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「BYO Pattern V1」レビュー|Three Drivesから独自パターンまで対応する万能パターン検出ツール。

インジケーターBYO Pattern V1

「BYO Pattern V1」レビュー|Three Drivesから独自パターンまで対応する万能パターン検出ツール。
インジケーター BYO Pattern V1
このインジケーターの製作者 Trendoscope
この評価にした理由 パターン検出ツールとしての完成度はかなり高く、比率条件を自由に組み替えられる柔軟さは他になかなかありません。PRZやサマリーテーブルまで自動で出してくれるので、手描きの手間が一気に減ります。一方でアラート機能がなく、売買シグナルも出さない純粋な可視化ツールであること、そして設定の意味を理解していないと使いこなせない点で、初めての1本には向きません。この「刺さる人には刺さる」性格を踏まえて4.0としました。
この難易度にした理由 チャートに入れるだけなら誰でもできますが、本領を発揮させるには「XAB」「BCD」「CDE」といった比率の意味を理解し、自分でパターン条件を組み立てる必要があります。しかも終端比率を全部オフにするとエラーで止まる仕様など、ハーモニックパターンの前提知識がないと設定画面で手が止まります。逆に言えば、比率の意味が分かっている人にとってはこれ以上ないほど自由度の高いツールです。
結論

BYO Pattern V1は、ジグザグの高値安値から算出したフィボナッチ比率を自分で指定し、条件に合う独自パターンを自動検出するTradingViewインジケーターです。初期設定はThree Drivesです。

この記事の要点
  • ジグザグのピボット5点または6点を使い、指定したフィボナッチ比率に合致する形だけを自動で検出して描画する
  • 初期設定はThree Drives(6ピボット/XAB0.618・ABC1.272・BCD0.618・CDE1.272)
  • XAB・ABC・BCD・CDE・XAD・XCD・ABE・ADEの8種類の比率を個別にオンオフでき、固定値でも範囲でも指定できる
  • 固定値を入れた場合はError Percent(初期値20)が許容幅として働き、20%はかなり緩い設定
  • 終端比率(6ピボットはCDE/ABE/ADE、5ピボットはBCD/XAD/XCD)を最低1つ有効にしないとエラーで停止する
  • 検出されたパターンにはPRZ(反転候補ゾーン)が自動で描画される
  • 再帰的なジグザグにより、大小異なる規模のパターンを同時にスキャンする
  • サマリーテーブルにパターン名・ピボット数・有効比率の範囲・検出数が表示される
  • 売買シグナルは出さず、アラート機能も搭載されていない
  • ジグザグが土台のため最後のピボットは更新される可能性があり、リアルタイムでの表示はブレやすい

ハーモニックパターンのインジケーターって、世の中にたくさんありますよね。ガートレー、バタフライ、バット、クラブ……ただ、どれも「あらかじめ決められた比率」で動いていて、自分で条件をいじれるものはほとんどありません。「この比率、もう少し緩くしたいんだけどな」と思っても手が出せない。そんなモヤモヤを丸ごと解決してくれるのが、今回紹介する「BYO Pattern V1」です。

名前の通り「Build Your Own Pattern(自分でパターンを作る)」というコンセプトで、どの比率を、どの範囲で満たしたら1つのパターンとみなすか、を全部自分で決められるのが最大の特徴です。実際にBitcoinチャートに入れて色々といじってみたので、表示のされ方から設定の勘所、そして正直な弱点まで詳しくレビューしていきます。

「BYO Pattern V1」とは?パターンの定義そのものを自分で作れるインジケーター

「BYO Pattern V1」は、Trendoscopeが公開しているオープンソースのパターン検出インジケーターです。ざっくり言うと、チャートの高値・安値の連なりから、指定したフィボナッチ比率の条件を満たす形だけを自動で見つけ出して描いてくれるツールです。

「BYO Pattern V1」を初期設定のまま適用。複数のパターンが色分けされて自動表示される。

チャートに追加すると、いきなりBitcoinの過去チャート上に色とりどりの折れ線が引かれ、その頂点に「X」「A」「B」「C」「D」「E」というラベルが付きます。これが検出されたパターンです。初期状態ではThree Drives(スリードライブ)という古典的なパターンを探す設定になっているので、まずはそのまま眺めてみるのが分かりやすいと思います。

