AI・クオンツオシレーター

Z-Scoreとモメンタムを1本にまとめ、背景色でトレンドの効率を判定するオシレーター

Z-Scoreとモメンタムを1本にまとめ、背景色でトレンドの効率を判定するオシレーター
インジケーター 無料 Quant Regime Oscillator [JOAT]
このインジケーターの製作者 officialjackofalltrades
5段階評価で 3.4 難易度 中級
この評価にした理由 Quant Regime Oscillatorは、平均からの距離と勢いを1本にまとめ、効率レシオで相場の性格を判定する分析・可視化型のオシレーターです。最も評価を押し上げたのは適応性で、銘柄や時間足を変えても値の出方がほとんど変わらず、そのまま見比べられます。一方で可読性は低めで、ダイバージェンスの点が谷から離れた高さに描かれるため、読み違えに注意が要ります。また、初期設定ではBUY/SELLがほぼ出ず、ピボットの比較方法も作者の説明と異なるため、総合点から減点しました。シグナルを待つ使い方とは噛み合いにくく、行き過ぎと局面を測る物差しを求める人に合います。
この難易度にした理由 線そのものは色と±55の基準で読めるので、見た目は取り付きやすいインジケーターです。ですが、読み違えずに使うには、Z-Scoreと効率レシオの意味を知っておく必要があります。ダッシュボードの見出しが今の方向ではなく最後のシグナルの向きを示すことや、ダイバージェンスの点が5本後の高さに描かれることも押さえておきたいところです。さらに、初期設定ではシグナルが出ない理由とOB/OS Recall Barsの役割まで理解しておかないと、設定を変えたときにシグナルの性格まで変わってしまいます。

総合評価 3.4/ 5.0

評価基準について

  • 充足性 3.3 作者が掲げた目的を、実際の表示や挙動がどこまで果たしているか。 合成オシレーターとレジーム判定は機能していますが、看板の一つであるBUY/SELLが初期設定ではほぼ出ず、掲げた範囲の一部に届いていません。
  • 独自性 3.5 既存のインジケーターにない視点・構造・見せ方を持っているか。 Z-Score・正規化モメンタム・効率レシオはいずれも既存の手法ですが、レジームでシグナルを絞るまとめ方には意味があります。
  • 可読性 3.2 チャートに入れたときに、意図した情報を誤解なく読み取れるか。 主線と塗りは読みやすい一方、ダイバージェンスの点が谷から離れた高さに出るうえ、±80の点線も非常に薄く、読み違えが起きやすくなっています。
  • 適応性 4.3 自分の銘柄・時間足・トレードスタイルに合わせ込めるか。 3銘柄12通りで確かめても±55を超える割合がほぼ一定で、初期値のまま比べられます。調整すべき項目も明確です。
  • 信頼性 3.6 表示されたものを、そのまま信じて判断材料にできるか。 終値だけで計算され、確定した足は変わりません。ただし点の描画位置など、開示されていない挙動が一部あります。
この記事の要約
どんなインジケーター?
結論

Quant Regime Oscillatorは、平均からの距離と勢いを1本の線にまとめ、効率レシオで相場の性格を判定するオシレーターです。初期設定ではBUY/SELLがほぼ出ないため、行き過ぎと局面を測る物差しとして使うのが向いています。

もっと詳しく
この記事の要点
  • 30本平均からのZ-Scoreと、ばらつきで割ったモメンタムを平均し、−100〜+100の1本にまとめています
  • モメンタム成分は一方向の値動きで±100に張り付きやすく、ビットコインでは全体の約10〜13%の足で起きていました
  • 背景色はEfficiency Ratioで決まり、0.45以上がトレンド、0.25以下がMean-Revです
  • 実際に表示すると背景の大半はグレーで、トレンド判定は全体の1〜2割ほどでした
  • BUY/SELLは初期設定のまま3銘柄・4時間足の20万本近い足で数えても0件でした
  • シグナルを出したいならOB/OS Recall Barsを30にするのがいちばん効果的です
  • ダイバージェンスの点は谷の5本後に確定し、その時点の値の高さに描かれます
  • 確定した足は描き変わらないため、アラートは「バーの終値ごとに1回」が無難です

「Quant Regime Oscillator」は、行き過ぎと勢いと相場の性格を1枚で見るオシレーター

「Quant Regime Oscillator」は、JackOfAllTradesが公開しているオープンソースのオシレーターです。※TradingView上の名義はofficialjackofalltradesです。

価格が平均からどれだけ離れているかと、勢いがどれだけ強いかを、−100〜+100の1本の線にまとめています。そのうえで、今の相場が一方向に進んでいるのか、行って来いを繰り返しているのかを背景色で見分けます。

見るところは3つです。線の位置で行き過ぎを、白いシグナル線との交差で勢いの切り替わりを、背景色で相場の性格を読みます。ほかに、条件がそろったときだけ出るBUY/SELLのラベル、ダイバージェンスの点、右上のダッシュボードが付いています。

TradingViewでQuant Regime Oscillatorを初期設定で表示したビットコイン4時間足。行き過ぎ・勢い・レジームを1つのペインで確認できる。
TradingViewでQuant Regime Oscillatorを初期設定で表示したビットコイン4時間足。行き過ぎ・勢い・レジームを1つのペインで確認できる。

