RSI Bottom/Top Retest Scalperは、RSIが70や30に達した1回目ではエントリーせず、いったん冷却したあとに形成される2回目の山・谷と、価格が確認ラインを実体で抜けたことの両方を満たした場合のみサインを出す、逆張りスキャル向けインジケーターです。損切りと1R・2Rも自動描画されます。
- RSIの1回目の極値ではサインを出さず、冷却を挟んだ2回目の反転だけを狙う逆張り系インジケーター
- RSIパネルの丸は「監視開始」、三角は「2回目のリテスト成立」を示し、どちらもエントリーサインではない
- 実際のエントリー合図は、価格チャートに表示される中抜き矢印
- 2回目の山は1回目より必ず低い位置(谷なら高い位置)に形成される必要があり、切り下がり・切り上がり構造を判定している
- 矢印が出る条件は、ローソク足の実体の50%以上が確認ラインを抜けること(初期値、陽線・陰線は不問)
- エントリー価格はライン抜けした足ではなく、その次の足の始値を使うため計算が現実的
- 損切りは三角からライン抜けまでの高値・安値を基準にし、幅が薄すぎる場合はATRベースに自動切り替え
- 1R・2Rは計画用の目安であり、到達を保証するものではない
- 確認ラインはEMA・SMA・ALMA・Kalman・基準線など13種類から選択可能、初期値は基準線34
- 作者は5分足のゴールドスキャルピングを想定して初期値を調整、1分足では反応の速いALMAを推奨
- 初期状態では足の確定後に判定するため、確定済みのサインが後から消えるリペイントは発生しない
- 三角が頂点より数本遅れて出るのは仕様で、再描画ではなく山の確定待ち
- 強いトレンド相場では1回目のピークが更新され続けてカウントがリセットされ、サインがほとんど出なくなる
- 上下幅のあるレンジ、急騰・急落後の息切れ、押し目・戻り狙いの場面と相性が良い
- シグナル数は少なく待ち時間が長いため、エントリー回数を求めるトレーダーには不向き
- 上位足のトレンド方向や水平線と併用し、逆行方向の矢印を除外する運用が現実的
- 2回目シグナルと確定エントリーの両方でアラート設定が可能
- 対応スタイルはスキャルピングとデイトレード、難易度は中級者向け
「RSI Bottom/Top Retest Scalper」とは?RSIの“2回目”だけを狙う逆張りツール
RSIが70を超えたから売る、30を割ったから買う。テクニカル分析を始めて最初に習う使い方ですが、実際にやってみると「1回目の行き過ぎ」で入ると高確率で轢かれるのは、多くの人が経験しているところだと思います。
このインジケーター「RSI Bottom/Top Retest Scalper」は、まさにその問題に真正面から取り組んだツールです。RSIが極端な水準に達しても、そこではエントリーサインを出しません。いったんRSIが落ち着くのを待ち、そのあとで2回目の山(または谷)が1回目より内側に形成されたときだけを「本命」として扱います。
さらに「RSI Bottom/Top Retest Scalper」が面白いのは、RSI側の条件が揃っただけでは矢印を出さない点です。価格チャート側に引かれた確認ラインを、ローソク足の実体が一定割合以上抜けたことを追加条件にしており、オシレーターと価格の両方が同じ方向を向いて初めてエントリー扱いになります。作者本人も「5分足のゴールドスキャルピング向けに初期値を調整した」と述べており、短期の逆張りスキャルを主戦場として設計されたインジケーターです。

見るべきは3つだけです。①RSIパネルの丸(1回目の極値)②三角(2回目のリテスト成立)③価格チャートの中抜き矢印(実際のエントリー)。丸と三角はあくまで「準備段階」で、トレードの合図は矢印だと覚えておけば、この後の解説がすっと入ってきます。
チャート上に何が表示されるのか
RSIパネル側の表示
「RSI Bottom/Top Retest Scalper」はサブウィンドウ(別枠)に表示されるタイプです。パネル内には通常のRSIラインに加えて、役割の違う水平線が3層で引かれます。
- 破線(70/30)…セットアップの引き金となる極値ライン
- 点線(65/35)…いったん冷やす必要がある冷却ライン
- 薄い点線(68/32)…2回目の山・谷が満たすべき再進入ライン
加えて、セットアップが進行中のあいだだけ「2回目のピークが超えてはいけない上限ライン」が動的に描かれます。これは1回目のピークからわずかに内側に引かれる線で、この線より上で山を作ってしまったらリテストとして認めないという判定ラインを目で確認できるようになっています。ボトム側も同様に「下限ライン」が引かれます。
