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種類
インジケーター
ソース
公開

Polynomial/Linear Regression Volume Profile [BigBeluga]

トレンドに沿って曲がる出来高分布から、押し目や戻りの水準を探すためのインジケーターです。

4.2 / 5.0 総合評価

  • 充足性 4.3
  • 独自性 4.7
  • 可読性 4.1
  • 適応性 4.4
  • 信頼性 3.5

難易度 中級

No.VOW-000003

評価について 「Polynomial/Linear Regression Volume Profile」は、トレンドの中で出来高がどこに集まっているかを読み取るための分析・可視化型のインジケーターです。評価を最も押し上げたのは独自性で、出来高分布を回帰トレンドに沿って曲げ、乖離帯ごとに集計する見せ方は他にほとんど例がありません。押し目や戻りの水準を出来高の裏付けとともに探す使い方で特に活きます。一方で信頼性は控えめです。全体が最新足を基準に引き直されること、方向判定が期間の始点と終点の比較であること、±3SDの外の足が集計されないことは作者の説明に示されていないため、使うときは本文の注意点とあわせて読む必要があります。
難易度解説 表示は色の濃淡で直感的なので、初心者でも「濃く長い帯=出来高が多い場所」くらいはすぐ分かります。ただし「Polynomial/Linear Regression Volume Profile」が示すのは価格帯別ではなく、トレンドからの乖離帯ごとの出来高です。この違いを押さえないと読み違えます。期間の設定で形が大きく変わることや、描画が最新足を基準に毎回引き直される点も把握が必要なため、中級としました。

総合評価 4.2/ 5.0

評価基準について

  • 充足性 4.3 回帰トレンドを基準にした乖離帯ごとの出来高、POC、SDチャネル、方向がまとまって得られ、掲げた目的を十分に果たしています。
  • 独自性 4.7 出来高分布を回帰トレンドに沿って曲げ、乖離帯ごとに集計する発想は前例が少なく、水平の価格帯では得られない視点です。
  • 可読性 4.1 帯の長さと色の濃淡で出来高の多い段が迷わず読め、右上のダッシュボードで数値も確認できます。
  • 適応性 4.4 Period、Regression Mode、Grid Rows Each Side などで形を細かく調整でき、変更の結果がそのまま表示に現れます。
  • 信頼性 3.5 表示は安定していますが、最新足を基準に毎回引き直されることや、方向判定の基準、±3SDの外の足を集計しない仕様は、作者の説明で触れられていません。
リペイント
あり
  1. 形成中変わる
  2. 確定後変わる
  3. 過去変わる
最新足が確定するたびに回帰とプロファイル全体が引き直されるため、過去側の曲線や帯の位置も更新のたびに変わります。
向いている時間足
  • 短期15分以下
  • 中期30分〜4時間
  • 長期日足以上
検証 BTCUSD
アラート
なし
売買サイン
出さない分析型のため対象外
向いている相場
トレンド
表示場所
チャート上
描くもの
ラインラベルテーブル
ベース指標
出来高プロファイル標準偏差・Zスコア線形回帰
トレードスタイル
スイングトレードポジショントレード

このインジケーターの検証記事

トレンドボリューム

曲線POCが押し目・戻りのターゲットになる?高機能ボリューム系インジケーター「Polynomial/Linear Regression Volume Profile」の実力

曲線POCが押し目・戻りのターゲットになる?高機能ボリューム系インジケーター「Polynomial/Linear Regression Volume Profile」の実力

図解ギャラリー 7

この記事の要約
どんなインジケーター?
結論

「Polynomial/Linear Regression Volume Profile」は、回帰トレンドに沿って出来高分布を曲げて表示します。POCがトレンドと連動して動くため、押し目や戻りの目安づけに向いた環境認識用のインジケーターです。

もっと詳しく
この記事の要点
  • トレンドの中心線に沿って出来高分布が曲がって表示される、変わり種のボリュームプロファイル系インジケーターです
  • 見るのは価格帯別の出来高ではなく、トレンド中心線からの乖離ゾーンごとに集計した出来高です
  • 出来高が最も多い段を貫くPOCラインがトレンドと一緒に動くため、押し目や戻りの目安が自動で更新されます
  • 中心線は直線のLinearと曲線のPolynomialを切り替えられ、±1・±2・±3SDのチャネルも曲線で描かれます
  • 線が長く明るい帯は出来高が厚いゾーン、短くくすんだ帯は素通りされやすいゾーンとして読めます
  • 主要な設定はPeriod(初期値200)、Regression Mode(初期値Polynomial)、Grid Rows Each Side(初期値20)の3つです
  • 売買サインとアラートはなく、描画は最新足を基準に引き直されます。過去の確認はバーリプレイで1本ずつ行います
  • トレンド相場で機能しやすく、日足や4時間足のスイング、ポジショントレード向けです。レンジでは優位性が薄れます