最初にビットコインの日足・4時間足・15分足へ入れた際、ラベルがひとつも出ないので正直戸惑いました。ダッシュボードの見出しは、どの時間足でも「◆ FLAT」のまま動きません。設定を間違えたのかと思って仕組みを追いかけたところ、不具合ではなく、シグナルの条件がとても厳しく組まれていることが分かりました。この記事では、その理由と、シグナルを出したいときの設定まで、自分で数えた数字をそのまま載せています。

名前にある「Quant」と「Regime」

Quantは、平均から標準偏差の何倍離れたかといった統計の物差しで相場を数値にする考え方を指します。Regimeは相場の局面のことで、このインジケーターでは「トレンド」「平均回帰(Mean-Rev)」「ランダム」の3つに分けています。統計で行き過ぎを測り、局面によって読み方を変えるという設計が、そのまま名前になっています。

まず覚えたい、下のペインに並ぶ要素

「Quant Regime Oscillator」は価格チャートには何も描かず、下に専用のペインを作って表示します。全体を1枚にすると次のようになります。

「Quant Regime Oscillator」の画面構成

下のペインに、青とマゼンタで塗られた1本のオシレーターと白いシグナル線、相場の性格を示す背景色が重なります。

「Quant Regime Oscillator」の画面構成価格チャートの下に、Quant Regime Oscillatorのオシレーター、シグナル線、±55の破線、±80の点線、レジーム背景、ダイバージェンスの点を表示した模式図です。QRO [JOAT]550-550を上抜けると線と塗りが青に変わる白い線はシグナル線(オシレーターのEMA9)青い背景は上昇トレンドのレジーム紫は下降トレンドグレーはMean-Rev破線は±55ダイバージェンスの点

Vowars DE ver.3.12.4

初期設定のまま表示した状態です。線と塗りは0を境に色が変わり、背景は上昇トレンドで青、下降トレンドで紫、行って来いの相場でグレーになります。どれにも当てはまらない足は背景が付きません。

オシレーターの線と塗りは、0を境に青とマゼンタに分かれます。0を上抜けた足で線が青に切り替わる様子は、図の①で確かめられます。塗りはグラデーションで、+100に近いほど青、−100に近いほどマゼンタが濃くなり、0付近は紫がかった中間色です。

白い線はシグナル線です。オシレーターを9本のEMAでならした線で、図の②のように本体の少し後ろをついてきます。2本の交差が、勢いの切り替わりの目安です。

背景は相場の性格を表します。上昇トレンドと判定された足は図の③のように青く、下降トレンドなら紫、行って来いの相場ならグレーでうっすら塗られます。どれにも当てはまらない中間の足には色が付きません。

要素見た目意味
オシレーター0以上は青、0未満はマゼンタの線平均からの離れ具合と勢いを合成した値(−100〜+100)
グラデーションの塗り線と0の間。高いほど青、低いほどマゼンタ線の位置をひと目でつかむための補助
シグナル線白い線オシレーターのEMA(初期値は9本)
±55の破線灰色の破線買われ過ぎ・売られ過ぎの基準。シグナルの条件に使われる
±80の点線ごく薄い点線極端な水準の目安。判定には使われない
背景色青・紫・グレー、または色なしレジームの判定結果
ダイバージェンスの点青(強気)とマゼンタ(弱気)の小さな丸価格とオシレーターの逆行
BUY/SELL青とマゼンタのラベル3つの条件がそろった足にだけ出る
±80の点線はかなり見えにくい

作者の説明では、±80まで伸びた場所が息切れしやすいゾーンとされています。ただ、点線の色はかなり薄く、ダークテーマでは目を凝らさないと見えません。そして、±80はどの判定にも使われていません。買われ過ぎ・売られ過ぎの判定に使われているのは±55の破線のほうです。

1本の線の正体は「平均からの距離」と「勢い」の平均

オシレーターの値は、2つの成分から作られています。順に見ていきます。どちらも画面には出てこない内部の値なので、図解では点線にして重ねました。

1本の線は「Z-Score」と「モメンタム」の平均でできている

点線の2本は画面には出ない内部の成分です。表示されるオシレーターは、この2本を足して2で割り、軽く平滑化した線です。

1本の線は「Z-Score」と「モメンタム」の平均でできているQuant Regime OscillatorのZ-Score成分とモメンタム成分を点線で重ね、合成されたオシレーターとの関係を示した模式図です。QRO [JOAT]550Z-Score成分30本平均からの離れ具合モメンタム成分は−100に張り付く表示される線は2本の平均

Vowars DE ver.3.12.4

どちらの成分も±3σを±100に置き換えて上下を切っています。下落の後半では、モメンタム成分が−100に張り付いたまま、Z-Score成分だけが−40台に戻っています。表示される線が−70前後で横ばいになるのは、この組み合わせのためです。

Z-Score成分は、30本平均から標準偏差いくつ分離れたか

1つ目はZ-Scoreです。終値が直近30本の単純移動平均から、標準偏差の何倍離れているかを測ります。+2なら平均より2σ上、−1なら1σ下と読みます。この値を±3σで打ち切ってから±100に換算したものが成分になるので、+3σを超えた分はすべて+100として扱われます。この成分を黄色い点線で描いたのが図の①です。急騰の直後に跳ね上がり、上昇が落ち着くにつれてゆっくり下がっています。

