FVG Sniperは、値動きの「空白」を採点して取引プランまで描くインジケーター
見ている対象はFVG(Fair Value Gap、フェアバリューギャップ)です。急な値動きのせいで、3本のローソクのあいだに取引が行われなかった値段の空白ができることがあります。この空白をFVGと呼び、価格があとで埋めに戻ってきやすい場所として、スマートマネー系の分析でよく使われています。「FVG Sniper」はこの空白を自動で箱にし、0〜10点で採点し、どこまで埋まったかを追い、条件がそろった足でBUY/SELLとエントリー・損切り・3段階の利確ラインをまとめて描きます。

私はビットコインの日足・4時間足・30分足で、しばらく値動きと一緒に眺めてみました。最初の印象は「FVGを表示するツールというより、FVGを根拠にした売買プランを自動で作図するツール」です。箱を描くだけのFVG系インジケーターは珍しくありませんが、採点・埋まり具合の追跡・取引プランの作図までが一体になっているものはそう多くありません。一方で、勝ち負けの記録の付け方など、知らずに使うと誤解しやすい仕様もいくつか見つかりました。この記事では、そこまで含めて導入するかどうかを判断できる材料をそろえます。
チャートに出てくるものを先に整理しておきます。色と形の意味さえ覚えてしまえば、画面の情報量のわりに迷うことはありません。
| チャート上の表示 | 意味 |
|---|---|
| 緑の箱/赤の箱 | 上昇のFVG/下落のFVG |
| 琥珀色の点線の箱 | 終値で抜かれて役割が反転したFVG(IFVG) |
| BUY/SELLのラベル | シグナルと、根拠になった箱の評価(★と点数) |
| 白い太線・赤い点線・緑の細線 | エントリー・損切り・TP1〜TP3 |
| 緑のゾーン・赤のゾーン | 利確側の幅と損失側の幅 |
| 右端の★ラベル | 残っている箱の中で最高評価の1つ |
| TP ✔/SL ✘/EXIT のラベル | 取引の結果とR倍率 |
| 右上のパネル | 上位足の方向、最寄りの箱、直近の反転などのまとめ |
箱になるのは「勢いのある足が空けた空白」だけ
上昇のFVGは、3本目の安値が1本目の高値より上にあるときにできます。1本目の高値から3本目の安値までの間が、誰も取引しなかった空白です。下落のFVGはその裏返しで、3本目の高値が1本目の安値より下にあるときにできます。
3本のローソクの「重ならない部分」が箱になる
1本目の高値と3本目の安値が重ならないとき、そのあいだがFVGとして箱になります。
Vowars DE ver.3.11.0
ただし、空白があればすべて箱になるわけではありません。「FVG Sniper」は2つの条件で候補をふるいにかけます。
- 空白の高さが、ATR(その銘柄の平均的な1本あたりの値幅)の0.25倍以上あること(Min Gap Size (× ATR))
- 真ん中の2本目の足で、実体が高値〜安値の幅の45%以上を占めていること(Min Displacement Body Ratio)
効いているのは2つ目の条件です。ヒゲばかりの足でたまたまできた空白は拾わず、実体の大きい足が一気に動いて残した空白だけを箱にします。表示できる箱が最大14個に抑えられていることもあって、30分足でも画面が箱で埋め尽くされることはありませんでした。この点はありがたいと感じます。
箱が描かれるのは3本目の足が確定したときです。形成中の足で箱が出たり消えたりすることはありません。描かれた箱は1本目の足から始まり、埋まり切るまでは最新の足の12本先まで延び続けます。この延長の長さは Gap Box Extension (bars) で変えられます。
0〜10点の評価と、★が1つしか付かない理由
箱ごとの評価は、3つの要素を足し合わせて10点満点にしたものです。配分は次のとおりです。
| 要素 | 見ているもの | 配分 | 満点になる条件 |
|---|---|---|---|
| 空白の大きさ | 空白の高さ ÷ ATR | 40% | ATRの1倍以上 |
| 2本目の勢い | 2本目の値幅(高値〜安値)÷ ATR | 35% | ATRの2倍以上 |
| 出来高 | 2本目の出来高 ÷ 直近20本の平均 | 25% | 平均の2倍以上 |
たとえば、空白の高さがATRの半分、2本目の値幅がATRと同じ、出来高がちょうど平均並みなら、それぞれ満点の半分ずつで合計5.0点になります。★の数は点数で決まり、9点以上で★5つ、7点以上で★4つ、5点以上で★3つ、3点以上で★2つ、それ未満は★1つです。