「Polynomial/Linear Regression Volume Profile」とは?まずはざっくり概要から

チャートに出来高の偏りを表示する「ボリュームプロファイル」は、ほとんどが水平方向に積み上がる横棒で表示されます。価格帯ごとにどれだけ売買されたかを見るものなので、これはごく自然な形です。

ところが今回紹介する「Polynomial/Linear Regression Volume Profile」は、その常識をひっくり返してきます。出来高の分布がトレンドラインに沿って“曲がって”表示されるのです。BigBelugaが公開しているインジケーターで、回帰分析によるトレンドの中心線を引き、その中心線からの乖離ごとに出来高を集計していく、という作りになっています。

つまり「Polynomial/Linear Regression Volume Profile」が見せてくれるのは、価格帯別の出来高ではなく「トレンドからの距離ごとの出来高」です。ここが最大の特徴であり、他のボリュームプロファイル系と決定的に違うところなので、まずここだけは押さえておいてください。

このインジケーターで分かること

「今のトレンドの流れの中で、どのくらいの乖離ゾーンが一番売買されてきたか」が分かります。強い上昇トレンド中でも、価格そのものではなく“トレンドに対する位置”で出来高を見るため、押し目の目安がトレンドと一緒に上がっていくのがポイントです。

Bitcoin日足チャート(ダッシュボード付き)
Bitcoin日足チャート(ダッシュボード付き)

チャート上に何が表示されるのか

初期設定のまま追加すると、けっこうな情報量が一気に出てきます。慣れないうちは「線が多すぎる…」と感じるかもしれないので、まずは全体の位置関係を図でつかんでから、要素ごとに分解して見ていきましょう。

中心線もSDもプロファイルも、同じ回帰カーブに沿って曲がる

白い破線が回帰の中心線です。SDライン、POC、出来高の帯は、すべてこのカーブと平行に描かれます。

中心線もSDもプロファイルも、同じ回帰カーブに沿って曲がる上昇トレンドのローソク足に、回帰の中心線、上下のグリッド、±1〜3SDのライン、右端から左へ伸びる出来高の帯、オレンジのPOCラインが重なった模式チャートです。<- POC Vol: 31.794KChannel High (+3 SD): 120.70Channel Low (-3 SD): 86.37+1 SD-1 SD+2 SD-2 SD期間全体にフィットさせた回帰の中心線出来高が最も多い段を期間の端から端まで貫くPOC最新の足から左へ伸びる帯が段ごとの出来高

Vowars DE ver.3.9.2

図は見やすさのためPeriodを44本にしています(そのほかは初期設定)。出来高の帯は最新の足から左へ伸び、長さはその段の出来高に比例します。ローソク足の色は、インジケーターの青・オレンジと見分けやすいように変えています。

図のとおり、どの線も帯も1本の回帰カーブと平行に並んでいるのがこのインジケーターの見た目の核です。中心線が曲がれば、SDラインもPOCも出来高の帯も一緒に曲がります。ここを頭に入れておくと、ごちゃついた画面でも迷いにくくなります。

① 回帰ベースライン(中心線)

チャートの真ん中を通る、やや太めの白い破線が中心線です。指定した期間の値動きに対して統計的に最もフィットする1本の線を引いたもので、初期設定では2次のカーブ(Polynomial)が使われます。移動平均線のように「遅れて後からついてくる」のではなく、期間全体の形をまとめて捉えるため、上昇→減速→天井といった値動きの“反り”までカーブで表現されるのが特徴です。

ここを直線に切り替えることもできます。直線モードにすると、いわゆる一般的な回帰トレンドラインとほぼ同じ見た目になります。違いは後半のパラメーター解説で図にしています。

② グリッド(等間隔の薄い曲線)

中心線の上下に、ほぼ透明に近い点線が何本も並びます。これは出来高を集計するための“区画”をそのまま可視化したもので、上下それぞれの本数分だけ引かれます。一番外側のグリッドがちょうど±3標準偏差の位置になるように幅が自動調整されているので、行数を増やしても外枠の位置は変わりません。行数を増やせば1段あたりが細かくなり、減らせば粗くなる、という理解でOKです。