ここで言う「ピボット」とは、チャートのジグザグ(高値と安値を交互に結んだ折れ線)の折り返し地点のこと。「BYO Pattern V1」はこのピボットを土台にして、直近5点または6点の位置関係が、指定した比率どおりになっているかどうかを常にチェックしているわけです。

Three Drivesとは

同じ方向に3回連続で価格が伸び、それぞれの伸び幅と押し・戻しがフィボナッチ比率で揃っている形のことです。3回目のドライブが完成したところが反転候補とされる、昔からある反転パターンです。「BYO Pattern V1」の初期値はこのThree Drivesを検出する構成になっています。

チャート上に何が表示されるのか

まずは見た目の話から。「BYO Pattern V1」がチャートに描くものは、大きく4つあります。

1. パターンの折れ線とピボットラベル

条件を満たした形が見つかると、そのピボットを結んだ折れ線が太めのラインで描かれます。そして各頂点に古い順からX → A → B → C → D →(6ピボットの場合はE)のラベルが付きます。5ピボット設定ならXABCDの5点、6ピボット設定ならXABCDEの6点です。

面白いのは、複数のパターンが同時に見つかった場合にそれぞれ別の色で描き分けてくれる点です。色は順番に切り替わっていくので、線が重なっても「これはこっちのパターンの線だな」と目で追えます。これ、地味ですが大量に検出されたときにものすごく助かります。

2. 比率ラベルと点線

有効にした比率条件ごとに、対応するピボット同士を結ぶ点線と、その中間地点に「XAB : 0.63」のような実測値のラベルが表示されます。つまり、パターンが検出された理由がそのままチャート上に書かれているわけです。

XABCDEのピボットラベルと各比率の点線・数値ラベル

個人的にはここがかなり気に入っています。ただ「パターンが出ました」と言われるより、「XABは0.63、ABCは1.31、CDEは1.28だからこの形なんですよ」と数字で見せてくれるほうが、納得して使えますよね。もちろん表示が邪魔なら消せます。

3. PRZ(反転候補ゾーン)

パターンの最終ピボット付近に、半透明の四角いボックスが描かれます。これがPRZ(Potential Reversal Zone=反転が起きうる価格帯)です。有効にしている終端側の比率から逆算した価格帯で、複数の終端比率をオンにしている場合は、それらが重なる範囲に絞り込まれます。

PRZ(半透明のボックス)が最終ピボット付近に表示される親切設計。

ここは誤解しやすいポイントなので先に書いておきます。このPRZは「これから価格が来る場所」を先読みして出すものではありません。パターンは最後のピボットが確定してから検出されるので、PRZは基本的に「完成した最終ピボットが、想定ゾーンの中にきちんと収まっているか」を目で確認するための帯として機能します。ボックスは最終ピボットから右に3本分だけ伸びる仕様で、チャートの右端まで延長されるわけでもありません。

4. サマリーテーブル

チャート右下に小さな表が出ます。中身は上からパターン名/ピボット数/有効にしている比率とその許容範囲/検出済みパターンの総数です。

右下に表示されるサマリーテーブル。パターン名・ピボット数・各比率の範囲・検出数などが一目で確認できる。

この表の価値は「今どんな条件でスキャンしているか」が一目で分かること。比率をいじって検証している最中、設定画面を開き直さなくても現在の条件が確認できますし、一番下の検出数を見れば、その設定が緩すぎるのか厳しすぎるのかがすぐ判断できます。条件を絞ったのに検出数が減らないなら、まだ緩いということです。

「BYO Pattern V1」は何を根拠にパターンを見つけているのか

土台になるのはジグザグ

すべての出発点はジグザグです。Lengthで決めた感度でチャートの高値・安値を拾い、そこから直近の5点または6点を切り出します。つまりジグザグの精度がそのままパターンの精度になるということ。ここが「BYO Pattern V1」の性能を左右する一番の急所です。

さらにこのインジケーターは、1段階のジグザグだけを見ているわけではありません。ジグザグをより大きな波にまとめ直しながら、規模の違うパターンを何段階も並行してスキャンします。だからBitcoinの日足に入れると、数十本規模の小さなパターンと、数百本規模の大きなパターンが同時に描かれるんですね。この階層の深さを決めているのがDepthです。

