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インジケーター
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Cycles Master

価格が長期の平均から何段離れているかを、16本の線とゲージで測るインジケーター。

3.9 / 5.0 総合評価

  • 充足性 4.2
  • 独自性 3.4
  • 可読性 4.5
  • 適応性 4.0
  • 信頼性 3.9

難易度 中級

No.VOW-000040

評価について 「Cycles Master」は、価格が長期の平均から何段離れているかを見せる分析・可視化型のインジケーターです。評価を最も押し上げたのは可読性で、緑から青への配色と右端のゲージにより、いまの位置を一目で確かめられます。3つの設定で線の間隔と基準線の滑らかさを調整でき、変えた結果が表示にそのまま表れる点も強みです。独自性は、移動平均線の倍率という定番の考え方を土台にしているためこの高さですが、16本の線とゲージにまとめた見せ方に工夫があります。公開ページの説明にある項目名が現在の設定画面と一致しないため、総合点から0.1を引いています。日足以上の長期チャートで、現在の位置を確かめる物差しとして活きます。
難易度解説 表示されるのは線とゲージだけで、設定も3つしかないため、導入そのものは難しくありません。ただし売買サインが出ないので、帯の位置をどう判断に結びつけるかは自分で考える必要があります。赤い線が移動平均線そのものではないこと、時間足を変えると線の位置が変わること、Step %で間隔と高さが同時に動くことを理解していないと読み違えます。移動平均線の性質と対数表示の扱いに慣れた中級者に向いています。

総合評価 3.9/ 5.0

評価基準について

  • 充足性 4.2 価格が長期の平均から何段離れているかを、16本の線の帯とゲージの矢印で読み取れます。過去の天井や底がどの帯だったかも、チャートを引くだけで確かめられます。
  • 独自性 3.4 移動平均線の倍率ラインは以前からある手法ですが、同じ比率で16本を積み上げ、現在地を縦長のゲージ1つにまとめた見せ方に意味があります。
  • 可読性 4.5 下が緑、上が青、8本目が赤という配色と、ゲージの矢印で現在の位置が一目で分かります。対数表示にすると16本がほぼ等間隔に並び、長期チャートでも見やすく表示されます。
  • 適応性 4.0 Step %で線の間隔を、MA typeとMA lengthで基準線の滑らかさを変えられます。値を変えた結果が線の位置と曲がり方にそのまま表れるので、銘柄に合わせた調整がしやすい構成です。
  • 信頼性 3.9 表示している時間足の終値と移動平均線だけで計算され、確定した足の線は後から変わりません。動くのは確定前の最後の足だけで、挙動は安定しています。
リペイント
なし
  1. 形成中変わる
  2. 確定後固定
  3. 過去固定
向いている時間足
  • 短期15分以下
  • 中期30分〜4時間
  • 長期日足以上
検証 BTCUSD(30m、4H、1D)
アラート
なし
売買サイン
出さない分析型のため対象外
向いている相場
問わない
表示場所
チャート上
描くもの
ラインテーブル
ベース指標
移動平均
トレードスタイル
スイングトレードポジショントレード

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サイクルトレンド

天井と底の目安を16本の線で見る|長期チャートに置いておきたい物差し系インジケーター

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図解ギャラリー 7

この記事の要約
どんなインジケーター?
結論

「Cycles Master」は、移動平均線の半分の値から20%刻みで16本の線を描き、価格が長期平均から何段離れているかを帯とゲージで示すTradingViewのインジケーターです。日足以上の長期チャートで、現在の位置を確かめる物差しとして使えます。