③ 標準偏差(SD)ライン

中心線から±1SD、±2SD、±3SDの位置に、カーブに沿った破線が引かれます。右端にはそれぞれ「+1 SD」「-1 SD」「+2 SD」「-2 SD」のラベルが付き、±3SDには「Channel High (+3 SD)」「Channel Low (-3 SD)」として実際の価格が数値で表示されます。これがそのまま上限・下限のメドになります。

標準偏差(SD)とは

データのバラつき具合を示す統計量です。チャート分析では「普段の値動きの範囲からどれだけ離れているか」の物差しとして使われ、±2SDを超えると行き過ぎ、といった判断に利用されます。ボリンジャーバンドと同じ考え方だと思ってもらえれば大丈夫です。

実際にビットコインで見ていると、このチャネル幅はトレンドが強い局面ほど大きく広がる傾向があります。値動きのバラつきそのものを幅の基準にしているため、荒れた相場ではチャネルが一気に膨らみ、レンジではキュッと締まります。ここは通常の回帰チャネルとは挙動が異なるので、覚えておくと読み違えが減ります。

Channel High からChannel Lowの幅が広くなる
Channel High からChannel Lowの幅が広くなる

④ 曲がったボリュームプロファイル

チャート右側から左に向かって、太い横線が何本も伸びています。これが「Polynomial/Linear Regression Volume Profile」の主役です。それぞれの線は各グリッド段に対応していて、その段で取引された出来高が多いほど線が長く伸びます。一番出来高が多い段が最長になり、そこから相対的に短くなっていくイメージです。

色も出来高に連動します。出来高が少ない段はくすんだ赤っぽい色で沈み、出来高が多い段ほどトレンド方向の色(初期値では上昇時=青、下降時=オレンジ)に近づいていきます。下降トレンドの例で見るとこうなります。

帯が長く明るいほど出来高が多く、短くくすんだ段は素通りされた段

下降トレンドなので、出来高の多い段ほど明るいオレンジに、少ない段ほどくすんだ赤に近づきます。

帯が長く明るいほど出来高が多く、短くくすんだ段は素通りされた段下降トレンドのローソク足に、右端から左へ伸びる出来高の帯を重ねた模式チャートです。長く明るいオレンジの帯と、短く赤くくすんだ帯が混在しています。<- POC Vol: 18.442KChannel High (+3 SD): 95.81Channel Low (-3 SD): 80.56+1 SD-1 SD+2 SD-2 SDいちばん長く明るい帯がPOC最も売買が集まった段短くくすんだ帯はほとんど売買されなかった段

Vowars DE ver.3.9.2

帯の長さと色は、いちばん出来高が多い段(POC)を基準にした比率で決まります。図は見やすさのためPeriodを44本にしています(そのほかは初期設定)。

正直、最初は「オレンジの帯とオレンジのPOCラインが混ざって見づらいな」と感じました。ただ、色が明るく・線が長い場所ほど、そのトレンドの中で人が集まっている乖離ゾーン、短くくすんだ段は素通りされたゾーン、と割り切って見ると一気に読みやすくなります。

⑤ POCライン(オレンジの実線)

最も出来高が多かった段を、期間の最初から最後まで貫くように引いたのがPOCラインです。右端には「POC Vol:」というラベルが付き、その段に溜まった出来高がそのまま数値で表示されます。

通常のボリュームプロファイルのPOCは水平線ですが、ここでは中心線と同じカーブを描きながら移動していくのが決定的な違いです。上昇トレンドならPOCも右肩上がりに動くので、「押し目の目安が時間とともに切り上がる」という直感的な使い方ができます。

POCとは

Point of Controlの略で、最も出来高が集中した価格帯を指します。多くの参加者が納得して売買したゾーン=適正価格とみなされやすく、価格が引き寄せられたり、反発の起点になりやすい水準として重視されます。

⑥ 右上のダッシュボード

チャート右上に小さな情報テーブルが表示されます。中身は以下の4項目です。

表示項目内容
Direction現在のトレンド方向。上向きなら「Bullish ↗」、下向きなら「Bearish ↘」と背景色付きで表示されます
POC Level現時点でのPOCラインの価格
POC VolumeそのPOCの段に溜まっている出来高
Channel High/Low±3SDにあたるチャネル上限・下限の価格
ダッシュボード(Direction / POC Level / POC Volume / Channel High Low)
ダッシュボード(Direction / POC Level / POC Volume / Channel High Low)

Directionの判定は、期間の始点と終点でカーブの位置を比べているだけというシンプルなものです。そのため、山なりに反転して直近は下げているのに表示はまだ「Bullish」のまま、というケースが起こり得ます。ダッシュボードは“ざっくりした地合い”として見るのが正解で、ここだけで転換を判断しないようにしてください(注意点の章で図にしています)。

