トレンドの向きと、戻りを待つ価格。その2つを同じ画面に置く。
チャートに入れると、まず目に入るのは太い階段状のラインです。上昇局面では緑、下降局面では青。この色が売買の方向で、価格が線を終値で抜けたところで入れ替わります。ここまでは、よくあるスーパートレンド系と変わりません。
「Supertrend + Fibonacci OTE Grid & Bands」が他と違うのは、色が切り替わったその瞬間から、フィボナッチの目盛りを自動で引き始めるところです。上昇に切り替わればその後の最高値を 0.000、切り替わりの起点になった安値を 1.000 として、あいだに 0.236 から 0.786 までの水平線が並びます。トレンドの向きを判定する道具と、押し目・戻りの価格を測る道具が、ひとつのインジケーターに同居しているという構成です。
BigBeluga が公開しているもので、TradingView 上では無料で追加できます。私が最初にチャートへ入れたときの印象は「思ったより線が少ない」でした。表示されるのはラインと点線と、右端の小さなラベルだけ。ダッシュボードも矢印も出てきません。そのぶん、どこを見ればいいのかは迷わずに済みます。
このインジケーター「Supertrend + Fibonacci OTE Grid & Bands」には、OTE Grid と Fibonacci Bands という2つの表示モードがあります。名前は似ていますが、線の引かれ方も、狙える場面もまったく違います。初期値は OTE Grid です。
チャートに出てくるものを、上から順に確認する
まずは初期設定のまま表示させた状態を見てみます。要素は5つしかありません。
OTE Grid モードのチャート上の見え方
太い階段状の線がストップライン、そこから価格までの塗りがトレンドの向きです。転換した足を起点に、8本の点線と右端のラベルが引かれます。
Vowars DE ver.3.4.1
階段状のストップライン
いちばん太い線です。上昇中は価格の下、下降中は価格の上を、階段状に付いてきます。曲線ではなく水平と垂直の組み合わせで動くので、直近の切り上がり位置がそのまま損切りの目安になります。色が変わった足では線が一度途切れます。前の色と次の色が斜めにつながらないので、切り替わった位置がひと目で分かります。
ラインと価格のあいだの塗り
ストップラインから現在値までが、トレンドの色で薄く塗られます。塗りの厚みは、そのまま「今の価格がストップからどれだけ離れているか」です。厚いときは伸びきっている、薄いときはストップが近い、という見当がつきます。
8本の水平な目盛りと、右端のラベル
0.000 / 0.236 / 0.382 / 0.500 / 0.618 / 0.705 / 0.786 / 1.000 の8本です。初期状態では点線で、色は灰色。ただし OTE 0.618 OTE 0.705 OTE 0.786 の3本だけはトレンドの色になり、あいだが薄く塗られます。この帯が OTE ゾーンです。右端には比率と価格が並ぶので、今どの水準にいるかを数字で確認できます。
黄色く太くなる1本
終値がある目盛りに近づくと、その線だけ黄色(#FFD600)に変わり、太さが3倍になります。近いかどうかの判定には ATR が使われていて、初期値では ATR 1本ぶん以内に入ると点灯します。8本のうち今どこが効いているのかを、色だけで追えるようにした仕組みです。
ローソク足そのものの色

初期設定では Color Bars by Trend と Plot Trend Candles の両方がオンになっていて、ローソク足全体がトレンド色に塗り替えられます。上昇中は全部が緑、下降中は全部が青。ここは好みが分かれるところで、陽線・陰線の区別が消えるのが気になる人もいると思います。私は最初の数日で Plot Trend Candles だけオフにしました。
0.000 と 1.000 は、いつどこに置かれるのか
フィボナッチを手で引くとき、いちばん悩むのが起点と終点の取り方です。「Supertrend + Fibonacci OTE Grid & Bands」はそこを自動化しています。
上昇に切り替わった場合、1.000 が切り替わり付近の安値、0.000 がその後につけた最高値になります。下降なら上下が逆で、1.000 が高値、0.000 がその後の最安値です。つまり 0.000 は常に「今のトレンドがいちばん進んだ地点」、1.000 は「そのトレンドが始まった地点」を指しています。
ここで気をつけたいのは、0.000 がトレンドの伸びに合わせて動き続けることです。高値を更新すれば 0.000 は上へ移り、その下に並ぶ 0.236 から 0.786 までの目盛りも、比率のぶんだけ引き伸ばされます。