8種類の比率条件

使える比率条件は次の8種類です。それぞれ独立してオンオフでき、値も自由に指定できます。

比率意味対応ピボット数
XABXAの値幅に対するABの戻し比率5・6 両方
ABCABの値幅に対するBCの比率5・6 両方
BCDBCの値幅に対するCDの比率5・6 両方
CDECDの値幅に対するDEの比率6のみ
XADXAの値幅に対するADの比率5・6 両方
XCDXC区間を基準にしたCD側の比率5・6 両方
ABEABの値幅に対するBEの比率6のみ
ADEADの値幅に対するDEの比率6のみ

この8つを組み合わせることで、ABCDパターンもガートレー系の形もThree Drivesも、そして誰も名前を付けていない独自の形も表現できます。

固定値と範囲、2つの指定方法

各比率には開始値と終了値の2つの入力欄があります。ここの挙動が少し独特です。

  1. 開始値と終了値に同じ数字を入れる(固定値指定)Error Percentの割合だけ上下に広げた帯が許容範囲になります
  2. 違う数字を入れる(範囲指定)→ その範囲がそのまま許容範囲になり、Error Percentは無視されます

初期設定のXABは「0.618/0.618」で固定値指定、Error Percentが20なので、実際には約0.494〜0.742が許容されています。これ、かなり広いです。0.5の押しも0.786に近い押しも全部通ってしまうので、初期設定はかなり緩めのスキャン設定だと思っておいたほうがいいです。サマリーテーブルには広げたあとの実際の範囲が表示されるので、必ずそこで確認してください。

最低1つは必須の「終端比率」

「BYO Pattern V1」には、必ず有効にしなければいけない比率のグループがあります。

全部オフにするとエラーで停止します

6ピボット設定ではCDE・ABE・ADEのうち最低1つ、5ピボット設定ではBCD・XAD・XCDのうち最低1つを有効にする必要があります。これを全部オフにすると、インジケーターがエラーメッセージを出して動作を停止します。設定を詰めている最中にチャートから消えてびっくりすることがあるので、覚えておいてください。

この制約には理由があって、これらの比率はパターンの終着点の位置を決める条件だからです。終着点が定義されていないとPRZも計算できませんし、そもそも「どこで完成なのか」が決まりません。だから最低1つは必須になっているわけですね。

パラメーター設定を1つずつ解説

設定項目は「Zigzag」「Pattern」「Ratios」「Display」の4グループに分かれています。まずは一覧で。

パラメーター初期値推奨値効果
Length55〜15ジグザグの感度。大きくするとピボットが減り、大きな波だけを拾うようになる
Depth5050〜100スキャンに使うピボットの数と階層の深さ。大きいほど検出数は増えるが動作が重くなる(最大500)
Use Real Time BarsON検証時はOFF形成中のバーを計算に含めるかどうか。OFFにすると確定足のみで判定する
TitleThree Drives設定内容に合わせて変更サマリーテーブルに表示される名前。条件を変えたら必ず変えておくと混乱しない
Number of Pivots6検出したい形に応じて5か6パターンを構成する点の数。5ならXABCD、6ならXABCDE
Error Percent205〜10固定値指定時の許容幅。小さいほど厳密になり検出数が激減する
Log ScaleOFF長期足のBitcoinではON比率計算を対数ベースで行う。値幅の大きい銘柄・長期足で有効
XABON/0.618〜0.6180.5〜0.786の範囲指定最初の押し・戻しの深さを規定する条件
ABCON/1.272〜1.2721.13〜1.618の範囲指定2番目の伸びの大きさを規定する条件
BCDON/0.618〜0.6180.5〜0.786の範囲指定2回目の押し・戻しの深さを規定。5ピボット時は終端比率のひとつ
CDEON/1.272〜1.272(6ピボット時のみ)1.13〜1.618の範囲指定最後の伸びの大きさを規定。6ピボットの主力となる終端比率
XADOFF/0.382〜0.618絞り込みたい場合のみON起点XAに対するDの位置を制限する条件
XCDOFF/0.382〜1.000数値を確認してから使用XC区間を基準にした位置関係を制限する条件
ABEOFF/1.000〜2.618(6ピボット時のみ)終端を絞りたい場合にONABに対するEの到達距離を制限する終端比率
ADEOFF/1.000〜2.618(6ピボット時のみ)終端を絞りたい場合にONADに対するEの到達距離を制限する終端比率
ThemeDarkチャート背景に合わせるダーク背景なら明るい色、ライト背景なら暗い色で描画される
Pivot LabelsONONXABCDEのラベル表示。オフにすると折れ線だけになる
Ratio LabelsON検出数が多いときはOFF比率の点線と実測値ラベルの表示
SummaryONON右下のサマリーテーブルの表示

