンにして、チャート足の端にも箱を出す。Show recent chart gaps on chartもオン |
| デイトレード | 5分〜1時間 | 初期設定に近い状態でよい。表の行数だけ増やす |
| スイングトレード | 4時間〜日足 | セッション関連は自動で消える。Remove gap afterをFull fillにして週足FVGを長く残す |
| 線を減らしたい | どれでも | Higher timeframe 2と- keep a taken edge, tickedをオフ |
実際の流れに沿って使ってみる
ここからは、私が「Liquidity Draws」を使うときの手順です。5分足でデイトレードをする想定で書きます。
1 表で、上下の一番近い目標を確認する
チャートを開いたら、まず2つの表を見ます。下の表の1行目と、上の表の最終行。この2つの距離を比べて、どちらが近いかを把握します。片方が極端に近ければ、先にそちらへ届く可能性を頭に入れておきます。
2 青くて太い線と、色つきの点線が重なる場所を探す
目標は数が多いので、すべてを同じ重さでは見ません。重視するのは、複数の種類が近い価格に集まっている場所です。たとえば1H BSLのすぐ上にLondon Hがある、PDLと日足のSSLがほぼ同じ価格にある、といった場面。表では同じ価格や近い価格の行が並ぶので、すぐ見つかります。
3 方向は別の手段で決める
「Liquidity Draws」は方向を示しません。上と下、どちらの目標を狙うかは自分で決める必要があります。私は移動平均線を使っています。
EMAで向きを決め、その先にある端を目標にする
「Liquidity Draws」のスイングの段に、TradingView標準のEMA(Length 20)を重ねた例です。
Vowars DE ver.3.12.26
組み合わせとして一番しっくりきたのが、TradingView標準のEMAでした。図の①のようにローソク足が20EMAの下で推移しているあいだは下の目標だけを見て、図の②を利確の候補にします。逆側の端は撤退の基準になります。図の③を価格が越えたら、下を狙う見立ては取り下げることにしています。
RSIやMACDでも方向は決められますが、EMAはチャート上に1本線が増えるだけで、「Liquidity Draws」の線や表と場所を取り合いません。
4 端に届いたら、赤い箱との位置関係を見る
価格が端に届いたとき、ヒゲが赤い箱の中か手前で止まって終値が内側に戻ったなら、損切りを刈っただけの動きだった可能性があります。反対に、箱を突き抜けて終値でも外に出たなら、そのまま走るブレイクの可能性が高まります。どちらの場合も、判断するのは次の足の動きを見てからです。
5 アラートは「端が抜かれたとき」に置く
アラート条件は「Range edge taken」の1つだけです。スイングの端(チャート足・上位足1・上位足2の高値と安値)のどれかが抜かれた足が確定すると鳴ります。TradingViewのアラート作成画面で条件にこのインジケーターを選べば設定できます。
セッション高安、前日高安、FVGに届いたときは、この条件では鳴りません。通知がほしい場合は、表に出ている価格を見て、その価格にTradingViewの価格アラートを自分で置くことになります。少し手間ですが、表に価格が小数点まで出ているので入力自体は楽でした。
知っておきたい挙動と、向き・不向き
線は「いまの状態」だけ。過去の状態はバーリプレイで確認する
線・箱・○・表は、すべて最新の足の時点での状態を描いたものです。チャートを左にスクロールしても、3日前にどの端が生きていたか、赤い箱がどこにあったかは残っていません。検証のために過去の状態を見たいときは、TradingViewのバーリプレイを使います。リプレイ中はその時点を最新の足として描き直されるので、当時の線と箱を1本ずつ進めながら確認できます。遡れる範囲は時間足によって変わり、短い時間足ほど浅めです。
確定した足だけで判定する。ただしリアルタイムの上位足には注意
チャート足のスイングは、山や谷のあと数本たって確定してから線になります。5分足なら5本後です。到達の判定も足の確定時に行われるので、足の途中でヒゲが越えただけでは線の色は変わりません(表からは、越えた時点でいったん外れます)。前日高安とFVGは、確定済みの足の値だけを使っています。
気をつけたいのは上位足の端です。過去の足では上位足が確定してから線になりますが、リアルタイムで動いている最中は、上位足がまだ確定していない段階の値を参照することがあります。そのため、リアルタイムで見ていた線と、チャートを読み込み直したあとの線が食い違う場合があります。上位足の端が出た直後は、上位足の確定を待ってから信用するほうが安全です。
セッションの線は1分足のデータに頼っている
5分足や15分足でセッションの高安を正確に出すために、内部では1分足の値動きを参照しています。1分足のデータをどこまで遡れるかはTradingViewのプランや銘柄によって変わりますが、表示に必要なのは直近のセッションだけなので、通常は気にしなくて大丈夫です。1分足の履歴がほとんどない銘柄では、セッションの線が出ないことがあります。
設定画面の説明と表示が違ったところ
使っていて気づいた点が2つあります。1つは前の章で書いた「Measured on this chart」の代用値。もう1つは到達済みの線で、設定画面の説明では「抜かれた足で線が止まる」と読めますが、実際の線はグレーになったあとも右端まで伸び続けます。どちらも読み取りを大きく誤らせるものではないものの、説明どおりの見た目を想像していると戸惑うかもしれません。
頼れるところ
- 高値・安値、セッション、前日、FVGの4種類を一度に拾ってくれる
- 上位足の線が、実際に高値・安値をつけた足から始まる
- 赤い箱で、スイープの深さと時期の目安が見える
- 表で目標までの距離がすぐ分かる
- 時間足を変えても上位足が自動で切り替わる
気をつけるところ
- 方向は示さないので、別の判断材料が必要
- 初期設定の6行では、上の表から近い目標が落ちることがある
- 同じ足にできた高安は名前が重なる
- 過去の状態はスクロールでは追えない
- リアルタイムの上位足の端は、読み込み直すと変わる場合がある
相性のいい相場と、そうでない相場
高値と安値を行き来するレンジ相場や、押し目・戻りをつけながら進むトレンド相場では、端とセッション高安が次々に目標になるので、表を見れば次に届きそうな価格が分かります。ロンドンやニューヨークの時間帯にはっきり動く銘柄、たとえばゴールドや主要な通貨ペア、株価指数の先物とは特に相性がいいと感じました。Bitcoinのように24時間動く銘柄でも、セッションの区切りは同じように機能します。
一方で、一方向に走り続ける強いトレンドでは、進行方向の端がすべて抜かれて、表が「No active draws」になることがあります。目標がなくなった状態なので、「Liquidity Draws」から読み取れることはほとんどありません。値動きが極端に小さい時間帯も、ATRが縮んで赤い箱がごく薄くなり、目安としての意味が薄れます。
「Liquidity Draws」は、毎朝の線引きを引き受けてくれる
画像「Liquidity Draws」は、売買の答えを出すインジケーターではありません。毎朝やっていた線引きを代わりに済ませ、「上は何ドル先に何があり、下は何ドル先に何があるか」を整理してくれるツールです。そこに、赤い箱という独自の目安が加わります。
使い始める前に、表の行数だけは増やしておくことをおすすめします。最初につまずきやすい点は、それだけでほぼ解消できるはずです。あとはBSLとSSLの意味、グレーの「ok」、赤い箱の読み方の3つを押さえれば、5分足から日足まで同じ見方で使えます。
自分の手法に利確の目標が足りないと感じている人、損切りの置き場所でいつも迷う人には、試してみる価値のあるインジケーターです。相場の状況は日々変わるので、表示された目標はあくまで参考にとどめ、最終的な判断はご自身のルールで行ってください。