さらに、セットアップが有効なあいだはパネルの背景が薄く色付きます。売り準備なら赤系、買い準備なら緑系。「今このインジケーターは獲物を探している最中なのかどうか」が一目で分かるので、これは地味に便利です。

価格チャート側の表示
価格チャートには次の4つが重ねて表示されます。
- 確認ライン(初期状態では基準線タイプの34期間)
- 2回目シグナルの三角(ローソク足の上下に表示。オフ可能)
- 中抜きのエントリー矢印(⇧/⇩)
- Stop Loss・1R・2Rのライン群
ここが「RSI Bottom/Top Retest Scalper」の実用性を大きく引き上げている部分で、エントリーが成立した瞬間に、損切り位置とリスクリワード1倍・2倍の到達目標が自動で引かれます。「サインは出たけど、どこに損切りを置けばいいの?」で手が止まらずに済むのは、スキャル用途では想像以上に効きます。
シグナルが出るまでの流れを順番に追う
「RSI Bottom/Top Retest Scalper」の挙動は、売りセットアップを例に追うと理解が早いです。買いはすべて上下逆と考えてください。
1RSIが上の極値に到達 → 丸マーカー
RSIがUpper Extreme(初期値70)に到達すると、その位置に赤い丸が付き、セットアップが起動します。同時に背景ハイライトが点灯します。
この丸はエントリーサインではありません。むしろ「ここでは入るな、ここから観察が始まる」という合図です。なお、RSIがそのまま上に伸び続けた場合は、1回目のピーク値が自動で上書きされていきます。75まで伸びれば1回目のピークは75として記録される、という具合です。
2RSIが冷却レベルまで下がる
次に必要なのが「クールダウン」です。RSIがUpper Cooling Level(初期値65)以下まで下がって初めて、2回目の山を探すフェーズに移行します。
これは70付近でRSIがギザギザ揺れているだけの動きを、2回目のピークとして誤カウントしないためのフィルターです。実際、強い上昇局面ではRSIが68〜73あたりで小刻みに上下しますが、この条件があるおかげで、そういう場面では三角が一切出ません。
32回目の山が形成 → 三角マーカー
冷却後、RSIが再び上昇して山を作ったとき、次の3条件をすべて満たすと2回目のピークとして記録されます。
- その山が本物の局所ピークであること(左右の足より高い山)
- 山の高さがSecond Peak Re-Entry Minimum(初期値68)以上であること
- 山の高さが1回目のピークより低いこと(Min Lower High / Higher Low Gapの分だけ確実に低い必要あり)
つまり「そこそこ買われすぎ圏に戻ってきたが、前回の勢いには届かなかった」という切り下がりを探しているわけです。1回目が75なら2回目は72でもOK、というのがポイントで、単純な「70超え2回」よりずっと構造的な判定になっています。
そしてこの2回目のピークが確定したあと、RSIが実際に下向きに転じた足で、赤い三角が点灯します。ここでRSI側の準備は完了です。
山かどうかは、その右側の足が出揃わないと確定しません。そのため三角は山の頂点そのものではなく、頂点より数本あとに表示されます。これは不具合ではなく、後から線が書き換わらないようにするための仕様です。作者も「局所ピークは右側の確定足が必要」と明言しています。
4価格が確認ラインを実体で抜ける
三角が出ても、まだ矢印は出ません。ここから「RSI Bottom/Top Retest Scalper」は価格チャート側を監視し始めます。
条件はシンプルで、ローソク足の実体のうちBody Beyond Line %(初期値50%)以上が確認ラインの向こう側にある足が出ること。売りなら実体の半分以上がライン下、買いなら半分以上がライン上です。ローソク足が陽線か陰線かは問いません。実体の位置だけを見ています。
この探索にはEntry Search Window(初期値40本)の期限があり、40本以内に条件を満たす足が出なければ、そのセットアップは静かに破棄されます。三角が出たのに矢印が出ないまま終わるケースは、たいていこれです。
5次の足の始値でエントリー扱い
ここが「RSI Bottom/Top Retest Scalper」の丁寧なところです。ライン抜けを果たした足はあくまで「引き金を引いた足」であり、エントリー価格には使いません。