この点数を画面で確認できる場所は2つしかありません。BUY/SELLのラベルと、チャート右端に1つだけ出る★ラベルです。★ラベルは、まだ埋まっておらず、反転もしていない箱の中で、いちばん点数の高いものに付きます。
★が付くのは、生きている箱の中で最高評価の1つだけ
評価の点数は箱ごとに計算されますが、チャートに★が出るのは1か所だけです。
Vowars DE ver.3.11.0
図の10.0点の箱のように、どれだけ点数が高くても、ヒゲで埋まった時点で★の候補から外れます。「過去最高の箱」ではなく「いま生きている中で最高の箱」を示すラベルだと理解しておくと、画面を見て迷いません。
出来高データがない銘柄では、出来高の要素が一律で半分(0.5)として計算されます。そのため評価の上限は8.75点になり、★5つは付きません。Min Signal Grade (0-10) を9以上にすると、シグナルが1つも出なくなる点にも注意してください。
箱は「埋まる」「止まる」「反転する」の順に姿を変える
埋まり率(Fill)は途中の最安値で決まる
上昇FVGの箱に押し目が入ると、箱の上端から安値がどこまで入り込んだかが埋まり率として記録されます。計算に使うのはそれまでの最安値なので、あとで価格が戻っても埋まり率は下がりません。安値(ヒゲ)が下端まで届くと Mitigated、つまり埋まり切った状態になり、箱はその位置で延長を止めます。
箱が埋まっていく過程と、埋まり切った箱の止まり方
安値が箱に深く入るほど埋まり率(Fill)が上がり、ヒゲが下端まで届くと箱は止まります。
Vowars DE ver.3.11.0
少し意外だったのは、埋まり切った箱がチャートから消えないことです。初期設定では色も変わらず残るので、生きている箱との見分けは「右へ延びているかどうか」だけになります。画面が混んできたら Hide Mitigated Gap Boxes をオンにしておくと、埋まった瞬間に箱が消えて、残っている箱だけを追えるようになります。
終値で抜けた箱は、琥珀色の点線に変わって役割が入れ替わる
このインジケーター「FVG Sniper」は、ヒゲで抜けたか終値で抜けたかをはっきり区別しています。上昇FVGの下端より下で終値が確定すると、その箱は反転したFVG(IFVG、Inverted FVG)として琥珀色の点線に変わります。買いの根拠だった空白が、今度は売りの根拠になるという考え方です。
終値で割り込まれた上昇FVGは、売りの根拠に変わる
ヒゲではなく終値で箱を抜けたとき、箱の役割が反転(IFVG)し、方向が逆のシグナルになります。
Vowars DE ver.3.11.0
反転した箱は色が変わるだけで、そのあと戻りを試しに来ても新しいシグナルは出ません。反転を根拠にしたシグナルは、終値で抜けたその足の1回きりです。IFVGを「戻り売りの目安」として使いたい人は、ここを自分の目で補う必要があります。
BUY/SELLが点灯するのは2つのパターンだけ
シグナルの出どころは Signal Source で選べます。初期値は2つを両方使う「Rejection + IFVG」です。
1押し目で箱に触れて反発する(Rejection)
まだ埋まっていない上昇FVGに安値が入り込み、下端は割らずに、陽線で確定した足でBUYになります。売りはその逆で、下落FVGに高値が入り込み、陰線で確定した足でSELLです。1つの箱から出る Rejection は1回だけで、箱ができた足そのものは対象外です。陽線・陰線の条件は Require Directional Rejection Close をオフにすると外せます。
2箱を終値で突き抜ける(IFVG Flip)
下落FVGを終値で上に抜けた足でBUY、上昇FVGを終値で下に抜けた足でSELLになります。前の章で見た反転の瞬間が、そのままシグナルになる形です。
どちらのパターンでも、根拠になった箱の評価が Min Signal Grade (0-10)(初期値4.0)以上であることと、上位足の方向が一致していることが条件です。上位足の方向は、HTF Timeframe(初期値240、つまり4時間足)の終値が HTF EMA Length(初期値50)のEMAより上なら強気、下なら弱気と判定されます。強気のときはBUYだけ、弱気のときはSELLだけが出る仕組みです。
押し目がFVGで止まった足で、取引プランが一式描かれる
箱の中で押しが止まり、陽線で確定した足にBUYが出ます。同時にエントリー・損切り・利確の目安が描かれます。
Vowars DE ver.3.11.0