もっと詳しく
この記事の要点
  • 「Cycles Master」は16本の線と右端のゲージで、価格が長期の平均からどれだけ離れているかを帯の位置として示すインジケーターです。
  • いちばん下の線は移動平均線の半分の値で、その上の線は初期設定で1.2倍ずつ同じ比率を掛けながら上へ積み上がっていきます。
  • 赤い線は下から8本目で、移動平均線そのものではなく、初期設定では移動平均線の約1.79倍という高い位置を通っています。
  • 右端のゲージの矢印は、最後の足の終値がどの線とどの線の間にあるかを指すので、チャートを縮小せずに現在地を確かめられます。
  • Step %を小さくすると線の間隔が詰まり、10まで下げると赤い線は移動平均線とほぼ重なる高さまで下がってきます。
  • MA typeの初期値DEMAはEMAをもう一度EMAでならした線で、一般的なDEMAとは逆にEMAより遅れ、なめらかに動きます。
  • 時間足を変えると同じ価格でも居場所の帯が変わるため、初期設定のまま使うなら日足以上の長期チャートが合っています。
  • 確定した足の線は後から変わらず、動くのは確定前の最後の足だけなので、過去の帯の位置はそのまま振り返りに使えます。
  • 動き出すタイミングはRSIなど別の指標に任せ、帯の位置と勢いの変化を分けて判断すると、エントリーの根拠を増やせます。

16本のラインで「いまは高いのか安いのか」を測る「Cycles Master」

ビットコインが大きく上げたあと、「ここから買うのはさすがに遅いのでは」と手が止まった経験はないでしょうか。逆に、だらだら下げ続けている最中は、どこまで下がれば割安と呼べるのか見当がつきません。

「Cycles Master」は、その迷いに長期の移動平均線を基準にした16本のラインで答えようとするインジケーターです。売買のサインを出すタイプではありません。価格が長期の平均からどれくらい離れた場所にいるのかを、帯の位置として見せてくれます。

TradingViewの日足チャートに「Cycles Master」を表示した全体像。緑から青の16本のラインと右端のゲージが並ぶ。
TradingViewの日足チャートに「Cycles Master」を表示した全体像。緑から青の16本のラインと右端のゲージが並ぶ。

私がこのインジケーター「Cycles Master」を日足のチャートに入れて最初に感じたのは、画面の印象ががらっと変わることでした。緑から青へ色を変えながら線が何本も重なり、右端には縦長のゲージが立ちます。見た目は派手ですが、仕組みは驚くほど単純です。この記事では、表示の読み方から設定の勘どころ、気をつけたい点までを順に見ていきます。

画面に出るのは、16本の線と縦長のゲージだけ

「Cycles Master」が描くものは2種類しかありません。チャートに重なる16本の線と、画面の右側中央に出る縦長のゲージです。矢印やラベルのような売買サインは出ません。まずは線の成り立ちから確認します。

いちばん下は移動平均線の半分、そこから20%ずつ上へ

16本の線は、ばらばらに計算されているわけではありません。1本の移動平均線を2で割った値がいちばん下の線になり、その上の線は1.2倍、さらにその上は1.2倍と、同じ比率を掛けながら積み上がっていきます。図の①が出発点の線で、図の③のように上へ行くほど線どうしの幅が開いて見えます。

「Cycles Master」が描く16本のライン

移動平均線の半分の値から始めて、20%ずつ掛け上げた線が16本並びます。

「Cycles Master」が描く16本のライン① いちばん下の線は移動平均線の半分の値 ② 下から8本目だけが赤 ③ 隣の線とはいつも20%差上へ行くほど幅が開く 🅷 🅼→ 🅻 いちばん下の線は移動平均線の半分の値下から8本目だけが赤隣の線とはいつも20%差上へ行くほど幅が開く

Vowars DE ver.3.12.24

MA lengthを100にした例です(初期値は350)。上の線ほど間隔が開いて見えますが、隣り合う線の比率はどこも同じ1.2倍です。右端の縦長のゲージは最後の足の位置を示します。

幅が開いて見えるのは、足し算ではなく掛け算で積んでいるからです。100の20%は20ですが、500の20%は100になります。比率はどこも同じなので、価格目盛りを対数表示に切り替えると16本がほぼ等間隔に並びます。価格目盛りの上にカーソルを置くと出てくる「L」を押すだけなので、線が上に散らばって見づらいときは試してみてください。