中抜き矢印が描かれるのはその次の足で、エントリー価格はその足の始値。つまり「その足の終値を見てから、その足の安値で入ったことにする」といった非現実的な計算をしていません。実際に手動で発注する場合と条件が揃うので、表示されている1R・2Rが絵に描いた餅になりにくい設計です。
Stop Loss・1R・2Rはどう決まっているのか
損切り位置は三角が出た足から、ライン抜けの足までのあいだに付けた最高値(買いなら最安値)が基本です。直近の値動きが実際に跳ね返された場所を損切りに使うので、根拠としては素直です。
ただし、その高値がエントリー価格に近すぎて損切り幅が極端に薄くなる場合には、ATRを基準にした代替の損切りに自動で切り替わります。ヒゲ1本で即狩られるような損切りを防ぐ安全弁ですね。1Rと2Rは、確定したエントリー価格とこの損切り幅から機械的に算出され、Trade Level Length(初期値18本)の長さで右方向に伸びます。
作者自身が明記しているとおり、1R・2Rはあくまで計画のための目安ラインであり、そこまで価格が届くことを保証するものではありません。「2Rの線が引かれた=2R取れる」ではなく、「このトレードは2R狙う価値があるか?」を判断するための物差しとして使ってください。
セットアップが途中で消えるケース
背景ハイライトが点いていたのに、いつのまにか消えている。これには明確な理由があります。「RSI Bottom/Top Retest Scalper」には無効化条件が用意されています。
| 無効化の種類 | 発生条件 | 意味 |
|---|---|---|
| 反対極値への到達 | 売り準備中にRSIが下の極値に到達 | 相場の性格が完全に反転したため、売り探しを中止 |
| 時間切れ | 1回目の極値から40本経過 | いつまでも古いセットアップを引きずらない |
| 中間ラインでの中止 | RSIが50を割り込む(初期状態ではオフ) | 勢いが完全に反転したと判断して中止 |
| 1回目の更新 | 冷却後にRSIが1回目のピークを明確に超える | 新しい丸が出て、カウントが最初からやり直しになる |
4つ目は特に覚えておく価値があります。強い上昇トレンドでは、RSIが冷えたあとに前回の高値を軽々超えてくることがありますが、そのたびに丸が付き直してカウントがリセットされます。結果として、一方通行のトレンド中は三角がほとんど出ないという挙動になります。これは仕様として非常に賢いところです。
パラメーター設定を詳しく見る
RSIとレベル設定
| パラメーター | 初期値 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|---|
| RSI Length | 14 | 14(1分足なら7〜9も) | 短くすると反応が速くなり丸・三角の発生数が増える。長くすると滑らかになりシグナルは激減する |
| RSI Source | close | close | 計算に使う価格。ヒゲの影響を避けたい場合のみhl2などに変更 |
| Upper Extreme | 70.0 | 70(ボラが高い暗号資産では75も) | 売り準備の起動レベル。上げるほど起動しにくくなり、シグナル全体が厳選される |
| Lower Extreme | 30.0 | 30(同25も検討) | 買い準備の起動レベル。下げるほど本当の売られすぎだけを拾う |
| Upper Cooling Level | 65.0 | 60〜65 | 下げるほど深い押しを要求し、2回目までの間隔が長くなる。上げると小さな揺れでもカウントが進む |
| Lower Cooling Level | 35.0 | 35〜40 | 上げるほどしっかりした戻りを要求する |
冷却レベルはダマシ対策の要です。三角が多すぎると感じたら、まずUpper Cooling Levelを60まで下げてみてください。「一度しっかり押してから戻ってきた山」だけが残るので、質が明確に変わります。
2回目の山・谷に関する設定
| パラメーター | 初期値 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|---|
| Second Peak Re-Entry Minimum | 68.0 | 65〜68 | 2回目の山の最低ライン。下げるほど浅い戻りでも三角が出るようになりシグナルが増える |
| Second Bottom Re-Entry Maximum | 32.0 | 32〜35 | 2回目の谷の上限ライン。上げるほど条件が緩みシグナルが増える |