取引プランの線とゾーンの読み方
- 白い太線はエントリーで、シグナルが出た足の終値です
- 赤い点線は損切りです。初期設定では根拠の箱の外側に、ATRの0.2倍を足した位置に置かれます
- 緑の細線はTP1〜TP3で、損切りまでの幅(1R)の1倍・2倍・3倍の位置です
- 緑のゾーンはエントリーからTP3まで、赤のゾーンはエントリーから損切りまでの範囲です
- 右端のラベルに、エントリーと損切りの価格、TPのR倍率が表示されます
損切り幅には下限と上限があり、ATRの0.4倍より狭いときは0.4倍まで広げ、4倍より広いときは4倍に抑えます。根拠の箱が小さくても、損切りが近すぎてすぐ刈られる事態をある程度避けられる作りです。
取引が終わると、結果のラベルが付きます。TP3に高値が届けば「TP ✔ +3R」、損切りに触れれば「SL ✘ -1R」、120本たっても決着しなければ、その時点の終値で「EXIT」とR倍率が表示されます。同じ足でTP3と損切りの両方に触れた場合は、損切り側として記録されます。結果を甘く見せない、慎重な判定だと思います。
使う前に知っておきたい3つの仕様
勝ち負けを決めるのは、TP3と損切りのどちらに先に触れたかだけ
いちばん驚いたのがここでした。TP1とTP2は線が引かれるだけで、到達しても何も記録されません。
TP2を超えても、SLに戻れば記録は「-1R」
取引の勝ち負けを決めるのは、TP3とSLのどちらに先に触れたかだけです。
Vowars DE ver.3.11.0
図のように、TP2を大きく超えてから反落して損切りに触れた取引も、ラベルは「SL ✘ -1R」です。チャートに残った結果ラベルを数えて勝率を見積もると、TP1で一部を利確する運用とは数字がずれます。ラベルは「TP3まで持ち続けたらどうなったか」の記録として読むのが正確です。
取引中に出たシグナルは、アラートは鳴るのにチャートには描かれない
「FVG Sniper」が同時に持てる取引プランは1つだけです。前の取引がTP3・損切り・時間切れのどれかで終わるまでは、新しいBUY/SELLの条件がそろっても、ラベルも取引プランも描かれません。ところがアラートの条件は成立するので、通知は届いたのにチャートには何も出ていないということが起こります。前の章の反転の図で、③の足がちょうどその場面です。
これを減らしたい場合は、Max Trade Duration (bars) を短くするのが手です。決着のつかない取引が次の取引をふさぐ時間が短くなります。
古い箱と取引プランは、上限に達すると自動で消える
箱は新しいものから14個まで(Max Visible Gaps)、しかも発生から220本まで(Gap Lifetime (bars))しか残りません。取引プランも直近20件まで(Max Drawn Trades)です。チャートを左へスクロールしても昔の箱が見当たらないのは、このためです。
過去を見直したいときは、この3つの値を上げるか、TradingViewのバーリプレイを使います。バーリプレイなら当時の状態を1本ずつ再現できます。ただし手動で送る必要があり、日中足で遡れる期間は契約プランによって変わります(日足以上は全期間を再生できます)。
「FVG Sniper」はストラテジーではなくインジケーターとして作られているため、ストラテジーテスターに損益や勝率の集計は表示されません。結果ラベルは直近20件まで残るので、目視で数えるか、バーリプレイで1件ずつ確かめることになります。
右上のダッシュボードは「最新の足の時点」だけを映している
ダッシュボードの11行が教えてくれること
右上のパネルは、最新の足の時点で残っている箱の状況をまとめたものです。
表の数値は例示です。
Vowars DE ver.3.11.0
パネルは11行で、上から順に読めば現在の状況がひととおり分かります。Active Bull FVG と Active Bear FVG は、埋まり切っておらず反転もしていない箱の数です。Nearest Gap は現在値にいちばん近い箱の「中心の価格」で、▲なら上昇FVG、▼なら下落FVGを指します。その箱の埋まり率が Nearest Fill % です。
使ってみて戸惑ったのが Active Signal の欄です。シグナルは足が確定したときにしか立たないため、この欄に表示が出るのは確定した直後のほんの一瞬だけで、次の足が動き始めると「—」に戻ります。シグナルを見逃したくないなら、この欄を眺めるよりアラートを設定するほうが確実です。最下段の累計は、チャートに読み込まれている期間の中で数えた数なので、時間足や読み込み量によって変わります。