初期設定のとき、各線が移動平均線の何倍にあたるかを表にまとめました。

下から移動平均線に対する倍率下から移動平均線に対する倍率
1本目0.50倍9本目約2.15倍
2本目0.60倍10本目約2.58倍
3本目0.72倍11本目約3.10倍
4本目約0.86倍12本目約3.72倍
5本目約1.04倍13本目約4.46倍
6本目約1.24倍14本目約5.35倍
7本目約1.49倍15本目約6.42倍
8本目(赤)約1.79倍16本目約7.70倍

ここで一つ、私が勘違いしていた点を書いておきます。赤い線は真ん中にあるので、てっきり移動平均線そのものだと思い込んでいました。実際は移動平均線の約1.79倍で、平均よりかなり高い位置です。移動平均線に近いのは下から5本目の約1.04倍のほうでした。赤い線を「平均」だと思って眺めると、価格がいつも赤より下にいるように見えて戸惑います。

緑から青へ変わる色と、1本だけの赤

線の色は下から順に、緑、青緑、青へと少しずつ変わります。上の線ほど透明度が上がるので、上側は薄い線です。下から8本目だけは赤で、ほかの線より少し細く引かれています。図の②がその赤い線です。

色そのものに「買い」「売り」の意味はありません。下が緑、上が青という並びを覚えておけば、チャートを拡大して線が数本しか見えないときでも、いま見ているのが下側なのか上側なのかを色で判断できます。

16本という本数は固定

線の本数を変える設定はありません。表示されるのは常に16本です。上のほうの線が不要なら、インジケーターの設定画面にあるスタイルの欄で、線ごとに表示を切り替えられます。色や太さの変更も同じ場所です。ゲージの色と位置は設定項目にないため、そのまま使うことになります。

右端のゲージは、最後の足がどの帯にいるかを示す

画面の右側中央に出る縦長のゲージは、16本の線を縦に畳んだ早見表のようなものです。上端に「H」、中ほどの赤いマスに「M」、下のほうに「L」の文字が入り、左側に白い矢印が1つ付きます。

右端のゲージの読み方

縦長のゲージは、最後の足の終値がどの帯にいるかを矢印で示します。

右端のゲージの読み方① 矢印がいまの位置 ② Mは赤い線のすぐ下の帯 ③ 上端のHが高値側下のLが安値側 🅷 🅼 → 🅻 矢印がいまの位置Mは赤い線のすぐ下の帯上端のHが高値側下のLが安値側

Vowars DE ver.3.12.24

初期設定のままの表示です。ゲージは上が高値側、下が安値側で、チャートの線の並びと同じ向きです。

図の①の矢印は、最後の足の終値がどの線とどの線の間にあるかを指しています。上が高値側、下が安値側で、チャートの線の並びと同じ向きです。価格が上の帯へ移れば矢印も上へ動きます。チャートを縮小しなくても、いまの位置を一目で確かめられるのがこのゲージの役目です。

図の②の「M」は、赤い線そのものではありません。終値が赤い線のすぐ下の帯、つまり下から7本目と8本目の間にあるときに、矢印が「M」の高さに来ます。赤い線を上回ると、矢印は「M」の1つ上へ移ります。

ゲージの段と帯は、きれいに1対1ではない

実際に段を数えてみると、矢印が止まらない段が1つありました。「L」の3つ上の段です。下から2本目と3本目の間に終値があるとき、矢印は順番どおりの段ではなく、その1つ下に出ます。

上側にも同じような癖があり、下から15本目より上は、16本目を超えていても矢印はすべて「H」の段に出ます。大きな読み違いにはなりませんが、端のほうでは「矢印の段数=線の本数」と数えないほうが安全です。

線ではなく「帯」で読むのがコツ

「Cycles Master」を使うときは、線にタッチしたかどうかよりも、線と線にはさまれた帯のどこに価格がいるかを見るほうが理解しやすくなります。線は移動平均線を何倍かしただけのものなので、そこで必ず反発するという根拠はありません。むしろ「平均から何段離れたか」を数える目盛りだと考えたほうが、使い道がはっきりします。