高値を更新するたび、目盛りは静かに引き直される
左半分が30本目時点の目盛り、右半分が最新の目盛りです。同じトレンドの途中でも、位置は変わります。
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目盛りは常に「最新の高値・安値」を基準に置き直されます。さらに、トレンドが切り替わると前のトレンドの目盛りは消えて残りません。そのため、チャートをスクロールして戻すだけでは「あのとき 0.618 はどこにあったか」は分かりません。確かめたいときはバーリプレイを使います。開始位置を過去に置けばインジケーターもその時点までのデータで引き直されるので、当時の目盛りがそのまま再現されます。手を動かす必要はありますし、さかのぼれる期間はプランと時間足に左右されますが、検証の道は残されています。やってはいけないのは、スクロールしたままの画面で成績を数えることです。その見た目は、実際に直面した判断よりいつも優しく見えます。
OTE ゾーンは、思っているより遠い
OTE は Optimal Trade Entry の略で、トレンドが続く前提で押し目や戻りを拾う水準として使われる言葉です。0.618 から 0.786 のあいだを指すことが多く、このインジケーターもその範囲を帯にしています。
ただ、実際に使ってみるとこの帯はかなり下(下降なら上)にあります。理由は測り方にあって、トレンドが始まった安値から最高値まで、スイング全体を分母にして 61.8〜78.6% 戻したところに帯が置かれるからです。数本の押し目ではまず届きません。帯にタッチするころには、チャートはもう上昇トレンドらしい形をしていないことが多いです。
OTE ゾーンは「浅い押し目」ではなく、スイング全体の深い押し目に置かれる
0.618〜0.786 の帯は、トレンドが始まった安値と最高値のあいだを測って引かれます。だから帯まで下げてきたときには、チャートはもう上昇らしく見えません。
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これは欠点というより性格の問題です。浅い押し目を拾いたいなら 0.236 や 0.382 のほうが現実的で、OTE ゾーンは「そこまで落ちたら仕込む」という指値の置き場所として考えたほうが噛み合います。
もうひとつ、帯とストップラインの位置関係は場面ごとに変わります。転換した直後は帯のはるか下にストップがありますが、トレンドが長く伸びるとラインが切り上がってきて、帯の内側まで食い込んできます。上の図では帯の下にありますが、伸びきった局面では 0.705 と 0.618 のあいだにラインが入ることもあります。損切りを置く前に、この2つの距離は毎回見てください。
一般的なフィボナッチ・リトレースメントには 0.705 という比率はありません。これは 0.618 と 0.786 のちょうど中間にあたる水準で、スマートマネー系の手法で「OTE の芯」として使われることがあります。このインジケーターでは3本まとめて OTE 扱いです。
モードを切り替えると、同じ「OTE」が別物になる
Fibonacci Mode を Fibonacci Bands に変えると、見た目が大きく変わります。水平な目盛りは消え、代わりにストップラインに沿って走る7本の帯が現れます。
Fibonacci Bands モードは、ストップラインに沿って帯が走る
OTE Grid が水平の目盛りなのに対して、Bands は毎足ストップラインからの距離で計算されるため、価格を追いかけて上下します。
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Bands モードの 1.000 はストップラインそのものです。そこから ATR 2本ぶん離れたところが 0.000 で、あいだを比率で割った線が並びます。上昇中は上へ、下降中は下へ、いずれも価格のある側へ広がる形です。
画像注目したいのは OTE 帯の位置です。Bands の 0.618〜0.786 は、ストップラインから ATR 0.4〜0.8 本ぶんしか離れていません。Grid の OTE がスイング全体の深い戻りを指すのに対して、Bands の OTE はストップラインのすぐ隣。名前は同じでも、狙う場面はまったく別です。
| 項目 | OTE Grid | Fibonacci Bands |
|---|---|---|
| 線の形 | 水平(トレンド中は固定) | ストップラインに沿って上下する |
| 0.000 の位置 | トレンド中の最高値・最安値 | ストップラインから ATR 2本ぶん |
| 1.000 の位置 | トレンドの起点 | ストップラインそのもの |
