「Elliott Wave Structure」は波を数えるための下書きツール
エリオット波動を自分で数えたことがある人なら、どこを波1の始まりにするかで手が止まった経験があると思います。高値と安値を拾って線を引き、番号を振り、しっくりこなくて消してまた引き直す。この作業がなかなか大変です。
TradingViewで公開されている「Elliott Wave Structure」は、この下準備を自動でやってくれるインジケーターです。確定した高値と安値(スイングハイ・スイングロー)を直近から8つ拾い、ジグザグの線でつないで、古い順に「1・2・3・4・5・A・B・C」のラベルを付けます。設定はPivot Lengthひとつと表示のオン・オフだけなので、入れてすぐにチャートの見た目が整います。
ただ、実際に使ってみて分かったのは、「Elliott Wave Structure」の番号はエリオット波動のルールで判定したものではなく、転換点の並び順で振られたものだということです。ここを知らずに「1〜5が出たから推進5波が完成した」と読むと、判断を誤ります。逆に、この性質を分かった上で「数え直すための下書き」として使うと、手で線を引く時間はかなり減らせる、というのが私の実感です。

この記事では、「Elliott Wave Structure」がチャートに何を描くのか、番号がどう決まり、いつ変わるのかを図解で確かめていきます。その上で、エリオット波動として使えるカウントかどうかを自分で見極める手順と、相性のよい組み合わせまでまとめました。
チャートに出るのは「8つの点」と「7本の線」だけ
「Elliott Wave Structure」の表示はとてもシンプルです。青い丸が転換点、それを結ぶ青い線が波の形、青いラベルが番号です。サブウィンドウは使わず、ローソク足の上にそのまま重なります。
直近8つの転換点に「1〜5」「A〜C」が振られる
青い線が転換点を結んだ波の形、青いラベルが波の番号です。
Vowars DE ver.3.12.32
図の①のとおり、いちばん古い転換点に「1」が付き、そこから新しい順に2、3、4、5、A、B、Cと続きます。図の②の8つ目が「C」で、表示される転換点は常にこの8つだけです。それより古い高値・安値は、チャートを左にスクロールしても線やラベルは出てきません。
もうひとつ見ておきたいのが図の③の右端です。Cのあとにも値動きは続いていますが、線は引かれていません。次の高値か安値が転換点として確定するまで、線はCで止まったままです。
高値のラベルは上、安値のラベルは下に付く
ラベルの位置にも決まりがあります。高値の転換点ではラベルが丸の上に、安値の転換点では丸の下に付きます。番号だけでなく「その点が高値か安値か」もラベルの位置で読み取れます。慣れてくると、チャートをひと目見ただけで並びがつかめるようになりました。
線とラベルの色は青で固定です。インジケーターの設定項目に色の指定がないため、青系のテーマで使うと線が背景に馴染んでしまうことがあります。私はローソク足をゴールドと薄紫の配色にして使っていて、その組み合わせでは見づらさは感じませんでした。
「1」の点は波1の終わりにあたる
見落としやすいのが、「1」が付いた点の意味です。エリオット波動の数え方では、ラベルは波の終点に付けるのが一般的です。つまり「1」の点は波1が終わった場所で、そこへ至る波1の値動きそのものには線が引かれていません。8つの点を結ぶ線は7本なので、描かれているのは波2から波Cまでの7つの区間です。
波1の始まり(いわゆる0の点)がどこかは、自分で左側のチャートを見て決めることになります。ここは「Elliott Wave Structure」任せにできない部分なので、覚えておくと読み違いが減ります。
読み込まれている足が少ない銘柄や、Pivot Lengthを大きくして転換点がまだ8つ集まっていないときは、ラベルが「1・2・3…」と数字だけで振られます。転換点が7つなら1〜7です。AやB、Cが出てこないときは、転換点の数が足りていないと考えてください。
転換点が決まるまでの「5本の待ち時間」
「Elliott Wave Structure」が転換点とみなすのは、左右それぞれPivot Length本(初期値は5本)の足よりも高い高値、または安い安値です。チャートでよく見る「ピボットハイ・ピボットロー」と同じ考え方です。
右側の5本がそろわないと判定できないので、転換点は必ず5本遅れて確定します。実際にどう見えるかを拡大した図で確認してみます。