なぜこういう動きをするのか|仕組みの理解

もう少し踏み込んで、「Polynomial/Linear Regression Volume Profile」がどういう理屈で動いているのかを整理しておきます。ここを分かっていると設定変更後の挙動も予測できるようになります。

1 期間内の値動きにフィットする1本のカーブを引く

指定した期間ぶんの値動きに対して、統計的に誤差が最小になるカーブ(または直線)を引きます。これが中心線です。移動平均のように毎足ズルズル追従するのではなく、期間全体をまとめて1本の式に落とし込むのが回帰分析の考え方です。基準になる価格は初期値ではHL2(高値と安値の中間)です。

2 中心線からの距離で相場を「段」に分ける

中心線から±3SDまでの範囲を、指定した行数で均等に分割します。初期値では上下20行なので、合計40段のグリッドができあがります。1段の幅は「3SD÷行数」で、SDの目盛りとは別の等間隔です。

3 1本ずつ「どの段にいたか」で出来高を振り分ける

期間内の各ローソク足について、その時点の中心線からどれだけ離れていたかを測り、該当する段にその足の出来高を加算していきます。段の区切りを粗くして、1本の足に注目するとこうなります。

1本ごとに「中心線からどれだけ離れていたか」で段を決め、出来高を積む

先頭の大きな陽線は中心線からかなり上に離れていたため、上側の3段目に振り分けられています。

1本ごとに「中心線からどれだけ離れていたか」で段を決め、出来高を積む回帰の中心線と5段ずつのグリッドを描いた模式チャートで、期間の最初の足が中心線から離れた段に振り分けられ、その足の出来高だけでその段の帯ができている様子を示しています。出来高<- POC Vol: 84.184KChannel High (+3 SD): 115.78Channel Low (-3 SD): 82.89+1 SD-1 SD+2 SD-2 SDこの足のHL2(高値と安値の中間)中心線からの距離で入る段が決まるその足の出来高がこの段の帯になるこの足の出来高

Vowars DE ver.3.9.2

段の区切りを見やすくするため、Grid Rows Each Sideを5、Periodを44本にしています。段の境目はSDではなく「3SD÷行数」の等間隔で、帯はその段の下端の線に沿って描かれます。この段にほかの足は入っていないので、帯の長さはこの1本の出来高だけで決まっています。

この図では、ほかの足がまったく入っていない段に1本だけ大きな足が入ったので、その足の出来高がそのまま帯の長さになっています。これを全部の足で繰り返して積み上げたものが、あの曲がったプロファイルの正体です。もうひとつ細かい点として、帯は段の真ん中ではなく、段の下端の線に沿って描かれます。帯の位置を価格として読むときは、半段ぶんのズレがあると覚えておくと正確です。

4 最大の段をPOCとして全長ラインで描く

集計が終わったあと、最も出来高が多かった段を選び出してPOCラインとして描画します。最大出来高を基準に他の段の線の長さと色が相対的に決まるので、プロファイルの見た目は常に「一番厚い段との比較」で表現されていると考えてください。

見落としやすい仕様

中心線から±3SDより外に飛び出していた足の出来高は、どの段にも入りません。つまり急騰・急落の外れ値部分はプロファイルに反映されないということです。極端なヒゲが出た局面でも山の形が変わらないのはこのためです。

使い方|TradingViewでの導入と実践の流れ

1 チャートに追加する

TradingViewのチャート上部にある「インジケーター」から、インジケーター名で検索して追加します(2026/9/22 現在)。ローソク足に重ねて表示されるタイプなので、サブウィンドウは増えません。

2 まずチャネルの中の“現在地”を確認する

最初に見るのは、価格が中心線より上か下か、そして±1SD・±2SDのどのあたりにいるかです。中心線より上=トレンドに対して割高、下=割安という単純な見方でかまいません。±2SDを超えていれば行き過ぎ気味、と判断します。

3 POCラインと厚い帯の位置を確認する

次にオレンジのPOCラインがどこを通っているかを見ます。上昇トレンドで価格がPOCより上にいるなら、押し目の第一候補はPOCライン付近です。POCは時間とともに切り上がっていくので、「今日はここ、明日はここ」と目安が更新されていくのが便利なところ。

4 薄い帯(出来高の少ない段)を通過ゾーンとして扱う

線が短く色も沈んでいる段は、あまり売買されずに素通りされた乖離ゾーンです。ここに価格が入ると止まりにくく、次の厚い帯まで一気に走ることがあります。厚い帯=抵抗、薄い帯=通過帯、というスキャンの仕方をすると使いやすいです。