| Min Lower High / Higher Low Gap | 0.3 | 0.3〜1.0 | 1回目と2回目の最低限の差。大きくするほど「明確に切り下がった山」だけを採用する |
| Peak / Bottom Strength | 1 | 1(ノイズが多い銘柄は2) | 山・谷の判定の厳しさ。上げるほど本物の転換点だけを拾うが、三角の表示がその分だけ遅れる |
冷却の判定は、冷却レベルと再進入レベルのうち「厳しいほう」が適用される仕組みになっています。初期値のままなら実質65が基準です。冷却レベルだけを再進入レベルより上に設定しても条件が緩くならない点は、いじる前に知っておくと混乱しません。
エントリー確認ラインの設定
| パラメーター | 初期値 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|---|
| Use Price Entry Confirmation | オン | オン | オフにすると矢印もSL・1R・2Rも出ず、RSIの丸と三角だけのツールになる |
| Body Beyond Line % | 50.0 | 50(厳選したいなら70〜80) | 上げるほどラインを力強く抜けた足だけを採用し、矢印は減るが精度重視になる |
| Confirmation Line | Kijun | Kijun/ALMA/EMA | 13種類から選択。反応速度と滑らかさのバランスがトレードスタイルを決める |
| Line Length | 34 | 34(1分足なら20前後) | 短くするとラインが価格に密着して矢印が増え、長くすると抜けの判定が厳しくなる |
| Line Source | close | close | 移動平均系ラインの計算元。基準線タイプでは高値安値が使われるため影響しない |
| ALMA Offset | 0.85 | 0.85 | ALMA選択時のみ有効。1に近づけるほど直近価格を重視し反応が速くなる |
| ALMA Sigma | 6.0 | 6.0 | ALMAの滑らかさ。大きくするほどなだらかになる |
| Kalman Process Noise | 0.01 | 0.01 | Kalman選択時のみ有効。大きくするほど価格変化に速く追随する |
| Kalman Measurement Noise | 0.10 | 0.10 | 大きくするほどラインが強く平滑化される |
| Entry Search Window | 40 | 20〜40 | 三角から矢印までの猶予本数。短くすると「三角の直後に動いた場合」だけを拾う |
確認ラインの選択肢の多さは「RSI Bottom/Top Retest Scalper」の大きな個性です。EMA・SMA・WMAといった定番から、HMA・DEMA・TEMA・ZLEMA・KAMA・Kalman・ALMA、そして初期値の基準線タイプまで13種類。作者は「基準線34を5分足と15分足のスキャルで愛用しており、1分足では反応の速いALMAを短めに設定することが多い」と説明しています。
基準線タイプは一定期間の高値と安値の中央を取るため、価格が動かない時間帯は水平に張り付き、レンジの中心として機能します。この「横ばいでいてくれる」性質が、逆張りエントリーの基準としては相性が良いんですね。逆に細かく反応してほしいならZLEMAやKalman、ゆったり構えたいならSMAやRMAという棲み分けになります。
シグナル確認・表示・トレードの設定
| パラメーター | 初期値 | 推奨値 | 効果 |
|---|---|---|---|
| Reversal Confirmation Bars | 1 | 1〜2 | RSIが何本連続で反転方向に動けば三角を出すか。2にすると三角が遅れる代わりに転換の確度が上がる |
| Confirm Signals on Bar Close | オン | オン | 足の確定後にのみ判定する。オフにすると形成中の足でサインが点いたり消えたりする |
| Abort on Midline Cross | オフ | レンジ中心ならオン | RSIが50を跨いだ時点でセットアップを破棄。背景ハイライトが長く残るのが気になる人向け |
| Bearish Abort Level (RSI ≤) | 50.0 | 45〜50 | 売りセットアップを破棄するRSI水準 |
| Bullish Abort Level (RSI ≥) | 50.0 | 50〜55 | 買いセットアップを破棄するRSI水準 |