転換点は右に5本待ってから確定する
最新の「C」は、右側に5本の足がそろった時点で初めて描かれました。
Vowars DE ver.3.12.32
図の①の「C」は、右側に5本の足がそろった時点で初めて描かれました。図の②の5本の間に、この安値を下回る足が1本でも出ていれば、Cはここには付いていません。確定した時点で、5本前の安値の足へさかのぼって丸とラベルが付く、というのが「Elliott Wave Structure」の基本の動きです。
4時間足なら5本で20時間、日足なら5日ぶんの遅れになります。天井や底を「その場で」知らせるインジケーターではなく、少し後から構造を確定させていくものだと考えると、見え方とのずれに戸惑いません。
同じ向きの転換点が続くと、より極端なほうだけが残る
高値の転換点と安値の転換点は、必ず交互に並びます。では、高値の転換点が確定したあと、間に安値の転換点がないまま次の高値の転換点が出たらどうなるのでしょうか。
同じ向きの転換点が続くと、より極端なほうだけが残る
中央の白い輪の高値も、一度は転換点として確定しています。
Vowars DE ver.3.12.32
図の①の白い輪の高値も、一度は転換点として記録されています。ところがその後、間に安値の転換点が確定しないまま図の②のさらに高い高値が出たため、記録がそちらに置き換わりました。安値側も同じで、より安い安値が出ればそちらが残ります。逆に、あとから出た高値のほうが低ければ、その高値は無視されます。
この処理のおかげで、5本のルールを満たしていても小さすぎる戻りは波の数に入りません。ジグザグが細かくなりすぎず、波の形が読みやすくなるのは、この置き換えが効いているためです。その代わり、最新の点はより高い高値(より安い安値)が出るたびに右へ移っていきます。
足が1本増えただけで、番号がすべて入れ替わる
「Elliott Wave Structure」を使う上で、一番知っておいてほしいのがこの性質です。番号は「直近8つのうち何番目か」で決まるので、新しい転換点がひとつ確定すると、一番古い点が外れて、残りの番号がひとつずつ繰り上がります。
同じ値動きで、足が1本だけ違う2つの図を並べました。まずは新しい転換点が確定する直前の状態です。
新しい転換点が出る直前のラベル
この時点では、左端の安値に「1」、その次の高値に「2」が付いています。
Vowars DE ver.3.12.32
図の①では左端の安値に「1」、図の②の高値に「2」が付いています。ここから足が1本だけ進み、右端の安値が転換点として確定した状態が次の図です。
1本後には、すべてのラベルが1つずつ繰り上がる
安値の転換点がひとつ確定しただけで、波の番号が丸ごと入れ替わりました。
Vowars DE ver.3.12.32
図の①のとおり、さっきまで「2」だった高値が「1」に変わりました。図の②の新しい安値がCに加わり、図の③の古い安値はラベルも線も消えています。
注目してほしいのは、「1」が付く点が安値から高値に変わったことです。最初の図を上昇の推進波として読んでいた人は、次の足で下降の推進波の並びを見せられることになります。新しい転換点が出るたびに、上昇と下降の読みが入れ替わる可能性があるわけです。
一度付いたラベルが、あとから別の番号に変わったり、消えたりします。高値・安値の位置そのものは確定足で決まっていますが、そこに付く番号は、新しい転換点が出るたびに振り直されます。過去の時点で「1〜5が出ていた」としても、今のチャートにはその記録は残りません。
過去のカウントを確かめたいときはバーリプレイ
「Elliott Wave Structure」は、常に一番新しい足の時点の8点だけを描きます。チャートを左にスクロールしても、その時点でどう数えていたかは分かりません。
過去のある時点の表示を見たいときは、TradingViewのバーリプレイが使えます。リプレイ中もインジケーターはリプレイした足までのデータで計算されるので、足を1本ずつ進めながら、番号が繰り上がっていく様子をそのまま確認できます。ただし手動で送る操作が必要で、遡れる期間は時間足と契約プラン次第です。TradingViewのヘルプでは、日足以上はデータのある全期間を使える一方、日中足はプランごとに遡れる期間に上限があると案内されています(2026/10/15 時点)。
形成中の足では表示が揺れることがある