5 他の指標と合わせて最終判断する

「Polynomial/Linear Regression Volume Profile」には売買シグナルの矢印もアラート機能もありません。あくまで環境認識と目標値・押し目の目安を出すツールなので、エントリーの引き金は別の指標やプライスアクションで取るのが前提になります。

活用しやすい相場・苦手な相場

機能しやすい場面

  • 方向感のある持続的なトレンド相場(押し目・戻りの位置取りが明確になる)
  • トレンド中の一時的な過熱(±2〜3SDタッチからの戻り狙い)
  • 厚い帯を抜けて薄い帯へ突入する場面(走りやすさの見積もり)
  • 日足・4時間足など、ある程度データが溜まる時間軸

苦手な場面

  • 方向感のない狭いレンジ(カーブがほぼ水平になり優位性が薄れる)
  • 急激な一方向のブレイク直後(外れ値がプロファイルに反映されず判断が遅れる)
  • 出来高データが薄い、または信頼性の低い銘柄・時間軸
  • チャートをスクロールするだけで過去を振り返りたい場面(検証にはバーリプレイが必要)

ビットコインで検証すると、日足の大きな上昇局面では中心線とPOCがきれいに押し目のガイドになってくれます。一方、方向感を失って何週間も揉み合うような場面ではカーブが寝てしまい、厚い帯がチャネル中央にドンと1つできるだけになりがちです。「レンジではただの平均線」くらいに割り切るのが精神衛生上いいと思います。

パラメーター解説と推奨設定

設定画面はグループ分けされていて、上から「Core Settings」「Grid & Profile Settings」「POC Settings」「Standard Deviation Levels」「Volume Profile Gradient Colors」「Style & UI Settings」という並びになっています。

パラメーター設定
設定初期値推奨値効果
SourceHL2HL2 または Close計算の基準になる価格。HL2は高値と安値の中央なのでヒゲの影響が平均化され、カーブが滑らかになります。終値ベースで揃えたい人はCloseへ
Period200100〜300回帰の対象となる期間。大きいほど大局的で滑らかなカーブに、小さいほど直近の値動きに敏感なカーブになります
Regression ModePolynomialPolynomial(相場の反りを見たい場合)/Linear(純粋なトレンド角度を見たい場合)中心線を曲線にするか直線にするかの切り替え。曲線は加速・減速まで表現し、直線はシンプルで判断がブレにくい
Grid Rows Each Side2015〜25上下それぞれの分割数。増やすと出来高分布が細かくなりPOCの精度が上がる一方、線が細く密集して見づらくなります
Max Profile Width (% of Period)2015〜30プロファイルの横線が最大でどこまで左に伸びるかの割合。大きいほど分布の差が見やすく、大きすぎるとローソク足が隠れます
Show POC LineON(色:オレンジ/太さ:2)ON最大出来高の段を貫くラインの表示切替。このインジケーターの核なので基本はONのままで
Show SD LevelsONON±1・±2・±3SDのラインとラベルの表示切替。線が多すぎると感じたらここをOFFにすると一気にスッキリします
SD Line StyleDashedDashedSDラインの線種(実線/破線/点線)。破線のままだと中心線・グリッドと区別しやすい
SD Line Width11〜2SDラインの太さ。SDを重視した使い方なら2にすると視認性が上がります
Bullish/Bearish青/オレンジ任意上昇時・下降時の色。ダッシュボードの背景色と、出来高が多い帯の色に反映されます
Low Volumeくすんだ赤(半透明)任意(背景に近い暗色)出来高が少ない帯の色。背景に溶け込む色にすると、厚い帯だけが浮き上がって見やすくなります
Baseline StyleDashedSolid中心線の線種。中心線を明確な基準として使うなら実線が見やすい
Grid Lines StyleDottedDottedグリッド線の線種。もともと薄い色なので点線のままで問題ありません
POC Line StyleSolidSolidPOCラインの線種。最重要ラインなので実線推奨
Dashboard SizeNormalSmall(スマホ・小画面)/Normal右上ダッシュボードの文字サイズ。画面を占有しすぎる場合はSmallへ
配色の説明文には注意

設定画面で色の項目にカーソルを合わせると説明が出ますが、Bullish/Bearishの説明は「出来高が少ない段の色」、Low Volumeの説明は「中程度の段の色」となっていて、実際の役割と一致していません。実際には、Bullish/Bearishが出来高の多い帯とダッシュボードの色、Low Volumeが出来高の少ない帯の色です。色を変えるときは上の表の役割で考えてください。

Regression Modeを切り替えると、中心線はどう変わる?