| OTE ゾーン | スイングの 61.8〜78.6% 戻し | ストップラインのすぐ隣 |
| 黄色のハイライト | あり | なし |
| ラインと価格の塗り | あり | なし |
| 向いている使い方 | 深い押し目を待つ指値 | トレンド中の追随・ストップ管理 |
黄色のハイライトと「非 OTE の減光」が効くのは OTE Grid のときだけです。Bands モードでは線の色は固定されたままなので、どの水準に近いかは自分で見る必要があります。ここは知らないと「設定が効いていない」と勘違いしやすい部分だと思います。
ふつうのスーパートレンドと、どこが違うのか
TradingView に最初から入っているスーパートレンドは、ATR 期間 10・倍率 3 が初期値です。ラインが1本引かれて、色が変わったところで方向が切り替わる。それだけの道具で、価格の水準については何も言いません。
「Supertrend + Fibonacci OTE Grid & Bands」との差は3つあります。
ひとつは鈍さです。ATR 期間 100・倍率 4.5 という初期値は、標準的な設定より一段も二段も広く取られています。細かい上下は拾わない代わりに、方向が変わったときの意味は重くなります。
ふたつめが水準の提示です。方向が決まった時点で、その方向のスイングに対する戻りの目安が自動で引かれます。ラインの色を見て「買い目線」と決めたあと、じゃあどこで買うのかという問いに、同じインジケーターが答えを出します。
みっつめがストップの見え方です。階段状のラインがそのまま損切り位置になるのはスーパートレンド共通の利点ですが、ここでは OTE ゾーンとの距離が目で測れるので、入る前にリスク幅を数字にできます。0.786 とストップラインが近ければ、そこは薄いリスクで試せる場所だと分かります。
逆に言えば、方向の判定そのものは標準のスーパートレンドと同じ計算です。目新しいのは判定ではなく、判定の上に水準を載せた構成のほうだと考えたほうが期待を外しません。
実際にどう見て、どう判断するか
1ストップラインの色で、方向を決める
緑なら買い目線、青なら売り目線。それ以外の解釈は入れません。初期値の設定はかなり鈍いので、色が変わることはめったに起きません。日足なら数週間から数か月、同じ色が続くことも珍しくないです。色が変わったこと自体が、それなりに大きなニュースだと思って見るくらいでちょうどいいと思います。
2右端のラベルで、今いる水準を数字で確認する
ラベルには比率と価格の両方が出ます。現在値がどの2本のあいだにいるのかを確認して、「まだ 0.236 も割っていない」のか「0.500 を下回った」のかで、押し目の深さを言葉にできます。これは手描きのフィボナッチではやりにくい作業で、私はここがいちばんありがたいと感じました。
3黄色くなった線を、反応するかどうかの観察点にする
点灯は「近い」以上の意味を持ちません。そこで止まるかどうかは、ローソク足の形や出来高で自分で判断します。点灯した水準で下ヒゲが続けて出るか、逆にあっさり抜けるか。点灯そのものはエントリー合図ではないので、ここを取り違えないようにしたいところです。
4損切りはストップラインの外側に置く
OTE ゾーンで買うなら、ストップラインの少し下が損切りの候補になります。帯とラインの距離がそのままリスク幅になるので、入る前に建玉の大きさを決められます。ラインが階段状に切り上がるので、含み益が乗った後の引き上げにもそのまま使えます。
設定は5つのグループに分かれている
設定画面は General Settings / Supertrend Parameters / Fibonacci Bands Parameters / Main Styling & Colors / Fibonacci Level Settings の5つに分かれています。数は多く見えますが、計算そのものに関わるのは4つだけで、残りは見た目の調整です。
| パラメーター | 初期値 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|---|
| Fibonacci Mode | OTE Grid | OTE Grid | 水平の目盛りか、ラインに沿う帯かを選ぶ。押し目の価格を測りたいなら Grid、トレンド追随の道具として使うなら Bands |
| Supertrend ATR Period | 100 | 100 | ストップラインの計算に使う期間。長いほど値幅の変化に鈍くなり、線が滑らかになる |
| Supertrend Multiplier | 4.5 | 3.0〜4.5 | ラインを価格からどれだけ離すか。下げると反転が増え、目盛りの引き直しも増える |