リアルタイムで動いている足は、まだ高値・安値が決まっていません。右側5本目にあたる足が形成中のとき、その足の値動きしだいで転換点がいったん確定して表示され、その後の値動きで取り消されることがあります。足が確定すれば表示も落ち着くので、判断は確定した足で行うのが無難です。
ルールに合わない並びでも「1〜5」は振られる
エリオット波動の推進5波には、次の3つの基本ルールがあります。TradingViewのヘルプでも、エリオット波動の描画ツールの説明で同じ内容が紹介されています。
| 波 | 基本ルール | 「Elliott Wave Structure」での扱い |
|---|---|---|
| 波2 | 波1の始点を超えて戻らない(戻りは100%未満) | 判定しない |
| 波3 | 波1の終点を超えて進み、波1・3・5の中で最も短くならない | 判定しない |
| 波4 | 波1の価格帯まで入り込まない | 判定しない |
「Elliott Wave Structure」は、これらのルールをどれも確かめません。転換点が8つそろえば、並びに関係なく1から順に番号が付きます。
番号はエリオット波動のルールを確かめずに振られる
グレーの点線は「1」の高値の水準です。
Vowars DE ver.3.12.32
この図では、図の①の「3」が「1」の高値を超えていません。図の②の「4」も、点線で示した「1」の高値より下まで入り込んでいます。上昇の推進波として読むなら、どちらもルールに反する並びです。それでもラベルはきれいに1〜5、A〜Cと並びます。
作者もTradingView上の説明で、表示は「波の構造の候補」であり、決定的なカウントを示すものではないと断っています。インジケーター名から「エリオット波動を自動で判定してくれる」と期待していると、ここで食い違いが出るので注意が必要です。
表示されたカウントを確かめる手順
私が実際にやっている確かめ方を、順番にまとめておきます。最初は手間に感じますが、慣れると1銘柄あたり数十秒で終わります。
1 「1」が高値か安値かを見る
「1」のラベルが丸の上にあれば高値、下にあれば安値です。高値なら上昇の推進波、安値なら下降の推進波として読む並びになっています。まずこの向きが、自分の見ている相場の流れと合っているかを確かめます。
2 3つのルールを価格で照らし合わせる
「2」が波1の始点を割っていないか、「3」が「1」を超えているか、「4」が「1」の価格帯に入っていないかを見ます。波1の始点は表示されないので、「1」より左のチャートで自分で探します。水平線を「1」の価格に1本引いておけば、波4の確認はすぐです。
3 ずれていたら起点を変えて数え直す
ルールに合わないときは、表示された番号を捨てて、線と丸だけを手がかりに数え直します。「2」を波1の終点とみなす、Cを無視してAまでを推進波の候補にする、といった具合です。必要なら次の章のPivot Lengthを変えて、拾う波の大きさを調整します。
4 納得したカウントは描画ツールで残す
番号は次の転換点で振り直されてしまうので、自分が採用したカウントはTradingViewの描画ツールで固定しておきます。描画ツールの「パターン」にはエリオット波動用のツール(推進波の1〜5、修正波のA〜Cなど)があり、点を置くだけで番号付きの線が引けます。
Pivot Lengthで「どの大きさの波を数えるか」が決まる
設定項目は4つです。計算に関わるのはPivot Lengthだけで、残りの3つは表示のオン・オフです。
| 設定 | 初期値 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|---|
| Pivot Length | 5 | 4時間足・日足は5、直近の小さな波を見るなら3、週足で大きな波を追うなら8〜10 | 転換点とみなすために左右それぞれ何本の足を比べるか。2〜20の範囲で設定でき、大きいほど大きな波だけを拾い、確定の遅れも長くなる |
| Show Wave Structure | オン | オン | 転換点を結ぶ青い線の表示。オフにすると丸とラベルだけが残る |
| Show Wave Labels | オン | オン | 1〜5、A〜Cの番号ラベルの表示 |
| Show Pivot Points | オン | 好みでオフ | 転換点の青い丸の表示。ラベルだけで位置が分かるなら、オフにすると画面がすっきりする |