モメンタム成分は、変化率を「そのばらつき」で割った値

2つ目は勢いです。14本前と比べた変化率(ROC)を、そのROC自体の直近14本の標準偏差で割り、同じく±3で打ち切って±100に換算します。価格の水準や値動きの荒さが違う銘柄でも、同じ物差しで比べられるようにするための工夫です。

ただ、使ってみるとこの成分には独特の癖がありました。値動きが一方向にそろうと、ROCのばらつきが小さくなります。割り算の分母が縮むのです。すると値が一気に上限へ届いて、+100や−100に張り付きます。下落の後半を見ると、図の②のあたりでモメンタム成分が−100のまま横ばいです。手元で数えたところ、ビットコインの15分足から日足では全体の約10〜13%の足でこの張り付きが起きていました。Z-Score成分が上限に届くのは約2%なので、線が端に寄っているときは、たいてい勢いの側が押し上げています。

2つを平均し、軽くならして±100に収める

2つの成分は、初期設定では同じ重みで平均されます。それを2本のEMAで軽くならし、±100の範囲に収めたものが画面の線です。右端の区間では、張り付いたモメンタム成分(−100)と、戻り始めたZ-Score成分(−40台)が平均され、線は図の③のとおり−70前後にとどまっています。価格が下げ止まっても線がなかなか上がってこないのは、この組み合わせのせいです。

±55はどれくらいの行き過ぎか

2つの成分が同じだけ振れているなら、±55はZ-Scoreでおよそ±1.65σに当たります。正規分布なら片側5%ほどしか起きない水準です。ところが実際にビットコインで数えると、線が+55以上にいた時間は15〜21%、−55以下は14〜15%ありました。モメンタムの張り付きが加わるぶん、見た目の数字よりずっと頻繁に届くと考えておくと、±55を超えたこと自体に過剰な意味を持たせずに済みます。

背景色は、相場が「まっすぐ進んでいるか」の判定

背景色を決めているのは、カウフマンの効率レシオ(Efficiency Ratio、以下ER)です。適応型移動平均のKAMAにも使われている指標で、直近20本の正味の値幅を、1本ごとの値幅を全部足した道のりで割って求めます。

背景色は「20本でどれだけまっすぐ進んだか」で決まる

Efficiency Ratioは、直近20本で進んだ正味の値幅を、1本ごとの値動きを全部足した道のりで割った値です。

背景色は「20本でどれだけまっすぐ進んだか」で決まるQuant Regime Oscillatorのレジーム判定に使われるEfficiency Ratioを、直線的な上昇区間と高値圏のもみ合い区間で比較した模式図です。QRO [JOAT]550-55正味の値幅÷道のり=0.57→ Trending ▲(青)行って来いの20本は0.15→ Mean-Rev(グレー)0.25〜0.45はRandom(背景なし)

Vowars DE ver.3.12.4

まっすぐ上がった20本は0.57で上昇トレンド(青)、高値圏で上下した20本は0.15でMean-Rev(グレー)と判定されています。0.25〜0.45の中間はRandom扱いで、背景は付きません。上昇か下降かは、終値が30本の単純移動平均より上か下かで決まります。

20本かけてまっすぐ上がれば、正味の値幅と道のりがほぼ同じになり、ERは1に近づきます。上下に振れながら元の位置に戻れば、道のりばかり長くて正味はほぼゼロなので、ERは0に近づきます。数字にすると違いがはっきりします。図の①の上昇区間は0.57でTrending、図の②の高値圏のもみ合いは0.15でMean-Revと判定されています。

初期設定の区切りは、0.45以上がTrending、0.25以下がMean-Rev、その間がRandomです。Randomの足には、図の③のように背景が付きません。

上昇か下降かは、ERからは分かりません。「Quant Regime Oscillator」は、終値が30本の単純移動平均より上なら上昇、下なら下降と判断して、背景を青と紫に塗り分けています。この移動平均はZ-Scoreの基準と同じ線です。

実際に表示すると、背景はほとんどグレー

使い始めてすぐ気づいたのは、青や紫の背景がかなり珍しいことです。ビットコインの各時間足で、背景の内訳を数えてみました。

時間足調べた本数Trending(青・紫)Mean-Rev(グレー)Random(色なし)
15分足約30,000本9.1%64.4%26.5%
1時間足約20,000本11.8%60.2%28.0%
4時間足約12,000本14.6%57.7%27.7%
日足約3,300本16.4%55.4%28.2%

期間は、15分足が2025年11月から、1時間足が2024年6月から、4時間足が2021年4月から、日足が2017年8月からで、いずれも2026年9月26日までです。短い時間足ほどMean-Revが増えるのは、細かいノイズで道のりが伸びやすいからでしょう。

Quant Regime Oscillatorを15分足に表示すると、レジームの背景は大半がグレー(Mean-Rev)になる。
Quant Regime Oscillatorを15分足に表示すると、レジームの背景は大半がグレー(Mean-Rev)になる。