アラートは4種類用意されています。TradingViewのアラート作成画面で、条件に「FVG Sniper [JOAT]」を選ぶと、次の中から選べます。
- FVG Sniper — BUY
- FVG Sniper — SELL
- FVG Sniper — Bull IFVG Flip
- FVG Sniper — Bear IFVG Flip
後ろの2つは、上位足の方向や評価に関係なく、箱が終値で反転した足で鳴ります。ただし Signal Source を「Rejection Only」にしていると、反転のアラートも鳴らなくなるので注意してください。
上位足フィルターは、チャートより上の時間足に合わせ直す
HTF Timeframe の初期値は「240」、つまり4時間足です。これが上位足として働くのは、チャートが4時間足より短いときだけです。4時間足チャートでは同じ時間足を見ているだけになり、日足チャートでは逆に下位足を参照することになります。添付の日足チャートでもダッシュボードは BULLISH と出ていましたが、中身は「その日の最後の4時間足がEMA50より上か」という判定でした。
時間足を変えたら、この設定も一緒に変えるのがおすすめです。目安は、チャートの4〜6倍程度の時間足です。
| チャートの時間足 | HTF Timeframe の目安 |
|---|---|
| 5分足〜15分足 | 60(1時間足) |
| 30分足〜1時間足 | 240(4時間足、初期値のまま) |
| 4時間足 | D(日足) |
| 日足 | W(週足) |
リペイントは確定足では起きないが、上位足の判定だけは揺れうる
作者は「確定した足だけで計算するのでリペイントしない」「上位足の取得も先読みしていない」と説明しています。箱の検出、評価、埋まり具合、シグナル、取引の結果までが確定した足でだけ計算されるのは、実際の挙動でも確かめられました。過去のチャートに未来の値が混ざることもありません。
気をつけたいのは上位足の方向の判定です。この判定は、上位足の足が確定する前の値を、リアルタイムではそのまま使っています。TradingViewの公式ドキュメントでも、この方法で上位足の値を取ると、リアルタイムでは形成中の上位足の値が使われ、読み込み直したあとの過去の計算とは結果が変わりうると説明されています。
具体的には、4時間足の終値がEMA50のすぐ近くを行き来している場面が危ないところです。30分足でリアルタイムに出たBUYが、チャートを読み込み直すと消えている、あるいはその逆が起こる余地があります。上位足がEMAから大きく離れている場面ではまず問題になりませんが、EMA付近でのシグナルは、上位足の足が確定するまで様子を見ると安心です。
過去のチャートでは、上位足の方向がすべて確定した値で判定されています。見返したときに「このBUYはきれいに当たっている」と感じても、その場でリアルタイムに同じシグナルが出ていたとは限りません。とくに上位足の切り替わり付近は、過去の表示を当てにしすぎないようにしてください。
設定は5つのグループ。まず触るのは4か所だけ
設定項目は多いものの、グループの名前が役割どおりに分かれているので迷いにくい作りです。私が実際に触ったのは HTF Timeframe、Min Signal Grade (0-10)、Hide Mitigated Gap Boxes、Max Trade Duration (bars) の4つでした。それ以外は初期値のままで十分に機能します。
01 · Engine(箱とシグナルの基本)
| 設定 | 初期値 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|---|
| Detect Bullish FVGs | オン | オン | 上昇FVGの検出。オフにすると上昇側の箱が作られず、そこからのBUYと、反転によるSELLも出なくなる |
| Detect Bearish FVGs | オン | オン | 下落FVGの検出。オフにすると下落側の箱と、そこからのシグナルが出なくなる |
| Signal Source | Rejection + IFVG | Rejection + IFVG | シグナルの出どころ。押し目の反発だけ、反転だけ、両方から選ぶ |
| Max Visible Gaps | 14 | 14〜30 | 残す箱の数。増やすと過去の箱も見えるが画面は混む |