| Max Search Bars (0 = off) | 40 | 30〜40 | 1回目の極値から何本まで2回目を探すか。0で無制限になるが古いセットアップが残り続ける |
| Show Trade Markup (SL / 1R / 2R) | オン | オン | オフにすると矢印だけになりチャートがすっきりする |
| Trade Level Length | 18 | 10〜18 | SL・1R・2Rを右方向に伸ばす長さ。短くすると過去のライン群が重ならない |
| Signal Display | Both | Both | 丸と三角の表示切替。背景のみにして環境認識ツールとして使う運用も可能 |
| Icon Size | Normal | Normal | マーカーと矢印の大きさ。低時間足で密集するならSmall |
| Show Second Signal on Price Chart | オン | オン | 三角を価格チャート側にも出す。オフでRSIパネルのみ |
| Highlight From First Extreme | RSI Pane Only | RSI Pane Only | 背景ハイライトの範囲。RSI Pane + Chartにすると価格チャートも色付き、準備中が強く意識できる |

用途別のおすすめ設定
1分足でスキャルピングする場合
作者も言及しているとおり、時間足を下げるほどシグナルは増えますが、同時にノイズも増えます。1分足で使うならLine Lengthを20前後に短縮し、確認ラインをALMAやZLEMAなど反応の速いタイプに変えると、矢印のタイミングが遅れにくくなります。ただし攻撃的なスタイルになる分、損切りの管理はよりシビアになります。
5分〜15分足でデイトレードする場合
ここが「RSI Bottom/Top Retest Scalper」の本領です。初期値のまま(基準線34、実体50%)でバランスが取れており、まずはここから始めるのが素直です。シグナルが多いと感じたらBody Beyond Line %を70まで上げると、ラインを勢いよく抜けた足だけに絞られます。
ダマシを最優先で減らしたい場合
- Min Lower High / Higher Low Gapを1.0前後に上げ、切り下がりを明確化する
- Peak / Bottom Strengthを2にして、より確かな山・谷だけを採用する
- Reversal Confirmation Barsを2にして、転換を1本余分に確認する
3つ全部を同時にいじるとシグナルが激減して検証すらできなくなるので、1つずつ変えて表示の変化を見比べるのがコツです。
活用しやすい相場・苦手な相場
機能しやすい場面
- 上下幅のあるレンジ相場での往復狙い
- 急騰・急落のあとの息切れ局面
- トレンド中の押し目・戻りからの再開狙い
- ボラティリティが十分にある時間帯(欧州・米国時間など)
- 日足の重要な水平線に接近した場面
機能しにくい場面
- 一方通行で走り続ける強トレンド
- 値幅がなく確認ラインに価格が絡み続ける超低ボラ
- 指標発表直後の乱高下
- 週末の閑散とした暗号資産市場
実際にBitcoinの5分足で観察すると、価格が上下に振れながらも一定のレンジに収まっている時間帯では、丸→三角→矢印の流れが素直に機能し、1Rに到達する場面が目に見えて多くなります。一方で、大きなブレイクが起きて一方向に走り出すと、そもそも1回目のピークが次々更新されてカウントがリセットされ続けるため、矢印がほとんど出なくなります。「サインが出ない=入るべきでない相場」という読み方ができるのは、この設計の良いところです。

メリットとデメリット
メリット
- RSIの極値だけで飛びつく典型的な失敗を構造的に防げる
- オシレーターと価格、2系統の確認を経るためダマシが減る
- 損切りと1R・2Rが自動で描かれ、そのまま計画に使える
- エントリー価格が「次の足の始値」で現実的
- 確認ラインを13種類から選べ、銘柄と時間足に合わせられる
- 背景ハイライトで「準備中かどうか」が直感的に分かる
- 2回目シグナルと確定エントリーの両方でアラートを設定できる
デメリット
- 条件が厳しいぶんシグナル数は少なく、待ち時間が長い
- 山の確定に右側の足が必要で、三角が構造的に遅れる
- 矢印が出る頃には初動をある程度取り逃している
- 強トレンドでは逆張り方向に向かうため、逆行時の損失が伸びやすい
- 調整項目が多く、初心者は最適化に迷いやすい
- 成績を数値で確認する機能はないため、検証は目視が中心
注意点と、やってはいけない使い方
丸だけを見てエントリーしない