背景を「トレンドの合図」として待っていると、ほとんど出ないので肩透かしを食います。私も最初はそうでした。私は逆に、青や紫が付いたら今は珍しく一方向に進んでいると受け取るようにしています。

作者が勧めているレジーム別の使い分け

作者は、レジームを作戦を切り替える目安として使うよう勧めています。

  • Trendingのときは、押し目・戻りからの順張りを優先する
  • Mean-Revのときは、±55の外まで伸びたところでの逆張りを考える
  • Randomのときは、見送るか、ポジションを小さくする
「Mean-Rev」は平均回帰の予告ではない

名前はMean-Revですが、中身は直近20本の効率が低かったという事実だけです。この先、価格が平均に戻ることを示しているわけではありません。レンジを抜けて走り出す直前の足も、判定上はMean-Revになります。逆張りの根拠にするなら、価格チャート側の高値・安値も合わせて確かめてください。

ダッシュボードで読み違えやすい3つの行

ダッシュボードは2列9行の小さな表で、初期設定ではチャートの右上に出ます。

ダッシュボードの9行は何を示しているか

チャート右上に出る小さな表です。9行のうち、読み方を間違えやすいのは見出しの右側と、下の2行です。

ダッシュボードの9行は何を示しているかQuant Regime Oscillatorのダッシュボード(Composite、Z-Score、Momentum、Regime、Regime Str、State、Divergence、Signal)を再現し、各行の意味を示した図です。QUANT REGIME◆ FLATComposite53.6Z-Score1.44σMomentum55.4RegimeMean-RevRegime Str17%StateNeutralDivergence—Signalwaiting最後に出たシグナルの向きLONG/SHORT/FLATEfficiency Ratioを%表示(トレンドの効率)条件がそろった足だけ表示ふだんは「—」「waiting」

表の数値は例示です。

Vowars DE ver.3.12.4

数値は、日足チャートに表示したときの一例です。見出しの右側は今の方向ではなく「最後に出たシグナルの向き」で、一度もBUY・SELLが出ていなければFLATのままです。

大半の行は見たとおりです。気をつけたいのは図の①の見出しの右側で、ここは意味を取り違えやすい項目です。ここは今の相場の向きではなく、最後に出たBUY/SELLの向きを示しています。一度BUYが出れば、SELLが出るまで「◆ LONG」のままで、FLATには戻りません。「◆ FLAT」は、読み込まれている範囲で一度もシグナルが出ていないという意味です。

もう1つ紛らわしいのがRegime Strです。名前から判定の確からしさを想像しがちですが、図の②の値はERを100倍したものです。Mean-Revの行の横に17%と出ていたら、それは「トレンドの効率が17%しかない」という意味で、平均回帰の強さを表しているわけではありません。

下の2行、図の③のDivergenceとSignalは、該当する足でしか値が入りません。ダイバージェンスは確定した足の1本だけ、BUY/SELLも出たその足だけ表示されるので、ほとんどの時間は「—」と「waiting」です。

行表示の例中身
Composite53.6オシレーターの現在値。セルの青・マゼンタの濃さも値に合わせて変わる
Z-Score1.44σ30本平均からの距離。±3σで打ち切る前の値
Momentum55.4モメンタム成分(±100に換算した後)
RegimeMean-RevTrending ▲、Trending ▼、Mean-Rev、Randomのいずれか
Regime Str17%ERを100倍した値
StateNeutral±55を基準にOverbought、Oversold、Neutral
Divergence—その足で確定したダイバージェンス
Signalwaitingその足のBUY/SELL

Z-Scoreの行は、小数点の前の0を省いた書式です。0.47σは「.47σ」、−0.77σは「-.77σ」と表示されます。初めて見たときは桁が欠けたのかと思いましたが、そういう表記です。

BUY/SELLはなぜ出ないのか。条件を1つずつ確かめた

冒頭で触れたとおり、初期設定の「Quant Regime Oscillator」では、ラベルはまず出ません。BUYが出るのは、次の3つが同じ足でそろったときだけです。SELLはこれを上下反対にした条件です。

1オシレーターがシグナル線を上抜ける

オシレーターと白い線のゴールデンクロスです。ビットコインの4時間足では、上抜け・下抜けを合わせて100本あたり約15回起きていて、これ単体ならかなり頻繁です。

2直近6本以内に−55以下へ入っていた

その足を含む6本の中に、一度でも−55以下の足があれば満たします。この本数を決めているのがOB/OS Recall Barsです。

3上昇トレンドのレジームにいる

ERが0.45以上で、終値が30本平均より上にある状態です。背景が青い足がこれに当たります。

3つとも、単独ならよく起きる条件です。問題は組み合わせにあります。理由は単純です。−55以下に入るのは、価格が30本平均から大きく下に離れたときです。そこから6本以内に平均の上まで戻り、しかも20本の効率が0.45を超えるには、急落を大きく上回る勢いの急反発が必要になります。

初期設定では、売られ過ぎの記憶がトレンド判定まで持たない

−55を下回った後に上昇トレンドの判定が付き、その中でシグナル線を上抜けています。それでも、初期設定ではBUYは出ません。

初期設定では、売られ過ぎの記憶がトレンド判定まで持たない初期設定のQuant Regime Oscillatorで、売られ過ぎ、上昇トレンド判定、シグナル線の上抜けが時間的にずれ、BUYが出ない様子を示した模式図です。QRO [JOAT]550-55−55以下の売られ過ぎ(最後は右端の足)覚えているのは6本だけ上昇トレンド中の上抜けでも記憶が切れていて出ない青い背景=上昇トレンド判定