| Gap Lifetime (bars) | 220 | 220 | 埋まらない箱を残す本数。過ぎると箱ごと削除される |
| Gap Box Extension (bars) | 12 | 12 | 生きている箱を最新の足から何本先まで延ばすか |
02 · Filters(どの箱とシグナルを通すか)
| 設定 | 初期値 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|---|
| ATR Length | 14 | 14 | 空白の大きさや損切り幅の基準になるATRの期間 |
| Min Gap Size (× ATR) | 0.25 | 0.25〜0.4 | 箱にする最小の空白。上げるほど小さな空白が消える |
| Min Displacement Body Ratio | 0.45 | 0.45〜0.6 | 2本目の実体の割合の下限。上げるほど勢いのある足だけが残る |
| Min Signal Grade (0-10) | 4.0 | 6.0〜7.0 | シグナルを出せる評価の下限。上げるほどシグナルが減る |
| Higher-Timeframe Bias Filter | オン | オン | 上位足の方向と同じ向きのシグナルだけに絞る |
| HTF Timeframe | 240 | チャートの4〜6倍 | 上位足の時間足。チャートより長い時間足にする |
| HTF EMA Length | 50 | 50 | 上位足の方向を判定するEMAの期間 |
| Require Directional Rejection Close | オン | オン | 反発のシグナルに、陽線(売りは陰線)での確定を求める |
03 · Trade Model(取引プランの作り方)
| 設定 | 初期値 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|---|
| Stop Basis | Gap-Protected | Gap-Protected | 損切りの基準。箱の外側に置くか、エントリーからATRの倍数で置くか |
| Gap Stop Buffer (× ATR) | 0.20 | 0.20〜0.30 | Gap-Protected のとき、箱の外側に足す余裕 |
| ATR Stop Distance (× ATR) | 1.50 | 1.50 | ATR を選んだときの損切りまでの距離 |
| Min Risk (× ATR) — floor | 0.40 | 0.40 | 損切り幅の下限 |
| Max Risk (× ATR) — cap | 4.00 | 4.00 | 損切り幅の上限 |
| TP1 (R) | 1.0 | 1.0 | 1つ目の利確目安。線を引くだけで結果の判定には使われない |
| TP2 (R) | 2.0 | 2.0 | 2つ目の利確目安。こちらも判定には使われない |
| TP3 (R) | 3.0 | 2.0〜3.0 | 最終目標。ここに届くかどうかで勝敗が決まる |
| Max Trade Duration (bars) | 120 | 短期足は30〜60 | この本数で決着しなければ終値で手仕舞い扱いにする |
| Active Zone Projection (bars) | 8 | 8 | 取引中のゾーンと線を最新の足から何本先まで描くか |
| Max Drawn Trades | 20 | 20 | チャートに残す取引プランの数 |
04 · Visuals と 05 · Dashboard(見た目)
| 設定 | 初期値 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|---|
| Show Gap Midline | オフ | 好みで | 箱の中央(50%)に点線を引く |
| Hide Mitigated Gap Boxes | オフ | オン | 埋まり切った箱を消して、生きている箱だけにする |
| Show Grade Spotlight ★ | オン | オン | 最高評価の箱に★ラベルを付ける |
| Show Inversion (IFVG) Styling | オン | オン | 反転した箱を琥珀色の点線に変える |
| Color Candles (Zone Reader) | オフ | 好みで | 終値が生きている箱の中にある足を薄く色付けし、シグナル足は濃く塗る |
| Show VWAP + σ Bands | オフ | オフ | VWAPと上下のバンドを表示する |