まずいじるべきは「Length」

設定項目は多いですが、最初に触るべきは間違いなくLengthです。初期値の5はかなり感度が高く、Bitcoinの15分足あたりだと細かい上下まで全部ピボットとして拾ってしまいます。その結果、ノイズレベルの小さな形まで「パターン」として検出されてしまうんですね。

実際にBitcoinの4時間足で試したところ、5のままだとチャートが線だらけになりました。10〜15まで上げると拾う波が明らかに大きくなり、「確かにこれは意味のある形だな」と思えるものだけが残ります。検出数が多すぎると感じたら、比率を厳しくする前にまずLengthを上げてみるのが遠回りに見えて一番早いです。

Error Percentは20のままだと緩すぎる

先ほども触れましたが、Error Percentの初期値20は実用上かなり広めです。1.272に対して20%の許容を与えると、おおよそ1.018〜1.526までが合格になります。これは「ほぼ等倍の伸び」から「1.618に近い伸び」までを同じ扱いにするということで、パターンとしての厳密さはだいぶ失われます。

私はまず20のままで全体像を掴み、そこから10 → 5と絞っていく使い方をしています。サマリーテーブルの検出数を見ながら下げていくと、どのあたりで急に減るかが分かって面白いですよ。

固定値より範囲指定のほうが扱いやすい

許容幅を細かくコントロールしたいなら、開始値と終了値に別々の数字を入れる「範囲指定」のほうが直感的です。たとえばXABを「0.5〜0.786」とすれば、フィボナッチの主要な押し目レンジをそのまま条件にできます。この場合Error Percentは効かないので、比率ごとに独立した許容幅を持たせられるのがメリットです。

Log ScaleはBitcoinの長期足で効いてくる

Log Scaleは地味ですが、Bitcoinを扱うなら覚えておきたい設定です。価格が数千ドルから10万ドル台まで動くような長期チャートでは、同じ「1000ドルの値幅」でも局面によって意味がまったく違いますよね。対数ベースで比率を計算すると、値幅ではなく変動率で比率を見ることになるので、週足・月足のような長期足では素直な結果になりやすいです。

逆に、日足以下の短めの期間で見るぶんには、オンにしてもオフにしても結果はほとんど変わりません。ここは「長期足を見るときのスイッチ」と割り切っていいと思います。

実際の使い方

1初期設定のまま追加して、まず眺める

TradingViewのインジケーター検索から「BYO Pattern V1」を追加します。何も変えずに、まずはBitcoinの日足あたりで表示させてみてください。初期設定はThree Drivesなので、3回連続で同じ方向に伸びている形が拾われているはずです。

この段階でやることは、検出された形を1つずつ見て「これは実際に反転につながっているか?」を確認すること。ここで感覚を掴んでおくと、後の設定調整がぐっと楽になります。

2Lengthを調整して検出粒度を合わせる

時間足と銘柄に合わせてLengthを調整します。線が多すぎるなら上げる、検出がほとんど出ないなら下げる。自分が普段トレードで意識している波のサイズと、ジグザグが拾う波のサイズを揃えるのがコツです。

3検出したいパターンの条件を組み立てる

ここが本番です。たとえば古典的なABCDパターンを検出したいなら、Number of Pivotsを5にして、XAB・ABC・BCDを有効化し、それぞれに狙いの比率を入れます。Titleも「ABCD」などに変えておくと、サマリーテーブルを見たときに何を探しているのかすぐ分かります。