Vowars DE ver.3.12.4

BUYには「シグナル線の上抜け」「直近6本以内に−55以下」「上昇トレンドのレジーム」の3つが同じ足でそろう必要があります。この例では上抜けの20本前に売られ過ぎが終わっていて、6本の記憶はとうに切れています。

この例では、図の①で−55を下回った後、価格は反発して上昇トレンドの判定まで付いています。図の③では青い背景の中でシグナル線を上抜けていて、見た目は理想的な押し目買いの形です。それでもBUYは出ません。売られ過ぎの記憶は図の②のとおり6本で切れていて、上抜けの時点では20本も前の出来事になっているからです。

3銘柄・4つの時間足で数えても、シグナルは0件

本当にそこまで出ないのか。実際のデータで数えました。ビットコイン、イーサリアム、金価格に連動するトークンのPAXGで、15分足から日足までを初期設定のまま計算した結果です。期間は前の表と同じく、2026年9月26日までです。

銘柄15分足(約3万本)1時間足(約2万本)4時間足(約1.2万本)日足
ビットコイン0/00/00/00/0(3,328本)
イーサリアム0/00/00/00/0(3,328本)
PAXG(金連動)0/00/00/00/0(2,221本)

数字はBUY/SELLの件数です。合わせて20万本近い足で、一度も出ませんでした。途中の条件で見ると、ビットコイン4時間足で「上抜け」と「直近6本以内に−55以下」が重なった足は293本ありましたが、そのうち上昇トレンドの判定も付いていた足は0本です。

なお、この集計の計算が正しいことは確認済みです。TradingViewに表示した日足・4時間足・15分足の3画面で、ダッシュボードのComposite、Z-Score、Momentum、Regime Strとシグナル線の値が、小数点まで一致しました。

シグナルを見たいなら、OB/OS Recall Barsを伸ばす

条件を緩める方法はいくつか試しましたが、いちばんはっきり変わったのはOB/OS Recall Barsでした。売られ過ぎ・買われ過ぎの記憶を長く残すと、図解の場面がそのままシグナルになります。

OB/OS Recall Bars を30にすると、同じ上抜けでBUYが出る

値動きは前の図とまったく同じです。変えたのは OB/OS Recall Bars の1項目だけです。

OB/OS Recall Bars を30にすると、同じ上抜けでBUYが出るOB/OS Recall Barsを30に変更したQuant Regime Oscillatorで、同じ値動きの上抜けにBUYラベルが表示される様子を示した模式図です。QRO [JOAT]550-55BUY記憶が30本まで残る同じ上抜けにBUYが付く

Vowars DE ver.3.12.4

売られ過ぎの記憶が30本まで残るため、20本後の上抜けでも条件を満たします。BUYは足の確定後に固定され、ダッシュボードの見出しも「◆ LONG」に変わります。

値動きは前の図とまったく同じで、変えたのは図の①の記憶の長さだけです。30本前まで覚えていれば、20本後の上抜けでも条件を満たし、図の②のとおりBUYが付きます。ビットコインで件数を比べると、次のようになりました。

設定(BUY/SELLの件数)15分足1時間足4時間足日足
初期設定0/00/00/00/0
OB/OS Recall Bars 205/31/56/30/0
OB/OS Recall Bars 3015/1813/1721/112/0
Recall 30とTrending Threshold 0.3539/3233/3431/206/2
Overbought・Oversoldを±35に変更0/00/00/00/0

OB/OS Recall Barsを上限の30にしても、4時間足で5年半に30回ほど、だいたい2か月に1回のペースです。Trending Thresholdを0.35まで下げると、ようやく件数が目に見えて増えます。反対に、Overbought LevelとOversold Levelを±35まで寄せても、件数は0のままでした。詰まっているのは、記憶の長さとトレンド判定のタイミングのほうです。

件数が増えても、成績が良くなるとは限らない

ここで数えたのはラベルが出た回数だけで、その後の値動きの良し悪しは評価していません。記憶を30本まで伸ばすと、かなり前の押し目から立ち直った後の2度目の上抜けまで拾うようになります。作者が狙った「売られ過ぎからの反転」とは、シグナルの性格が変わると考えてください。件数も少なく、勝ち負けを統計的に語れる量ではありません。

ダイバージェンスの点は、谷から離れた「5本後の高さ」に出る

ダイバージェンスは、オシレーターの谷(山)を左右5本ずつで確かめ、1つ前の谷と比べて価格と逆に動いていれば点を打つ仕組みです。強気は青、弱気はマゼンタです。ここにも、使ってみて初めて分かった癖がありました。