終値がどの線の間にいるかを追う

線そのものより、線と線にはさまれた帯のどこに価格がいるかを見ます。

終値がどの線の間にいるかを追う① 下から3本目と4本目の間で推移 ② 2つ上の帯へ移る ③ 終値が赤い線の上へ 🅷 🅼→ 🅻 下から3本目と4本目の間で推移2つ上の帯へ移る終値が赤い線の上へ

Vowars DE ver.3.12.24

MA lengthを100にして、価格のまわりだけを拡大した例です。上昇の途中で線を1本ずつ越えていき、赤い線を終値で上回ったあと、また下の帯へ戻っています。

図の①では、価格が下から3本目と4本目の間で横ばいを続けています。倍率でいえば移動平均線の0.72倍から0.86倍のあたりで、平均より2〜3割安い水準です。そこから上昇が始まると、図の②のように帯を1段ずつ上がっていきます。図の③では終値が赤い線を上回りました。赤い線は平均の約1.79倍なので、ここまで来ると相当に買われた状態だと分かります。

読み方の手順を、3つに分けて整理します。

1 ゲージの矢印で、いまの段を確かめる

最初に見るのは右端のゲージです。矢印が「M」より上なのか下なのか、「L」に近いのかを確認します。日足では、矢印は「M」の3つ下にありました。終値は下から4本目と5本目の間、平均の0.86倍から1.04倍の帯にいることになります。

2 チャートを引いて、過去に何段まで動いたかを見る

次にチャートを縮小して、過去の天井と底がどの帯だったかを確かめます。日足を見ると、2021年の高値は赤い線よりさらに上の帯まで伸び、2022年後半の安値はいちばん下の線の近くまで沈んでいます。一方で2025年秋の高値は赤い線に届いていません。同じ銘柄でも、上げ相場ごとに届く段が違うのが分かります。

3 帯の移動を、ほかの判断材料と合わせる

最後に、帯が切り替わった場面をほかの材料と照らし合わせます。「Cycles Master」は位置を教えてくれますが、そこから上がるのか下がるのかまでは教えてくれません。下の帯にいるから買う、上の帯にいるから売る、と決め打ちするのは危険です。組み合わせの例は後半で紹介します。

時間足を変えると、ラインはまったく別物になる

使ってみて一番驚いたのがここでした。「Cycles Master」は、表示している時間足のローソク足だけで移動平均線を計算します。そのため時間足を切り替えると、同じ価格でも居場所の帯が変わります。

4時間足に表示した「Cycles Master」。赤いラインが価格のかなり上を通り、終値は下から5本目と6本目の間に位置している。
4時間足に表示した「Cycles Master」。赤いラインが価格のかなり上を通り、終値は下から5本目と6本目の間に位置している。
30分足に表示した「Cycles Master」。画面に入るラインは5〜6本で、ライン同士の間隔が値動きに対して広い。
30分足に表示した「Cycles Master」。画面に入るラインは5〜6本で、ライン同士の間隔が値動きに対して広い。

同じ日、ほぼ同じ価格で撮った3枚を比べると、次のようになりました(2026/9/28 現在)。

時間足赤い線の位置終値がいた帯
日足約150,700下から4本目と5本目の間
4時間足約126,600下から5本目と6本目の間
30分足画面の外(上)下から4本目と5本目の間

30分足では、線と線の間隔が1万ドル以上も開いていて、線を1本またぐのに何日もかかっています。初期値の20%刻みは、短い時間足の値幅に対しては広すぎるのです。公開ページのコメント欄でも、日足で使うよう案内されていました。私も、初期設定のまま使うなら日足が合っていると感じます。短い足で使いたい場合は、あとで触れるStep %を小さくする必要があります。