Pivot Lengthを変えると、転換点の数だけでなく、8つの点がカバーする期間が変わります。同じローソク足に、初期値の5と3を重ねて比べてみました。
Pivot Lengthを小さくすると、8つの点が直近に集まる
上段が初期値の5、下段が3です。ローソク足はまったく同じです。
Vowars DE ver.3.12.32
図の①の初期値では、8つの点が約65本分の値動きにまたがっています。図の②の3にすると小さな波も拾うようになり、8つの点が直近の約43本に集まりました。どちらも同じ「1〜C」というラベルですが、見ている波の大きさはまったく違います。
エリオット波動は、大きな波の中に小さな波が入れ子になっている考え方です。Pivot Lengthは、その入れ子のどの段階を数えるかを選ぶ設定だと考えると分かりやすいと思います。
使い方に合わせた目安
| 使い方 | Pivot Length | 理由 |
|---|---|---|
| デイトレードで直近の小さな波を追う(15分足〜1時間足) | 3〜4 | 小さな戻りも拾うので、8点が直近の数日分に収まる。確定の遅れも短い |
| スイングトレードで中くらいの波を見る(4時間足・日足) | 5(初期値) | 戻りの小さなノイズを置き換え処理でまとめつつ、数週間分の構造が8点に入る |
| 大きな波の位置を確かめる(日足・週足) | 8〜10 | 細かい波が消えて、数か月〜1年以上の構造が見える。確定に8〜10本かかる点は承知しておく |
上の数値は、私が試して見やすかった範囲です。同じ数値でも銘柄のボラティリティで拾う波の数は変わるので、表示された8点が自分の見たい期間に収まっているかを基準に調整してください。Pivot Lengthを上げすぎると、読み込まれている期間内に転換点が8つ集まらず、ラベルが数字だけになることがあります。
4時間足・日足・週足で数えてみた
ここからは、BTCUSDTのチャートに初期設定のまま表示して確かめた結果です。数値はチャートから読み取ったおおよその値です。
4時間足は10日ほどの値動きが8点に収まる

4時間足では、10月1日ごろから9日ごろまでの約10日間が8点に入りました。「1」は約8万3,200ドル付近の安値で、下降の推進波として読む並びです。ところが「3」の安値(約8万3,900ドル)は「1」より上にあり、波3が波1を超えていません。この時点のカウントは、推進5波としては成立していませんでした。
日足では上昇相場なのに下降の並びになった
日足では8月中旬の安値(約6万2,500ドル)に「1」が付き、そこから約8万7,000ドルまでの上昇を含む8点が並びました。相場は明らかに上向きなのに、「1」が安値なので、番号の並びは下降の推進波の形です。試しに「1」を波1の始点(0の点)とみなし、番号をひとつずつずらして上昇の推進波として読み直してみました。それでも「5」の安値(約7万5,000ドル)が「2」の高値(約8万1,500ドル)を下回り、波4のルールに引っかかります。結局、私は8月の急騰全体をひとつの大きな波と見て、その後の上下は修正の途中と読むことにしました。
週足は1年以上の構造が見える

週足では2025年5月ごろの高値(約11万ドル)が「1」、10月の高値(約12万6,000ドル)が「3」になり、1年以上の動きが8点で表示されました。ただし「4」の安値(約8万ドル)が「1」の高値を大きく下回っていて、波4のルールに合いません。週足の流れを俯瞰するには便利でしたが、番号はそのまま使えないカウントでした。
3つの時間足を通して感じたのは、線と丸は信頼できるが、番号は毎回自分で検証が要るということです。高値と安値を拾う作業はほぼ任せられるので、手で線を引くよりずっと速く構造をつかめます。その分、浮いた時間を、ルールの確認と起点の見直しに回すのが一番効率のよい使い方でした。
なお、ビットコインのように24時間動く銘柄でも、ゴールドや株価指数のように取引時間がある銘柄でも、転換点の考え方は変わりません。値動きの大きい銘柄ほど転換点が増えやすいので、Pivot Lengthをひとつ上げて様子を見るのも手です。
Awesome Oscillatorを並べて、波3と波5の勢いを比べる
番号の妥当性を確かめるとき、価格だけでは判断に迷う場面があります。そこで相性がよかったのが、TradingView標準のAwesome Oscillator(AO)です。AOは5本と34本の単純移動平均(中値ベース)の差をヒストグラムで表すモメンタム系の指標で、ビル・ウィリアムズがエリオット波動の数え方の補助として使ったことでも知られています。