| Bands ATR Period | 100 | 100 | 帯の幅を決める期間。Grid モードでも点灯判定の距離計算に使われる |
| Max Band ATR Multiplier | 2.000 | 2.0〜3.0 | Bands モードでの帯全体の幅。上げるほど 0.000 が遠くなり、帯の間隔も広がる |
| Grid Highlight Distance (ATR Multiplier) | 1.0 | 0.5〜1.0 | 目盛りが黄色く点灯する距離。同時に何本も光るなら下げる |
| Grid Line Style | Dotted | Dashed | 目盛りの線種。点線が細く感じるなら破線にすると背景から浮く |
| Show Fibonacci Labels | オン | オン | 右端の比率と価格のラベル。オフにすると水準の数字が読めなくなる |
| Dim Non-OTE Levels when Far | オフ | オン | 価格から遠い非 OTE の線を半透明にする。OTE だけ見たいときに画面が静かになる |
| Color Bars by Trend | オン | オン | ローソク足をトレンド色に塗る |
| Plot Trend Candles | オン | オフ | トレンド色のローソクを重ねて描く。オフにすると陽線・陰線の区別が戻る |
| Bullish Trend / Bearish Trend | 緑 / 青 | 初期値 | 上昇・下降の色。ラインも塗りもラベルもここで決まる |
| Active Fibonacci Level | 黄 | 初期値 | 点灯した目盛りの色。背景が明るいテーマならオレンジ寄りに変えると見やすい |
| 0.236 / 0.382 / 0.500 / OTE 0.618 / OTE 0.705 / OTE 0.786 | すべて表示 | 0.236 をオフ | 目盛りの表示を1本ずつ切り替える。線を減らすと帯が読みやすくなる |
Fibonacci Level Settings に並ぶチェックボックスは6つで、0.000 と 1.000 には表示の切り替えがありません。この2本は色だけ変更できて、常に表示されます。スイングの両端なので、消す必要もないという判断だと思います。
いじるなら Supertrend Multiplier から
この数値がインジケーター全体の性格を決めます。Supertrend Multiplier はストップラインを価格からどれだけ離すかの倍率で、初期値の 4.5 はスーパートレンドとしてはかなり広いほうです。一般的な設定は 2〜3 あたりなので、それより一段鈍く作られています。
下げれば反応は早くなりますが、代償があります。反転が増えるということは、0.000 と 1.000 が置き直される回数が増えるということでもあります。フィボナッチの基準そのものが落ち着かなくなるので、押し目の水準を測る道具としては使いにくくなります。
Supertrend Multiplier を下げると、目盛りが引き直される回数が跳ね上がる
同じ値動きに、初期値の 4.5(太い色つき線)と 1.5(細い白の破線)を重ねました。転換した回数がそのままグリッドを作り直した回数です。
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4時間足以下で使いたい場合でも、私は 3.0 を下回らせないほうが扱いやすいと感じています。それより短い周期で回したいなら、Supertrend ATR Period のほうを 50 前後まで縮めて、倍率は据え置くほうが目盛りは安定します。
点灯が多すぎるときは Grid Highlight Distance
Grid Highlight Distance (ATR Multiplier) は、終値が目盛りにどれだけ近づいたら黄色くするかの距離です。初期値の 1.0 は ATR 1本ぶん。目盛りの間隔が狭い銘柄では、3本も4本も同時に点灯してしまいます。そうなったら 0.5 前後まで下げると、本当に近い1本だけが残ります。
ひとつ紛らわしい仕様があります。この距離の計算に使われる ATR は Bands ATR Period のほうで、Supertrend ATR Period は関係しません。OTE Grid モードで使っているのに、Bands のグループにある設定が効いてきます。点灯の感度を変えるつもりでストップラインの期間をいじっても、光り方は変わらないので注意してください。
得意な場面と、うまくいかない場面
機能しやすい場面
- 日足・週足の、大きな方向がはっきりしている相場
- 一度伸びたあとの深い調整局面(OTE ゾーンが射程に入る)
- フィボナッチを毎回手で引き直すのが面倒なとき