3つの設定で、線の間隔と滑らかさを決める

設定項目は3つだけです。少ないぶん、1つ変えたときの影響が大きく出ます。

パラメーター設定
設定初期値推奨値効果
Step %20日足のビットコインは20、値幅の小さい銘柄や短い足は5〜10線と線の間隔。大きくすると間隔が広がり、赤い線も上へ離れる。小さくすると線が価格の近くに集まる
MA typeDEMADEMA(長期の位置確認)、反応を早めたいときはEMA基準になる移動平均線の種類。EMA/SMA/WMA/VWMA/RMA/DEMA/TEMA から選ぶ
MA length350日足は350のまま移動平均線の期間。長いほど線がなだらかになり、短いほど値動きを追って曲がる

Step %は「間隔」と同時に「赤い線の高さ」も動かす

Step %は、隣の線との差を何%にするかを決める項目です。初期値は20で、線は1.2倍ずつ積み上がります。ここを10にすると1.1倍ずつになり、線の間隔が詰まります。

Step %を変えると線の間隔と赤い線の高さが変わる

同じ値動きに、Step %だけを変えた2通りを並べました。

Step %を変えると線の間隔と赤い線の高さが変わる① 赤い線は移動平均線の約1.8倍 ② 約0.97倍まで下がり価格に重なる ③ 同じ上昇でまたぐ線が増えるStep % 20(初期値)Step % 10赤い線は移動平均線の約1.8倍約0.97倍まで下がり価格に重なる同じ上昇でまたぐ線が増える

Vowars DE ver.3.12.24

どちらもMA lengthは100、ゲージは省いています。いちばん下の線の位置は変わらず、間隔だけが詰まります。Step %を10にすると赤い線は移動平均線の約0.97倍まで下がり、価格のすぐ近くを通ります。

見落としやすいのは、いちばん下の線の位置は変わらず、上の線だけが下がってくるという点です。いちばん下は常に移動平均線の半分なので、間隔を詰めると16本全体が下へ寄る形です。図の①の赤い線は平均の約1.79倍にありますが、図の②のように10へ下げると約0.97倍まで下がり、移動平均線とほぼ重なります。同じ上昇でも、図の③のようにまたぐ線の数が増えるため、ゲージの矢印も細かく動くようになります。

値ごとの目安を表にしました。赤い線といちばん上の線が、移動平均線の何倍に来るかを示しています。

Step %赤い線(8本目)いちばん上(16本目)
5約0.70倍約1.04倍
10約0.97倍約2.09倍
15約1.33倍約4.07倍
20(初期値)約1.79倍約7.70倍
25約2.38倍約14.2倍
30約3.14倍約25.6倍

この表を見ると、銘柄ごとの合わせ方が見えてきます。ビットコインのように数年で何倍にもなる銘柄なら、20のままでも過去の天井が上のほうの線に届きます。一方、ゴールドや為替のように年間の値幅が小さい銘柄では、20だと価格が同じ帯から出てきません。5にすると16本が平均の半分から約1.04倍までに収まり、ようやく帯の移動が見えるようになります。ただし5では上側の線が平均のすぐ上までしか届かないため、上昇が続く銘柄では価格が線の外へ出てしまいます。銘柄の過去の高値がどの線に届くかを確かめながら、5〜10の間で調整するのが現実的です。

過去の天井に線を合わせるという使い方

公開ページの説明では、線を過去の高値に合わせて調整する使い方が紹介されています。説明文ではこの項目が「Multiplication」と呼ばれていますが、現在の設定画面にその名前はなく、間隔を調整できるのはStep %だけです。過去の天井が同じ線の近くでそろうように値を探すと、その銘柄なりの「上の目安」が作れます。もちろん、次の天井も同じ線で止まる保証はありません。

MA typeの「DEMA」は、EMAよりもゆっくり動く

MA typeでは、基準にする移動平均線の種類を7つから選べます。初期値はDEMAです。

一般にDEMAといえば、EMAの遅れを減らした反応の速い移動平均線を指します。ところが「Cycles Master」のDEMAは性質が逆で、EMAをもう一度EMAでならした線でした。2回ならすぶん、EMAよりも遅れて、そのかわりなめらかに動きます。TEMAも同じ考え方で、こちらは3回ならした線です。