Regression Modeは見た目を一番大きく変える設定です。上昇して天井をつけ、下げに転じた相場で比べると違いがはっきりします。

Polynomialは上昇から失速までの反りを曲線で、Linearは平均の傾きだけを直線で引く

白い破線がPolynomial(初期設定)の中心線です。グレーの点線は、同じ期間でRegression ModeをLinearにした場合の中心線です。

Polynomialは上昇から失速までの反りを曲線で、Linearは平均の傾きだけを直線で引く上昇のあと天井をつけて下落した模式チャートに、初期設定のPolynomialで引いた中心線と、Linearに切り替えた場合の直線を重ねています。<- POC Vol: 33.247KChannel High (+3 SD): 114.43Channel Low (-3 SD): 88.28+1 SD-1 SD+2 SD-2 SDPolynomialは天井に合わせて中心線が山なりに曲がるLinearだと期間全体の平均の傾きだけになる

Vowars DE ver.3.9.2

Linearの線は比較のために重ねたもので、実際のチャートにはどちらか一方しか表示されません。Periodは見やすさのため44本にしています。

Polynomialは天井に合わせて中心線が山なりに曲がるので、「今は失速して下り坂に入った」ことまでカーブで読めます。一方Linearは期間全体の平均的な傾きしか持たないため、この例ではほぼ横ばいの線になり、直近の下げは「中心線より下にいる」としか表現されません。相場の反りを見たいならPolynomial、トレンドの角度だけを淡々と見たいならLinearという使い分けが、個人的にはしっくりきました。

用途別のおすすめ設定

いじる価値が高いのは正直なところPeriodとRegression Mode、そしてGrid Rows Each Sideの3つです。ここを目的に合わせて動かすだけで、印象がかなり変わります。

用途PeriodRegression ModeGrid Rows Each Side
短期・スイングの押し目狙い80〜120Polynomial20〜25
中長期の環境認識250〜400Linear15〜20
ノイズを減らして大きな山だけ見る200前後Linear8〜12

Periodを短くすると直近の値動きに強く反応してカーブがクネクネしはじめ、逆に長くすると相場の大きな流れだけを拾うようになります。ビットコインの日足なら初期値の200でおよそ半年強ぶんを見ている計算になるので、「サイクルを1周ぶん含む長さ」を目安に決めると納得感のある形になりやすいです。

Grid Rows Each Sideを少なくすると1段あたりが太くなり、大まかな山が把握しやすくなります。帯の太さも行数に合わせて自動で太くなります。逆に増やしすぎると帯が細くなって視認性が落ちるうえ、描画量の関係で一部のラインが表示されなくなることもあるので、増やす方向は控えめが無難です。

Periodを極端に長くしないこと

このインジケーターは直近500本ぶん程度の範囲で計算する仕様です。それを大きく超える期間を指定しても正しく描画されないため、Periodは長くても500以内に収めてください。

使ってみて感じた強みと弱み

頼れるところ

  • 押し目・戻りの目安がトレンドと一緒に動くので、水平線より実戦的に使える
  • トレンド・過熱度・出来高の偏りを1枚で同時に把握できる
  • ±3SDの上限下限が数値で表示され、目標値やリスク幅の見積もりが楽
  • 曲線と直線を切り替えられるので、相場の性格に合わせて調整できる
  • 色と線の長さで出来高の濃淡が直感的に伝わる

気をつけたいところ

  • 売買シグナルもアラートも無く、単体では判断が完結しない
  • 表示は常に最新足を基準に引き直されるため、過去検証はバーリプレイでの手作業になる
  • 期間設定を変えると形が大きく変わり、後付けの解釈をしやすい
  • 初期状態は線が多く、チャートが賑やかになりすぎる
  • レンジ相場では優位性が出にくい

注意点|使う前に知っておくべきこと

描画は常に「最新の状態」に引き直される

これが一番大事な注意点です。「Polynomial/Linear Regression Volume Profile」の中心線・グリッド・SD・プロファイル・POCは、すべて最新の足を基準にまとめて描き直されます。新しい足が確定するたびに回帰の当てはめ直しが起こるため、昨日見えていたカーブと今日のカーブは微妙に(時には大きく)形が違います。どのくらい変わるのかを、10本前の時点の中心線と重ねて比べてみます。