| Box Transparency | 86 | 86 | 箱の塗りの透明度 |
| Label Size | Small | Small | ラベルの文字の大きさ |
| Show Dashboard | オン | オン | 右上のパネルの表示 |
| Position | Top Right | Top Right | パネルの位置 |
ほかにも、ラベルや線、結果ラベルを個別に消す切り替えと、色の設定があります。色は Bullish FVG / Long(#26A69A)、Bearish FVG / Short(#EF5350)、Inversion Accent(#FFB300)の3つです。エントリー線の銀色と損切りゾーンの赤は、入力項目には用意されていません。
Show VWAP + σ Bands のバンド幅は、直近100本の終値の標準偏差をもとにしています。VWAPからの乖離で幅を決める一般的なVWAPバンドとは別物なので、ほかのツールのVWAPバンドと数値が合わなくても不具合ではありません。
目的別の調整
1シグナルを減らして、強い箱だけに絞りたい
Min Signal Grade (0-10) を6〜7に上げます。評価は空白の大きさと2本目の勢いで7割以上が決まるので、この値を上げると「大きく、勢いよく空いた箱」からのシグナルだけが残ります。それでも多いと感じたら、Min Displacement Body Ratio を0.6前後まで上げると、実体の小さい足から生まれた箱が候補から外れます。
25分足・15分足のデイトレードで使いたい
HTF Timeframe を60にし、Max Trade Duration (bars) を30〜60に縮めます。120本のままだと、5分足では10時間も1つの取引が居座り、そのあいだのシグナルがすべて隠れてしまいます。ノイズが多いと感じたら、Min Gap Size (× ATR) を0.35前後に上げてください。
3スイングで、箱を「待ち伏せする場所」として使いたい
HTF Timeframe をWにした日足チャートで、Hide Mitigated Gap Boxes をオンにします。生きている箱だけが残るので、「次に押したらどこで止まりそうか」を落ち着いて眺められます。シグナルは参考程度にして、箱と★ラベルを地図として使う使い方です。
ビットコインの3つの時間足で使って分かったこと
ここからは、実際にチャートへ入れて見えたことを書きます。どれも2026/9/25 時点のBTCUSDTのチャートです。
30分足では、評価10.0の1勝と、評価の高い負けが並んだ

9月21日の急騰前に出た評価10.0のBUYは、そのまま一気にTP3まで伸びて「TP ✔ +3R」になりました。この場面は見ていて気持ちがいいものです。ところがその後、高値圏のもみ合いで出た評価4.8と7.1のBUYは、どちらも損切りで終わっています。画面に残っていた4件を数えると、1勝3敗で合計はちょうど0Rでした。
正直なところ、評価の点数は「箱の質」を表しているだけで、そのシグナルが勝つ確率を表しているわけではないと実感しました。急騰の途中で空いた箱は強く、上昇が止まったあとのもみ合いで出る箱は、点数が高くても機能しにくい印象です。
4時間足では、上位足フィルターが自分自身を見ていた

4時間足では、初期値の HTF Timeframe が同じ4時間足を指すため、フィルターは「チャート自身の終値がEMA50より上か」という判定になります。それでも機能はしますが、上位足で方向をそろえるという本来の意味は薄れます。4時間足で使うなら、日足(D)に変えておくのが本来の使い方です。
日足では、箱が大きく、取引プランも大きい
画像日足では箱の1つひとつが数千ドル規模になり、TP3までの距離もかなり遠くなります。8月中旬の上昇の起点では、評価10.0のBUYから取引プランが描かれていました(画面の時点でもまだ取引中です)。日足で使うなら、シグナルそのものより「大きな空白がどこに残っているか」を確認する地図として使うほうが、個人的には扱いやすく感じました。
いちばん相性がいいのはDMI。もみ合い中のBUYを避けやすくなる
「FVG Sniper」の上位足フィルターは「方向」は見ていますが、「トレンドの強さ」は見ていません。30分足で負けが続いたのも、方向は上でも勢いが止まったもみ合いの中でした。この弱点を補うのに向いているのが、TradingViewに標準で入っている「Directional Movement Index」(DMI)です。