MA typeを変えたときの線の曲がり方

下から5本目の線だけを取り出し、MA typeを3通りに変えて重ねました。

MA typeを変えたときの線の曲がり方① 価格の天井 ② EMAは22本遅れて頭打ち ③ DEMAはさらに遅くまだ下げに転じていない価格の天井EMAは22本遅れて頭打ちDEMAはさらに遅くまだ下げに転じていないEMASMADEMA(初期値)

Vowars DE ver.3.12.24

MA lengthはどれも30です(初期値は350)。「Cycles Master」のDEMAはEMAをもう一度EMAでならした線なので、EMAやSMAよりもゆっくり曲がります。3本とも同じ色で描かれるため、重ねて表示するときは名前で見分けます。

違いが分かりやすいように、下から5本目の線だけを取り出して重ねました。図の①で価格が天井を付けたあと、EMAは図の②のように22本遅れて頭打ちになります。DEMAはさらに遅く、図の③の時点でもまだ下げに転じていません。

最初は「反応が遅いのは欠点では」と感じました。けれど、このインジケーター「Cycles Master」の目的は、価格が長期の平均から何段離れたかを測ることです。基準の線が価格と一緒にすぐ動いてしまうと、離れ具合が測れません。物差しが動かないほうが測りやすい、という理屈で初期値が選ばれているのだと思います。

ほかの種類を選ぶ場面も挙げておきます。EMAやWMAは直近の値動きを重く見るので、線が早めに価格へ寄ってきます。SMAは期間内を均等に平均するため、くせのない基準が欲しいときの選択肢です。VWMAは出来高の多い足を重く見る種類で、出来高の信頼できる銘柄で試す価値があります。RMAはEMAよりさらにゆっくり動く種類です。

MA lengthは350のまま、まず日足で見る

MA lengthは移動平均線の期間で、初期値は350です。日足なら約1年分にあたります。暗号資産は土日も動くので、350本でほぼ1年です。

MA lengthを短くすると線が値動きを追いはじめる

同じ値動きに、MA lengthだけを変えた2通りを並べました。

MA lengthを短くすると線が値動きを追いはじめる① 350ではほぼ一直線 ② 100では上昇を追って持ち上がるMA length 350(初期値)MA length 100350ではほぼ一直線100では上昇を追って持ち上がる

Vowars DE ver.3.12.24

Step %とMA typeは初期値のまま、ゲージは省いています。350では線がほとんど曲がらず、100では上昇を追って持ち上がります。価格がいる帯の番号も、上段は下から2〜4本目のあたり、下段は4〜6本目のあたりと変わります。

図の①のとおり、350では線がほとんど一直線で、画面の中では動かない目盛りのように働きます。図の②の100にすると、線が上昇を追って持ち上がりました。線が価格に付いてくるぶん、同じ値動きでも価格がいる帯の番号が変わります。

短くすれば反応は良くなりますが、「長期の平均からどれだけ離れたか」という本来の見方からは遠ざかります。日足で使うなら、まずは350のまま過去のチャートを眺めてみるのがおすすめです。期間を変えるのは、線が値動きに対して鈍すぎると感じてからで十分でしょう。

表示されるまでに必要な足の本数

SMA、WMA、VWMAを選んだ場合、期間ぶんの足がそろうまで線は出ません。350なら350本目からです。上場して間もない銘柄の日足では、線が途中からしか出ないことがあります。EMAを使う種類は早い段階から線が出ますが、序盤は値が落ち着いていないので、チャートの左端に近い部分は参考程度に見てください。

動き出しのタイミングはRSIに任せる

帯の位置は分かっても、いつ動き出すかは「Cycles Master」だけでは分かりません。そこで、タイミングを計る役としてRSIを組み合わせるのが相性の良い使い方です。位置は「Cycles Master」、勢いの変化はRSIと、役割がきれいに分かれます。

「Cycles Master」の帯とRSIを組み合わせる

どの帯にいるかを「Cycles Master」で確かめ、動き出すタイミングはRSIに任せます。

「Cycles Master」の帯とRSIを組み合わせる① 帯を2つ下げる ② RSIが30を上抜け ③ 3つ上の帯まで戻すRSI(14)帯を2つ下げるRSIが30を上抜け3つ上の帯まで戻す