新しい足が加わるたびに回帰が当てはめ直され、過去の区間のカーブも位置が変わる

白い破線が最新の足で引き直した中心線、グレーの点線が10本前の時点で表示されていた中心線です。

新しい足が加わるたびに回帰が当てはめ直され、過去の区間のカーブも位置が変わる急騰のあと下落し、最後に持ち直した模式チャートに、最新の足で引いた中心線と、10本前の時点で引かれていた中心線を重ねています。同じ過去の足の上でも、2本の線の位置は大きく異なります。<- POC Vol: 19.205KChannel High (+3 SD): 117.61Channel Low (-3 SD): 105.69+1 SD-1 SD+2 SD-2 SD10本前の時点で表示されていた中心線最新の足で引き直した中心線同じ過去の足でもカーブの位置が変わる

Vowars DE ver.3.9.2

10本前の時点では山なりのカーブで、終点が始点より上だったため判定は上昇(帯は青)でした。最新の足では谷型のカーブに変わり、終点が始点より下になったため、直近は持ち直しているのに判定は下降(帯はオレンジ)です。過去の状態を確かめたいときは、TradingViewのバーリプレイで1本ずつ進めると、その時点の描画を再現できます。Periodは見やすさのため44本にしています。

たった10本で、山なりだったカーブが谷型に変わっています。しかも期間の終点が始点より下に来たので、帯の色は青からオレンジに切り替わりました。私もこれを初めて見たときは「え、過去の部分まで動くの?」と驚きましたが、期間全体で1本の式を当てはめる以上、これは避けられない性質です。

過去検証はバーリプレイで

チャートを左にスクロールしただけでは、その時点で表示されていたはずの状態は再現されません。「あの時POCで綺麗に反発していた」という後から見た結論は、リアルタイムでは違う位置にPOCがあった可能性があるということです。当時の挙動を確かめたいときはバーリプレイを使ってください。再生バーを基準に全体が描き直されるので、その時点で見えていた形をそのまま再現できます。ただし1本ずつ進める手作業になり、遡れる期間は時間足やプランによって変わります。

なお、矢印などの売買シグナルそのものが存在しないため、「シグナルが後から消える/位置が変わる」という意味でのリペイントは起こりません。ただし上記のとおりチャネルとプロファイルの形は更新され続ける点は必ず理解しておいてください。

トレンド表示は転換のシグナルではない

ダッシュボードの「Direction」と帯の色は、期間の始点と終点でカーブの高さを比べているだけです。そのため、天井を打って下げ始めていても、しばらく「Bullish」のままということがあります。

Directionは中心線の始点と終点を比べるだけなので、下向きに転じてもBullishのまま残る

中心線はすでに下向きですが、終点が始点より上にあるので、判定は上昇(Bullish)のままです。

Directionは中心線の始点と終点を比べるだけなので、下向きに転じてもBullishのまま残る上昇のあと天井をつけて下げ始めた模式チャートです。中心線の終点は下向きですが、始点より高い位置にあるため、出来高の帯は上昇時の青で描かれています。<- POC Vol: 13.016KChannel High (+3 SD): 112.76Channel Low (-3 SD): 95.32+1 SD-1 SD+2 SD-2 SD期間の始点期間の終点(すでに下向き)終点はこの高さ(始点)より上なので判定はBullishのまま

Vowars DE ver.3.9.2

ダッシュボードのDirectionと出来高の帯の色は、同じ判定で決まります。直近のカーブの向きは見ていないので、転換の判断には使えません。Periodは見やすさのため44本にしています。

図では中心線がはっきり下を向いているのに、終点がまだ始点より上にあるので判定は上昇のままです。直近のカーブの向きはまったく見ていないということですね。転換の判断は必ず値動きそのものと他の指標で行ってください。

POCは“磁石”であって“壁”ではない

出来高が集中した水準は価格を引き寄せやすい反面、勢いのある相場ではあっさり貫通します。POCを「絶対に止まるライン」と考えると、トレンド継続局面で逆張りを繰り返す原因になります。あくまで反応が出やすい候補地点として、ローソク足の反応を確認してから動くのが安全です。

POC付近に何度かはじかれた後、勢いよく貫通している例
POC付近に何度かはじかれた後、勢いよく貫通している例

描画が重くなりやすい

大量の曲線を毎回描き直す性質上、環境によっては動作が重く感じられます。他の重いインジケーターと同時に大量に載せるより、これを主軸にして補助は軽いものを少数だけという構成のほうが快適です。

他のインジケーターとの組み合わせ

「Polynomial/Linear Regression Volume Profile」は環境認識担当なので、タイミングを取る役割の指標と組ませるのが基本です。