DMIは3本の線でできています。ADXはトレンドの強さを表し、上向きならトレンドが強まっている状態です。+DIは上昇方向、-DIは下落方向の勢いを表します。BUYが出た足で「ADXが上向きか」と「+DIが-DIより上か」の2点を確かめるだけで、もみ合いの中のBUYをかなり見分けやすくなります。
DMIを下に置くと、見送るべきBUYが見分けやすくなる
BUYが出た足で、ADXの傾きと+DI・-DIの上下を確かめるだけで、もみ合いの中のBUYを避けやすくなります。
- ADX
- +DI
- -DI
Vowars DE ver.3.11.0
ルールにすると、「BUYは、ADXが20を超えて上向き、かつ+DIが-DIより上のときだけ取る」となります。SELLはその逆で、ADXが上向き、かつ-DIが+DIより上のときです。「FVG Sniper」が「どこで」を教えてくれて、DMIが「いま動いているか」を教えてくれる、という分担です。作者自身も説明の中で「場所はツールが示し、タイミングは自分で確かめる」という趣旨のことを書いていて、この組み合わせはその考え方にも沿っています。
向いているのは、勢いのある一方向の相場
このインジケーター「FVG Sniper」が得意なのは、急騰や急落のあとに押し目や戻りを作りながら進む相場です。勢いのある足が空けた箱に押し目が入り、そこから反発する、という教科書どおりの動きをすると、取引プランがきれいにはまります。反対に、上下に振れるだけのレンジや、トレンドが終わりかけて高値圏でもみ合う場面では、箱ができても機能しにくく、損切りが続きやすくなります。
トレードスタイルで見ると、デイトレードとスイングトレードに向いています。スキャルピングでも動きます。ただ、1分足前後は今回試しておらず、小さな空白が増えるぶんノイズの影響を受けやすいと考えています。ポジショントレードでは箱の地図としては使えるものの、TP3までが遠すぎて取引プランはあまり実用的ではありませんでした。
頼れるところ
- FVGの検出から採点、取引プランの作図までが1つで完結する
- 実体の大きい足の空白だけを拾うので、箱の数が多すぎない
- ★ラベルで、いま最も強い箱がひと目で分かる
- エントリー・損切り・利確の位置とR倍率がすぐに読める
- ヒゲと終値の抜け方を区別し、反転(IFVG)まで追ってくれる
- 計算は確定した足だけで行われ、過去のチャートに未来の値が混ざらない
気をつけるところ
- 勝敗はTP3と損切りだけで決まり、TP1・TP2の到達は記録されない
- 取引中に出たシグナルはチャートに描かれない(アラートは鳴る)
- 上位足の方向の判定は、リアルタイムと読み込み直し後で変わりうる
- 初期値の上位足(4時間足)は、4時間足以上のチャートでは上位足にならない
- もみ合い相場では評価の高いシグナルでも損切りが続きやすい
- 成績の集計機能はなく、検証は目視かバーリプレイになる
導入前に押さえておきたい注意点
BUY/SELLは、FVGと上位足の方向という2つの条件がそろったことを知らせるものです。相場の勢いや重要な価格帯、経済指標の予定までは見ていません。単体で機械的に売買せず、ほかの根拠と合わせて判断してください。
チャートに残る結果ラベルは、過去の足で判定したものです。上位足の方向がリアルタイムでは違って見えていた可能性や、同時に1つしか取引しない仕様があるため、ラベルを数えた成績を、そのまま自分の成績の見込みとして扱わないようにしてください。
もう1つ、同じ足でBUYとSELLの条件が両方そろった場合は、BUYが優先されます。めったに起きませんが、上下の箱が近くに並んでいる場面で「なぜBUYなのか」と迷ったら、この仕様を思い出してください。
空白の場所はFVG Sniperに任せて、入る理由は自分で足す
画像「FVG Sniper」は、FVGを探して箱を描くところまでで終わらず、「どの箱が強いか」「そこで何をするか」まで形にしてくれるインジケーターです。FVGの考え方をひととおり知っている人なら、導入したその日から、チャートを見る時間がかなり短くなるはずです。
そのうえで、結果ラベルはTP3まで持った場合の記録であること、取引中のシグナルは描かれないこと、上位足の設定はチャートに合わせて直す必要があることの3点は、使う前に知っておいてほしいところです。私は HTF Timeframe をチャートに合わせて変え、DMIを下に置いたうえで、★が付いた箱への押し目だけを狙う使い方に落ち着きました。空白の場所を探す手間を任せられる分、入るかどうかの判断に時間を使えるようになります。