Vowars DE ver.3.12.24

上段はMA lengthを100にした「Cycles Master」(ゲージは省略)、下段はRSI(14) です。帯を2つ下げたところでRSIが30を上抜け、そのあと終値は3つ上の帯まで戻りました。うまく噛み合った場面の例で、毎回こうなるわけではありません。

図の①で価格は帯を2つ下げ、平均からの距離が広がりました。そのタイミングで、下段のRSIが図の②のように30を下から上へ抜けています。売られすぎからの戻りが始まった合図です。その後、終値は図の③まで帯を3つ上がりました。

見方の順番は、まず「Cycles Master」で下側の帯にいることを確かめ、それからRSIの30上抜けを待つ、という流れです。上側でも考え方は同じで、赤い線に近い帯まで上がったあとにRSIが70を下抜けたら、利益確定を考える材料になります。

ただ、これはうまく噛み合った場面を選んだ例です。強い下落の途中では、RSIが30を上抜けたあとにもう一段下げることも珍しくありません。エントリーの根拠を増やす使い方であって、これだけで売買を決めるものではない点は強調しておきます。

確定した足は動かない。動くのは最後の1本だけ

後から線が描き換わるかどうかは、インジケーターを使ううえで気になる点です。「Cycles Master」は、表示している時間足の終値と移動平均線だけで計算されます。上位足の値や未来の足は使っていません。そのため、確定した足の線が後から変わることはありません。

動くのは、まだ確定していない最後の足です。終値が動けば移動平均線もわずかに動き、16本の線の右端が一緒に上下します。ゲージの矢印も、足が確定するまでは帯をまたぐたびに上下します。足の途中で矢印が1段上がっても、確定時に元の段へ戻ることがある点は覚えておいてください。

過去の動きを確かめたいときは、バーリプレイが使えます。再生位置の足が「最後の足」として扱われるので、ゲージの矢印もその時点の位置を指します。当時どの段にいたのかを1本ずつ追えるのは便利でした。

アラートは自分で条件を作る

「Cycles Master」には、あらかじめ用意されたアラート条件がありません。ただ、TradingViewのアラート作成画面で条件に「Cycles Master」を選べば、価格と線の交差を条件にできます。線には個別の名前が付いていないので、選ぶときは下から何本目かを数えて指定することになります。赤い線なら8番目です。

頼れるところと、気をつけたいところ

頼れるところ

  • 価格が長期の平均から何段離れているかを、帯の位置で確かめられる
  • 設定が3つだけで、何を変えたのかを見失いにくい
  • ゲージがあるので、チャートを縮小しなくても現在の段が分かる
  • 確定した足の線は後から変わらない
  • 対数表示にすると16本がほぼ等間隔に並び、長期チャートと相性が良い

気をつけたいところ

  • 売買のサインは出ない。方向やタイミングは別の材料が必要
  • 時間足を変えると線の位置が変わり、初期値のままでは短い足に合わない
  • 通常の目盛りでは上の線に引っ張られて、ローソク足が小さく表示される
  • 赤い線は移動平均線そのものではなく、Step %を変えると高さも変わる
  • ゲージの段と帯が、端のほうで1対1に対応していない

向いているのは、日足以上でじっくり構えるスイングトレードやポジショントレードです。現物を少しずつ買い増していく人が、「いまは平均より安い帯か、高い帯か」を確かめる用途にも合います。反対に、数分から数十分で完結するスキャルピングでは、初期設定の線はほとんど動かず、判断材料になりにくいでしょう。

弱い場面もはっきりしています。上場から日が浅い銘柄では、長期の平均そのものが定まりません。また、相場の性格が変わって値幅が以前より小さくなると、過去に届いていた上の線まで価格が届かなくなります。日足のスクリーンショットでも、2021年と2025年では天井の届いた段が違いました。「前回はあの線で止まったから今回も」という読み方は避けたほうが無難です。