組み合わせ狙い
RSI・ストキャスティクスPOCや±2SDに到達した場面で、オシレーターの反転と重なるかを確認してエントリー精度を上げる
出来高(Volume)厚い帯を抜ける瞬間に実際の出来高が伴っているかを見て、ブレイクの本物・ダマシを判別する
上位足の水平ライン・通常のボリュームプロファイル曲線POCと固定の価格帯が重なる場所を「二重で意識される水準」として優先度を上げる
ATR±3SDのチャネル幅と実際の変動幅を比較し、損切り幅や利確目標を現実的な数値に調整する

特に相性がいいと感じたのは、通常の水平型ボリュームプロファイルとの併用です。TradingView標準のFixed Range Volume Profileを同じ期間に当てると、次のような見え方になります。

曲線POCと水平POCが交わる場所は、2つの見方が重なる水準になる

オレンジが「トレンドの中で出来高が集まった位置」、水色が「価格そのものとして出来高が集まった位置」です。

曲線POCと水平POCが交わる場所は、2つの見方が重なる水準になる上昇トレンドの模式チャートに、このインジケーターの曲線POC(オレンジ)と、同じ期間に当てた固定期間の水平ボリュームプロファイルとそのPOC(水色)を重ねています。<- POC Vol: 11.11KChannel High (+3 SD): 126.76Channel Low (-3 SD): 101.65+1 SD-1 SD+2 SD-2 SD曲線POCトレンドの中での適正位置水平POC価格としての適正位置2本が交わる場所は反応が出やすい候補
  • 曲線POC(このインジケーター)
  • 水平POC(Fixed Range Volume Profile)

Vowars DE ver.3.9.2

水平プロファイルは、TradingView標準のFixed Range Volume Profileを同じ期間に当てた場合のイメージで、色は見分けやすいように変えています。行数は24にしています。Periodは見やすさのため44本にしています。

曲線POCが「トレンドの中での適正位置」を、水平POCが「絶対価格としての適正位置」を示すので、この2つが交差する場所はかなり反応が出やすい印象でした。図の例でも、交点のあたりで値動きがいったん止まり、揉み合ってから上へ抜けています。水平プロファイルは期間を決めて引き直す必要がありますが、そのひと手間に見合う情報が得られます。

トレンドの中の“割安”を出来高で探したい人へ

「Polynomial/Linear Regression Volume Profile」は、「トレンドの中でどこが割高・割安なのか」を出来高の裏付け付きで見たい人に向いています。水平線ベースの分析だと、上昇トレンド中は過去のPOCがどんどん下に取り残されて使い物にならなくなりますが、こちらはPOCが一緒に上がっていくのでその問題が起きません。この一点だけでも導入する価値はあると思います。

逆に、明確なエントリーサインが欲しい人やアラートで通知を受け取りたい人には向きません。過去検証自体はバーリプレイで可能ですが、1本ずつ進める手作業になるので、まとまった量をサッと確認したい人には少し面倒に感じるはずです。あくまでチャートを読むための地図であって、答えを出してくれるツールではないからです。

こんな人におすすめ

・トレンドフォローで押し目や戻りを丁寧に拾いたい人
・ボリュームプロファイルを使っているが、トレンド相場で使いにくさを感じている人
・環境認識用のメインインジケーターを1つに絞りたい人

まずは初期設定のままビットコインの日足に入れて、Show SD LevelsをONのまま数日眺めてみてください。価格がPOCに引き寄せられる場面と、素通りしていく場面の違いが体感で分かってきたら、その時点でこのインジケーターは十分に戦力になっているはずです。慣れてきたらPeriodを自分の取引スタイルに合わせて詰めていく、という順番がおすすめです!

参照元・データ出典:この記事は、チャートプラットフォーム「TradingView」にて、クリエイター「BigBeluga」が制作したインジケーターを実際に使用し、徹底分析を行った上で公開しています。
BigBeluga(TradingView) / 公式サイト

免責事項:本記事は情報提供を目的としたもので、投資助言や特定の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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執筆者YUZURUVowars運営・検証担当
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Web制作会社でオウンドメディアの編集者として働きながら、2018年に暗号資産(仮想通貨)トレードを開始。現物から先物まで実践するうちにチャート分析にのめり込み、現在はTradingViewのオリジナルインジケーターも自作しています。 当サイトでは、TradingViewのインジケーターを自分のチャートで1本ずつ検証し、計算の中身・使い方・弱点までを図解つきでレビューしています。作り手の視点でロジックまで踏み込み、実際に使って確かめた情報だけを掲載。特定銘柄への投資勧誘は行っていません。

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