- 損切り位置を機械的に決めたいとき
- ゴールドや株価指数など、トレンドが長く続きやすい銘柄
噛み合わない場面
- 方向感のないレンジ(目盛りが動かず、点灯だけが繰り返される)
- 数本で完結する浅い押し目狙い
- 5分足以下のスキャルピング
- トレンド転換の初動を取りにいく使い方
- 指標発表前後の、一時的にヒゲだけが伸びる場面
トレードスタイルでいうと、スイングトレードとポジショントレードに寄ったインジケーターです。初期値のまま日足に入れれば、数週間から数か月単位の目線を1本のラインで管理できます。デイトレードでも4時間足を上位足として使う分には役に立ちますが、5分足に直接入れると、目盛りが伸び続けるばかりで判断材料になりません。
銘柄によって、目盛りの使い勝手はけっこう変わる
ゴールドや米国株の指数のように、一方向に長く動く銘柄とは相性がいいです。トレンドが数か月続けばスイングも大きく育ち、目盛りの間隔が開いて、どの水準にいるかを読みやすくなります。個別株の ETF でも同じことが言えます。
逆に、値幅の割に往復が多い通貨ペアだと、スイングが小さいまま目盛りが密集します。8本の線が狭い範囲に集まると、点灯も同時多発しますし、0.500 と 0.618 の差が数 pips ということも起きます。目盛りの間隔が ATR より狭くなったら、その時間足では細かすぎるという目安を持っておくと切り替えの判断が早くなります。
暗号資産のように休みなく動く市場では、週足に入れて大きな流れだけ見る使い方が落ち着きます。私は週足と日足の2枚に入れて、週足の色と日足の目盛りを組み合わせて見ています。
先に知っておきたい落とし穴
黄色く太くなるのは「終値が近い」という事実の表示だけです。反発する根拠でも、抜ける根拠でもありません。点灯した水準をそのままエントリーの合図にすると、値動きが止まらないまま次の目盛りが点灯し、ずるずると付いていくことになります。
トレンド転換にも目盛りへの接近にも、アラート機能は付いていません。日足で運用するなら1日1回チャートを開けば足りますが、通知を前提にした運用は組めません。必要ならストップラインの色をアラート付きの別インジケーターで代用することになります。
もうひとつ、リペイントについて触れておきます。転換の判定は終値で行われるので、動いている足のあいだは色が付いたり消えたりします。足が確定すれば、その足の判定はもう変わりません。未来の値を参照する作りにはなっておらず、ラベルや線も1本先までしか伸びません。この点は素直な構造です。
気にすべきなのはそこではなく、前に書いた目盛りの引き直しのほうです。過去チャートの見た目は「そのトレンドが終わった時点での最終形」なので、当時リアルタイムで見えていた位置とは違います。バックテストで手応えを感じたときほど、気になった場面をバーリプレイで引き直して、当時の目盛りを確認したほうがいいと思います。
組み合わせるなら何がいいか
「Supertrend + Fibonacci OTE Grid & Bands」は方向と水準を出しますが、勢いを測る手段を持っていません。OTE ゾーンに価格が入ったとき、そこが底なのか通過点なのかを判断する材料が足りないので、そこを補うものと合わせると噛み合います。
- RSI やストキャスティクス:OTE ゾーンで売られすぎに入っているかを確認する。ゾーン到達とダイバージェンスが重なる場面は、待つ価値があります
- 出来高系:帯にタッチした足の出来高が増えているか。細い出来高で滑り込んだだけなら、支えは薄いと考えられます
- 上位足の同じインジケーター:週足で緑、日足で OTE ゾーン到達、という重なりを条件にすると、狙う場面をかなり絞れます
- 水平線やオーダーブロック:目盛りは自動計算なので、市場が実際に意識した価格と一致するとは限りません。過去に何度も反応した水平線と OTE が近いなら、その水準は厚くなります
チャートに残すかどうかを分ける一点
画像「Supertrend + Fibonacci OTE Grid & Bands」を残すかどうかは、フィボナッチを自分で引きたいか、引いてほしいかで決まると思います。
起点と終点の取り方に自分のルールがある人にとっては、自動で決められた 0.000 と 1.000 は邪魔になります。逆に、毎回どこから引くか迷って結局引かないままになっている人には、方向の判定とセットで水準まで出てくるこの構成は便利です。
ただ、これ1つで完結する道具ではありません。方向は分かる、水準も分かる、けれどその水準で入るべきかどうかは何も教えてくれない。そこを自分で埋められる人が使うと、画面を1つ減らせるインジケーターだと思います。初期値のまま日足に置いて、まずは1か月分ほど眺めてみるのがいちばん性格をつかみやすいです。