AOを重ねて、3と5の勢いの差を確かめる
上段がElliott Wave Structure、下段がTradingView標準のAwesome Oscillatorです。
Vowars DE ver.3.12.32
一般に、推進5波では波3の勢いが最も強く、波5は価格が上回っても勢いは落ちやすいとされます。図の①の通り、「3」の付近でAOの山がいちばん高くなっているのが分かるでしょうか。図の②の「5」では価格が「3」をわずかに上回っているのに、AOの山は低くなりました。この並びなら、「Elliott Wave Structure」の番号はAOの見方とも矛盾していません。
反対に、「3」より「5」のほうでAOが大きく伸びているなら、まだ波3の途中かもしれないと疑えます。表示された番号を受け入れる前の、ひとつの目安として使えます。
ほかにも、次のような組み合わせが使いやすいと感じました。
- フィボナッチ・リトレースメント(描画ツール)で、「1」から「2」の戻りが波1の何%かを測る。波2は50〜61.8%前後まで戻ることが多いとされます
- フィボナッチ・エクステンションで、「3」が波1の1.618倍前後まで伸びているかを見る
- 出来高を表示して、「3」の区間で出来高が増えているかを確かめる
下書きとして頼れるところ、うのみにすると危ないところ
下書きとして頼れるところ
- 高値と安値を自動で拾ってくれるので、波を数える準備の時間が大幅に減る
- 表示が8点と7本の線だけで、ほかのインジケーターと重ねても画面が散らからない
- 置き換え処理のおかげで小さな戻りが入りにくく、波の形がすっきりする
- Pivot Lengthひとつで、数える波の大きさを入れ子の段階ごとに切り替えられる
- どの時間足・銘柄でも同じ考え方で使える
うのみにすると危ないところ
- 番号は並び順で振られるだけで、エリオット波動のルールに合うかは判定しない
- 新しい転換点が出るたびに番号がすべて振り直され、過去のカウントは残らない
- 「1」に至る波1そのものの線は描かれず、始点は自分で探す必要がある
- 転換点はPivot Length本ぶん遅れて確定する
- アラート条件がなく、転換点の確定を通知で受け取ることはできない
使う前に押さえておきたいこと
最後に、実際の取引で使うときの注意点をまとめます。
まず、「Elliott Wave Structure」に売買シグナルはありません。「5」や「C」が付いたことは反転の合図ではなく、単に8つ目までの点がそろったことを示しているだけです。番号だけを根拠にエントリーするのは避けてください。
次に、表示は描き換わります。転換点の位置は確定した足で決まりますが、その点に付く番号は新しい転換点が出るたびに変わり、最新の点はより極端な高値・安値が出ると右へ移ります。過去のチャートを見て「この時点で5が出ていたから反転した」と検証しても、そのときに実際に5が表示されていたとは限りません。過去の検証は、バーリプレイで当時の表示を再現して行うのが確実です。
アラートについては、このインジケーター自体にアラート条件は用意されていません。転換点の価格を通知で受け取りたいときは、「1」の高値など気になる価格に水平線を引き、その水平線にアラートを設定する方法があります。
エリオット波動は、同じチャートでも複数のカウントが成り立つ分析手法です。「Elliott Wave Structure」の番号はその候補のひとつにすぎないと割り切り、損切りの位置を先に決めたうえで判断材料に加えてください。
波を数える手間を減らしたいエリオット派の相棒として
「Elliott Wave Structure」は、確定した高値・安値を8つ拾って線と番号を付ける、とても割り切った作りのインジケーターです。番号はルールで判定したものではないので、そのまま信じるのは避けたいところです。一方で、高値と安値を拾う作業を任せられるのは大きく、チャートを開いた瞬間に波の骨組みが見えるのは便利でした。
画像向いているのは、エリオット波動の基本ルールをある程度知っていて、自分で数える手間を減らしたい人です。表示された番号を出発点に、ルールの確認と起点の見直しを自分で加える。その使い方なら、4時間足から週足まで、波の構造を素早くつかむための下書きとして十分に役立ちます。