ダイバージェンスの点は、谷ではなく「5本後の値の高さ」に描かれる

価格は安値を切り下げ、オシレーターの谷は切り上がっています。強気のダイバージェンスですが、青い点は谷から離れた場所に出ています。

ダイバージェンスの点は、谷ではなく「5本後の値の高さ」に描かれるQuant Regime Oscillatorの強気ダイバージェンスで、点がオシレーターの谷ではなく5本後の値の高さに描かれる仕組みを示した模式図です。QRO [JOAT]550-55価格は前の谷より安値を切り下げたオシレーターの谷は切り上がっている点は5本後の値の高さ確定まで5本

Vowars DE ver.3.12.4

谷は左右5本ずつを見て確定するため、点が出るのは谷の5本後です。点の横位置は谷の足までさかのぼりますが、縦位置はその確定した時点のオシレーターの値になります。上昇が速いほど、点は谷から高く浮きます。

価格は図の①で安値を切り下げ、オシレーターの谷は図の②で切り上がっています。典型的な強気のダイバージェンスです。ところが青い点は、図の③のように谷よりかなり上に浮いています。これには少し驚きました。

谷が確定するのは、その右に5本が並んでからです。点の横位置は谷の足までさかのぼって描かれますが、縦位置には確定した時点のオシレーターの値が使われます。谷の後に急反発すると、点は谷からどんどん離れていきます。

Quant Regime Oscillatorのダイバージェンスの点は谷の5本後に確定し、その時点の値の高さに描かれる。
Quant Regime Oscillatorのダイバージェンスの点は谷の5本後に確定し、その時点の値の高さに描かれる。

実際のビットコイン日足でも確かめました。2026年6月30日の谷はオシレーターが−59.6でしたが、青い点は+6.2の高さに出ています。点だけを見て「0付近でダイバージェンスが出た」と読むと、事実と違ってしまいます。点は「この足のあたりに谷があった」という印として受け取り、谷の深さは線のほうで確かめるのが安全です。

比べているのは「オシレーターが谷を付けた足の安値」

もう1つ細かい点があります。作者の説明では、オシレーターの谷・山を価格の谷・山と比べるとされています。実際に比べているのは、オシレーターが谷を付けた足の安値(山なら高値)です。価格そのものの谷を別に探しているわけではありません。ずれは小さいことが多いです。ただ、価格の最安値とオシレーターの谷が数本ずれている場面では、チャートの安値どうしを結んだ印象と判定が食い違うことがあります。

また、比べる相手は直前の谷(山)1つだけで、0より上か下かも問いません。0より上で強気のダイバージェンスが出ることもあります。確定した足で点が動くことはありませんが、形成中の足では、その足の値動きしだいで点が一時的に出たり消えたりします。

パラメーターと、目的別の設定

設定画面は5つのグループに分かれています。項目は全部で23個です。項目名は英語のまま表示されるので、ここでもそのままの名前で説明します。

01 · Engine(オシレーター本体)

設定初期値推奨値効果
Z-Score Length3030Z-Scoreの基準にする単純移動平均と標準偏差の期間。長くすると長めの平均からの距離になり、線の振れが穏やかになる。レジームの上昇・下降の判定もこの平均を使う
Momentum (ROC) Length1414何本前と比べて勢いを測るか。ばらつきの計算にも同じ本数が使われる
Weight · Z-Score1.01.0Z-Score成分の重み。0にするとモメンタムだけの線になる
Weight · Momentum1.01.0(張り付きが気になるなら0.5)モメンタム成分の重み。下げると±100への張り付きが線に与える影響が薄れる
Oscillator Smoothing22〜4線をならすEMAの期間。4にするとシグナル線との交差が約25%減る
Signal Line Length99シグナル線のEMAの期間。長くすると交差は減るが、反応は遅れる

このグループで私が触るのはOscillator Smoothingくらいです。4時間足で2から4に上げると、シグナル線との交差は100本あたり15.0回から11.2回に減りました。線のギザギザが減るので、交差を目安にしたい人には見やすくなります。Signal Line Lengthを14にしても交差は12.8回まで減りますが、こちらはシグナル線の遅れが大きくなります。

02 · Regime(レジームの判定)

設定初期値推奨値効果
Efficiency Ratio Length2020ERを測る期間。長くするとTrendingが減り、短くすると増える
Trending Threshold0.450.45(シグナル重視なら0.35)これ以上のERでTrending。下げると青・紫の背景が増え、シグナルも出やすくなる
Mean-Revert Threshold0.250.25これ以下のERでMean-Rev。Trending Thresholdより小さい値にしておく

Efficiency Ratio Lengthの影響はかなり大きいです。ビットコイン4時間足でTrendingの割合を比べると、初期値の20本で14.6%でした。40本にすると4.9%まで減り、10本にすると29.8%に増えます。背景をもっと頻繁に見たい人は短く、本当に強いトレンドだけに色を付けたい人は長く、という方向で調整できます。

03 · Signals(シグナルとダイバージェンス)

設定初期値推奨値効果
Overbought Level5555買われ過ぎの基準。SELLの条件とダッシュボードのStateに使われる
Oversold Level-55-55売られ過ぎの基準。BUYの条件とダッシュボードのStateに使われる
OB/OS Recall Bars66(シグナルを見たいなら30)基準を超えた記憶を何本残すか。シグナルの件数をいちばん大きく左右する
Min Bars Between Signals1010BUY/SELLの最小間隔。BUYとSELLで共通なので、BUYの直後はSELLも出ない
Show Divergencesオンオンダイバージェンスの点の表示
Divergence Pivot Len55谷・山を確かめる左右の本数。点が出るまでの遅れもこの本数になる