繰り返しになりますが、丸は「監視開始」の合図です。ここで入ってしまうと、このインジケーターを導入した意味がまるごと消えます。「RSI Bottom/Top Retest Scalper」の価値は、丸から矢印までの待ち時間そのものにあります。
再描画(リペイント)について
初期状態では足の確定後にのみ判定が行われるため、確定済みの足に出た丸・三角・矢印が後から消えることはありません。エントリー価格も次の足の始値を使っており、未来の値を先取りする作りにはなっていません。ただしConfirm Signals on Bar Closeをオフにすると、形成中の足でサインが点滅する状態になります。オフでの運用は推奨しません。
もう一点、混同しやすいのが「遅れ」と「再描画」の違いです。三角は山の頂点より数本あとに出ますが、これは後から書き換えているのではなく、山が確定するのを待っているだけ。過去チャートを眺めると「頂点で三角が出ている」ように見えて実際はもう少し遅い、という錯覚を起こしやすいので、検証するときはバーリプレイ機能を使って1本ずつ進めるのが確実です。
環境認識を省略しない
これは逆張り系すべてに言えることですが、上位足のトレンド方向に逆らう矢印は、素直に見送るか利確を早めるのが賢明です。「RSI Bottom/Top Retest Scalper」は自分より上の時間足を見ていないため、日足レベルの強い下落の中で出る買い矢印は、あくまで短い反発狙いと割り切る必要があります。
他のインジケーターとの組み合わせ
| 組み合わせ | 役割 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 上位足の移動平均線(200EMAなど) | 環境認識 | トレンドに逆らう矢印を除外し、順張り方向の押し目・戻りだけに絞れる |
| 水平線・前日高安 | 反発根拠の補強 | 矢印が重要価格帯で出たときだけ入るフィルターとして機能する |
| 出来高系インジケーター | 勢いの確認 | 薄商いの中の見せかけのライン抜けを避けられる |
| ATR系のボラティリティ指標 | 相場の温度感 | 値幅が乏しい時間帯を避け、1Rに届く可能性のある局面を選べる |
特に相性が良いのは水平線との併用です。矢印が出るだけで入るのではなく、「その矢印が意味のある価格帯で出ているか」を一手加えるだけで、体感の精度がかなり変わります。ゴールドや主要株価指数のように反応する価格帯がはっきりしている銘柄では、この組み合わせが効きやすい印象です。
アラート設定について
「RSI Bottom/Top Retest Scalper」には4種類のアラート条件が用意されています。
- 売り方向の2回目リテストシグナル
- 買い方向の2回目リテストシグナル
- ショートエントリー確定
- ロングエントリー確定
実用的なのは「2回目シグナル」でチャートを開き、「エントリー確定」で実際に発注に動くという二段構えの運用です。三角の段階で通知が来れば、そこから価格の確認を自分の目で追えるので、矢印を見逃さずに済みます。ずっと画面に張り付かなくていいのは、スキャル用途では大きな助けになります。
総合レビュー:どんな人に向いているか
「RSI Bottom/Top Retest Scalper」は、RSIの逆張りで痛い目に遭った経験がある人ほど価値が分かるインジケーターです。「1回目では入らない」というたった一つのルールを、極値・冷却・切り下がり・価格確認という4段階で徹底的に機械化しており、その結果として「入らない判断」を自動でやってくれるのが最大の魅力だと感じます。
加えて、損切りと1R・2Rが自動で引かれることで、シグナルが単なる矢印ではなく「リスクリワードを伴った1つのトレード案」として提示されます。この点は、サインだけを出して後は丸投げというタイプのツールとは明確に一線を画しています。
5分足〜15分足で反転狙いのスキャルピングやデイトレードを行い、損切りと利確の幅を明確に決めて取引したい人に向いています。逆に、1日に何回もエントリーしたい人や、トレンドフォローを主軸にしている人には、シグナルの少なさが物足りなく感じられるはずです。
導入するかどうかの判断基準はシンプルで、「RSIの逆張りをもう少しまともなルールでやりたい」と思っているなら、試す価値は十分にあります。まずは初期値のまま、普段見ている銘柄と時間足に入れて、丸から三角、三角から矢印までの流れを何回か目で追ってみてください。そこで「待たされる感覚」に納得できるなら、このインジケーターとは長く付き合えると思います。