長い物差しを1本、チャートに置いておく

Cycles Master

「Cycles Master」は、移動平均線の半分から同じ比率で積み上げた16本の線と、現在地を示すゲージだけでできています。仕組みが単純なぶん、何を見ているのかがぶれません。

使い始めるなら、日足に初期設定のまま表示して、対数表示に切り替えるところからがおすすめです。過去の天井と底がどの帯だったかを眺め、赤い線が平均の約1.79倍であることを頭に入れておけば、ゲージの矢印の意味がすっと入ってきます。値幅の小さい銘柄ではStep %を5〜10に下げて、帯の移動が見える間隔を探してください。

相場が過熱しているとき、あるいは下げ続けて不安になるときに、一歩引いて全体の中の位置を確かめる。そのための物差しとして、チャートの隅に置いておくと落ち着いて判断できる場面が増えるはずです。

参照元・データ出典:この記事は、チャートプラットフォーム「TradingView」にて、クリエイター「VanHe1sing」が制作したインジケーターを実際に使用し、徹底分析を行った上で公開しています。

免責事項:本記事は情報提供を目的としたもので、投資助言や特定の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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執筆者YUZURUVowars運営・検証担当
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Web制作会社でオウンドメディアの編集者として働きながら、2018年に暗号資産(仮想通貨)トレードを開始。現物から先物まで実践するうちにチャート分析にのめり込み、現在はTradingViewのオリジナルインジケーターも自作しています。 当サイトでは、TradingViewのインジケーターを自分のチャートで1本ずつ検証し、計算の中身・使い方・弱点までを図解つきでレビューしています。作り手の視点でロジックまで踏み込み、実際に使って確かめた情報だけを掲載。特定銘柄への投資勧誘は行っていません。

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難易度中級

CME Institutional Order Flow & AMT Lens

オークション市場理論を一枚のチャートに。出来高の「吸収」を色で知らせるインジケーター

「CME Institutional Order Flow & AMT Lens」は、出来高プロファイル・足の色分け・棚・ダッシュボードを一体化したTradingViewインジケーターです。売買サインは出さず、POCやバリューエリアなど見るべき価格を自動で示します。

難易度上級

Fibonacci Trend Continuation Signals [AlgoAlpha]

トレンド内の押し目を数値化するフィボナッチ系インジケーター「Fibonacci Trend Continuation Signals」をレビュー!

「Fibonacci Trend Continuation Signals」は、トレンド方向に合わせてフィボナッチ帯を自動で描画し、押し目や戻りから価格が戻り始めた瞬間に継続シグナルを出すTradingViewの無料インジケーターです。押し目の深さを客観的に測れます。

難易度中級

Smart Trader, Episode 06, Isotropic Trend Lines

「Isotropic Trend Lines」レビュー | σで測るトレンド角度と6つの時間軸の多数決を実チャートで検証

Isotropic Trend Linesは、価格を対数にしてボラティリティσで割ることで、表示の縮尺に左右されないトレンド角度を出すチャネル系インジケーターです。向き・強さ・チャネル内の位置を1画面で把握できます。ただし、角度を見るにはShow Angle Labelをオンにする必要があります。

難易度中級

Strong Burst Fader

バンドに触れただけでは足りない。インジケーター「Strong Burst Fader」で行き過ぎの深さを測る。

「Strong Burst Fader」は、移動平均±ATRの帯からヒゲがどれだけ飛び出したかを測り、その深さをダイヤの段数と色で表示する逆張り向けインジケーターです。段数が多く赤いほど行き過ぎを示し、線を増やさずに読み取れます。

難易度中級

Divergence for Many Indicators v4

10指標のダイバージェンスを1本のラベルで読む「Divergence for Many Indicators v4」の使い方

「Divergence for Many Indicators v4」は、RSIやMACDなど10指標のダイバージェンスをまとめて検出し、重なった数をラベルで示すTradingViewインジケーターです。反応は早いものの、同じ谷の区間では最後のシグナルだけが残ります。相場の向きを決めてから使うのが有効です。

難易度中級

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