Divergence Pivot Lenは、ビットコイン4時間足で3にすると点が約4割増え、8にすると約2割減りました。小さくすると早く出るぶん、細かい谷まで拾います。大きくすると点は絞られますが、確定までの遅れも同じだけ長くなります。

04 · Visuals と 05 · Dashboard(表示)

設定初期値推奨値効果
Gradient Fillオンオン線と0の間のグラデーション
Oscillator Lineオンオンオシレーターの線。オフにしても塗りは残る
Signal Lineオンオン白いシグナル線
Regime Backgroundオンオンレジームの背景色
Signal MarkersオンオンBUY/SELLのラベル。オフにしてもアラートの条件は変わらない
Show Dashboardオンオンダッシュボードの表示
PositionTop Right好みでダッシュボードの位置(8か所から選ぶ)
SizeSmallSmallダッシュボードの文字の大きさ(Auto、Large、Normal、Small、Tiny)

目的別の設定例

目的変える項目理由
オシレーターとして読む初期設定のまま銘柄や時間足を変えても±55を超える割合がほぼ変わらず、そのまま比べられる
BUY/SELLも見たいOB/OS Recall Barsを30、必要ならTrending Thresholdを0.35検証で件数が出た組み合わせ。それでも数週間から数か月に1回の頻度
線を落ち着かせたいOscillator Smoothingを3〜4交差の回数が減り、線のギザギザがおさまる
トレンドの背景を増やしたいEfficiency Ratio Lengthを10〜15判定の期間が短いほどTrendingになりやすい
ダイバージェンスを絞りたいDivergence Pivot Lenを8点の数は減るが、表示は8本遅れる
銘柄が変わっても物差しは同じだった

ビットコイン、イーサリアム、PAXGの15分足から日足まで、12通りで確かめました。線が+55以上にいた時間は15〜24%、−55以下は12〜16%に収まっています。初期設定のまま、別の銘柄や時間足と見比べられるのは、このインジケーターのはっきりした長所です。

私の使い方は、方向を別で決めてQROで押しの深さを測る

シグナルが出にくい以上、「Quant Regime Oscillator」をラベル待ちで使うのはもったいないと感じました。そこで試しているのが、方向の判断は長期の移動平均に任せ、QROでは押し目・戻りの深さとタイミングだけを見る使い方です。組み合わせる相手には、多くのトレーダーが見ている200EMAを選びました。

200EMAで向きを決め、QROで押し目の深さを測る

価格は200EMAの上にあり、長い目で見れば上昇基調です。その中でQROが−55を下回り、シグナル線を上抜けた足を押し目買いの候補として見ます。

200EMAで向きを決め、QROで押し目の深さを測る200EMAの上で推移する価格に対し、Quant Regime Oscillatorが−55を下回ってからシグナル線を上抜けた足を押し目買いの候補として示した模式図です。QRO [JOAT]550-55価格は200EMAの上→ 買い目線だけで見る−55以下まで押したシグナル線を上抜けた足が押し目買いの候補候補の足
  • EMA 200

Vowars DE ver.3.12.4

「Quant Regime Oscillator」単体では、この場面にBUYは出ません。上昇トレンドの判定(Efficiency Ratio 0.45以上)が押し目の直後には付きにくいためです。方向の判断を200EMAに任せると、オシレーターの売られ過ぎを押し目の目安として使えます。候補の印は図解の説明で、インジケーターが表示するものではありません。

1200EMAで向きを決める

価格が図の①のように200EMAより上なら買いだけ、下なら売りだけを考えます。ここで方向を決めてしまうので、QROのレジーム判定には頼りません。

2QROが−55以下まで押すのを待つ

上昇基調の中で図の②のように−55を割るのは、30本平均から大きく下に離れた、深めの押しです。浅い押しは見送ります。

3シグナル線の上抜けで候補にする

オシレーターが図の③でシグナル線を上抜けたら、押し目買いの候補です。損切りは押しの安値の少し下など、価格チャートの側で決めます。

ねらいは1つです。この使い方で置き換えているのは、「Quant Regime Oscillator」のトレンド判定の部分です。ERは直近20本の効率を見るので、深い押しの直後はどうしても低くなります。押し目買いの場面ほど上昇トレンドの判定が外れやすいのは、仕組みから見て避けられません。方向を長い期間の移動平均に任せると、この食い違いを回避できます。

図の「候補の足」はインジケーターが出す印ではない

図に付けた「候補の足」は説明のための印で、この場面で「Quant Regime Oscillator」はBUYを表示しません。通知がほしいなら、オシレーターがシグナル線を上抜けたときのアラートを設定し、200EMAとの位置関係は通知を受けてからチャートで確かめる、という分担が現実的です。

時間足は、私は1時間足と4時間足で見ることが多いです。15分足でも使えます。線の動き方は変わりませんが、Mean-Revの割合が6割を超えるので、背景から得られる情報がほとんど増えません。ゴールドのように上げと調整がはっきり分かれやすい銘柄でも、PAXGで数えた数字の出方はビットコインとほぼ同じでした。