逆に「条件を1つだけにして、とにかく広く拾う」という使い方もアリです。6ピボットでCDEだけを有効にすれば、最後の伸びが指定倍率に達した形を全部拾ってくれます。

4PRZと他の根拠を照らし合わせる

パターンが完成したら、PRZの位置に注目します。そこが水平線で引いた過去の高値・安値と重なっているか移動平均線やトレンドラインと近いかを確認してください。「BYO Pattern V1」は売買シグナルを出さないので、実際のエントリー判断は他の根拠と組み合わせて自分で行う必要があります。

5サマリーテーブルの検出数で設定を検証する

最後に検出数を確認します。数十件も出ているなら条件が緩すぎ、1〜2件しか出ないなら厳しすぎる可能性があります。表示中のチャート範囲に対して、目視で追える程度の件数に収まっているかどうかを目安にすると調整しやすいです。

どんな場面で活きるインジケーターか

得意な場面

「BYO Pattern V1」が本領を発揮するのは、トレンドの終盤で反転を警戒したい場面です。特に初期設定のThree Drivesは、同方向への伸びが3回続いて勢いが尽きかけているところを拾う形なので、Bitcoinのように一方向に走ったあと急反転する銘柄との相性は悪くありません。

また、押し目・戻り目の候補を機械的に洗い出す用途にも使えます。比率条件を継続パターン寄りに組めば、トレンド途中の調整終了地点を探すツールにもなります。「どんな形を探すか」を自分で定義できるので、用途がひとつに縛られないのがこのインジケーターの強みです。

時間足で言えば、4時間足〜日足のスイングトレードが一番しっくりきました。パターンの完成には相応の本数が必要なので、あまり短い足だと形が壊れやすく、また待ち時間に対してリターンが見合いにくい印象です。日足・週足で使えばポジショントレードの環境認識にも十分使えます。

苦手な場面

逆に苦手なのは、方向感のない狭いレンジです。ジグザグが小刻みなピボットを大量に作るため、比率だけはたまたま合致した「形だけのパターン」が量産されます。見た目は綺麗なパターンでも、実際には何の意味もない上下動というケースが普通に起きます。

どんなインジケーターでも指標発表などのファンダ乱高下には抗えない。

それと、指標発表などで一気に飛ぶ場面も苦手です。長い髭や窓で値幅が歪むと比率計算も歪み、通常なら成立しない形が成立してしまうことがあります。この2つは、実際にBitcoinチャートで検証していて明確に感じた弱点です。

メリットとデメリット

強み

  • 比率条件を完全に自分で定義できる自由度の高さ
  • 固定値でも範囲でも指定でき、許容幅を細かく制御できる
  • 検出理由が比率ラベルとして数値で表示される
  • PRZが自動計算され、手描きの手間が省ける
  • 規模の異なるパターンを同時にスキャンしてくれる
  • 複数パターンが色分けされ、重なっても判別できる
  • サマリーテーブルで現在の条件と検出数が常に見える
  • オープンソースで無料

弱み

  • アラート機能が用意されていない
  • 売買シグナルは一切出さず、判断は完全に自分次第
  • ジグザグ依存のため最後のピボットが変動しうる
  • 初期のError Percent 20は緩く、そのままだと検出過多
  • 比率の意味が分からないと設定を組み立てられない
  • Depthを上げすぎると動作が重くなる
  • レンジ相場では無意味な形を大量に拾う
  • 終端比率を全部オフにするとエラーで停止する

使う前に知っておきたい注意点

パターンは「完成後」に表示される

これは仕組み上どうしようもない部分ですが、パターンが描かれるのは最後のピボットが確定してからです。過去チャートを見ると「完成した瞬間に線が引かれて、そこから綺麗に反転している」ように見えますが、リアルタイムでは事情が違います。

最終ピボットが確定するには、そこから価格がある程度反対方向に動く必要があります。つまりパターンが表示された時点で、反転の初動はある程度進んでいるということです。ここを理解しないまま過去チャートの見え方だけで判断すると、実戦で必ずズレます。

リアルタイムでの表示は動く

形成中の表示は確定ではありません

ジグザグを土台にしている以上、最後のピボットは価格がさらに伸びれば更新されます。特にUse Real Time BarsをONにしていると、形成中のバーの値動きに反応して表示が出たり消えたりします。検証や記録を取る目的で使うならOFFにして確定足だけで判定させるほうが安定します。それでも「最後のピボットは後から変わりうる」という性質自体は残る点に注意してください。