ここが頼れる、ここは気をつけたい

ここが頼れる

  • 行き過ぎと勢いを1本で見られ、ペイン1つで済む
  • 銘柄や時間足を変えても値の出方がほぼ同じで、見比べやすい
  • ERの背景で、トレンドの効率を色と数字で確認できる
  • 確定した足の表示は後から変わらない
  • ダッシュボードでZ-ScoreとMomentumの内訳まで確かめられる

ここは気をつけたい

  • 初期設定ではBUY/SELLがまず出ず、ダッシュボードもFLATのまま
  • 背景の大半がグレーで、トレンドの判定は少ない
  • ダイバージェンスの点が谷から離れた高さに描かれ、読み違えやすい
  • モメンタム成分が±100に張り付きやすく、トレンド中は線が端に寄りがち
  • ±80の点線はとても薄く、判定にも使われていない

リアルタイムで使う前に知っておきたいこと

確定した足は描き変わらない。形成中の足は動く

オシレーター、シグナル線、背景色は、その足の終値までの値だけで計算されています。上位足の参照や、先の値を使う計算はありません。確定した足の表示が後から変わることはありません。

形成中の足は別です。終値が動くたびに値も動きます。BUY/SELLのラベルが足の途中で出て、確定までに消えることもあり得ます。作者も、シグナルは足の確定で固まると説明しています。

アラートは「バーの終値ごとに1回」で

アラートの条件には、QRO — Long、QRO — Short、QRO — Any Signalの3つが用意されています。形成中の足での出入りを拾わないよう、トリガーの頻度はバーの終値ごとに1回にしておくのが無難です。TradingViewのヘルプによれば、アラートを作った後でインジケーターの設定を変えても、アラートは作成時の設定のまま動きます。OB/OS Recall Barsなどを変えたら、アラートも作り直してください。

もう1つ大事なことがあります。初期設定のままだと、前の章で見たとおり条件がまず満たされません。アラートを仕掛けて待っていても鳴らない、という状態になりやすい点は覚えておいてください。

「◆ FLAT」は、読み込まれた範囲での話

ダッシュボードの見出しや過去のBUY/SELLは、チャートに読み込まれている足の範囲で計算されます。読み込める本数はプランによって違い、無料のBasicプランでは5,000本とされています(2026/9/26 現在)。チャートに残るBUY/SELLのラベルは直近の60個までで、それより古いものは自動で消えます。

出方を確かめるならバーリプレイ

ダイバージェンスの点が5本遅れて現れる様子や、シグナルが出る瞬間は、スクロールで過去を眺めているだけでは分かりません。バーリプレイで1本ずつ進めると、リアルタイムに近い順番で確認できます。無料プランでリプレイできるのは日足以上で、日中足のリプレイや遡れる期間は有料プランの種類で変わります(2026/9/26 現在)。

売買サインより、相場の温度計として置いておきたい1本

Quant Regime Oscillator [JOAT]

「Quant Regime Oscillator」の中心にあるのは、平均からの距離と勢いを合わせた1本の線と、ERによる相場の性格の判定です。どちらも銘柄や時間足を変えても同じ物差しで読めるように作られていて、12通りの組み合わせで試しても、値の出方はほとんど変わりませんでした。この安定感は、ほかの銘柄と見比べたい人にとって大きな魅力です。

一方で、看板の1つであるBUY/SELLは、初期設定のままではまず出ません。シグナルを期待して入れると、ダッシュボードがFLATのまま動かないことに戸惑うはずです。私がそうでした。見たいならOB/OS Recall Barsを伸ばし、出る回数とシグナルの性格が変わることを承知のうえで使うのがよいと思います。ここは好みが分かれるでしょう。

私自身は、ラベルは補助と割り切り、200EMAなどで決めた方向に対して「どこまで押したか」「勢いが戻ったか」を測るオシレーターとして置いています。ダイバージェンスの点が谷からずれた高さに出ることだけは、最初に頭に入れておいてください。そこさえ押さえれば、行き過ぎと勢いと相場の性格を1つのペインで確かめられる、使い勝手のいいオシレーターです。

参照元・データ出典:この記事は、チャートプラットフォーム「TradingView」にて、クリエイター「officialjackofalltrades」が制作したインジケーターを実際に使用し、徹底分析を行った上で公開しています。

免責事項:本記事は情報提供を目的としたもので、投資助言や特定の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

FOLLOW VOWARS
最新のインジケーターを見逃さない
Google検索で見つけやすくするか、公開時に通知を受け取れます。
YUZURU
執筆者YUZURUトレーダー / インジケーター開発者 / Webクリエイター
プロフィールを見る閉じる

Web制作会社でオウンドメディアの編集者として働きながら、2018年に暗号資産(仮想通貨)トレードを開始。現物から先物まで実践するうちにチャート分析にのめり込み、現在はTradingViewのオリジナルインジケーターも自作しています。 当サイトでは、TradingViewのインジケーターを自分のチャートで1本ずつ検証し、計算の中身・使い方・弱点までを図解つきでレビューしています。作り手の視点でロジックまで踏み込み、実際に使って確かめた情報だけを掲載。特定銘柄への投資勧誘は行っていません。

このインジケーターの製作者