アラートは搭載されていない

「BYO Pattern V1」にはアラート機能がありません。パターン検出時に通知を飛ばす、という使い方はできないので、チャートを開いて自分で確認する必要があります。複数銘柄を監視したい人にとってはここが一番の制約になると思います。

XCDを使うときは数値を目視で確認する

これは細かい話ですが、8つの比率のうちXCDだけは、表示される数値が名前から想像する計算結果と食い違うケースがあるように感じました。初期状態ではオフになっている条件なので通常の使用には影響しませんが、有効にする場合は表示された比率ラベルの数値を自分で検算してから運用に組み込むことをおすすめします。他の7つについては、表示される数値とラベルの意味は一致していました。

Depthを上げすぎない

Depthは最大500まで設定できますが、上げるほどスキャンする階層が増えて動作が重くなります。環境によってはエラーで止まることもあるので、いきなり最大値にせず、50から段階的に上げて様子を見るのが安全です。

他のインジケーターとの組み合わせ

「BYO Pattern V1」は判断材料を1つ提供するだけのツールなので、単体運用は現実的ではありません。私が実際に併用して相性が良かった組み合わせを挙げておきます。

組み合わせ狙い
水平線・過去の高値安値PRZが節目と重なっているかを確認し、信頼度を判断する
RSI・ストキャスティクス最終ピボット付近でダイバージェンスが出ているかを確認する
出来高最後の伸びで出来高が細っていれば、勢いの減衰を裏付けられる
上位足のトレンド判定(移動平均など)上位足の方向に逆らうパターンを除外し、ダマシを減らす

特に効果を感じたのはオシレーターのダイバージェンスとの併用です。Three Drivesのように同方向へ3回伸びる形は、最後の伸びでモメンタムが落ちていることが多く、オシレーターがそれを裏付けてくれると納得感がまるで違います。パターンの形とモメンタムの減衰、2つの根拠が揃ったところだけを狙う、という絞り込み方はかなり実用的です。

総合レビュー

「BYO Pattern V1」は、ハーモニックパターンの比率を自分で決めたい人のための道具です。既製のパターン検出インジケーターに物足りなさを感じていた人、あるいは自分なりの比率の仮説を検証したい人にとっては、ちょっと他に代わりがないレベルの自由度があります。

一方で、比率の意味が分かっていないと設定画面の前で固まってしまうのも事実です。「入れるだけで矢印が出るインジケーター」を探している人には、正直まったく向きません。アラートもなく、売買シグナルも出ない、あくまで見つけて描くだけのツールです。

こんな人におすすめ

ハーモニックパターンをすでに手動で引いている人、自分なりの比率ルールを持っていて、それを機械的に検証したい人には強くおすすめできます。手でフィボナッチを当てて比率を測る作業が丸ごと自動化されるので、検証のスピードが段違いになります。

まずは初期設定のThree Drivesのまま、Bitcoinの日足あたりで1週間ほど眺めてみてください。どんな形を拾うのか、そのあと価格がどう動くのかを見ていくうちに、「自分ならこの比率をこう変えたい」という感覚が出てくるはずです。そこから先が、この「BYO Pattern V1」の本当の使いどころだと思います。

参照元・データ出典:この記事は、チャートプラットフォーム「TradingView」にて、クリエイター「Trendoscope」が制作したインジケーターを実際に使用し、徹底分析を行った上で公開しています。

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執筆者Vowarsトレーダー / インジケーター開発者 / Webクリエイター
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Web制作会社でオウンドメディアの編集者として勤務する傍ら、約8年前から暗号資産(仮想通貨)投資を開始しました。現物取引から先物取引まで実践する中でチャート分析の奥深さに魅了され、TradingViewのインジケーターを個人で自作開発するまでにのめり込みました。 ​当ブログでは、TradingViewインジケーターの使い方や弱点、関連用語の解説を中心に行っています。特定銘柄への投資勧誘を行うものではなく、皆様が自身の目で確かめ、知識を深めて自力をつけるための「補助輪」のような役割と考えており、正確な情報発信を目指しています。 ​掲載情報はすべて自身で検証を行った一次情報に基づき、実際の使用感や注意点も含めて包み隠さずお届けすることを徹底しています。

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